心中雪-my heart is always in the snow-

みほこ

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みほこの初恋

バレンタイン

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どうしよう・・・?

ランドセルに緑のラッピングのチョコが入っている

「おはよー!みほこ!!」

Mくんが教室に入ってきた

「あ、おはよー!見たよ~下駄箱!すごいじゃん!Mのどこがいいのかさっぱりわかんないわ~w」

と、いつもの憎まれ口を叩く

「はぁ?まぁお前は女じゃねーもんなー!男に交じってサッカーやったり、ゲームやらしたら俺より強いし」

こんなのは日常茶飯事だった

私は自分の気持ちがMくんにバレないように、わざと心にも思ってない反対のことを言っていた

かわいくない自分、でも素直になれない

この日の体育で男女に別れてバドミントンの試合だったのを覚えてる

自分のターンが来るまで、体育館の端で体育座りをして順番待ちをしているとMくんが来て

「みほこー!」

と、呼んだ

「なにー!?」

距離が結構あったので、大きな声で返事をした

このころになると、Mくん親衛隊は解散していて、Y子だけがいつも嫌がらせをしてきた
嫌がらせといっても、最初に比べかわいいものだった
休憩時間のドッジボールの試合で、私に向けてだけボールを投げるとか・・・
でもY子の投げるボールは、簡単に取れてしまっていたので、嫌がらせをされている感覚にもならなかった
サッカー部のMくんと仲良くなりたい一心でソフトボールを始めたY子
体育の授業でピッチャーをやったとき、バッターだった私が打ってしまって・・・
嫌がらせをしても、泣きもしない私を親衛隊の人たちは逆に怖かったらしい
Y子を除いてw

Mくんが近づいてきて

「みほこ、好きです!」

と、言った

「は・・・?」

あっけにとられて、ポカンとしてしまった私を見てMくんは

「好きです!・・・プリンが!」

と、言った

当時、クラスの男子の間で、この言葉が流行ったらしく、女子を騙すゲーム!というのがあったらしい

「なんだよ、プリンかよ~。騙されたわ~w」

平然を装うのも精一杯だった

残酷なゲームかもしれないが、当時の私はビックリし、こんなことをされて、どうやってチョコを渡せばいいのか?と益々頭を悩ませていた

下校の時間になり、「いっそ、下駄箱にいれちゃおうか」と思ったら先客がいた

Y子だった

Y子がMくんの下駄箱に入っているチョコを取り除き、自分のだけを入れてるところを見てしまった

私が見ていることに気づいたY子は

「Mくんに言ったら、一生許さないから!」

と、捨て台詞のような言葉を吐き、走っていった

あーあ、みんなすごいな~
私はどうやって渡したらいいか、わかんないよ・・・

そんなことを考えながら靴を履いた

そして・・・
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