十番目の愛

夜宮 咲

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鏡月 七緒は一番可愛い(7)

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久しぶりのオフ。

週末までだから久しぶりにゆっくりでき

そう。

新作発表会に向けていつも通り美容には

力をいれて、エステとかにも行きたい

な。あと、ちょっとだけ運動して体をス

タイルもよくしたいな…ジムとか行って

みようかな。

そんなことを考えながら部屋でゆっくり

過ごしていると、携帯が鳴った。

画面にはマネージャーと表示されてい

る。

「もしもし?」

「あ、七緒!急にごめんね?実は昨日言い忘れていた仕事があって」

「仕事?」

「まぁ仕事って言っても街角インタビューのリポーターをやってほしいって依頼を受けたんだけど、昼間に放送してる番組で尺も短いらしいから別の子にやらせてもいいんだけど……昨日この事を伝えるの忘れてたから電話したの。七緒は週末までオフだし、最近忙しくてまともな休みなかったでしょ?だから全然断ってくれても大丈夫よ」


インタビュー…。

新作発表会のために週末までのオフ日は

ゆっくり休みつつ色々やりたい事をする

つもりだったからな…。

でも昼間ってあんまり視聴率なさそうだ

し、尺も短いなら私じゃなくてもいいわ

よね…。


「新作発表会に力を入れたいから、週末まではできれば仕事は入れたくないわ。悪いけど、その依頼は断っておいて」

「わかった。ごめんね、せっかくの休みに」

「ううん、わざわざありがとう」


マネージャーとの通話を終えた私はその

ままネットでエステの予約を入れた。

ついでに私が好きな店のサイトで新作を

確認する。


「あ、これ可愛い!絶対私に似合うわ。
これと、これも……あとこれもいい」


欲しい物を次々とタップすると、結構な

買い物になっていた。

まぁ稼ぎはあるし、欲しい物はすぐに手

に入れないと後で後悔するかもしれない

し……それに、こういう物が欲しくても

買えない子達だっているんだから、

お金がある人が買ってあげないと、

お店も困るでしょ?


「七緒様~っ、川村です」

「入っていいわよ」

「失礼します!七緒様宛てに荷物が届いていたのでお持ちしました」

「何かしら…」


川村は白いダンボール箱を床に下ろし、

私の代わりにカッターを使って箱を開け

てくれた。

一番上には小さな手紙が添えてあり、

その下には可愛い化粧品が入っていた。


「可愛いぃ~っ!!これ、すごく高い物ですよね?」

「あぁ、前に仕事をしたから…」


以前、仕事で一緒になってその時によく

使っている化粧品だって言ったから、

わざわざ贈ってくれたのかもしれない。

モデルをやっているとたまにこういう風

に商品をいただけることがある。

しかもどれもブランド品。

おかげで私の持ち物はブランド品でいっ

ぱい。これぞカリスマって感じ。


「七緒様って改めて感じましたけど、すごいモデルさんなんですね~っ…私もたまにはお洒落とかしたいです」

「あら、すればいいじゃない。使用人だって休みはあるでしょ?」

「休みといってもほとんど屋敷で過ごしてますし、お洒落してどこかへ出かける機会もないので……」

「でも、化粧ぐらいはしてもいいじゃない。川村も女の子なんだから」

「使用人の朝は早いですからねぇ~時間がなくて簡単に済ませちゃうんですよぉ。それに、化粧品もあまり持ってなくて……だから、七緒様が持っている物が全部可愛くていいなぁ~って思っちゃいます」


まぁ、確かに使用人は毎日同じ服だし、

ずっと屋敷にいることが多いからお洒落

をする必要はないか。

でも川村は私とあんまり年齢差はないし

、若いからもっとお洒落とかしたいだろ

うな。

顔は普通だけど別にブスじゃないし…。


「そうねぇ…化粧品、私のあげるわ」

「えっ!!いいんですか!?」

「私が持っている物でよければ。でも、私が持っている物ってほとんどブランド品だから、川村に似合うかわからないけど」

「いえ、その私あんまり詳しくないので、七緒様に選んでいただいた方が嬉しいっていうか」

「うーん………あぁ、このリップとかいいんじゃない?薄づきで仕事中も目立たないし、あなたにも合うかも。そのリップ、ちょっと私には地味だったのよね」

「ありがとうございますっ!大事に使いますねっ」


川村はニコッと笑うとやりかけの仕事が

あると言って部屋を出て行った。

川村は使用人の中でもとくに接すること

が多いと思う。

明るくて親切だし、私のなかではわりと

好印象。さっきも化粧品をあげてあんな

に喜んでくれた。

あんなに喜ばれると私もあげた甲斐があ

るし、普通に嬉しい。

なんだかいい事をした気分だ。


「そろそろ家を出ないと…守屋に途中まで車を出してもらおうかしら」


予約したエステに行くために準備をす

る。今日はナチュラルメイクをして、

リップもほんのりピンクのものを口に塗

る。フードがついた白いショートトップ

スに少しダボっとした黒いパンツ。

お腹を出すことでスタイルがよく見え

る。頭には白いキャップ、ブランドのロ

ゴがはいった小さめのカバンを手に持っ

つ。玄関の広い靴箱から厚底のスニーカ

ーを取り出しせ履けば完了。

オフでもやっぱりコーデには気を遣う。

だって、私はカリスマモデルですもの。

仕事じゃなくても意識はしないと。


「守屋ーっ!車を出してちょうだい」

「かしこまりました」


奥から守屋が現れて車を出す準備にとり

かかる。

屋敷の前に止まる高級車に乗り込み、

私は自分磨きに行ったのであった。

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