心中雪-my heart is always in the snow-

みほこ

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運命の出会い

約束の日

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夏休み直前、約束の日は来た

いつもは学校が終わると、すぐ帰ってるK美は
「お姉ちゃんと遊びに行ってくる」
と、姉に口裏くちうらを合わせてもらったらしく朝から手鏡を常に見ては髪型をチェックしていた

放課後になり、待ち合わせの場所に向かおうとしたらK美が

「どうせだったら、待ち合わせ前に化粧しない?」

と提案してきた

女子高生ともなると、化粧をする子が増えてきたが、女子力皆無だった私には無縁だった

「化粧品持ってないよ?」

そういうと

「駅前のマツキヨに試供品あるから、そこで化粧すればいいよ」

という返事がきた

女子高生といえども、バイトしてる人やそうじゃない人様々いる中で、マツキヨの試供品はありがたかった

「化粧の仕方がわからないから、私はいいよ。K美はやってきたら?」

と言うと

「私がやってあげるよ。よくお姉ちゃんにやってもらうんだ」

と言って、私たちは待ち合わせ前にマツキヨに行くことになった

マツキヨに着くと、いろいろな化粧品のサンプルが置いてあった
ファンデの色で自分に合うものすら、わからない私はちんぷんかんぷんでK美の化粧を見ていた

「私は終わったから、次みほこね」

普段日焼け止めすら塗らない私は色白のK美とは正反対

「みほこに合う色ってなんだろう?」

なんて言いながら、いろいろな種類のファンデを肌に乗せて、やられるがままだった

「こんなもんかな?」

なんとか終わって鏡を見る

マスカラもアイライナーもアイシャドウもしてる自分の顔を見たら違和感しかなかった

クラスの女子が

「マスカラが何回やってもダマになる~」

と言って、マスカラを塗っては落として塗っては落としてをやっているのを見たことがあった私は

「K美って化粧うまいんだね」

と言うのが精一杯だった
自分が似合っているかわからなかったから

「お待たせ」

Y先輩とSさんが先に待っていた

「じゃあ、ここからは別行動で」

合流するなり、Y先輩にそういわれ

「4人で行動するんじゃなかったの?」

と聞くと

「久しぶりにK美に会えたんだから、気を利かせてよ」

と2人はどこかへ行ってしまった

「えっと、久しぶりだね」

Sさんと会うのは2回目でとても緊張していた私は

「うん」

と答えるのが精一杯だった

「どこか行きたいところある?」

と聞かれたので

「海!」

と即答した

Sさんがいつも行っている海を見たかった

「海?海でいいの??」

と聞かれたが

「暑いから海に行きたい」

と答えた

「じゃあ、後ろに乗って」

Sさんは自転車にまたがり、私を後ろに乗せてくれた

自転車の後ろに乗りながら

告白しようかな…Sさんの彼女になりたいな…

なんて事を考えていた

そして、海についた

海に着くとSさんは着ていたYシャツを脱ぎ、Tシャツ姿になり、制服のズボンの裾をまくり上げた

「足だけでも海に入らない?」

と、私の手をひいて海の中に入っていった

暑い日だったので、海はひんやりして気持ちよかった

どれぐらい遊んだか、わからないが、タオルを持ってきてなかった私たちは水道で足を洗い、ベンチに座りながら自然乾燥させていた

「ねぇ、みほこ」

いつも、Sさんは"みほこちゃん"と呼んでいたので、呼び捨てにされたのは初めてだった

「なに?」

平然を装いながら、答えると

「俺とつきあって?大事にする。約束する」

と言われた

告白をされて、泣いたのはこの日が初めてだった
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