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鏡月 三葉が望んだもの(1)
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何が起きたのか。
怒りと叫び。
ナイフを持った姉が窓から消えた。
「おい、誰か呼べ!」
「守屋!!あとお父様にも…」
僕は目の前で起きた事態を理解できなかった。
「二葉…」
ゆっくりと窓に近づき下を見下ろす。
「なんで、僕は…」
血を流しながら倒れている姉の姿を僕はただ見下ろすしかなかった。
「三葉お兄様」
背後から声がした。
「三葉お兄様、大丈夫ですか?」
振り返るとそこには十和と九都が立っていた。
「今、救急車を呼んだそうです」
「あぁ…」
「僕たちはとりあえず部屋に戻った方がいいかも。守屋さんの指示を待ちましょう」
九都はここへ来たときから無口な僕にも優しくしてくれる。
血のつながりはないけど、いい弟だなと思う。こんな事が起きてみんなパニックになっているだろうに、冷静だ。
「ごめんなさい」
九都の隣に立っていた十和が口を開く。
「こんな事になってしまったのは私のせいです。以前から二葉お姉様には良く思われていなかったみたいですし…」
「いや、十和のせいじゃないよ。僕が悪いんだ…僕がもっと、ちゃんと話していれば…」
そうだ。
こうなってしまったのは僕が原因だ。
僕は、
「僕は、二葉に甘えてばかりだったから」
母親を亡くし、祖母も亡くし、
僕たち双子は居場所を失った。
二葉はどんな時でも僕のそばにいてくれた。
僕の性格を理解して僕が苦手なことは二葉が代わりにやってくれた。
いつも僕を助けてくれる二葉にずっと申し訳ないと思っていた。
僕も二葉の助けになりたい。
だから変わりたいと思った。
鏡月家に迎え入れられてからも僕はなかなか人と話せなかった。
いつも二葉がとなりにいてくれて、
なんとかコミュニケーションがとれていた。
あぁ、また二葉に頼ってしまった。
そんな風に思いながら過ごしていた。
そこへ十和がやってきた。
同じ趣味をもっていたことをきっかけによく話すようになった。
はじめは少し冷たい人という印象があったが、話していくうちにそうではないことが分かった。
十和は本をたくさん持っていて、色んな話をしてくれたし、僕の話しも聞いてくれた。
だから十和に二葉のことで相談に乗ってもらった。
でも、これがダメだったんだ。
十和と仲良くなるにつれて二葉の様子がおかしくなった。
僕に対する執着心のようなものを感じた。
十和にした相談のことを聞かれたが、
僕がこう思っていることはまだ伝えたくなかった。
変わることが出来たと思ったときに二葉に言うつもりだった。
その結果がこれだ。
「二葉に言わなかったんだ。僕も二葉の助けになりたいって」
「私に相談していたことですか」
「うん。正直に話していれば、こんなことにはならなかったのかな…」
こんな結果なんて望んでいなかった。
二葉が僕を守ってくれるように、僕も二葉を助けたかった。
ただそれだけなのに。
「僕は、本当に何も出来ないな…」
「……救急車、来たみたいですよ」
窓から外を見ると、救急車が停まっていた。
二葉が担架で運ばれていく。
「三葉様」
「…守屋。どうしたの」
「二葉様が今運ばれました。地面が柔らかかったようで、命に問題はないようです」
「本当に……二葉、生きてるの?」
「おそらく。怪我は大きいようですが」
この事態は僕が望んだものではなかった。
でも今はただ、唯一の家族が生きていることだけで十分だ。
二葉が目を覚ましたとき、ちゃんと伝えよう。
「十和。二葉がしたこと、代わりに謝る。あと、相談に乗ってくれてありがとう」
「いいえ。私は何も」
「…本の話し、楽しかった」
十和は僕にきっかけをくれた。
だから感謝している。
今度こそ、僕は変わるんだ。
怒りと叫び。
ナイフを持った姉が窓から消えた。
「おい、誰か呼べ!」
「守屋!!あとお父様にも…」
僕は目の前で起きた事態を理解できなかった。
「二葉…」
ゆっくりと窓に近づき下を見下ろす。
「なんで、僕は…」
血を流しながら倒れている姉の姿を僕はただ見下ろすしかなかった。
「三葉お兄様」
背後から声がした。
「三葉お兄様、大丈夫ですか?」
振り返るとそこには十和と九都が立っていた。
「今、救急車を呼んだそうです」
「あぁ…」
「僕たちはとりあえず部屋に戻った方がいいかも。守屋さんの指示を待ちましょう」
九都はここへ来たときから無口な僕にも優しくしてくれる。
血のつながりはないけど、いい弟だなと思う。こんな事が起きてみんなパニックになっているだろうに、冷静だ。
「ごめんなさい」
九都の隣に立っていた十和が口を開く。
「こんな事になってしまったのは私のせいです。以前から二葉お姉様には良く思われていなかったみたいですし…」
「いや、十和のせいじゃないよ。僕が悪いんだ…僕がもっと、ちゃんと話していれば…」
そうだ。
こうなってしまったのは僕が原因だ。
僕は、
「僕は、二葉に甘えてばかりだったから」
母親を亡くし、祖母も亡くし、
僕たち双子は居場所を失った。
二葉はどんな時でも僕のそばにいてくれた。
僕の性格を理解して僕が苦手なことは二葉が代わりにやってくれた。
いつも僕を助けてくれる二葉にずっと申し訳ないと思っていた。
僕も二葉の助けになりたい。
だから変わりたいと思った。
鏡月家に迎え入れられてからも僕はなかなか人と話せなかった。
いつも二葉がとなりにいてくれて、
なんとかコミュニケーションがとれていた。
あぁ、また二葉に頼ってしまった。
そんな風に思いながら過ごしていた。
そこへ十和がやってきた。
同じ趣味をもっていたことをきっかけによく話すようになった。
はじめは少し冷たい人という印象があったが、話していくうちにそうではないことが分かった。
十和は本をたくさん持っていて、色んな話をしてくれたし、僕の話しも聞いてくれた。
だから十和に二葉のことで相談に乗ってもらった。
でも、これがダメだったんだ。
十和と仲良くなるにつれて二葉の様子がおかしくなった。
僕に対する執着心のようなものを感じた。
十和にした相談のことを聞かれたが、
僕がこう思っていることはまだ伝えたくなかった。
変わることが出来たと思ったときに二葉に言うつもりだった。
その結果がこれだ。
「二葉に言わなかったんだ。僕も二葉の助けになりたいって」
「私に相談していたことですか」
「うん。正直に話していれば、こんなことにはならなかったのかな…」
こんな結果なんて望んでいなかった。
二葉が僕を守ってくれるように、僕も二葉を助けたかった。
ただそれだけなのに。
「僕は、本当に何も出来ないな…」
「……救急車、来たみたいですよ」
窓から外を見ると、救急車が停まっていた。
二葉が担架で運ばれていく。
「三葉様」
「…守屋。どうしたの」
「二葉様が今運ばれました。地面が柔らかかったようで、命に問題はないようです」
「本当に……二葉、生きてるの?」
「おそらく。怪我は大きいようですが」
この事態は僕が望んだものではなかった。
でも今はただ、唯一の家族が生きていることだけで十分だ。
二葉が目を覚ましたとき、ちゃんと伝えよう。
「十和。二葉がしたこと、代わりに謝る。あと、相談に乗ってくれてありがとう」
「いいえ。私は何も」
「…本の話し、楽しかった」
十和は僕にきっかけをくれた。
だから感謝している。
今度こそ、僕は変わるんだ。
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