5 / 93
5、初めての経験
しおりを挟む
二人で川べりを歩いていると、釣りをしている人が目に入った。大きな岩に腰かけ、釣竿を川に向けている。
クリスティーナが近付いて、そばにあったバケツをのぞくと、クリスティーナの手の平よりもっと大きい魚が銀色の鱗を煌めかせ泳いでいた。
「わあ」
初めて間近で見る生きた大きさの魚にクリスティーナが歓声をあげると、釣人がクリスティーナに目をやった。
「どうじゃ、立派じゃろう」
白い髭を鼻の下に蓄えた老人は手元を動かさず、目を細めた。
(随分、可愛らしいお客さんが来てくれたものじゃ)
孫と対して歳は変わらなさそうだと思っていると、竿先が反応した。素早く釣竿を引っ張れば、予想通り釣り針に魚がかかっていた。
突然、水面から姿を現した魚にクリスティーナもアレクシスも目を丸くした。
老人は横においてあるたも網を掴むと魚をその中にいれ、器用に釣り針を外してバケツの中に魚を放り込んだ。
クリスティーナにとって、釣りをこんなに近くで見ることも、そして魚が釣り上げられる光景も初めてのことで、感激してしまった。
老人は釣り針に餌を取り付けると、再び釣り糸を川に垂らした。
(もう一回、魚を釣れるところを見たいな!)
アレクシスをちらりと見ると、アレクシスもここから離れる気配はないようで、老人を挟んで二人して釣り糸の先を見つめた。
老人が再び魚を釣り上げたとき、どうして魚が餌に食いついたのが知れたのか、クリスティーナには全くわからなかった。
老人が隣にいるクリスティーナにたも網を寄こしてきた。
「良ければ、今度は坊やが魚を掬ってみるかい」
またとない申し出にクリスティーナは喜んで受け取ると、暴れ回る魚をなんとか網に入れた。眼の前まで手繰り寄せるが、網の中で暴れる魚に、戦々恐々して手が出せない。
たも網を掴んだまま固まってしまったクリスティーナに老人が笑い声をあげた。
「怖いのかい。大丈夫。魚は噛みつかないよ」
老人はクリスティーナからたも網を預かると、網から魚を取り出し、喉から釣り針をすっと抜いた。ぼちゃんと音をあげて、魚がバケツの中で跳ねあがる。クリスティーナの胸はまだドキドキしていた。
その後も老人の隣に佇んだ二人は、3回目の釣り上がる魚を見た。今度もじっと見ていたが、やはりクリスティーナには魚が餌にかかった瞬間を見極められなかった。
「今度はそっちの坊やがやってみるかい」
老人はアレクシスにたも網を渡そうとした。
アレクシスはむすっと眉を寄せる。
「坊やという歳じゃない」
「すまない、すまない。わしくらいの年になると、お前さん方みたいな年の頃の子はみんな、可愛く思えてきてしまってな。決して悪気があったわけじゃない。許しておくれ」
老人が素直に謝れば、アレクシスも眉根を解いた。たも網を受け取り、引き寄せた魚を掬う。アレクシスはクリスティーナと違い、怖がる様子もなく、魚に手を伸ばした。魚がどんな感触か知りたかったのだ。
思ったより柔らかくて、でも所々ちくちくして、アレクシスは初めての感触を味わった。魚が逃げ出さないよう慎重に両の手の平で包みこむ。
「どれ、そうして持っていてごらん。釣り針を抜くから」
老人が魚に手を伸ばすのをアレクシスは慌てて止める。
「待って。それ、俺がやりたい。さっき見てるから、やり方はわかる」
「じゃあ代わりに、わしが魚を持っていてやろう。初めてだろうだから、暴れないように持っているよ」
老人の言葉に素直に従い、アレクシスは、魚を手渡した。眼の前に掲げてもらった魚から、針をじっと見て、すっと抜き取った。上手くいった。
老人が関心したように両の眉をあげた。
「上手い、上手い。お前さんはよく見ているし、飲み込みが早いようだね」
「まあね」
アレクシスはあっさりとした返事をしただけだった。教師から褒められることはよくあることだったから、アレクシスの反応はどうしても薄くなってしまう。
それに対して、正反対なのはクリスティーナだ。
「すごいね! わ、僕なんか触れもしなかったのに」
アレクシスをきらきらした目で見つめ、クリスティーナは次に老人を振り返った。
「おじいさんも不思議! どうして、見えないのに魚が引っかかったのがわかったの」
「わしが見ているのは川の中じゃなくて、竿の先なんだよ」
「竿の先?」
「そう。魚が食いつくと、わずかに揺れるから、それでわかるんだよ」
「そうなんだ。全然気付かなかった。てっきりおじいさんは魔法を使ってるのかなって思いそうになったくらい」
隣にいたアレクシスはクリスティーナの発言に目を丸くした。老人がからからと笑う。
「魔法か、それはいい。それじゃあ、わしは魔法使いかな。それならお前さん方は、このわしへ豊穣の神から遣わされた天使かな」
老人は空を見上げた。
「さて、もうこんな時間か。わしはもう行くよ。お前さん方も暗くならないうちに帰んなさい」
別れの挨拶を交わして、クリスティーナとアレクシスは老人の背を見送った。
見れば家を出たときに頭上にあった太陽は、すっかり西のほうに傾いていた。思ったより長い時間、ここで過ごしていたようだ。
(いけない。帰らないと。ペギーがとんでもなく心配してるはずだわ)
クリスティーナはアレクシスと向き直った。
今日は最高の一日だった。最初で最後の冒険にしては、上出来で有意義に過ごせたことにクリスティーナは満足した。それと同時に、もう二度と味わえない素晴らしかった時間に一抹の寂しさを覚えて、クリスティーナはアレクシスに別れの挨拶をしようとした。けれど、アレクシスが先に口を開いた。
「なあ、一週間後も同じ時間に会えないか」
アレクシスは何気なく誘ったつもりだったようだが、クリスティーナが大きく目を見開いて凝視してくるのを見て、たじろいだ。
「いやなら、別にいい――」
「行くっ!」
クリスティーナはアレクシスの言葉を遮って、気付けば口が勝手に返事をしていた。思いがけない提案に、一瞬思考が停止したようだ。
アレクシスはクリスティーナの返事を聞くと、嬉しそうに笑った。
「そうか。それじゃまた、ここで会おう。約束だな」
「うんっ。必ず行くね」
クリスティーナも嬉しそうに口元をほころばせた。
「それじゃあ」
アレクシスは別れの挨拶を口にすると、クリスティーナに背を向けて、来た道へと向けて駆けていった。クリスティーナは別れを惜しんで、その背が見えなくなるまで見送ったのだった。
家に帰って門扉をくぐると、隠してあったワンピースを手に取り、茂みに隠れて急いで着替える。兄の服や靴もワンピースと同じ隠し場所に取り敢えず、隠した。
(あとで取りに来ればいいよね)
クリスティーナが家のベルを鳴らせば、予想通りペギーが勢いよく、扉を開けて飛び出してきた。
「クリスティーナ様!! 一体どこにいらっしゃったのですか! 家中、探し回ったんですよ! 全くどれほど心配したか」
ペギーはクリスティーナの肩を掴んで、どこにも怪我がないことを確かめると、ほっと息を吐いた。しかし安心したのも束の間、今度は眉を怒らせて、クリスティーナを睨みつける。
「本当にどこにいらっしゃったのか。せっかく踊りの先生をお迎えしたというのに、肝心のクリスティーナ様がいらっしゃらないのですもの。とんだ恥をかいてしまいました。お願いしたのはこちらですから、平謝りですよ、全くもう。また同じ曜日に約束していますからね、クリスティーナ様も次回は一緒に頭を下げるんですよ」
(その日はアレクシスと約束してるから、また会えないわ。ごめんね、ペギー)
クリスティーナは内心で謝った。
その日一日、ペギーの怒りはおさまることがなく、クリスティーナは寝台に入るまでお小言を聞き続けた。
クリスティーナが近付いて、そばにあったバケツをのぞくと、クリスティーナの手の平よりもっと大きい魚が銀色の鱗を煌めかせ泳いでいた。
「わあ」
初めて間近で見る生きた大きさの魚にクリスティーナが歓声をあげると、釣人がクリスティーナに目をやった。
「どうじゃ、立派じゃろう」
白い髭を鼻の下に蓄えた老人は手元を動かさず、目を細めた。
(随分、可愛らしいお客さんが来てくれたものじゃ)
孫と対して歳は変わらなさそうだと思っていると、竿先が反応した。素早く釣竿を引っ張れば、予想通り釣り針に魚がかかっていた。
突然、水面から姿を現した魚にクリスティーナもアレクシスも目を丸くした。
老人は横においてあるたも網を掴むと魚をその中にいれ、器用に釣り針を外してバケツの中に魚を放り込んだ。
クリスティーナにとって、釣りをこんなに近くで見ることも、そして魚が釣り上げられる光景も初めてのことで、感激してしまった。
老人は釣り針に餌を取り付けると、再び釣り糸を川に垂らした。
(もう一回、魚を釣れるところを見たいな!)
アレクシスをちらりと見ると、アレクシスもここから離れる気配はないようで、老人を挟んで二人して釣り糸の先を見つめた。
老人が再び魚を釣り上げたとき、どうして魚が餌に食いついたのが知れたのか、クリスティーナには全くわからなかった。
老人が隣にいるクリスティーナにたも網を寄こしてきた。
「良ければ、今度は坊やが魚を掬ってみるかい」
またとない申し出にクリスティーナは喜んで受け取ると、暴れ回る魚をなんとか網に入れた。眼の前まで手繰り寄せるが、網の中で暴れる魚に、戦々恐々して手が出せない。
たも網を掴んだまま固まってしまったクリスティーナに老人が笑い声をあげた。
「怖いのかい。大丈夫。魚は噛みつかないよ」
老人はクリスティーナからたも網を預かると、網から魚を取り出し、喉から釣り針をすっと抜いた。ぼちゃんと音をあげて、魚がバケツの中で跳ねあがる。クリスティーナの胸はまだドキドキしていた。
その後も老人の隣に佇んだ二人は、3回目の釣り上がる魚を見た。今度もじっと見ていたが、やはりクリスティーナには魚が餌にかかった瞬間を見極められなかった。
「今度はそっちの坊やがやってみるかい」
老人はアレクシスにたも網を渡そうとした。
アレクシスはむすっと眉を寄せる。
「坊やという歳じゃない」
「すまない、すまない。わしくらいの年になると、お前さん方みたいな年の頃の子はみんな、可愛く思えてきてしまってな。決して悪気があったわけじゃない。許しておくれ」
老人が素直に謝れば、アレクシスも眉根を解いた。たも網を受け取り、引き寄せた魚を掬う。アレクシスはクリスティーナと違い、怖がる様子もなく、魚に手を伸ばした。魚がどんな感触か知りたかったのだ。
思ったより柔らかくて、でも所々ちくちくして、アレクシスは初めての感触を味わった。魚が逃げ出さないよう慎重に両の手の平で包みこむ。
「どれ、そうして持っていてごらん。釣り針を抜くから」
老人が魚に手を伸ばすのをアレクシスは慌てて止める。
「待って。それ、俺がやりたい。さっき見てるから、やり方はわかる」
「じゃあ代わりに、わしが魚を持っていてやろう。初めてだろうだから、暴れないように持っているよ」
老人の言葉に素直に従い、アレクシスは、魚を手渡した。眼の前に掲げてもらった魚から、針をじっと見て、すっと抜き取った。上手くいった。
老人が関心したように両の眉をあげた。
「上手い、上手い。お前さんはよく見ているし、飲み込みが早いようだね」
「まあね」
アレクシスはあっさりとした返事をしただけだった。教師から褒められることはよくあることだったから、アレクシスの反応はどうしても薄くなってしまう。
それに対して、正反対なのはクリスティーナだ。
「すごいね! わ、僕なんか触れもしなかったのに」
アレクシスをきらきらした目で見つめ、クリスティーナは次に老人を振り返った。
「おじいさんも不思議! どうして、見えないのに魚が引っかかったのがわかったの」
「わしが見ているのは川の中じゃなくて、竿の先なんだよ」
「竿の先?」
「そう。魚が食いつくと、わずかに揺れるから、それでわかるんだよ」
「そうなんだ。全然気付かなかった。てっきりおじいさんは魔法を使ってるのかなって思いそうになったくらい」
隣にいたアレクシスはクリスティーナの発言に目を丸くした。老人がからからと笑う。
「魔法か、それはいい。それじゃあ、わしは魔法使いかな。それならお前さん方は、このわしへ豊穣の神から遣わされた天使かな」
老人は空を見上げた。
「さて、もうこんな時間か。わしはもう行くよ。お前さん方も暗くならないうちに帰んなさい」
別れの挨拶を交わして、クリスティーナとアレクシスは老人の背を見送った。
見れば家を出たときに頭上にあった太陽は、すっかり西のほうに傾いていた。思ったより長い時間、ここで過ごしていたようだ。
(いけない。帰らないと。ペギーがとんでもなく心配してるはずだわ)
クリスティーナはアレクシスと向き直った。
今日は最高の一日だった。最初で最後の冒険にしては、上出来で有意義に過ごせたことにクリスティーナは満足した。それと同時に、もう二度と味わえない素晴らしかった時間に一抹の寂しさを覚えて、クリスティーナはアレクシスに別れの挨拶をしようとした。けれど、アレクシスが先に口を開いた。
「なあ、一週間後も同じ時間に会えないか」
アレクシスは何気なく誘ったつもりだったようだが、クリスティーナが大きく目を見開いて凝視してくるのを見て、たじろいだ。
「いやなら、別にいい――」
「行くっ!」
クリスティーナはアレクシスの言葉を遮って、気付けば口が勝手に返事をしていた。思いがけない提案に、一瞬思考が停止したようだ。
アレクシスはクリスティーナの返事を聞くと、嬉しそうに笑った。
「そうか。それじゃまた、ここで会おう。約束だな」
「うんっ。必ず行くね」
クリスティーナも嬉しそうに口元をほころばせた。
「それじゃあ」
アレクシスは別れの挨拶を口にすると、クリスティーナに背を向けて、来た道へと向けて駆けていった。クリスティーナは別れを惜しんで、その背が見えなくなるまで見送ったのだった。
家に帰って門扉をくぐると、隠してあったワンピースを手に取り、茂みに隠れて急いで着替える。兄の服や靴もワンピースと同じ隠し場所に取り敢えず、隠した。
(あとで取りに来ればいいよね)
クリスティーナが家のベルを鳴らせば、予想通りペギーが勢いよく、扉を開けて飛び出してきた。
「クリスティーナ様!! 一体どこにいらっしゃったのですか! 家中、探し回ったんですよ! 全くどれほど心配したか」
ペギーはクリスティーナの肩を掴んで、どこにも怪我がないことを確かめると、ほっと息を吐いた。しかし安心したのも束の間、今度は眉を怒らせて、クリスティーナを睨みつける。
「本当にどこにいらっしゃったのか。せっかく踊りの先生をお迎えしたというのに、肝心のクリスティーナ様がいらっしゃらないのですもの。とんだ恥をかいてしまいました。お願いしたのはこちらですから、平謝りですよ、全くもう。また同じ曜日に約束していますからね、クリスティーナ様も次回は一緒に頭を下げるんですよ」
(その日はアレクシスと約束してるから、また会えないわ。ごめんね、ペギー)
クリスティーナは内心で謝った。
その日一日、ペギーの怒りはおさまることがなく、クリスティーナは寝台に入るまでお小言を聞き続けた。
10
あなたにおすすめの小説
冷徹団長の「ここにいろ」は、騎士団公認の“抱きしめ命令”です
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全16話+後日談5話⭐︎
王都最硬派、規律と責任の塊――騎士団長ヴァルド・アークライトは、夜の見回り中に路地で“落とし物”を拾った。
……いや、拾ったのは魔物の卵ではなく、道端で寝ていた少女だった。しかも目覚めた彼女は満面の笑みで「落とし物です!拾ってくださってありがとうございます!」と言い張り、団長の屋敷を“保護施設”だと勘違いして、掃除・料理・当番表作りに騎士の悩み相談まで勝手に開始。
追い出せば泣く、士気は落ちる、そして何より――ヴァルド自身の休息が、彼女の存在に依存し始めていく。
無表情のまま「危ないから、ここにいろ」と命令し続ける団長に、周囲はざわつく。「それ、溺愛ですよ」
騎士団内ではついに“団長語翻訳係”まで誕生し、命令が全部“愛の保護”に変換されていく甘々溺愛コメディ!
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
完結【強引な略奪婚】冷徹な次期帝は、婚姻間近の姫を夜ごと甘く溶かす
小木楓
恋愛
完結しました✨
タグ&あらすじ変更しました。
略奪された大納言家の香子を待っていたのは、冷徹な次期帝による「狂愛」という名の支配でした。
「泣け、香子。お前をこれほど乱せるのは、世界で私だけだ」
「お前はまだ誰のものでもないな? ならば、私のものだ」
大納言家の姫・香子には、心通わせる穏やかな婚約者がいた。
しかし、そのささやかな幸福は、冷徹と噂される次期帝・彰仁(あきひと)に見初められたことで一変する。
強引な勅命により略奪され、後宮という名の檻に閉じ込められた香子。
夜ごとの契りで身体を繋がれ、元婚約者への想いすら「不義」として塗り潰されていく。
恐怖に震える香子だったが、閉ざされた寝所で待っていたのは、想像を絶するほど重く、激しい寵愛で……?
「痛くはしない。……お前が私のことしか考えられなくなるまで、何度でも教え込もう」
逃げ場のない愛に心が絡め取られていく中、彰仁は香子を守るため、「ある残酷な嘘」を用いて彼女を試す。
それは、愛するがゆえに彼女を嫉妬と絶望で壊し、「帝なしでは息もできない」状態へ作り変えるための、狂気じみた遊戯だった。
「一生、私の腕の中で溺れていろ」
守るために壊し、愛するために縛る。
冷酷な仮面の下に隠された、
一途で異常な執着を知った時、香子の心もまた甘い猛毒に溶かされていく――。
★最後は極上のハッピーエンドです。
※AI画像を使用しています。
侯爵家の婚約者
やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。
7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。
その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。
カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。
家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。
だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。
17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。
そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。
全86話+番外編の予定
【完結済】隣国でひっそりと子育てしている私のことを、執着心むき出しの初恋が追いかけてきます
鳴宮野々花@書籍4作品発売中
恋愛
一夜の過ちだなんて思いたくない。私にとって彼とのあの夜は、人生で唯一の、最良の思い出なのだから。彼のおかげで、この子に会えた────
私、この子と生きていきますっ!!
シアーズ男爵家の末娘ティナレインは、男爵が隣国出身のメイドに手をつけてできた娘だった。ティナレインは隣国の一部の者が持つ魔力(治癒術)を微力ながら持っており、そのため男爵夫人に一層疎まれ、男爵家後継ぎの兄と、世渡り上手で気の強い姉の下で、影薄く過ごしていた。
幼いティナレインは、優しい侯爵家の子息セシルと親しくなっていくが、息子がティナレインに入れ込みすぎていることを嫌う侯爵夫人は、シアーズ男爵夫人に苦言を呈す。侯爵夫人の機嫌を損ねることが怖い義母から強く叱られ、ティナレインはセシルとの接触を禁止されてしまう。
時を経て、貴族学園で再会する二人。忘れられなかったティナへの想いが燃え上がるセシルは猛アタックするが、ティナは自分の想いを封じ込めるように、セシルを避ける。
やがてティナレインは、とある商会の成金経営者と婚約させられることとなり、学園を中退。想い合いながらも会うことすら叶わなくなった二人だが、ある夜偶然の再会を果たす。
それから数ヶ月。結婚を目前に控えたティナレインは、隣国へと逃げる決意をした。自分のお腹に宿っていることに気付いた、大切な我が子を守るために。
けれど、名を偽り可愛い我が子の子育てをしながら懸命に生きていたティナレインと、彼女を諦めきれないセシルは、ある日運命的な再会を果たし────
生まれ育った屋敷で冷遇され続けた挙げ句、最低な成金ジジイと結婚させられそうになったヒロインが、我が子を守るために全てを捨てて新しい人生を切り拓いていこうと奮闘する物語です。
※いつもの完全オリジナルファンタジー世界の物語です。全てがファンタジーです。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
うっかり結婚を承諾したら……。
翠月 瑠々奈
恋愛
「結婚しようよ」
なんて軽い言葉で誘われて、承諾することに。
相手は女避けにちょうどいいみたいだし、私は煩わしいことからの解放される。
白い結婚になるなら、思う存分魔導の勉強ができると喜んだものの……。
実際は思った感じではなくて──?
【完結】後宮の片隅にいた王女を拾いましたが、才女すぎて妃にしたくなりました
藤原遊
恋愛
【溺愛・成長・政略・糖度高め】
※ヒーロー目線で進んでいきます。
王位継承権を放棄し、外交を司る第六王子ユーリ・サファイア・アレスト。
ある日、後宮の片隅でひっそりと暮らす少女――カティア・アゲート・アレストに出会う。
不遇の生まれながらも聡明で健気な少女を、ユーリは自らの正妃候補として引き取る決断を下す。
才能を開花させ成長していくカティア。
そして、次第に彼女を「妹」としてではなく「たった一人の妃」として深く愛していくユーリ。
立場も政略も超えた二人の絆が、やがて王宮の静かな波紋を生んでいく──。
「私はもう一人ではありませんわ、ユーリ」
「これからも、私の隣には君がいる」
甘く静かな後宮成長溺愛物語、ここに開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる