《完結》とんでもない侯爵に嫁がされた女流作家の伯爵令嬢

ヴァンドール

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8話

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 私は、やっと書き終えた作品を持って出版社へと向かった。
 いつも通り馬車の御者には先に帰ってもらい、ソラさんの待つ部屋へと着いた。
 出来上がった原稿を渡すと、ちょうどお茶を持ったきてくれた方が笑顔を向けてくれた。

「いよいよ完成したのですか? 楽しみですね」

 私は少し照れながら

「はい。ありがとうございます」

 そう言ってお茶を一口、いただいた。

 その後、ラミナさんも加わり、先日渡された小説の感想を伝え、わたしの侍女はその方の小説を全て読んでいることも言った。

「そうなのよ貴族、平民問わず大人気でね、ライバル社の人だけど大したものだと思うわ。この完成した作品も楽しみだわ。後でゆっくり拝読しますね」
 
 そう言われてから
 
「題名はもっとインパクトのあるものを皆で考えましょう」
 
「そうですね、取り敢えず読んでください。今回のものは少し実体験も織り交ぜてみたので、かなりリアルなものなんです」

 そう言って、出版社を後にした。

 その後、約束をしていたエマ先生のお屋敷へ向かった。エマ先生は私を見ると苦笑している。

「私が提案したとはいえ、その前髪はかなり鬱陶しくなくて?」
 
「確かに鬱陶しさは感じますがこれも身を守る為です。我慢します」
 
「年頃の女の子がお洒落もできないなんて悲しいわね、今度また舞踏会でも一緒に行きましょうね」
 
「確かに先日の王宮ではとても楽しかったです。それに次回作の参考の為にも是非お誘いください」

 そして、ひとこと付け加えた。

「年頃の女の子ではなく一応、形だけですが人妻です」
 
 するとエマ先生は笑顔でおっしゃった。

「あら、そういえばそうなのよね、すっかり忘れていたわ」
 
 そしてこんな生活いつまで続けるつもりなの? と聞かれたが、取り敢えず不便もないので、完全に小説家としてやっていける自信がつくまではと考えています。と答えた。

 そして私は笑顔で伝えた。
 
「思った以上に快適なんですよ。お陰で見てください、この手もすっかり元通りになりました」

 「確かに実家にいた頃に比べたら幸せなのかもしれないけれど、女性としての幸せはこのままでは一生やってこないわよ」

 と言われてしまった。
 だけど今は小説を書くことだけに没頭したい。

 いつか私にも愛せる人、愛してくれる人は現れるのかしらと考えたがやはり今はもう少しこの自由を満喫したい。そう伝えた。
 
「まあ、今は急ぐ必要はないのだから好きにやってみるといいわ」
 
 そして私は先生にいつも心配していただきありがとうございます。
 とお礼を言ってから、先程、届けた新作の題名を皆でインパクトのあるものにしようということになりましたので是非、先生にもお知恵をお貸しください。とお願いをしてから先生のお屋敷を後にした。

 最近、執筆ばかりで体がなまっていた私は、辻馬車が拾える所まで散歩がてら歩きながら向かった。
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