心中雪-my heart is always in the snow-

みほこ

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みほこの初恋

Mくん

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Mくんが好きと気づいてから、私は学校へ通うのが更に楽しくなった

虐められていた事なんて忘れて、ただ毎日学校へ行くのが楽しくて仕方ない

それでも、Mくんは人気があった

「1年の頃からMくんが好き!」と、言ったY子を筆頭に

"親衛隊"というものがあった

私は自分の気持ちは誰にも話さなかった
Mくん本人にもし気持ちがバレて嫌われたくない
ドッジなど休憩時間など誘われなくなりたくない

でも、ただMくんと話をするだけで親衛隊は都度、私を呼び出した

「親衛隊の決まりで、Mくんと話すのは禁止なの!Mくんと休憩時間過ごすのも禁止!」

何回同じことを言われ呼び出されただろうか

トイレの個室に入り、叩かれたこともあった

休憩時間にボールをぶつけられることもあった

Mくんの前じゃ堂々と言えないけど、ボールをぶつけるところを、たまたまMくんに見られたY子は

「ごめぇぇぇぇん!」

と、わざと大きな声で謝った

けど、叩かれるのもボールをぶつけられるのも慣れっこになってしまっていた私は

「バスケのボールぶつけられた時より、痛くない」
「母に叩かれるより、痛くない」

と、先生にも友達にも父にも話さなかった

父のサークルのバスケにも参加していた私は大人のサイズのボールに慣れていて、たまたまシュートが外れて私に当たってしまうこともあったので、小学生の使うゴムボールが当たったぐらいでは痛みを感じなくなっていた

親衛隊のことも

「なんで好きなのに、グループで集まるんだろう?」

と、思っていた

女子特融のグループでしか行動ができないというのが苦手だった

父と過ごす時間が長かったせいか、一般的に女子が好きになるジャニーズやドラマも全く興味がなく
むしろスポーツ観戦していたほうがよかったので、大好きなイチロー選手を観に球場へ行くほうがうれしかった

Mくんがサッカー部のエースというのも体育の授業でサッカーをやった時に

「Mくん、サッカー上手だね」

と、伝えたら

「俺、一応サッカー部のエースなんだけど?」

と、言われ

「知らんかった、アハハ」

と、2人で笑った時に知ったぐらいだった

親衛隊はグループで

"Mくんのプロフィール帳"

と、いうものを作って回していたみたいだけど興味がなかった

ある日突然

「みほこってゲームやるんだって?」

と、Mくんに話しかけられた

「やるよ、なんで?」

父の店のほうにゲームが置いてあったので、私はヒマな時はゲームをしていた

幼少期にAじいちゃんに麻雀や花札を教えてもらい
小学生の時に母の兄にお下がりのゲーム機をもらい
父と2人で母の目を盗んでゲームをやるのが楽しかった

「今日Tの家でゲームやるんだけど、みほこも来ないか?」

・・・え?
Tくんの家は、店とは真逆
もし行くなら学校帰りに寄る形になる
私が地区外の父の店に帰ってることはもう暗黙の了解になっていたので知ってるはず

「今日、サッカーは?」

私は合唱、Mくんはサッカーを放課後にやっていた

「おまえ~聞いてなかったのか?今日は短縮授業でサッカーも合唱も休み!」

先生の勉強会があるらしく、今日は授業も早く終わり、放課後の部活も休みだという説明を聞いていなかった

・・・それなら、学校帰りにTくんの家に寄ってから店に帰っても時間的に大丈夫だな

そう考え

「行く!」

と、答えた

「よし、じゃあ今日一緒に帰ろうな!」

そう言って頭をポンと叩かれた

全然痛くない頭なのに、頭を押さえてしまった
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