十番目の愛

夜宮 咲

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女王様のお遊び

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今日は午前で学校が終わり、

いつも通り九都と一緒に屋敷へ帰ってきた。

「お帰りなさいませ」

玄関で待ち構えていたメイドが頭を下げる。

この屋敷には守屋の他に四人の使用人がいる。

「ただいま。今日は守屋じゃないんだね」

「守屋さんは庭園の手入れをしておりましたので、今日は私が」


今、九都と話しているメイドは切島 理央(きりしま りお)。

真面目でしっかり者。メイド長である。

切島の他に宮本 夢乃(みやもと ゆめの)と川村 乙女(かわむら おとめ)という若いメイドもいる。

そして、守屋と同じ執事であり零の秘書も務めている黒田 正道(くろだ まさみち)も使用人の一人である。

「今、お茶を淹れますので」

「ありがとう切島」

九都と私は一旦各自の部屋に戻り、荷物を置いて着替えてからリビングへ行った。

「どうぞ」

切島がティーカップに注いだお茶を二人の前に置く。

「うん、美味しいよ。ありがとう」

「いいえ。十和様はいかがですか?」

「美味しいわ」

「良かった。切島はそのお言葉を聞けて満足です」

そう言って切島は微笑んだ。


「ただいまーっ!」


大きな声が屋敷に響く。


「ん?守屋いないの?」


リビングにズカズカと入ってくる。

金髪の長いポニーテール、お洒落に施されたネイルが目立つ。


「お帰りなさいませ、四菜様」


切島は急いで駆け寄り四菜が持っている荷物を受けとる。


「なに、切島しかいないの?」

「守屋さんは庭園にいらっしゃいまして、今日は私が出迎えを…」

「ふーん、他は?黒田はお父様と一緒でしょ?あと二人は?」

「屋敷内の掃除と買い出しに行かせております」

「ふーん…」


クリクリとした猫目と目が合う。


「九都と十和じゃーん!なに、今日学校は?」


ニコニコしながらこちらに向かってきて、問いかける。


「午前中だけだったからいつもより早く帰ってきたんだ」

「あー、そうなんだ?四菜もなんか飲みたーい!」


切島がカチャカチャとティーカップを用意する。

四菜は九都と私の目の前に座った。


「あんたらと一緒に話すの珍しいよね。そもそもあんたら会話に参加しないし」

「そうですね~。僕らはだいたい離れて座ってるから…」

「確かにあんたら二人いつも一緒だよね。二葉姉様と三葉兄様みたい!…姉様と兄様はもう出て行っていないんだけど~」


四菜は自分の爪に視線を落としながら言った。


「お姉様の爪、とても綺麗ですね」

「わかる?これ、自分でやったの」

「器用ですね」

「お洒落でしょ~?学校でもみんなが褒めてくれたんだから!十和にもあたしがやってあげるよ?」

「嬉しいです。…でも校則があるので、今はやめておきます」

「それは仕方ないね~、残念」

再び自分の爪を見ながら談笑する。

しばらく三人で話していると、

四菜の携帯が鳴った。

携帯を確認した四菜はすぐ立ち上がった。


「あたし部屋戻るわー」

「もうですか?」

「友達から連絡きたからさ~。また今度話そっ」


そう言って四菜はリビングから出て行った。


「僕、四菜お姉様とこんなに話しをしたのは初めてかも。四菜お姉様ってちょっとギャルっぽくてなかなか話しかづらかったんだよね」

「誰にでも優しい九都がそんなこと言うなんて珍しいね」

「僕だって苦手と思うことはあるよ~。でも話してみると良い人だったね」

「そうね。まぁ、まだ分からないけど…」

「分からないって、何が?」

「私もちゃんと話したのは今日が初めてだから、まだお姉様のことよく知れてないかなって思っただけ」

「確かに。今度は僕たちの方から声をかけてみようか」

「そうね」


二人でお茶を楽しんだ後、それぞれ部屋へ戻った。











「あ、もしもし?」


屋敷から出た四菜は友達に電話をしていた。


「ごめんごめん。弟と妹と話しててさ~……うん、うん、オッケー!今、家出たばっかだからさ…うん、すぐ行くね~」


電話を切ってポッケにしまう。


「さーってと!今日は何して遊ぼうかなー…」


両手を上にかかげてジッと眺める。

しばらく眺めてから満足し手を下ろす。

楽しいという感情をむねに友達のもとへ走り出した。









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