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奴隷商人と皇太子
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目を覚ますと「おはよう」と声と共に見覚えのない物が首に掛かっていることに気付いた。
銀色のチェーンに十字架のネックレス。
「何これ?」
指先で触れてまじまじと見てしまう。シンプルなのにカッコいいと思った。
「プレゼント。」
「プレゼント?」
「そう。ルーカス誕生日おめでとう。」
「何で知ってんの?」
「子ども達に聞いたから。」
「そっか。ありがとう。」
正直、何かを貰うことに慣れていないので、どう反応したら良いのか分からない。しかも、こんな高価そうな物は初めてだ。いつもお花や豪華な食事をプレゼントしてくれてたのが懐かしいと思った。
弄るようにネックレスを触っていると、柔らかい声が耳に届く。
「気に入ってくれた?」
「うん、嬉しい。これ、俺とリアムをイメージしてる?」
側面に黒色と金色の宝石が2つ嵌め込まれているので、それを指さすと頷かれる。
「俺も20歳になったのか。」
「2歳差になったな。」
「そうだね。」
リアムは早生まれであるため、今年の誕生はもう終えている。だから、暫くは3歳差ではなく2歳差の時間を過ごせるわけだ。歳が近付いただけで、何だか嬉しい気持ちになる。
「でも、今日は大変な1日になると思うぞ?」
苦笑を溢される。
「何で?」
「そりゃー、色んな人達が誕生日祝いに駆けつけてくるからだろ。」
「俺、ノアと兄ちゃん以外に誕生日教えた記憶ないよ?」
当然のごとくその2人は知っていた。幼い頃からの中であるから。
「俺やセス、あとノアで他にもバレバレなんだよ。誕生日を教えろって聞いてくる奴らばっかだったから。」
「そうなんだ。」
自分に興味を持ってくれてる人がいる。それを知れただけでも良かったと思えた日だった。
ベッドから身体を起こして、服を着替えようとすると見覚えのない物が机の上に用意されていた。手に取ってみると、赤色を主要とし、黒色で装飾されていた。
「今日はそれを着てくれ。」
肩に重みを感じると同時に胸の前にリアムの腕が映る。
「なんか、豪華だ…」
煌びやかな服に思わず顔が引き攣ってしまう。
「それでも、主役衣装としては抑えて貰った方なんだ。父さんと母さんがこれ以上は嫌だって聞かなかったんだよ。」
「皇帝陛下と皇后陛下も考えてくれたの?」
「そう。ちなみに俺もお揃いの服。」
「え?」
驚いて視線を横に向けると、彼は目を細めて視線を一箇所に向ける。そちらに顔を向けると確かに赤色を中心に使った服が見える。
リアムは基本落ち着いた色合いのものを着るため、珍しいと思った。
「それじゃ、着替えたら行こう。」
「うん。」
温もりが離れると、俺は手にしていた服装に着替えた。普通ならこんな色合いの服は売っていない。黒色も赤色も珍しく、どちらかというと嫌われている色であるからだ。
着替え終わって背後を見ると既にリアムも身に纏っており、青い瞳と視線が交わう。
「似合うね。」
「ありがとう。リアムも似合ってる。」
「ありがとう。」
リアムは照れたように金髪をかきあげる。彼が自分と同じ格好をしているのは不思議で、でも俺のものと言っているようで恥ずかしい気持ちにもなった。
「ルーカス。」
差し出された手に片手を添えると、ぎゅっと握り締められる。リアムに腕を引かれながら部屋を出るといつもの朝食会場ではなく、別の部屋に連れて行かれる。
疑問に抱きながらも大人しく扉を潜ると目を疑うような光景が目に入る。
「ルーカス!」
「ルーカスちゃん、おめでとう!」
「20歳おめでとう!」
会場には自分達と同じくお揃いの色合いを身に付けた者達があふれていた。仲の良いメンバーだけでなく、メイドや執事達までもだ。
「ルーカス!」
「ノア?!」
走り寄ってきた幼馴染が抱き締めてくる。グレイがかった白髪をかきあげてセットしており、緑色の瞳は嬉しそうに目尻を下げていた。
「誕生日おめでとう!」
「あ、りがとう。」
ノアはポンチョみたいにゆったりとした格好をしており、彼によく似合っていた。
「俺が飯を作ったからな!」
「本当に?!」
「おう!」
それを聞いて嬉しかった。誕生日はいつもノアと叔母さん、あと子ども達が手伝って毎年のように作ってくれていたから。
「おめでとうございます。」
「おめでと!」
傍にウィル、カールが近寄って来てお祝いの言葉を伝えてくれる。
「ありがとう!」
つい泣きそうになった。自分が生まれたことをこれほどお祝いしてくれる人がいることを知って、幸せ過ぎて泣きたくなった。
銀色のチェーンに十字架のネックレス。
「何これ?」
指先で触れてまじまじと見てしまう。シンプルなのにカッコいいと思った。
「プレゼント。」
「プレゼント?」
「そう。ルーカス誕生日おめでとう。」
「何で知ってんの?」
「子ども達に聞いたから。」
「そっか。ありがとう。」
正直、何かを貰うことに慣れていないので、どう反応したら良いのか分からない。しかも、こんな高価そうな物は初めてだ。いつもお花や豪華な食事をプレゼントしてくれてたのが懐かしいと思った。
弄るようにネックレスを触っていると、柔らかい声が耳に届く。
「気に入ってくれた?」
「うん、嬉しい。これ、俺とリアムをイメージしてる?」
側面に黒色と金色の宝石が2つ嵌め込まれているので、それを指さすと頷かれる。
「俺も20歳になったのか。」
「2歳差になったな。」
「そうだね。」
リアムは早生まれであるため、今年の誕生はもう終えている。だから、暫くは3歳差ではなく2歳差の時間を過ごせるわけだ。歳が近付いただけで、何だか嬉しい気持ちになる。
「でも、今日は大変な1日になると思うぞ?」
苦笑を溢される。
「何で?」
「そりゃー、色んな人達が誕生日祝いに駆けつけてくるからだろ。」
「俺、ノアと兄ちゃん以外に誕生日教えた記憶ないよ?」
当然のごとくその2人は知っていた。幼い頃からの中であるから。
「俺やセス、あとノアで他にもバレバレなんだよ。誕生日を教えろって聞いてくる奴らばっかだったから。」
「そうなんだ。」
自分に興味を持ってくれてる人がいる。それを知れただけでも良かったと思えた日だった。
ベッドから身体を起こして、服を着替えようとすると見覚えのない物が机の上に用意されていた。手に取ってみると、赤色を主要とし、黒色で装飾されていた。
「今日はそれを着てくれ。」
肩に重みを感じると同時に胸の前にリアムの腕が映る。
「なんか、豪華だ…」
煌びやかな服に思わず顔が引き攣ってしまう。
「それでも、主役衣装としては抑えて貰った方なんだ。父さんと母さんがこれ以上は嫌だって聞かなかったんだよ。」
「皇帝陛下と皇后陛下も考えてくれたの?」
「そう。ちなみに俺もお揃いの服。」
「え?」
驚いて視線を横に向けると、彼は目を細めて視線を一箇所に向ける。そちらに顔を向けると確かに赤色を中心に使った服が見える。
リアムは基本落ち着いた色合いのものを着るため、珍しいと思った。
「それじゃ、着替えたら行こう。」
「うん。」
温もりが離れると、俺は手にしていた服装に着替えた。普通ならこんな色合いの服は売っていない。黒色も赤色も珍しく、どちらかというと嫌われている色であるからだ。
着替え終わって背後を見ると既にリアムも身に纏っており、青い瞳と視線が交わう。
「似合うね。」
「ありがとう。リアムも似合ってる。」
「ありがとう。」
リアムは照れたように金髪をかきあげる。彼が自分と同じ格好をしているのは不思議で、でも俺のものと言っているようで恥ずかしい気持ちにもなった。
「ルーカス。」
差し出された手に片手を添えると、ぎゅっと握り締められる。リアムに腕を引かれながら部屋を出るといつもの朝食会場ではなく、別の部屋に連れて行かれる。
疑問に抱きながらも大人しく扉を潜ると目を疑うような光景が目に入る。
「ルーカス!」
「ルーカスちゃん、おめでとう!」
「20歳おめでとう!」
会場には自分達と同じくお揃いの色合いを身に付けた者達があふれていた。仲の良いメンバーだけでなく、メイドや執事達までもだ。
「ルーカス!」
「ノア?!」
走り寄ってきた幼馴染が抱き締めてくる。グレイがかった白髪をかきあげてセットしており、緑色の瞳は嬉しそうに目尻を下げていた。
「誕生日おめでとう!」
「あ、りがとう。」
ノアはポンチョみたいにゆったりとした格好をしており、彼によく似合っていた。
「俺が飯を作ったからな!」
「本当に?!」
「おう!」
それを聞いて嬉しかった。誕生日はいつもノアと叔母さん、あと子ども達が手伝って毎年のように作ってくれていたから。
「おめでとうございます。」
「おめでと!」
傍にウィル、カールが近寄って来てお祝いの言葉を伝えてくれる。
「ありがとう!」
つい泣きそうになった。自分が生まれたことをこれほどお祝いしてくれる人がいることを知って、幸せ過ぎて泣きたくなった。
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