13 / 19
2章 爆発な事件
2-6
しおりを挟む「……工場や鉱山の説明ができる人がほしい、でしたっけ?」
さっきの女性がベルティーナに訊いた。
さっきの不穏な雰囲気が消え、戸惑いながらも協力しようという心の動きが感じられる。
ウィルフリードは労働者にそれなりに信頼を得ているらしい。彼が後ろ楯だと態度を明確にしてくれたお陰で、協力を得られそうだ。
「一番詳しいって言ったら…ウィルマ?」
「だね! ウィルマ!」
「来れるかな? シフトどうなってた?」
何やらワイワイ話して、やがて一人の女性が連れてこられた。
浅黒い肌に、ウェーブの強い黒髪。ベルティーナよりずっと小柄で、エリザベートの身長より少し高い位だが、落ち着きや、自分の芯になる自信が感じられる。ベルティーナより10歳位年長だろうか。
名をウィルマといい、8歳からここで働いているベテランだそうだ。
スカートの裾をたくしあげてウエストに挟み、その下に履いているズボンを露出した、典型的な鉱山労働婦ファッションである。
意外に思われがちだが、鉱山では女性労働者も多い。
一方、狭い坑道で働くのにズボンが必要だが、女性がズボンを履くことに眉をひそめられることも多い。
それでスカートと重ね履きというファッションが生まれた。天井が低い坑道を前屈みで鉱石を積んだ手押し車を押したりするのに邪魔にならないよう、スカートはたくしあげ挟み込む。
ズボンを履き堂々と働く女性に感銘を受けた作家が小説の題材にしたり、スカート重ね履き姿を画家がこぞって絵にしたりと、文化として世間に肯定的に認知されている。
「鉱山と伺ってますか、何を採ってるんですか?」
「石炭だよ。炭鉱」
ベルティーナは目を見開く。爆発の原因は爆薬と思われると聞いていたが、炭鉱なら別の可能性も高い。
「ガスの調査はしていますか?」
「してるよ。よく知ってるね」
ウィルマは、ほぅ、というように片眉をあげた。
石炭の地層からは、可燃性のガスが出ることがある。それが坑道に充満してガス爆発を起こすこともある。
「私も真っ先にガスを疑った。でも検査ではガスは出てない。ーーとはいえ検査はそう頻繁じゃないから、次の検査までの間に、たまたまガスの層を掘り抜いちゃったら分からないから絶対ではない」
ウィルマは息を吐く。
「でも、ガスにしちゃ引っ掛かるんだよね。爆発したのは新しく掘り抜いた所じゃなくて、むしろ古い、前からある辺りだ。それに、工場でも爆発が起こってる。密閉された坑道ならともかく、離れた地上の工場までガスが充満するってどうかね?」
確かに不自然だ。ベルティーナの頭の中を色々な可能性が駆け巡るが、まだまだ情報が足りない。工場の爆発は別の原因かもしれない。
「爆薬の管理についても教えて頂きたいのですが」
「勿論」
質問に答えてもらうほか、爆薬保管庫や、採石に含まれる成分の検査などをするための化学実験室などあちこちを案内して貰った。
「坑道も見られますか」
「炭鉱内は部外者立入禁止なの。ごめんね。正直、命の保証ができないから」
炭鉱は事故や怪我などリスクの高い職場だ。落盤や火災や酸欠の可能性。機材も安全装置が発達していないので軽微な事故や怪我はしょっちゅうだ。
不慣れな部外者が入って万一事故死したら、相当迷惑をかけることになるのは分かるので、ベルティーナは諦める。
しかし、内部の様子は把握しないと調査ができない。
ウィルマに坑道や機材の図面を示しつつ、一つ一つ説明してもらい、更に沢山質問した。
「換気孔は手動で開け閉めするんですね」
「そう。空気の入れ替えもだけど、坑道は暑くて湿度が高いから換気しないと体力的に辛いんだよね。あと、石炭の粉が舞ってて喉がガラガラになるし。あれ、絶対肺に悪いと思うって何度も事業所長に言ってるけど、何もしてくれなくて」
「石炭の粉……」
ベルティーナは何か考え込むように宙を見つめて呟く。
「粉は掃除しないんですか?」
「したい人はできる範囲でしてるかも。でも本来の仕事がハードだから、そこまで手が回らないのが普通だと思う」
「粉ってどんなところに溜まりますか? どの位?」
エルンストは首を傾げる。
ベルティーナは何故掃除にそんなに拘るのか。労働環境の悪さが人的ミスに繋がって事故が起こりやすくなるということか。それに限らず、訊いてみたいことは色々思い付くが、口にはださない。
訊けばきっと、ベルティーナは嫌な顔一つせず素人にも分かるよう教えてくれるだろう。そういう奴だ。人が好く、他者の立場で物を考える。
しかし今は、余計な解説を求めて脱線させていい場面ではない。今、ベルティーナの頭の中では色々な知識や考えが高速で駆け巡っていて、常人に見えない点と点を繋ぐ線を探る作業をしているのだ。
エルンストはベルティーナの仕事の邪魔をしたい訳ではなく、彼女が仕事をしやすい環境を整えてやりたいのだ。
--彼女に、思うままに幸せに生きてもらいたいのだ。
黙って腕を組み、自分にできることは何かを考える。
今晩はベルティーナの好物のジャガイモのポタージュを作ってやろう。牛乳多めで栄養たっぷりの。
「事故が増えてるって聞きましたが、そうなんですか?」
「増えてるね」
ウィルマは断言する。しかし困ったように眉尻を下げて続ける。
「私の所に結構皆の苦情が集まってくるから、増えてるのは確かだと思う。でも誰かが数えてる訳じゃないから、数字で示せる訳じゃない」
事業所長に訴えても、気のせい、偶然だと否定されてしまう。統計的に調べればはっきり示せるかもしれないけれど、普段の仕事に加えそこまでの調査をする労力も時間も権限もないのだと、ウィルマはため息を吐く。
お互い気安くなってきて、ベルティーナはぼやく。
「何であの人が事業所長なんですかね……。もっと仕事できる人いると思うんですが。貴女とか」
ウィルマは死んだ魚の目をして言った。
「組織の人事は実力や適性と無関係だら。仲良し男子グループだから」
「あぁ……」
ベルティーナも死んだ魚の目をした。組織あるある。
「事故が増えたのはいつ頃から?」
「はっきり言えないけど、私の感覚ではここ3ヶ月位は増えてると思う」
「事故が多いのは、自宅通勤の人と寮の人で差がありますか?」
地場産業なので、労働者の多くは毎日家から通う。余所からきた単身者等は寮があり賄いも出るそうだ。
ウィルマは顎を手で擦り、暫く考え込んだ後、弾かれたように顔をあげた。
「寮の連中の方が事故が多いかも。え、何で分かったの?」
「いえ、分からないので情報を集めているんです」
慌ててベルティーナは手を振る。予断は禁物だ。
「最近怠いとか疲れやすくなったとか言う人は増えましたか? 寮のが多いですか?」
ウィルマは苦笑する。
「この仕事してれば、昔も今も皆疲れてるし、自分が年取ったせいかもしれないし、区別がつかない」
ごもっとも、とベルティーナはこの点の追及は諦める。
後で寮の管理人にも話を聞かねばならない。訊かなきゃならない内容を頭にメモする。
◇◆◇◆◇◆
『理系屋さん』が珍妙なものを見る目で見られることはいつものことだ。
しかしここでは、ベルティーナ達と同様ズボンを履いた女性が沢山いるので居心地がいい。
エリザベートは特に、大人の女性達にマスコット的に可愛がられた。
大男のエルンストにも次第に皆慣れてきて、大中小の3人があっちに登りこっちに潜りしているのを、微笑ましく見守っていた。
調査3日目の夜。
「あ~~~」
ベルティーナは宿のベッドにひっくり返る。
「お疲れ様です、師匠」
滞在中の宿は、鉱山技術者向けの家族用住宅の空き部屋をあてがわれた。これも男爵家の持ち物で、男爵子息ウィルフリードの計らいである。
掃除や食事は通いで家事使用人が来てくれるが、夜食だなんだとエルンストがベルティーナの好物を作ってくれたりして、オカンぶりを発揮する。
2DK程だが寝に帰るなら十分だ。ここはベルティーナとエリザベートの部屋、隣はエルンストの部屋である。
色々思うところはあるが、まぁ一緒に行動するのに楽だし、女だけの所帯より安全だしこれはこれでいいのだろう。
今は、エルンストはコーエンと打ち合わせに出ている。明日、事業所長達に調査結果を説明するためだ。エリザベートは明日はまた宿で待っていて貰う。
「お疲れの師匠に栄養です」
仰向けにで目をつぶった顔に、温かいモフモフが載せられた。
一気に覚醒する。
「くうん」
こんがり焼けたパンのような茶色の子犬だった。柔らかな白い腹毛でボディプレスされていた。
「え、どうしたのこの子」
「隣の管理人さんとこの番犬の仔だそうです。ここが空き家だった頃から遊びに入ってたようで。お嫌でしたら外に出しますが」
「いや、大歓迎!」
「ですよね! 師匠がゾフィと庭で転がってるのを見かけたことがあります」
春の伯爵家の案件の時、伯爵家の番犬のゾフィに仲良くしてもらっていた。見られていたか。
「もう明日で終わりなんですね。『理系屋さん』の仕事に初めて同行できて光栄でした! 凄く興味深かったです!」
頬を上気させて満面の笑みで言う。
エリザベートは興味津々にやりとりや現場を見ていた。仕事中は邪魔にならないようにして、宿に帰るとメモした沢山の質問をした。
「工場や鉱山の場内や機器の実物を見たり、それを図面や理論と照合したりとか……机の前で勉強することの数年分を、3日に凝縮して見た感じです!」
そこまででは、と思うけど、確かに普通に生活していたら一生見ることがないものと、沢山接することができたかもしれない。
彼女にとって貴重な経験になったなら何よりだ。多分、今後学校へ入学しても、同輩は殆ど経験したことない経験だと思うぞ。
弟子をとるのはベルティーナも初めてで不安があったが、彼女の力になれてるなら嬉しい。
「師匠。少々立ち入ったことをお伺いしますが」
「何?」
「師匠とエルンスト様はどういう関係なんですか?」
うわ。……いつか訊聞かれる気がしたが、予想よりずっと遅かった。
「興味本意ではなくて。例えば恋人同士とか背景を知っていれば、私も空気を読んで適切な振る舞いができるので。ずっとお二人をみていましたが分からなくて、無作法にも直接お伺いする次第です」
つくづく聡明な子だ。そして凄くいい子だ。
「もし、言い寄られてスルーしてるのに付きまとわれて困っている、とかなら、子供の無邪気さを装って盾になりますよ?」
手が滑って、寝転んだまま持ち上げていた仔犬を顔に落とした。
親戚のお姉様方が困っている時、そういう技を繰り出して重宝されるとのこと。貴族社会奥が深い。
「うーん。学生時代からの友達だよ」
「--そうですか」
それ以上踏み込んでこない彼女は大人だ。その心意気に敬意を表し、こちらももう少し歩み寄る。
「得難い、大切な友達だよ。盾にはならなくて大丈夫」
「そうですか」
エリザベートは綺麗に微笑んで、仔犬を回収してくれた。
去り際、じたばたした仔犬の肉球に頬を蹴られた。
======
本作は創作ですが、鉱山労働婦は19世紀頃のイギリスを少し参考にしています。
1885年のイングランドとウェールズの調査での女性の労働人口は、鉱山・手工業関係は、家事使用人、お針子、店員に次いで4番目に多い職種で、洗濯女や農業等より遥かに多かったです(労働者階級は結婚しても女性も働きます)。
スカートとズボンの重ね履きスタイルが画題として好まれたのも史実です。児童文学で知られるフランシス・ホジソン・バーネットは、子供の頃に鉱山労働婦に感銘を受けたことから、マンチェスターの炭鉱で働く女性を主人公にした「ローリー家の娘」という小説を書きました。
労働環境はどこも悪い時代でしたが、炭鉱は繊維業と並び特に悪い分野で、その結果、他に先駆けて法規制が導入された分野でもあります。坑道での児童労働も社会問題になりました。
本作ではウィルマは8歳の頃から鉱山労働していたという話がでてきますが、近年では子供はより安全な部署のみ配属されるよう改善され、ウィルマはその歴史を見てきた生き証人という想定で書いています。
0
あなたにおすすめの小説
王女様は温かいごはんが食べたい ~冷えた王宮料理を変えたら、オープンキッチンと政略婚約がついてきました~
しおしお
恋愛
異世界の王女リリアーヌは、前世の記憶を持つ転生者。
豪華絢爛な王宮で暮らし始めた彼女だったが、ひとつだけどうしても耐えられないことがあった。
――食事が、冷めているのだ。
どれほど立派な料理でも、ぬるいスープや冷めた肉ではホッとできない。
「温かいごはんが食べたい」
そのささやかな願いを口にしたことから、王宮ではなぜか大騒動が巻き起こる。
地下厨房からの高速搬送。
専用レーンを爆走するカートメイド。
扉の開閉に命をかけるオープナー。
ついには食堂に火を持ち込むオープンキッチンまで誕生して――!?
温かさは、ホッとさせてくれる。
それは料理だけではなく、人との距離まで少しずつ変えていくものだった。
冷えた王宮に湯気と笑顔を取り戻す、
食と温かさをめぐる宮廷日常コメディ!
-
最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました
斉藤めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。
白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。
その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。
それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。
やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり――
白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。
身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。
料理スキルしか取り柄がない令嬢ですが、冷徹騎士団長の胃袋を掴んだら国一番の寵姫になってしまいました
さら
恋愛
婚約破棄された伯爵令嬢クラリッサ。
裁縫も舞踏も楽器も壊滅的、唯一の取り柄は――料理だけ。
「貴族の娘が台所仕事など恥だ」と笑われ、家からも見放され、辺境の冷徹騎士団長のもとへ“料理番”として嫁入りすることに。
恐れられる団長レオンハルトは無表情で冷徹。けれど、彼の皿はいつも空っぽで……?
温かいシチューで兵の心を癒し、香草の香りで団長の孤独を溶かす。気づけば彼の灰色の瞳は、わたしだけを見つめていた。
――料理しかできないはずの私が、いつの間にか「国一番の寵姫」と呼ばれている!?
胃袋から始まるシンデレラストーリー、ここに開幕!
物置部屋に追いやられた伯爵令嬢ですが、公爵様に見初められて人生逆転しました〜妹の引き立て役だったのに、今では社交界の花と呼ばれています〜
丸顔ちゃん。
恋愛
伯爵家の令嬢セレナは、実母の死後、継母と義妹に虐げられて育った。
与えられた部屋は使用人以下の物置、食事は残飯、服はボロ。
専属侍女も与えられず、家の運営や帳簿管理まで押し付けられ、
失敗すれば鞭打ち――それが彼女の日常だった。
そんなある日、世間体のためだけに同行させられた夜会で、
セレナは公爵家の跡取りレオンと出会う。
「あなたの瞳は、こんな場所に閉じ込めていいものではない」
彼はセレナの知性と静かな強さに一瞬で心を奪われ、
彼女の境遇を知ると激怒し、家族の前で堂々と求婚する。
嫁ぎ先の公爵家で、セレナは初めて“人として扱われ”、
広い部屋、美味しい食事、優しい侍女たちに囲まれ、
独学で身につけた知識を活かして家の運営でも大活躍。
栄養と愛情を取り戻したセレナは、
誰もが振り返るほどの美しさを開花させ、
社交界で注目される存在となる。
一方、セレナを失った伯爵家は、
彼女の能力なしでは立ち行かず、
ゆっくりと没落していくのだった――。
虐げられた令嬢が、公爵の愛と自分の才能で幸せを掴む逆転物語。
【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】
佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。
新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。
「せめて回復魔法とかが良かった……」
戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。
「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」
家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。
「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」
そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。
絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。
これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。
冷徹団長の「ここにいろ」は、騎士団公認の“抱きしめ命令”です
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全16話+後日談5話⭐︎
王都最硬派、規律と責任の塊――騎士団長ヴァルド・アークライトは、夜の見回り中に路地で“落とし物”を拾った。
……いや、拾ったのは魔物の卵ではなく、道端で寝ていた少女だった。しかも目覚めた彼女は満面の笑みで「落とし物です!拾ってくださってありがとうございます!」と言い張り、団長の屋敷を“保護施設”だと勘違いして、掃除・料理・当番表作りに騎士の悩み相談まで勝手に開始。
追い出せば泣く、士気は落ちる、そして何より――ヴァルド自身の休息が、彼女の存在に依存し始めていく。
無表情のまま「危ないから、ここにいろ」と命令し続ける団長に、周囲はざわつく。「それ、溺愛ですよ」
騎士団内ではついに“団長語翻訳係”まで誕生し、命令が全部“愛の保護”に変換されていく甘々溺愛コメディ!
若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!
古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。
そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は?
*カクヨム様で先行掲載しております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる