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第一章 第二幕 魔法騎士学院
十七話 形勢逆転
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「間に合って!」
「ウォォォ!」
《疾風の加護を与えし精霊サンダークよ――》
もうすぐそこまでガロウが矛を振り回し来ている。
《我に偉大なる魔力を与えたまえ――》
もう少し。
《汝を疾風の如き竜巻で天高く飛ばせ――》
「――ウォォォ!」
ガロウの矛先がチャチャの頬をかすった。
「――ウィンド!」
目の前に竜巻が現れ大きなガロウの体を持ち上げた。
そして炎をまとっていた矛の周りから炎が消えた。
「うぉ……くそ! こんなんで俺を倒せると思ったら……」
ガロウは竜巻に巻き込まれながら威勢よく吐いた。
するとガロウの言葉を無視するかのように、チャチャは続けて詠唱をする。
「だったら……!」
そう言いチャチャは杖を前に出し魔法陣を描いた。
「水龍の加護を与えし精霊リヴィアよ
我に偉大なる魔力を与えたまえ
その器を蒼の揺らめきで埋め尽くせ――ウォーター!」
チャチャは、水系魔法のウォーターを風に乗せ放った。
すると竜巻に大量の水が流れ込み魔力合成された。
竜巻に飲まれていたガロウを水の塊が包み込む。
その中はまるで風のように水の流れが早く、竜巻のように回っている。
ガロウはクルクルと回り、更に水圧に押されもがいている。
そしてその時はすぐにやってきた。
ガロウは口からプカッと水泡を出すと、白目を向いて気絶した。
「――勝者、ホノカチーム!」
その瞬間、チャチャは地面に崩れ落ちるように座った。
「や、やった……ぁ」
するとガロウを包んでいた水の泡は消え去り、ガロウは地面に落下した。
「だ、大丈夫かな」
チャチャはガロウの心配をすると、アザール学院長はガロウに近づき人差し指と中指を胸に当てた。
すると、ガロウの体がほのかに緑色に光りガロウの負った傷が徐々に回復していく。
「もう大丈夫だな」
アザール学院長は、他の倒れたメンバーの治癒も手早く済ませると再び口を開いた。
「よし、少しの休憩を挟む。その後、残りのチームの試合だ」
そう言うと、アザール学院長は用意された椅子に座り腕組みをした。
「みんな大丈夫?」
チャチャがメンバーに近づく。
「チャチャ……ありがとう」
「あなたがいなかったらきっと勝てなかったわ」
みんなチャチャにお礼を言い、チャチャはまんざらでもないように笑顔で照れた。
そしてガロウチームはというと――
「兄貴……すいやせんでした。あっしがもう少しちゃんと……」
「いや、お前たちはよく戦った。全力を出したんだ。これで退学になっても文句はない」
「兄さん……」
「兄貴……」
「ガロウさん……」
ガロウはどうやらメンバーの兄貴的存在らしいな。
それより……さすがにテンションが低いな。
ま、それもそうか。
負けた上に退学だもんな。
アザール学院長は有言実行する。
だから負けたガロウたちは退学だ。
可哀そうだけど仕方ないよな。
どっちのチームも全力で頑張ってたもんな。
次は俺たちだ。
絶対に負けるわけにはいかない。
ここで退学になったらせっかく入学したのに意味がない。
それに今集落に戻っても合わす顔がない。
婚約者のクラデにも……。
ってか、あれから会ってもないけど。
そしていよいよその時がきた。
俺たちの番だ。
アザール学院長が椅子から立ち上がり腕組みをした。
「休憩終わり!」
そう言うとアザール学校長は俺たちに目線をやった。
「次は――エデンチームvsサクラチーム。位置につけ!」
「ウォォォ!」
《疾風の加護を与えし精霊サンダークよ――》
もうすぐそこまでガロウが矛を振り回し来ている。
《我に偉大なる魔力を与えたまえ――》
もう少し。
《汝を疾風の如き竜巻で天高く飛ばせ――》
「――ウォォォ!」
ガロウの矛先がチャチャの頬をかすった。
「――ウィンド!」
目の前に竜巻が現れ大きなガロウの体を持ち上げた。
そして炎をまとっていた矛の周りから炎が消えた。
「うぉ……くそ! こんなんで俺を倒せると思ったら……」
ガロウは竜巻に巻き込まれながら威勢よく吐いた。
するとガロウの言葉を無視するかのように、チャチャは続けて詠唱をする。
「だったら……!」
そう言いチャチャは杖を前に出し魔法陣を描いた。
「水龍の加護を与えし精霊リヴィアよ
我に偉大なる魔力を与えたまえ
その器を蒼の揺らめきで埋め尽くせ――ウォーター!」
チャチャは、水系魔法のウォーターを風に乗せ放った。
すると竜巻に大量の水が流れ込み魔力合成された。
竜巻に飲まれていたガロウを水の塊が包み込む。
その中はまるで風のように水の流れが早く、竜巻のように回っている。
ガロウはクルクルと回り、更に水圧に押されもがいている。
そしてその時はすぐにやってきた。
ガロウは口からプカッと水泡を出すと、白目を向いて気絶した。
「――勝者、ホノカチーム!」
その瞬間、チャチャは地面に崩れ落ちるように座った。
「や、やった……ぁ」
するとガロウを包んでいた水の泡は消え去り、ガロウは地面に落下した。
「だ、大丈夫かな」
チャチャはガロウの心配をすると、アザール学院長はガロウに近づき人差し指と中指を胸に当てた。
すると、ガロウの体がほのかに緑色に光りガロウの負った傷が徐々に回復していく。
「もう大丈夫だな」
アザール学院長は、他の倒れたメンバーの治癒も手早く済ませると再び口を開いた。
「よし、少しの休憩を挟む。その後、残りのチームの試合だ」
そう言うと、アザール学院長は用意された椅子に座り腕組みをした。
「みんな大丈夫?」
チャチャがメンバーに近づく。
「チャチャ……ありがとう」
「あなたがいなかったらきっと勝てなかったわ」
みんなチャチャにお礼を言い、チャチャはまんざらでもないように笑顔で照れた。
そしてガロウチームはというと――
「兄貴……すいやせんでした。あっしがもう少しちゃんと……」
「いや、お前たちはよく戦った。全力を出したんだ。これで退学になっても文句はない」
「兄さん……」
「兄貴……」
「ガロウさん……」
ガロウはどうやらメンバーの兄貴的存在らしいな。
それより……さすがにテンションが低いな。
ま、それもそうか。
負けた上に退学だもんな。
アザール学院長は有言実行する。
だから負けたガロウたちは退学だ。
可哀そうだけど仕方ないよな。
どっちのチームも全力で頑張ってたもんな。
次は俺たちだ。
絶対に負けるわけにはいかない。
ここで退学になったらせっかく入学したのに意味がない。
それに今集落に戻っても合わす顔がない。
婚約者のクラデにも……。
ってか、あれから会ってもないけど。
そしていよいよその時がきた。
俺たちの番だ。
アザール学院長が椅子から立ち上がり腕組みをした。
「休憩終わり!」
そう言うとアザール学校長は俺たちに目線をやった。
「次は――エデンチームvsサクラチーム。位置につけ!」
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