息子を救いにきました。

オプフル

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エミール。

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真っ暗で人気のない夜道を、酒瓶を片手に歩いていた。
パチンコで負けた後、その近くのコンビニで酒瓶を買ってから帰路についた。
酒瓶に口をつけて、煽るように飲む。
喉をつたって心地よい刺激を与える。
この刺激を欲して、さらに酒瓶を傾けて口に流し込む。
ずっとこうしていたい気分だ。
でも、酒瓶の中は空になってしまう。
口から離して、ため息交じりの息を吐き、わけもわからず酔った勢いで酒瓶をそこらに投げつけた。
酒瓶は鋭い音をだして砕き割れる。
割れたのと同時に、ふと二人がいなくなったあの日のことを思い出す。
息子が何者かに攫われ、それを知った妻が息子を亡くした悲しさゆえに、自殺を試みたあの日を。
どうして、、、、あんなことに、、。
悲しい過去を思い出し、憂鬱な気分になる。
俺は憂鬱さを取り払おうとさっきのコンビニに戻って酒瓶を買うことを考え、少しふらつきながらも踵を返し向かおうとする。
が、それを阻むように立ち塞がる茶色の服を身に纏う、フードを被った者がいた。
俺は目をパチパチとさせたり、擦ったりして目の前にいる者をみる。
結構回ってるな。
自分の中でそれは酔いが回ったせいだと現状をそう解釈し『その者』を避けるように前へ進もうとする。
だが、『その者』は横に移動して、またもやいく手を阻んできた。
「じゃ、邪、邪魔だ 」
呂律が回らない言いで、『その者』の腕を掴んで退けようとした。
そして、その者を触った瞬間だった。
不可解な現象が起こる。
まるで走馬灯でも見ているかのように一人の少女の今に至るまでの過程が脳裏に流れ込んできた。
「エミール?」
「!」
男がなんとなくそう呟くと、女はわかりやすいぐらい驚いた反応をみせる。
「気のせいかしら、今私の名前を、、?」
女は疑問に思ったことを吐露する。
不可解な事が起き少々困惑するエミール。
目の前にいるこの男が言ったのは酔った勢いでのなにかなのだろうか。
エミールは取り敢えず、マスターから言われたことをやろうと思った。
手から黄色の輪っか状のようなものを生み出し、それで男を拘束する。
拘束された男は「なぁ、な、なんだこれは?」と不思議そうにそう言った。
私は元いる世界へのゲートを開こうと、横に手を突き出す。
すると、手を突き出したところに時空の歪みのようなものが形成される。
それはちょうど人が入るぐらいなものだ。
男は驚きはしないがまたもや不思議そうに「ま、また、なんだ?」と口にした。
私はそんな男に構わず、男の服を掴んでぞんざいにゲートの中に放り込んだ。
私もその後に続く。
二人とも前方から吸い込まれるように進んでいく。
その中で男は思う。
今日は酔いが酷いな、と。
女は思う。
なぜ私の名前を、と。
そして、二人は知る由もないだろう。
自分達が二つの世界で起こる大規模な事件の発端になるということを。

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