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四隻のケンドラス級強襲揚陸艦は、エリア・パルへの航路を順調に飛行していた。
今日は快晴。コブナス建国の日に相応しい天気である。進路上にも怪しい影は何ひとつ無い。
一番艦の艦橋に立ち、ガイツ・ガヴォートは腕時計を見た。
すると隣の艦長が言う。
「すべて問題ない、少佐」
「ここまではそうですが、エリア・パルに着いてからが本番です」
「何か懸念が?」
「送り込んだ密偵からの連絡が途絶えています。此度の報告も、敵の罠かもしれません」
「用心深いな。だが我々にはジューゲルがある。コブナスの威信をかけた最新鋭機の前では、旧式などガラクタ同然だよ」
艦長が笑った。
だがガヴォートは固く口を結び、真正面を見据える。
その時オペレーターがこちらに振り向いた。
「少佐、ゲームをしませんか?」
「ゲームだと?」
「ライドール隊で誰が一番キルスコアを稼げるか競うんです」
「優勝者には何がある?」
「それはその時々で変わります。前回はウチの嫁と一夜を共にする権利……いやあ、ウチのは顔もスタイルも良いんでね。みんな躍起になってましたよ」
ガヴォートはため息をつき、こう返す。
「今回は?」
「オーソドックスに、ビリッケツの奢りで高級レストランです。どうです? 少佐なら優勝は間違いないでしょうが――」
「遠慮しよう。私が賜ったゼノフォースは今回が初陣だ。ゲヴェルトのように動かせるとは限らん」
それに、と彼はオペレーターを睨めつける。
「我々は戦いに来たんだ。遊びに来たわけではない」
「う……すみません……」
「だが、それで諸君の士気が上がるなら咎めはしない。まあ、焦って判断を誤らないようにな」
「ええ、それはもちろん」
「それからもうひとつ」ガヴォートは人差し指を立てた。「ブラックヴィマーセ……ラクォス・ラジービは私が狩る」
「……ダヴィフニス准将の仇ですね」
すると艦のセンサーが反応する音がした。
索敵手が言う。
「二時の方角に戦艦。ベルシェゴルです」
ガヴォートは窓の外を見た。
ちょうど、雲を突き破って一隻の巨大戦艦が姿を現す。
要塞戦艦、ベルシェゴルである。
ガヴォートはその雄姿に胸の高鳴りを覚えた。
ベルシェゴルから通信が入り、メインスクリーンにナグリコフ中将の顔が映し出される。
艦橋内の全員が、驚きの声を上げた。
「ごくろう、諸君」
ナグリコフが言った。
「閣下、まさかあなたが乗艦なされているとは」
「私もきみの力になろうと思ってな。ガヴォート少佐」
「お心強い限りです。ですが相手はカーミヤ……どうかお気をつけを」
「心配いらぬよ」彼は笑い、視線を横に向ける。「このベルシェゴルは本来の仕様で就役した。四十八センチ三連装主砲だよ」
「そして<切り札>も搭載しておられるのですね」
「ウム。全ての発射管に装填済みだ」
「これで心置きなく、エリア・パルへ向かえます」
「戦場は違えど我らの目指す正義は同じだ」
ナグリコフは敬礼した。
「武運長久を。ガヴォート少佐」
ガヴォートと、ブリッジクルーたちは敬礼を返す。
そして通信は終了し、ケンドラス級の艦隊とベルシェゴルは左右に別れていった。
◇
カーミヤ索敵手が叫ぶ。
「センサーに反応! 十二時の方向、真正面に――要塞戦艦です!」
それは間もなく、カーミヤの望遠カメラに姿を映した。
メインスクリーンを仰ぎ見て、ドグダンは呟く。
「同型艦だと……」
それだけではない。主砲はより大口径の三連装となり、艦橋の形もより重厚なものへ改まっている。
ドグダンは次の瞬間、命令を発していた。
「総員戦闘配備! ライドール隊を出撃させろ!」
◇
カラモスは通路を駆けながらヘルメットを被り、格納庫に至ると一直線にエメラルドラインへ乗り込んだ。
機体のエンジンを始動させ、発艦準備を整えていると、セェンが言う。
「今度の要塞戦艦は攻防共に強化されています! どうか無理はしないで、カーミヤが確実に致命打を与えられるようにアシストをお願いします!」
「了解!」
カラモスは答え、機体を発進位置につけた。
「エメラルドライン、出る!」
翠玉色のズワルトが、仲間の機体を率いて飛び出た。
直後、センサーが高エネルギー反応を検知する。要塞戦艦の砲撃だ。
対空散弾がカーミヤのライドール隊に襲いかかる。
それを、エメラルドラインは紙一重で躱し最短ルートを突っ切った。
僚機は迂回して敵のエネルギー弾を避け、後を追って飛ぶ。
またセンサーに反応。敵艦のライドール隊だ。
「ゲヴェルトか」カラモスは言った。「全機接近戦の用意を!」
エメラルドラインはライフルに装着した銃剣を構える。
そろそろ射程距離だと思った次の瞬間、ゲヴェルトが撃ってきた。
慌ててシールドを突き出し、弾を防ぐ。
カラモスは敵機のマニピュレーターを拡大して見てみる。
「敵は新型ライフルを装備してる! こちらより長射程のようだ! 警戒を!」
エメラルドラインはゲヴェルトの、武器を持たない側に回り込んで銃剣を突き立てた。
そいつを蹴って加速し、二機目に攻撃を繰り出す。
銃撃で牽制し、眼前に迫って頸部へとシールドバッシュを見舞った。
盾の縁がライドールのパワーで刃同然となり、ゲヴェルトの首を切断する。
「カーミヤ、射程距離に入りました!」セェンからの通信。「主砲射撃を開始します!」
後方から砲声が轟く。
ライドールたちの隙間を縫って、カーミヤのエネルギー弾が飛んだ。
射線上のゲヴェルト数機を蒸発させ、要塞戦艦へ迫る。
だが直撃弾は避けられ、要塞戦艦が撃ち返してきた。
カーミヤも回避行動を取って躱す。
エメラルドラインたちはゲヴェルト隊の猛攻を捌きつつ、要塞戦艦への距離を詰めていった。
僚機のズワルトが、ロンガーロールで敵機の腕を断ちながら射程に入る。
バズーカに持ち替え、撃った。
命中こそしたものの、重厚な装甲に阻まれ有効打には至らない。
敵艦のCIWSが動き、
「回避を!」
というエメラルドラインの叫びも虚しく僚機は全身を射抜かれ砕け散った。
また要塞戦艦の主砲が火を噴く。
それはカーミヤの横腹にヒットし、副砲を吹き飛ばした。
カラモスは冷や汗を流し、再び正面を向く。
CIWSの対空砲火を避けながら、エメラルドラインはバズーカを放った。
が、機関砲の弾幕でこちらのエネルギー弾は相殺される。
エメラルドラインは切り替えすように飛んで敵の射程から逃れた。
その先に、ゲヴェルトが待ち構えていた。
全身をひねり、シールドを前に突き出す。
防御は間に合った。
エメラルドラインはそのまま敵機の方へ飛び、盾ごと突進する。
突進は受け止められたが、盾の陰からバズーカを伸ばし、ゲヴェルトの胴に砲口を押し当てた。
そして接射で撃破する。
ゲヴェルトの部隊は初戦に比べれば脅威度は減っていると、カラモスは感じた。
だがカーミヤは――。
◇
カーミヤはまた要塞戦艦の砲撃を受け、艦体を震わす。
指揮所のクルーたちも席から飛ばされぬよう踏ん張っていた。
セェンは思う。
弾を掠らせるように立ち回っているはずなのにこの衝撃とは、と。
ヒット・アンド・アウェイの戦法も、要塞戦艦の長射程が相手ではこちらの思うように動けない。
だが、
「取舵で下に回り込め!」
ドグダンが言った。
カーミヤは太い煙の帯を引きながら要塞戦艦の下方へ潜り、主砲を放つ。全門での射撃だ。
そのうち一発は敵艦のバイタルパートを直撃し、艦底の装甲板を裂いた。しかしダメージは浅いようだ。もう一発は相手の主砲に相殺され、後の一発は躱された。
要塞戦艦の両舷主砲が反撃してくる。
その砲撃が、カーミヤの主砲の真横を穿った。
砲塔が基部から爆発を起こし、クルーたちはまた大きく揺さぶられる。
「第二主砲大破!」
さらに二撃目を喰らい、
「機関部に被弾! メインエンジン出力低下!」
指揮所内の照明が赤色に切り替わった。
索敵手が言う。
「右舷からゲヴェルト接近! バズーカを持っています!」
「なに?!」ドグダンの狼狽の声。「CIWSはどうした!?」
「応答していません! 手動に切り替えましたがレスポンスが……おそらく制御装置がオーバーヒートしているかと――」
「やむを得ん……ライドール隊に援護の要請をしろ!」
それを聞いてセェンはライドール隊に言う。
「こちらカーミヤ! 援護してください!」
「了解!」
直近のズワルトが応えた。
が、ゲヴェルトは対処の前にバズーカを撃つ。
敵機の攻撃がカーミヤのCIWS砲塔を破砕した。
一瞬後に、ズワルトが銃剣で上からゲヴェルトの胴を串刺しにする。
「……もはやこれまでか」
ドグダンが呟いた。
彼は続けて命じる。
「カーミヤを敵艦の射程外まで退避させろ!」
「了解!」操舵手が舵を引く。「ですが艦長、それはつまり……」
「ウム……総員退艦用意」
セェンは言った。
「ライドール隊! カーミヤに退艦命令が出ました! 護衛をお願いします!」
彼女はヘッドセットを小型の物に替え、席を立つ。他のクルーも立ち上がって、脱出艇へと急いだ。
空となった指揮所の扉を、ドグダンが閉める。彼は機密データを保管したアタッシェケースを持っていた。
警報が鳴り響く通路を、クルーたちは駆ける。
どこかで爆発が起き、衝撃でふらつくがどうにか脱出艇までたどり着いた。
格納庫は攻撃で外装が失われ、焼けた匂いを含む強風が吹き付ける。
クルーは次々と脱出艇へ乗り込み、発進準備を整えた。
セェンもタラップを駆け上がり、
「全員乗りました、艦長!」
と、ドグダンに言った。
彼は遅れた者がいないことを確かめて振り返り、頷いてこちらへ駆け出す。
だが次の瞬間、吹きさらしの上空からズワルトが落ちてきた。
幸い脱出艇やドグダンが潰されることはなかったが、空中のゲヴェルトの追い撃ちでズワルトはエンジンを射抜かれ爆発を起こす。
爆風と破片が脱出艇のタラップを砕き、火柱が艇とドグダンを分断した。
「艦長!」セェンは叫んだ。「今、火を消します!」
しかし、ドグダンはアタッシェケースを投げてよこした。
咄嗟にケースを受け取ったセェンは、半ば混乱しながら彼のほうを見る。
ドグダンの顔には、焦りも嘆きも無かった。ただ、艦長としての眼差しを彼女らに向けるばかりだった。
そして、彼は敬礼する。
彼女らは悟った。彼の決断を。
セェンと、昇降口の近くにいるクルーらは艦長に敬礼を返し、
「脱出艇発進!」
カーミヤを離れていった。
◇
ナグリコフは指揮所のモニター越しに、炎に包まれるカーミヤを見つめる。
ガイツ・ガヴォートに次ぐエース、エメラルドラインの母艦は完全に沈黙し、ゆっくりと降下していった。
相手方のライドール隊も、脱出艇を囲んで尻尾を巻いて逃げてゆく。
「よろしい」ナグリコフは言った。「ライドール隊を帰艦させたまえ。あとはベルシェゴルの砲撃で殲滅だ」
ゲヴェルトの部隊がベルシェゴルへと戻る。
思ったよりも数が少なかった。
エメラルドラインの部隊が高い練度を有するのもあるだろうが、やはりジューゲルの<繋ぎ>ではこれが限界か。
ナグリコフが席に背をもたれ、脱出艇への追撃を命じようとしたその時、
「カーミヤが再び動き出しました!」
クルーが声を張った。
先程まで力なく艦首を海面に向けていた戦艦は、震えながら上昇しこちらに突っ込んでくる。
一瞬、何が起こっているのか把握しきれなかった。
その隙を突くように、カーミヤの主砲が火を噴く。
残された武装を全て駆使しながら、距離が縮まっていった。
我に返ったナグリコフは叫ぶ。
「ええい! 主砲発射! 介錯してやれ!」
ベルシェゴルの主砲が旋回し、カーミヤを狙う。
カーミヤはその一身に砲火を浴びているにもかかわらず、止まらない。
右側に大きく旋回して、ベルシェゴルの左舷を捉えてきた。
「体当たりでもする気か!?」
ナグリコフの額に冷や汗が浮かぶ。
その時、彼は見た。
カーミヤの艦橋に、ドグダンの姿があるのを。
まもなくベルシェゴルの主砲一斉射撃がカーミヤを爆砕し、跡形もなく消し飛ばした。
爆風と破片が要塞戦艦を襲うが、落ち着きを取り戻すのはすぐだった。
「……被害状況は?!」
ナグリコフは言った。
「左舷第一姿勢制御スラスター破損。艦橋の窓も割れています。他の部位は軽微な損傷のようです」
「修復作業を急がせろ」
「了解。脱出した連中はどうします?」
「捨て置け。ヤツらはどのみちエリア・パルへ行くはずだ……ガヴォート少佐に始末を頼んでおきたまえ……」
「ハッ」
とブリッジクルーは返答し、通信端末に向き合う。
ナグリコフは左舷を見て息を吐き出した。
逆賊ながらあっぱれな最期であった、ドグダン艦長。
彼は思った。
◇
エリア・パル。
ラジービはタイダリアスの周辺でクルーたちが右往左往している様を見た。
彼は眉をひそめ、ただごとではない空気を感じ取る。
おそらく対賊隊か、あるいはカーミヤに何かあったか。
架けられた橋を渡り、艦に乗り込む。
ライドール格納庫に行ってみると、案の定アトギソンたちがいた。
かれらに駆け寄りながら、ラジービは言う。
「あまり良くない雰囲気がそこかしこから出てますね」
「ああ……」アトギソンが苦い顔のまま答える。「カーミヤが要塞戦艦と遭遇して、そのまま交戦状態に入ったらしい」
「要塞戦艦……? まさか、同型艦が?」
「だろうな。さらに悪いことに……カーミヤからの連絡が途絶してるんだ」
「……まさか……」
「まだ全滅したと決まったわけじゃないが……艦の性能差を考えると……」
ラジービは他の皆の顔を見回す。
バッド=リーやシフリン、ファリーダとオリヴィンも、皆が一様に沈痛な面持ちだった。
そこにアトギソンが言う。
「ガイツ・ガヴォートの機体の姿は無かったらしい。もしかしたら別働隊がこっちに来てるかもしれないから、警戒を怠らないように――」
すると言葉を遮るように、警報が街全体に響いた。
普段耳にしないパターンの警報音だが、誰もが慄く。
空襲警報だった。
「ライドール発進用意!」アトギソンが言った。「戦闘に備えろ! ナイトフェザーもスタンバっておけ!」
ラジービたちは各々の乗機に急いだ。
ブラックヴィマーセは急造ガトリング砲を手に外へ出る。すると、集音器が複数のエンジン音を拾った。
音は山からこちらに近づいてきて――、
「四隻いる!」
強襲揚陸艦隊が姿を現した。
タイダリアスと同じ艦形を持つ、ケンドラス級強襲揚陸艦である。
対賊隊所属艦の塗装を施されたケンドラス級四隻は、かつてのタイダリアスを超える高速でエリア・パルの市街地に影を落とす。
「まだ攻撃するなよ」アトギソン機から通信。「先に手を出したら相手の有利だ……」
ケンドラス級が着陸体勢に入った。
一隻は港湾の隣にある浜辺に艦首を乗せる形で降下し、二隻は沖合に着水した。
残る一隻は、市街地のど真ん中に降りてくる。
強襲揚陸艦の船体が建物を蹴散らし、瓦礫を飛ばして強引に着地してきた。
直後、艦首の大門扉が開いて警告色のライドールが大群を成して飛び出てくる。
アトギソンとシフリンが声を上げた。
「なんだアイツ!?」
「新型か?!」
バッド=リーも、
「見たことの無い機体だ……」
と言う。
モニターにも情報が出ない。
ズワルトやゲヴェルトよりも曲線的な外装だった。攻撃の勢いを流しやすい形状である。
手に持つライフルも、大型のハンドガードが特徴的な新型だ。
そして、その新型機の中で、更に異彩を放つ機体が見えた。
他のライドールより一回り太い前腕と大腿部に、厚みのある胴体。一方で頭部はつるりとしていて、<顔>の造形が見当たらない。
が、その機体に乗っているのが誰かはまもなくわかった。
未知のライドールはひときわ高いビルの上に足を着き、外部スピーカーとオープン回線で声を張り上げた。
「私は対賊隊のガイツ・ガヴォート少佐だ! タイダリアスの逆賊ども! きさまらがこのエリア・パルに潜んでいることはわかっている! そしてエリア・パルの住民たちよ、おまえたちがヤツらを匿い、協力していることもな! いいかこれは国家への反逆、許されざる大罪だ! よって――」
ガヴォートのライドールが、新型ライフルを持った右手を天に向けた。
「今より、積極的防衛戦を開始する!」
今日は快晴。コブナス建国の日に相応しい天気である。進路上にも怪しい影は何ひとつ無い。
一番艦の艦橋に立ち、ガイツ・ガヴォートは腕時計を見た。
すると隣の艦長が言う。
「すべて問題ない、少佐」
「ここまではそうですが、エリア・パルに着いてからが本番です」
「何か懸念が?」
「送り込んだ密偵からの連絡が途絶えています。此度の報告も、敵の罠かもしれません」
「用心深いな。だが我々にはジューゲルがある。コブナスの威信をかけた最新鋭機の前では、旧式などガラクタ同然だよ」
艦長が笑った。
だがガヴォートは固く口を結び、真正面を見据える。
その時オペレーターがこちらに振り向いた。
「少佐、ゲームをしませんか?」
「ゲームだと?」
「ライドール隊で誰が一番キルスコアを稼げるか競うんです」
「優勝者には何がある?」
「それはその時々で変わります。前回はウチの嫁と一夜を共にする権利……いやあ、ウチのは顔もスタイルも良いんでね。みんな躍起になってましたよ」
ガヴォートはため息をつき、こう返す。
「今回は?」
「オーソドックスに、ビリッケツの奢りで高級レストランです。どうです? 少佐なら優勝は間違いないでしょうが――」
「遠慮しよう。私が賜ったゼノフォースは今回が初陣だ。ゲヴェルトのように動かせるとは限らん」
それに、と彼はオペレーターを睨めつける。
「我々は戦いに来たんだ。遊びに来たわけではない」
「う……すみません……」
「だが、それで諸君の士気が上がるなら咎めはしない。まあ、焦って判断を誤らないようにな」
「ええ、それはもちろん」
「それからもうひとつ」ガヴォートは人差し指を立てた。「ブラックヴィマーセ……ラクォス・ラジービは私が狩る」
「……ダヴィフニス准将の仇ですね」
すると艦のセンサーが反応する音がした。
索敵手が言う。
「二時の方角に戦艦。ベルシェゴルです」
ガヴォートは窓の外を見た。
ちょうど、雲を突き破って一隻の巨大戦艦が姿を現す。
要塞戦艦、ベルシェゴルである。
ガヴォートはその雄姿に胸の高鳴りを覚えた。
ベルシェゴルから通信が入り、メインスクリーンにナグリコフ中将の顔が映し出される。
艦橋内の全員が、驚きの声を上げた。
「ごくろう、諸君」
ナグリコフが言った。
「閣下、まさかあなたが乗艦なされているとは」
「私もきみの力になろうと思ってな。ガヴォート少佐」
「お心強い限りです。ですが相手はカーミヤ……どうかお気をつけを」
「心配いらぬよ」彼は笑い、視線を横に向ける。「このベルシェゴルは本来の仕様で就役した。四十八センチ三連装主砲だよ」
「そして<切り札>も搭載しておられるのですね」
「ウム。全ての発射管に装填済みだ」
「これで心置きなく、エリア・パルへ向かえます」
「戦場は違えど我らの目指す正義は同じだ」
ナグリコフは敬礼した。
「武運長久を。ガヴォート少佐」
ガヴォートと、ブリッジクルーたちは敬礼を返す。
そして通信は終了し、ケンドラス級の艦隊とベルシェゴルは左右に別れていった。
◇
カーミヤ索敵手が叫ぶ。
「センサーに反応! 十二時の方向、真正面に――要塞戦艦です!」
それは間もなく、カーミヤの望遠カメラに姿を映した。
メインスクリーンを仰ぎ見て、ドグダンは呟く。
「同型艦だと……」
それだけではない。主砲はより大口径の三連装となり、艦橋の形もより重厚なものへ改まっている。
ドグダンは次の瞬間、命令を発していた。
「総員戦闘配備! ライドール隊を出撃させろ!」
◇
カラモスは通路を駆けながらヘルメットを被り、格納庫に至ると一直線にエメラルドラインへ乗り込んだ。
機体のエンジンを始動させ、発艦準備を整えていると、セェンが言う。
「今度の要塞戦艦は攻防共に強化されています! どうか無理はしないで、カーミヤが確実に致命打を与えられるようにアシストをお願いします!」
「了解!」
カラモスは答え、機体を発進位置につけた。
「エメラルドライン、出る!」
翠玉色のズワルトが、仲間の機体を率いて飛び出た。
直後、センサーが高エネルギー反応を検知する。要塞戦艦の砲撃だ。
対空散弾がカーミヤのライドール隊に襲いかかる。
それを、エメラルドラインは紙一重で躱し最短ルートを突っ切った。
僚機は迂回して敵のエネルギー弾を避け、後を追って飛ぶ。
またセンサーに反応。敵艦のライドール隊だ。
「ゲヴェルトか」カラモスは言った。「全機接近戦の用意を!」
エメラルドラインはライフルに装着した銃剣を構える。
そろそろ射程距離だと思った次の瞬間、ゲヴェルトが撃ってきた。
慌ててシールドを突き出し、弾を防ぐ。
カラモスは敵機のマニピュレーターを拡大して見てみる。
「敵は新型ライフルを装備してる! こちらより長射程のようだ! 警戒を!」
エメラルドラインはゲヴェルトの、武器を持たない側に回り込んで銃剣を突き立てた。
そいつを蹴って加速し、二機目に攻撃を繰り出す。
銃撃で牽制し、眼前に迫って頸部へとシールドバッシュを見舞った。
盾の縁がライドールのパワーで刃同然となり、ゲヴェルトの首を切断する。
「カーミヤ、射程距離に入りました!」セェンからの通信。「主砲射撃を開始します!」
後方から砲声が轟く。
ライドールたちの隙間を縫って、カーミヤのエネルギー弾が飛んだ。
射線上のゲヴェルト数機を蒸発させ、要塞戦艦へ迫る。
だが直撃弾は避けられ、要塞戦艦が撃ち返してきた。
カーミヤも回避行動を取って躱す。
エメラルドラインたちはゲヴェルト隊の猛攻を捌きつつ、要塞戦艦への距離を詰めていった。
僚機のズワルトが、ロンガーロールで敵機の腕を断ちながら射程に入る。
バズーカに持ち替え、撃った。
命中こそしたものの、重厚な装甲に阻まれ有効打には至らない。
敵艦のCIWSが動き、
「回避を!」
というエメラルドラインの叫びも虚しく僚機は全身を射抜かれ砕け散った。
また要塞戦艦の主砲が火を噴く。
それはカーミヤの横腹にヒットし、副砲を吹き飛ばした。
カラモスは冷や汗を流し、再び正面を向く。
CIWSの対空砲火を避けながら、エメラルドラインはバズーカを放った。
が、機関砲の弾幕でこちらのエネルギー弾は相殺される。
エメラルドラインは切り替えすように飛んで敵の射程から逃れた。
その先に、ゲヴェルトが待ち構えていた。
全身をひねり、シールドを前に突き出す。
防御は間に合った。
エメラルドラインはそのまま敵機の方へ飛び、盾ごと突進する。
突進は受け止められたが、盾の陰からバズーカを伸ばし、ゲヴェルトの胴に砲口を押し当てた。
そして接射で撃破する。
ゲヴェルトの部隊は初戦に比べれば脅威度は減っていると、カラモスは感じた。
だがカーミヤは――。
◇
カーミヤはまた要塞戦艦の砲撃を受け、艦体を震わす。
指揮所のクルーたちも席から飛ばされぬよう踏ん張っていた。
セェンは思う。
弾を掠らせるように立ち回っているはずなのにこの衝撃とは、と。
ヒット・アンド・アウェイの戦法も、要塞戦艦の長射程が相手ではこちらの思うように動けない。
だが、
「取舵で下に回り込め!」
ドグダンが言った。
カーミヤは太い煙の帯を引きながら要塞戦艦の下方へ潜り、主砲を放つ。全門での射撃だ。
そのうち一発は敵艦のバイタルパートを直撃し、艦底の装甲板を裂いた。しかしダメージは浅いようだ。もう一発は相手の主砲に相殺され、後の一発は躱された。
要塞戦艦の両舷主砲が反撃してくる。
その砲撃が、カーミヤの主砲の真横を穿った。
砲塔が基部から爆発を起こし、クルーたちはまた大きく揺さぶられる。
「第二主砲大破!」
さらに二撃目を喰らい、
「機関部に被弾! メインエンジン出力低下!」
指揮所内の照明が赤色に切り替わった。
索敵手が言う。
「右舷からゲヴェルト接近! バズーカを持っています!」
「なに?!」ドグダンの狼狽の声。「CIWSはどうした!?」
「応答していません! 手動に切り替えましたがレスポンスが……おそらく制御装置がオーバーヒートしているかと――」
「やむを得ん……ライドール隊に援護の要請をしろ!」
それを聞いてセェンはライドール隊に言う。
「こちらカーミヤ! 援護してください!」
「了解!」
直近のズワルトが応えた。
が、ゲヴェルトは対処の前にバズーカを撃つ。
敵機の攻撃がカーミヤのCIWS砲塔を破砕した。
一瞬後に、ズワルトが銃剣で上からゲヴェルトの胴を串刺しにする。
「……もはやこれまでか」
ドグダンが呟いた。
彼は続けて命じる。
「カーミヤを敵艦の射程外まで退避させろ!」
「了解!」操舵手が舵を引く。「ですが艦長、それはつまり……」
「ウム……総員退艦用意」
セェンは言った。
「ライドール隊! カーミヤに退艦命令が出ました! 護衛をお願いします!」
彼女はヘッドセットを小型の物に替え、席を立つ。他のクルーも立ち上がって、脱出艇へと急いだ。
空となった指揮所の扉を、ドグダンが閉める。彼は機密データを保管したアタッシェケースを持っていた。
警報が鳴り響く通路を、クルーたちは駆ける。
どこかで爆発が起き、衝撃でふらつくがどうにか脱出艇までたどり着いた。
格納庫は攻撃で外装が失われ、焼けた匂いを含む強風が吹き付ける。
クルーは次々と脱出艇へ乗り込み、発進準備を整えた。
セェンもタラップを駆け上がり、
「全員乗りました、艦長!」
と、ドグダンに言った。
彼は遅れた者がいないことを確かめて振り返り、頷いてこちらへ駆け出す。
だが次の瞬間、吹きさらしの上空からズワルトが落ちてきた。
幸い脱出艇やドグダンが潰されることはなかったが、空中のゲヴェルトの追い撃ちでズワルトはエンジンを射抜かれ爆発を起こす。
爆風と破片が脱出艇のタラップを砕き、火柱が艇とドグダンを分断した。
「艦長!」セェンは叫んだ。「今、火を消します!」
しかし、ドグダンはアタッシェケースを投げてよこした。
咄嗟にケースを受け取ったセェンは、半ば混乱しながら彼のほうを見る。
ドグダンの顔には、焦りも嘆きも無かった。ただ、艦長としての眼差しを彼女らに向けるばかりだった。
そして、彼は敬礼する。
彼女らは悟った。彼の決断を。
セェンと、昇降口の近くにいるクルーらは艦長に敬礼を返し、
「脱出艇発進!」
カーミヤを離れていった。
◇
ナグリコフは指揮所のモニター越しに、炎に包まれるカーミヤを見つめる。
ガイツ・ガヴォートに次ぐエース、エメラルドラインの母艦は完全に沈黙し、ゆっくりと降下していった。
相手方のライドール隊も、脱出艇を囲んで尻尾を巻いて逃げてゆく。
「よろしい」ナグリコフは言った。「ライドール隊を帰艦させたまえ。あとはベルシェゴルの砲撃で殲滅だ」
ゲヴェルトの部隊がベルシェゴルへと戻る。
思ったよりも数が少なかった。
エメラルドラインの部隊が高い練度を有するのもあるだろうが、やはりジューゲルの<繋ぎ>ではこれが限界か。
ナグリコフが席に背をもたれ、脱出艇への追撃を命じようとしたその時、
「カーミヤが再び動き出しました!」
クルーが声を張った。
先程まで力なく艦首を海面に向けていた戦艦は、震えながら上昇しこちらに突っ込んでくる。
一瞬、何が起こっているのか把握しきれなかった。
その隙を突くように、カーミヤの主砲が火を噴く。
残された武装を全て駆使しながら、距離が縮まっていった。
我に返ったナグリコフは叫ぶ。
「ええい! 主砲発射! 介錯してやれ!」
ベルシェゴルの主砲が旋回し、カーミヤを狙う。
カーミヤはその一身に砲火を浴びているにもかかわらず、止まらない。
右側に大きく旋回して、ベルシェゴルの左舷を捉えてきた。
「体当たりでもする気か!?」
ナグリコフの額に冷や汗が浮かぶ。
その時、彼は見た。
カーミヤの艦橋に、ドグダンの姿があるのを。
まもなくベルシェゴルの主砲一斉射撃がカーミヤを爆砕し、跡形もなく消し飛ばした。
爆風と破片が要塞戦艦を襲うが、落ち着きを取り戻すのはすぐだった。
「……被害状況は?!」
ナグリコフは言った。
「左舷第一姿勢制御スラスター破損。艦橋の窓も割れています。他の部位は軽微な損傷のようです」
「修復作業を急がせろ」
「了解。脱出した連中はどうします?」
「捨て置け。ヤツらはどのみちエリア・パルへ行くはずだ……ガヴォート少佐に始末を頼んでおきたまえ……」
「ハッ」
とブリッジクルーは返答し、通信端末に向き合う。
ナグリコフは左舷を見て息を吐き出した。
逆賊ながらあっぱれな最期であった、ドグダン艦長。
彼は思った。
◇
エリア・パル。
ラジービはタイダリアスの周辺でクルーたちが右往左往している様を見た。
彼は眉をひそめ、ただごとではない空気を感じ取る。
おそらく対賊隊か、あるいはカーミヤに何かあったか。
架けられた橋を渡り、艦に乗り込む。
ライドール格納庫に行ってみると、案の定アトギソンたちがいた。
かれらに駆け寄りながら、ラジービは言う。
「あまり良くない雰囲気がそこかしこから出てますね」
「ああ……」アトギソンが苦い顔のまま答える。「カーミヤが要塞戦艦と遭遇して、そのまま交戦状態に入ったらしい」
「要塞戦艦……? まさか、同型艦が?」
「だろうな。さらに悪いことに……カーミヤからの連絡が途絶してるんだ」
「……まさか……」
「まだ全滅したと決まったわけじゃないが……艦の性能差を考えると……」
ラジービは他の皆の顔を見回す。
バッド=リーやシフリン、ファリーダとオリヴィンも、皆が一様に沈痛な面持ちだった。
そこにアトギソンが言う。
「ガイツ・ガヴォートの機体の姿は無かったらしい。もしかしたら別働隊がこっちに来てるかもしれないから、警戒を怠らないように――」
すると言葉を遮るように、警報が街全体に響いた。
普段耳にしないパターンの警報音だが、誰もが慄く。
空襲警報だった。
「ライドール発進用意!」アトギソンが言った。「戦闘に備えろ! ナイトフェザーもスタンバっておけ!」
ラジービたちは各々の乗機に急いだ。
ブラックヴィマーセは急造ガトリング砲を手に外へ出る。すると、集音器が複数のエンジン音を拾った。
音は山からこちらに近づいてきて――、
「四隻いる!」
強襲揚陸艦隊が姿を現した。
タイダリアスと同じ艦形を持つ、ケンドラス級強襲揚陸艦である。
対賊隊所属艦の塗装を施されたケンドラス級四隻は、かつてのタイダリアスを超える高速でエリア・パルの市街地に影を落とす。
「まだ攻撃するなよ」アトギソン機から通信。「先に手を出したら相手の有利だ……」
ケンドラス級が着陸体勢に入った。
一隻は港湾の隣にある浜辺に艦首を乗せる形で降下し、二隻は沖合に着水した。
残る一隻は、市街地のど真ん中に降りてくる。
強襲揚陸艦の船体が建物を蹴散らし、瓦礫を飛ばして強引に着地してきた。
直後、艦首の大門扉が開いて警告色のライドールが大群を成して飛び出てくる。
アトギソンとシフリンが声を上げた。
「なんだアイツ!?」
「新型か?!」
バッド=リーも、
「見たことの無い機体だ……」
と言う。
モニターにも情報が出ない。
ズワルトやゲヴェルトよりも曲線的な外装だった。攻撃の勢いを流しやすい形状である。
手に持つライフルも、大型のハンドガードが特徴的な新型だ。
そして、その新型機の中で、更に異彩を放つ機体が見えた。
他のライドールより一回り太い前腕と大腿部に、厚みのある胴体。一方で頭部はつるりとしていて、<顔>の造形が見当たらない。
が、その機体に乗っているのが誰かはまもなくわかった。
未知のライドールはひときわ高いビルの上に足を着き、外部スピーカーとオープン回線で声を張り上げた。
「私は対賊隊のガイツ・ガヴォート少佐だ! タイダリアスの逆賊ども! きさまらがこのエリア・パルに潜んでいることはわかっている! そしてエリア・パルの住民たちよ、おまえたちがヤツらを匿い、協力していることもな! いいかこれは国家への反逆、許されざる大罪だ! よって――」
ガヴォートのライドールが、新型ライフルを持った右手を天に向けた。
「今より、積極的防衛戦を開始する!」
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