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1章
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四阿にあった看板を読むと、手摺が崩れるかも知れないので触るなと書いてあった。体重をかけるところだったので、慌てて手を引っ込める。
アレクが難しい顔をして言った。いや、真剣さと困惑の入り交じった表情というべきか。
「ハナは字も読めていますよね。ずっと訊きたかったのですが、いつどうやってこちらの言葉を学んだんですか?」
そう、言葉。
この世界ーー少なくともこの国の言葉は、英語に近い。
そして語尾などが明らかに違う単語も多い。現代日本語と古語のように。
なのでアレク達との会話では、実際は何度も聞き返したり言葉を言い替えたりしながら意思疏通している。重要なのは意志疎通なので、頭の中では聞き返した作業は追い出して翻訳済みの内容で認識しているが。
互いに相手が訛って聞こえるが、私は英語、彼らは彼らの言語として正しい言葉を話しているのであって、訛りとは違うのだろう。
……嘘です、すみません。実際は、私は英語は意志疎通ができるレベルでしかなく、ネイティブには程遠い発音なので、訛った英語です。
「俺が子供の頃お会いした時、ハナは初めは別の言葉で話して、その後こちらの言葉に替えてくれました。こちらの言葉は母語ではなく後から学んだのではないですか?」
彼にとっては12年前のこと、しかもあの状況で覚えていたのか。頭のいい人だ。
しかしどう答えたらいいのだろう。私も分からないのだ。
「私の世界には沢山の言語があって、今私が話しているのは英語といい、共通語のように扱われている言語です。私が普段使っているのは別の言語です。英語が、こちらの世界の言葉とここまで似ている理由は私も知りません」
「……『英語』。今俺が話しているのはクラシュ語です。世界には他にも沢山の言葉があります」
クラシュ語。聞いたことがない。
「この世界の人は異世界の存在を知っている、と聞きました。どの位知られているんですか?」
私が尋ねると、アレクは空を睨んで頭の中を整理するように考え込んだ後、言葉を選ぶように話した。
「別の世界があり、こちらと人や動植物や気候がよく似た世界だと。しかしほぼ不可知不可侵なので、毒にも薬にもならず日々の生活に関わらないとして、一般的には興味を持たれません。子供用のお伽噺の題材として使われるのが一番身近な例でしょうか。研究所のジョンが言うには、科学においても、金銭的価値に直結しない基礎科学の分野で、さらに主流から外れているので予算が取り辛いそうです」
アレクは、膨大な情報量のある抽象的概念を、相手が持つ知識に合わせて簡潔的確に整理して話すのが上手い。書物を沢山読んだ蓄積のお陰か。
頭の中を整理する時に天井や空を睨むのは癖だろうか。ちょっと可愛い。
「ジョンの話では、この2つの世界は元は一つで同じ進化や歴史を共有していて、途中で分かれたのではないかと。だから大変似通っている、という考え方があるそうです。ただ証明はされていません」
「私の世界にも同じ考え方があります。こちらと同様に、証明はされていませんが。
言葉が似ているということはそういうことなのかもしれませんね」
パラレルワールドの考え方だ。
ヨーロッパの言語は、歴史の中で様々に分岐や変化をしており、大きな流れとしてはロマンス語系とゲルマン語系がある。
フランス語やイタリア語などはロマンス語系、英語やドイツ語などはゲルマン語系。だからフランス語とイタリア語は似た単語が多かったりする。
この世界は、少なくともゲルマン語系の流れをもつ歴史があって、しかも英語に近い所まで言語が進化したところで私たちの世界と分かれたパラレルワールドなのかもしれない。
……その割には通貨は聞いたことがない単位だった。服の代金は60ペナだった。ペナって何。パラレルワールドって分からない。
街を見下ろした時見たいくつもの教会は、高い塔やドームがあった。欧州でよくある風景過ぎて気に留めていなかったけど、キリスト教の教会の特徴と似ていた。
神の国は天にあり、上方向への憧れがあり、塔やドームはそれが由来の一つだ。
ちなみに浄土信仰では極楽浄土は西にある。
ここの宗教はキリスト教なのだろうか。歴史はどこまで一致しているのだろう。重いテーマ過ぎて怖くて聞けない。
勿論、他の宗教でも高い塔やドームがある宗教建築物はある。宗教は深淵且つ繊細なので、敬意を払うことは当然であるが、中途半端に踏み荒らすことはしないよう心に決める。
ちなみに私は友人にキリスト教徒も仏教徒もいる。
「ハナも分からないんですね。異世界の人は何でも知っているかのような印象があって」
「私もです。こちらは移動の装置まで作っているからもっと分かっているのかと」
そんなものなのかもしれない。
その後、更に街を歩き、石畳の石の組み方からここで栽培されている野菜まで色々なことを質問し、アレクはそんな私を面白がりながら親切に教えてくれた。
「今日はあまり観光地らしいところは行きませんでしたね。ハナ、明日は足を伸ばしてそういう所へも行ってみませんか。湖などがあります」
「あ、いいですね!是非お願いします」
「はい。ああ、ハナに滞在していただくホテルはこちらです」
アレクが案内してくれたのは、駅に隣接した、所謂ステーションホテルというもののようだ。近年できた駅に併せて作られたらしく、新しくて立派な建物だ。現代や大都市ならもっと高級ホテルもあるかもしれないが、この街の中では一番のホテルかもしれない。
「……凄く立派なホテルを選んでくださって恐縮です」
「研究所の手配なのでご遠慮なく。俺は夜は自分の家に戻って、朝に迎えに来ますが……一人で慣れない国のホテルに泊まるのはご不安ですか?でしたら俺もここに別に部屋をとりますが」
ツアー旅行で添乗員が同じホテルに泊まって常に待機してくれるか、現地ガイドのようにガイド時以外は自由行動形式か、ということか。
「旅慣れているので一人で平気です。ただ……あの、恐縮ですが、部屋に置くチップなどのためにお小遣いを少し頂けないでしょうか」
「あ、勿論です。失礼しました」
他に飲み物を頼みたいときなどもあるだろう、と数日分多目に渡してくれた。ありがたい。本当に、自分自身の自由になるお金がないとこんなことまで頼まなければならなくて心苦しい。
明日は朝食を一階の併設レストランで食べた後合流する約束をして別れた。
自分の部屋に案内してもらい、ベットに上半身を預け仰向けに寝転んでやっと息を吐く。いやその前に、部屋のアンティークな内装やベッドやランプや水差しに浮かれまくってガン見しましたが。
それにしてもアレクはいい人だった。人柄も聡明さも価値観の有りようも素晴らしくて気持ちいい人だった
それに綺麗な顔立ちだったなと思い出す。褐色の肌や癖のない長めの黒髪に、金色の目がよく映える。街では肌が白い人が殆どで、彼のような褐色の肌の人はいないことはないけれど少なかったように思う。他の土地出身だろうか。ちなみに私のようなアジア顔は皆無だった。
それでスタイルもよくて紳士的で知的とか、完璧か。
だからどうという訳ではなく、優れた芸術品を見て尊いとなぁ拝むような感じだが。
彼は過去の縁やガイドという立場で付き添いをしてくれた人であり、例えば異性として意識する対象ではない。
私が彼の立場でも、ガイドする客人が気持ちよく過ごせるよう良好な空気を築く力を尽くすし、喜んでもらえれば嬉しいけれど、それは大人として当然の範疇に過ぎない。勘違いされて言い寄る対象として見られたら怖すぎる。警察呼ぶ案件である。
そういうのとは別に、人として本当に好ましく思う。ありがたや。
明日からもそう素直に感謝し、自分にできることは彼に返そう。人の心の有りようとして。
行き帰りの手段と滞在費は研究所持ちなので、研究所にも何か返すべきか頭を過ったが、あの茶色頭のオッサンには、十分な説明も事前実験もなしに私を人体実験に使って得たデータで返したということでチャラだ。というか命の代金としたら安すぎる位だ、と思い直す。
あまりに色々なことがあった一日で頭の中がオーバーヒート状態だが、時差のせいで頭の芯が重い程の眠気が押し寄せてくる。
体を引きずるように何とか慣れないドレスを脱いで皺にならないように軽く畳んだのが限界で、ランプを消しシーツに潜って3秒で眠りに落ちた。
アレクが難しい顔をして言った。いや、真剣さと困惑の入り交じった表情というべきか。
「ハナは字も読めていますよね。ずっと訊きたかったのですが、いつどうやってこちらの言葉を学んだんですか?」
そう、言葉。
この世界ーー少なくともこの国の言葉は、英語に近い。
そして語尾などが明らかに違う単語も多い。現代日本語と古語のように。
なのでアレク達との会話では、実際は何度も聞き返したり言葉を言い替えたりしながら意思疏通している。重要なのは意志疎通なので、頭の中では聞き返した作業は追い出して翻訳済みの内容で認識しているが。
互いに相手が訛って聞こえるが、私は英語、彼らは彼らの言語として正しい言葉を話しているのであって、訛りとは違うのだろう。
……嘘です、すみません。実際は、私は英語は意志疎通ができるレベルでしかなく、ネイティブには程遠い発音なので、訛った英語です。
「俺が子供の頃お会いした時、ハナは初めは別の言葉で話して、その後こちらの言葉に替えてくれました。こちらの言葉は母語ではなく後から学んだのではないですか?」
彼にとっては12年前のこと、しかもあの状況で覚えていたのか。頭のいい人だ。
しかしどう答えたらいいのだろう。私も分からないのだ。
「私の世界には沢山の言語があって、今私が話しているのは英語といい、共通語のように扱われている言語です。私が普段使っているのは別の言語です。英語が、こちらの世界の言葉とここまで似ている理由は私も知りません」
「……『英語』。今俺が話しているのはクラシュ語です。世界には他にも沢山の言葉があります」
クラシュ語。聞いたことがない。
「この世界の人は異世界の存在を知っている、と聞きました。どの位知られているんですか?」
私が尋ねると、アレクは空を睨んで頭の中を整理するように考え込んだ後、言葉を選ぶように話した。
「別の世界があり、こちらと人や動植物や気候がよく似た世界だと。しかしほぼ不可知不可侵なので、毒にも薬にもならず日々の生活に関わらないとして、一般的には興味を持たれません。子供用のお伽噺の題材として使われるのが一番身近な例でしょうか。研究所のジョンが言うには、科学においても、金銭的価値に直結しない基礎科学の分野で、さらに主流から外れているので予算が取り辛いそうです」
アレクは、膨大な情報量のある抽象的概念を、相手が持つ知識に合わせて簡潔的確に整理して話すのが上手い。書物を沢山読んだ蓄積のお陰か。
頭の中を整理する時に天井や空を睨むのは癖だろうか。ちょっと可愛い。
「ジョンの話では、この2つの世界は元は一つで同じ進化や歴史を共有していて、途中で分かれたのではないかと。だから大変似通っている、という考え方があるそうです。ただ証明はされていません」
「私の世界にも同じ考え方があります。こちらと同様に、証明はされていませんが。
言葉が似ているということはそういうことなのかもしれませんね」
パラレルワールドの考え方だ。
ヨーロッパの言語は、歴史の中で様々に分岐や変化をしており、大きな流れとしてはロマンス語系とゲルマン語系がある。
フランス語やイタリア語などはロマンス語系、英語やドイツ語などはゲルマン語系。だからフランス語とイタリア語は似た単語が多かったりする。
この世界は、少なくともゲルマン語系の流れをもつ歴史があって、しかも英語に近い所まで言語が進化したところで私たちの世界と分かれたパラレルワールドなのかもしれない。
……その割には通貨は聞いたことがない単位だった。服の代金は60ペナだった。ペナって何。パラレルワールドって分からない。
街を見下ろした時見たいくつもの教会は、高い塔やドームがあった。欧州でよくある風景過ぎて気に留めていなかったけど、キリスト教の教会の特徴と似ていた。
神の国は天にあり、上方向への憧れがあり、塔やドームはそれが由来の一つだ。
ちなみに浄土信仰では極楽浄土は西にある。
ここの宗教はキリスト教なのだろうか。歴史はどこまで一致しているのだろう。重いテーマ過ぎて怖くて聞けない。
勿論、他の宗教でも高い塔やドームがある宗教建築物はある。宗教は深淵且つ繊細なので、敬意を払うことは当然であるが、中途半端に踏み荒らすことはしないよう心に決める。
ちなみに私は友人にキリスト教徒も仏教徒もいる。
「ハナも分からないんですね。異世界の人は何でも知っているかのような印象があって」
「私もです。こちらは移動の装置まで作っているからもっと分かっているのかと」
そんなものなのかもしれない。
その後、更に街を歩き、石畳の石の組み方からここで栽培されている野菜まで色々なことを質問し、アレクはそんな私を面白がりながら親切に教えてくれた。
「今日はあまり観光地らしいところは行きませんでしたね。ハナ、明日は足を伸ばしてそういう所へも行ってみませんか。湖などがあります」
「あ、いいですね!是非お願いします」
「はい。ああ、ハナに滞在していただくホテルはこちらです」
アレクが案内してくれたのは、駅に隣接した、所謂ステーションホテルというもののようだ。近年できた駅に併せて作られたらしく、新しくて立派な建物だ。現代や大都市ならもっと高級ホテルもあるかもしれないが、この街の中では一番のホテルかもしれない。
「……凄く立派なホテルを選んでくださって恐縮です」
「研究所の手配なのでご遠慮なく。俺は夜は自分の家に戻って、朝に迎えに来ますが……一人で慣れない国のホテルに泊まるのはご不安ですか?でしたら俺もここに別に部屋をとりますが」
ツアー旅行で添乗員が同じホテルに泊まって常に待機してくれるか、現地ガイドのようにガイド時以外は自由行動形式か、ということか。
「旅慣れているので一人で平気です。ただ……あの、恐縮ですが、部屋に置くチップなどのためにお小遣いを少し頂けないでしょうか」
「あ、勿論です。失礼しました」
他に飲み物を頼みたいときなどもあるだろう、と数日分多目に渡してくれた。ありがたい。本当に、自分自身の自由になるお金がないとこんなことまで頼まなければならなくて心苦しい。
明日は朝食を一階の併設レストランで食べた後合流する約束をして別れた。
自分の部屋に案内してもらい、ベットに上半身を預け仰向けに寝転んでやっと息を吐く。いやその前に、部屋のアンティークな内装やベッドやランプや水差しに浮かれまくってガン見しましたが。
それにしてもアレクはいい人だった。人柄も聡明さも価値観の有りようも素晴らしくて気持ちいい人だった
それに綺麗な顔立ちだったなと思い出す。褐色の肌や癖のない長めの黒髪に、金色の目がよく映える。街では肌が白い人が殆どで、彼のような褐色の肌の人はいないことはないけれど少なかったように思う。他の土地出身だろうか。ちなみに私のようなアジア顔は皆無だった。
それでスタイルもよくて紳士的で知的とか、完璧か。
だからどうという訳ではなく、優れた芸術品を見て尊いとなぁ拝むような感じだが。
彼は過去の縁やガイドという立場で付き添いをしてくれた人であり、例えば異性として意識する対象ではない。
私が彼の立場でも、ガイドする客人が気持ちよく過ごせるよう良好な空気を築く力を尽くすし、喜んでもらえれば嬉しいけれど、それは大人として当然の範疇に過ぎない。勘違いされて言い寄る対象として見られたら怖すぎる。警察呼ぶ案件である。
そういうのとは別に、人として本当に好ましく思う。ありがたや。
明日からもそう素直に感謝し、自分にできることは彼に返そう。人の心の有りようとして。
行き帰りの手段と滞在費は研究所持ちなので、研究所にも何か返すべきか頭を過ったが、あの茶色頭のオッサンには、十分な説明も事前実験もなしに私を人体実験に使って得たデータで返したということでチャラだ。というか命の代金としたら安すぎる位だ、と思い直す。
あまりに色々なことがあった一日で頭の中がオーバーヒート状態だが、時差のせいで頭の芯が重い程の眠気が押し寄せてくる。
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