心中雪-my heart is always in the snow-

みほこ

文字の大きさ
86 / 87
転職

うんざり

しおりを挟む
私の事だとは話さずに、義姉の事をうまく説明してくれた

「男性陣から見て、自分の姉や妹が、彼女にこういう連絡してたら、どうしますか?」

親友も相当お酒が入っていて、その場にいるみんなにマイクを渡し意見を聞けるようにした

男性陣からは
大事な彼女にそんなことするような妹ならブチギレるわ
結婚してるならまだしも、そもそも彼女と連絡先交換させない

女性陣からは
小姑みたい
結婚前から嫌な思いするなら結婚自体考え直すかもしれない

などと否定的な意見が多かった

そんな会話をしている間も義姉からは延々に連絡がきていた

幸いなことに当時、LINEはまだなかったので既読かどうかは相手にわからなかった

やっぱり義姉は少しおかしいよね・・・

そう思ったので、二次会を途中で抜け出し、Sさんに連絡をとった

そもそもこの日の事は包み隠さずSさんには話していて

「お酒を飲むなら帰りは迎えにいくから」

と言われていたので、迎えにきてもらった

「少し車の中で話せない?」

迎えにきてくれたSさんにそう伝え、とあるお店の駐車場で話すことになった

「ちょっとこれ見てくれない?」

そういって義姉からのメールを初めてSさんに見せた

「実は、最近こんなのばっかりで正直しんどいんだよね」

私は正直な気持ちを伝えた

義姉からのメールを一通り見終わったSさんは

「義姉はあくまで義姉なんだから、みほこが無理してまで仲良くする必要ないよ」

と言ってくれた

それなのに私は

「結婚したら嫌でも仲良くしなきゃいけないんだよね?」

と結婚前から憂鬱になっていた

今思うとマリッジブルーが入っていたのかもしれない

だけど、実母と祖母の嫁姑問題を幼い頃から目の当たりにし、実母と自分の関係も良好ではない、そんな私は人一倍人間関係が怖かった

Sさんの事は好きだけど、Sさんの義姉はどうしても慣れないし好きになれない
これからの事を考えると不安でしかない
どうすればいいんだろう?

そんな事を考えながら、毎日仕事をしていた

ある日、また会社の上司に呼ばれた

「この前のパーティの反省会を開くから、参加するように」

そう言われ、会議室に呼ばれた

会議室に行くと上司の他にパーティに参加していた男性陣が何人かいた

私とベストカップルとして選ばれた人も・・・

「初めての試みだったけど、うまくいったのでこれからは定期的に開催したいと思う。今回参加してみて、改善点があったらどんどん言ってほしい」

上司がそう言い出すと男性陣が

・女性とあまり会話ができなかったので、もっと会話する機会を作ってほしい
・ペアになった子と一緒にゲームをするみたいに親密になれるようセッティングしてほしい
・連絡先を聞けない人も中にはいたので、名簿みたいなものがほしい

いろんな意見が飛び交った

「女性陣の意見はどうだ?」

私に上司が問いかけてきたので、正直困った

「みほこちゃんは若いから結婚願望とか、よくわからないんじゃないですか?女性陣は女性陣で盛り上がっていたし、若い子たちを連れてきてくれたから次回は主要メンバーとして参加してもらうっていうのはどうですか?」

助け舟?を出してくれたのはペアになった人だった

「連絡先も、名簿みたいなものを作るとなると抵抗する女性もいると思うので、そこは男ががんばって気になる相手ができたなら聞かないといけないと思いますけどね」

私の代わりにどんどん意見を言ってくれた

小声で

「ありがとうございます」

と伝えると

「いきなりこんなこと聞かれても困るよね。困ったときはお互い様だよ」

と言ってくれた

その日から、会社で見かけると挨拶程度の会話をするようになった
しばらくして、連絡先を聞かれたのでメールだけするような仲になった
何度か遊びに誘われたけど、都度断っていた
「彼女さんに悪いですよ」
そう言うと
「彼女とは別れちゃったんだよね。やっぱり遠距離って駄目だね」
なんて言っていたので
「次のパーティで、いいお相手見つかるようにサポートしますよ」
と、かわしていた

そして、忘れもしない、私の誕生日の前日に事件が起こった

どれだけ後悔してもやりきれない気持ちに今でもなる

「みほこの誕生日には結婚指輪を買いに行こう」

そう言われていた

だけど、婚活パーティ後、私は結婚に悩んでいた

そのことをSさんに話せないでいた

それどころか毎日ケンカをしていた

このまま結婚してもいいのかな?
もしかしたらSさんよりもっといいひとが現れるかもしれない
Sさんとはなかなか休みも合わないけど、同じ会社の人なら休みも合う

学生時代からSさんとつきあってきたけど、実は視野が狭い?
もっといろんな人を見てから結婚を決めた方がいい?

など、自問自答を繰り返していた

そしてやっぱり気がかりなのは義姉のこと

「今日指輪見に行く約束だったよね?何時にする?」

とSさんから連絡があった

「指輪いらない。一緒にでかけない。今日の約束はなしにして」

この時の私を本当に殴ってでも止めたい
こんな事を言うなんてと、今では思えるのに・・・
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

処理中です...