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第1章
愛の余韻
しおりを挟む獣のように貪り合った熱い時間の後、ヴォルフはぐったりとしたエリアスを軽々と抱き上げ、寝室のベッドへと運んだ。
そして自ら用意した温かいお湯を張った桶と、清潔な布を持って戻ってくる。
「さあ、綺麗にしよう」
ヴォルフは布団の上に防水のシーツを敷き、エリアスの足を優しく開いた。
先ほどまで激しく交わっていた場所を、お湯に浸した布で丁寧に拭っていく。
「ん……っ」
くちゅ、と湿った音がする。
拭われている刺激に反応して、中からヴォルフが注いだ熱いものが溢れ出してくる感覚があり、エリアスはカッと顔を赤くした。
なんて恥ずかしい。
けれどヴォルフは、その光景を嫌がるどころか、うっとりとした表情で見つめていた。
「すごいな……今夜も、君の中に溢れるくらい注いでしまった」
ヴォルフの瞳は、自身のマーキングの痕跡を誇るように輝いている。
まじまじと見つめられ、エリアスはたまらなくなって手で顔を覆った。
「ヴォルフ……恥ずかしいですから、あまり見ないでください」
「どうしてだ?私は、エリアスの全てをいつも見ていたいんだ」
ヴォルフは少し意地悪く笑うと、エリアスの膝を掴んでわざと大きく開かせた。
「隠さないでくれ。君のすべては私のものだろう?」
露わになった秘所を、これ見よがしに丁寧に、時間をかけて拭っていく。
エリアスは抵抗こそしなかったが、あまりの羞恥と、与えられる刺激に小刻みに震えてしまった。
(……あ)
心を通じさせてから、日に日にヴォルフの独占欲というか、所有欲が強くなっているのを感じる。
以前の遠慮がちな態度は消え、「私のものだ」という意思表示が隠さなくなってきた。
その強引さに触れるたび、エリアスの背筋にはゾクゾクと痺れるような甘い感覚が走る。
怖いのではない。
オメガとして、本能的に愛するアルファにこれほどまでの欲望と執着を向けられることが嬉しすぎて、興奮してしまっているのだ。
「……綺麗になった」
ようやく身を清め終えると、ヴォルフはクローゼットからシルクのナイトウェアを取り出し、エリアスに着せてくれた。
ボタンを一つ一つ留め、髪を整えてくれる。
入浴から、情事、そして最後のアフターケアまで。
今夜は本当に、何から何までヴォルフにお世話になってしまった。
「ふふ、君を着せ替え人形にするのは楽しいな」
ヴォルフは満足そうに微笑み、エリアスを抱きしめた。
その笑顔を見ると、エリアスの胸も満たされた気持ちでいっぱいになる。
「さあ、もう遅い。休もうか」
ヴォルフがベッドに入り、腕を広げる。
エリアスはその懐に滑り込み、すっぽりとヴォルフの胸に収まる形になった。
鼻腔を満たすのは、愛しいアルファの匂いと、確かなぬくもり。
安らぎが全身を包み込んでいく。
「……ヴォルフ」
あまりにも幸せな気持ちを抑えきれず、エリアスはヴォルフの胸に顔を押し付け、すりすりと甘えるように擦り寄せた。
「おやすみ、私の愛しいエリアス」
頭上から降る優しい声と共に、大きな掌がエリアスの髪を撫でてくれる。
その一定のリズムに守られながら、エリアスは至福の眠りへと落ちていった。
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