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第1話 孤独の先は……

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 2月10日。黒髪にポニーテールで、子花柄の脚がやや隠れるくらいの丈の小花柄のフレアスカートを穿いた、薬学部在学の女子大生・廼訪 飛鳥のと・あすかは、大学のお昼休み時間に「自分には仲の良い友達がいない」と孤独を抱く。

 飛鳥あすかは旧校舎の屋上へ向かい、靴を脱いでフェンスによじ登り、フェンスから飛び降りた。

 青空の澄み渡る昼間のことだ。



 廼訪 飛鳥のと・あすかは、自分が通っている――医学部もある大学――と連携している総合病院の1階の病室のベッドの上で目を覚ました。

 間もなく、心療内科医の齋藤 優衣さいとう・ゆいが飛鳥の病室に入って来た。

 優衣は言う。

貴女あなたが飛び降りる瞬間を窓越しに見たという学生さんがいるのよ」

 飛鳥はそれを聴き、自分の行為を恥じた。
 優衣は更に言う。

「貴女って確か、小説書いてるのよね。私、貴女の作品の読者でもあり、大ファンでもあるのよ。外傷が直って元気になったら、また続きを書いてね、応援してるから。それから、診察日の予約も、心療内科の窓口で待ってるから。それじゃ、応急処置は終わってるみたいだし、痛みが引いて起き上がれるようになったら今日は帰りなさい」
「はい」

 ここまで言われたところで、優衣が病室を去っていくのを見た。

 それだけじゃない。小説家も目指している飛鳥は初めて自分の作品のファンに直接応援されたことに驚きと喜びと、安心感を抱いた。

 傷が治りかけ、痛みも引くと飛鳥は病室を出て心療内科の窓口がある3階まで行くのにエスカレーターに乗った。

 次の通院日は翌日の2月11日だ。

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