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本編 ~ 第六章 ~
59話 汚染された水道工場 ~静寂暗~
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私はプリンの後に続くように、ゆっくりと通路の地面に足を踏み入れた。
「わぁっ!!」
恐る恐る足を踏み入れようと片足を上げて地面に付こうとした瞬間、何かの衝撃でそのまま前のめりになり一気に通路へ入ってしまった。
「何を怖がっているのですか? トラップは既に解除されましたよ! あれを見て下さい!」
衝撃の正体は管理官だった。
管理官が体全体を先に歩いて行ってしまったプリンのほうに向けると、私にそう言い放った。
「いや、プリンは大丈夫でも私はダメかもしれないじゃん!」
我ながらわけのわかんない言い訳をしてしまった。
ロボットならともかく同じ人なんだからそんなに違いがあるわけもないのに⋯⋯。
「お前ら何やってんだ? さっさと来い」
管理官とそんなやり取りをしていると、既に通路を渡り切っているプリンが私達を呼んだ。
ウイーンーーガシャーーウイーンーー
プリンのその声を聞いた管理官は、私のほうを一目見て何も言わずに音を立ててプリンのほうへ行ってしまった。
「はぁ~」
私は深いため息を付き二人の後を追った。
「こっからどっちに行けばいいの? もう迷路みたいなのはごめんだよ」
通路を渡り切り先の道筋が見えた頃にはそんな言葉が出てきた。
それもそのはずーーこの工場はなぜか迷路仕掛けになっている。
行く所、行く所迷路か罠ばかり⋯⋯私はいい加減そんな所には飽き飽きしていた。
私の目の前に現れたのは進める場所が3か所ある⋯⋯十字になっている通路だった。
もはやどっちに行けばいいかなんて私にはわからない。
この先の通路の構造も、休める部屋があるのかどうかも何もわからないのだ。
そろそろ私の疲れの限界が訪れていた為、今ではもうため息しか出なくなっていた。
「管理官、何かわからねぇか? プログラムの中で生きてるもんはねぇのか?」
ピピーーピコピコピコーーピピピーー
管理官は妙な音をさせて少しの間沈黙した。
「申し訳ありません⋯⋯私のプログラムは既に機能していません。何も見つかりません。ここはあなた達の感で進むしかないでしょう! それともこの小汚い通路で休みますか? こんな所で寝れるのでしょうか?」
管理官は息が途切れないようにペラペラと話し続けた。
確かにこんな所で寝たくはないけど、それも止む無し⋯⋯だよね?
疲れてるのはみんな同じなんだし、こんな所で寝たら病気になっちゃうかもしれないけど、寝不足で倒れるよりはマシだしね。
「よし、今日はここで寝るぞ。小汚いとか気にしてる場合じゃねぇ。色々あってもう今日は考えたくねんだ」
プリンは相当お疲れのようだ。
それもそうか、私も管理官も何かって言えばプリンに決定させて考えさせて、最終決定はやっぱりプリンがして⋯⋯プリンの後に付いて行く事しかしない。
そんなんだからプリンが余計に疲れが溜まるんだよね⋯⋯。
この気持ちを改めなきゃいけないってわかってるけど⋯⋯今はまだどうにもできない。
私は一人じゃ何もできないし、相談に乗ってくれる人がいなきゃ一人でも決められない。
いや、こんな世界に来てしまったから一人で決められない性格になっちゃったのかもしれない。
少なくても以前はこんなんじゃなかった気がする。
この世界で自分が生き抜く為に⋯⋯人と行動する為に⋯⋯大輔を見つける為に⋯⋯全て他人に決断を仰いでいる。
確かに人と行動を共にするには一人で決めちゃいけない時もあるけど、時には自分で決断しなきゃいけない時もあるよね⋯⋯。
プリンは大輔の代わりってわけじゃないけど、そう思っている部分もあるかもしれない――だから大輔だと思ってつい甘えてしまう。
右を向けば足を引っ込めて地面に体を付けて寝ている管理官、左を向けば背を向けて毛布にくるまって寝ているプリン。
私は二人に挟まれて二人が寝静まった後もそんな事を考えながら、顔まで深く被り毛布にくるまっていた。
壁から床に貯まっている水たまりに水滴が落ちるような音。
ポチャンーーポチャンーー
静寂。
ただ水滴の音だけが鳴り響く。
私は目を瞑った。
「わぁっ!!」
恐る恐る足を踏み入れようと片足を上げて地面に付こうとした瞬間、何かの衝撃でそのまま前のめりになり一気に通路へ入ってしまった。
「何を怖がっているのですか? トラップは既に解除されましたよ! あれを見て下さい!」
衝撃の正体は管理官だった。
管理官が体全体を先に歩いて行ってしまったプリンのほうに向けると、私にそう言い放った。
「いや、プリンは大丈夫でも私はダメかもしれないじゃん!」
我ながらわけのわかんない言い訳をしてしまった。
ロボットならともかく同じ人なんだからそんなに違いがあるわけもないのに⋯⋯。
「お前ら何やってんだ? さっさと来い」
管理官とそんなやり取りをしていると、既に通路を渡り切っているプリンが私達を呼んだ。
ウイーンーーガシャーーウイーンーー
プリンのその声を聞いた管理官は、私のほうを一目見て何も言わずに音を立ててプリンのほうへ行ってしまった。
「はぁ~」
私は深いため息を付き二人の後を追った。
「こっからどっちに行けばいいの? もう迷路みたいなのはごめんだよ」
通路を渡り切り先の道筋が見えた頃にはそんな言葉が出てきた。
それもそのはずーーこの工場はなぜか迷路仕掛けになっている。
行く所、行く所迷路か罠ばかり⋯⋯私はいい加減そんな所には飽き飽きしていた。
私の目の前に現れたのは進める場所が3か所ある⋯⋯十字になっている通路だった。
もはやどっちに行けばいいかなんて私にはわからない。
この先の通路の構造も、休める部屋があるのかどうかも何もわからないのだ。
そろそろ私の疲れの限界が訪れていた為、今ではもうため息しか出なくなっていた。
「管理官、何かわからねぇか? プログラムの中で生きてるもんはねぇのか?」
ピピーーピコピコピコーーピピピーー
管理官は妙な音をさせて少しの間沈黙した。
「申し訳ありません⋯⋯私のプログラムは既に機能していません。何も見つかりません。ここはあなた達の感で進むしかないでしょう! それともこの小汚い通路で休みますか? こんな所で寝れるのでしょうか?」
管理官は息が途切れないようにペラペラと話し続けた。
確かにこんな所で寝たくはないけど、それも止む無し⋯⋯だよね?
疲れてるのはみんな同じなんだし、こんな所で寝たら病気になっちゃうかもしれないけど、寝不足で倒れるよりはマシだしね。
「よし、今日はここで寝るぞ。小汚いとか気にしてる場合じゃねぇ。色々あってもう今日は考えたくねんだ」
プリンは相当お疲れのようだ。
それもそうか、私も管理官も何かって言えばプリンに決定させて考えさせて、最終決定はやっぱりプリンがして⋯⋯プリンの後に付いて行く事しかしない。
そんなんだからプリンが余計に疲れが溜まるんだよね⋯⋯。
この気持ちを改めなきゃいけないってわかってるけど⋯⋯今はまだどうにもできない。
私は一人じゃ何もできないし、相談に乗ってくれる人がいなきゃ一人でも決められない。
いや、こんな世界に来てしまったから一人で決められない性格になっちゃったのかもしれない。
少なくても以前はこんなんじゃなかった気がする。
この世界で自分が生き抜く為に⋯⋯人と行動する為に⋯⋯大輔を見つける為に⋯⋯全て他人に決断を仰いでいる。
確かに人と行動を共にするには一人で決めちゃいけない時もあるけど、時には自分で決断しなきゃいけない時もあるよね⋯⋯。
プリンは大輔の代わりってわけじゃないけど、そう思っている部分もあるかもしれない――だから大輔だと思ってつい甘えてしまう。
右を向けば足を引っ込めて地面に体を付けて寝ている管理官、左を向けば背を向けて毛布にくるまって寝ているプリン。
私は二人に挟まれて二人が寝静まった後もそんな事を考えながら、顔まで深く被り毛布にくるまっていた。
壁から床に貯まっている水たまりに水滴が落ちるような音。
ポチャンーーポチャンーー
静寂。
ただ水滴の音だけが鳴り響く。
私は目を瞑った。
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