58 / 251
第1章
香油の使い道⚠️
しおりを挟む芳しい花の香りに包まれたまま、エリアスの意識は深い海から浮上するように、ゆっくりと覚醒へと向かっていた。
夢見心地のまどろみの中、耳元で不思議な音が響いていることに気づく。
くちゅ、くちゅ、くちゅ……。
湿った、粘着質な水音。
それは単なる音だけではなかった。
意識がはっきりしてくるにつれて、その音と連動するように、下半身へ伝わる熱と快感が鮮明になっていく。
(……え?)
エリアスはハッとして目を開けた。
いつの間にかソファからベッドへと移動させられていたようだ。
そして、顔を上げた先には、信じられない光景があった。
「あ……」
ヴォルフがエリアスの足元に座り、先ほど肩のマッサージに使っていたあの香油をたっぷりと使い、眠っているエリアスの内腿や、無防備に晒された中心を丹念に塗り込み、刺激していたのだ。
視覚でそれを捉えた瞬間、曖昧だった快感が脳に直結し、エリアスは跳ね起きた。
「ひゃっ、あぁっ!?」
「おや、起きたかい」
ヴォルフは手を止めることなく、濡れた指でエリアスの先端を弾いた。
「ヴォルフ、何を……!眠っている間に、こんな……っ」
「香油は、こういう使い方もあるんだよ」
抗議しようとしたエリアスに対し、ヴォルフは低く甘い声で囁いた。
その表情は、悪戯を見つけられた子供のように無邪気で、けれど瞳の奥には大人の雄の色気が揺らめいている。
「これも君を癒すためのマッサージの一環だよ。……ほら、ここも凝っているだろう?」
「っ、うそ、だ……あ、んッ!」
ヴォルフの手が上下に動くたび、たっぷりと塗られた香油が潤滑油となり、くちゅくちゅといやらしい音を立てて絡みつく。
滑りが良くなった皮膚への刺激は、普段よりも鋭く、そしてねっとりと神経に絡みついてくる。
香りの良さと、背徳的な音、そして視覚的な刺激。
全身が一気に熱くなり、エリアスは枕に顔を押し付けて声を上げた。
「あ、すごい、音……やだ、きもち、いい……っ」
「いい声だ、エリアス」
その刺激に泣かされていると、不意に、香油で濡れて滑らかになった指が、後ろの窄まりへと滑り込んだ。
「ひぁっ!?」
「力を抜いて。オイルのおかげで、すんなり入る」
抵抗もなく奥へと侵入した指が、中の敏感な部分を正確に捉えて掻き回す。
ここでもまた、くちゅ、くちゅと粘ついた音が体内で響き、エリアスは狂ったように身体を震わせた。
「あ、あぁっ、だめ、そこっ!おかしく、なるぅッ!!」
「我慢しなくていい。何回でもイッていいよ」
ヴォルフはもう片方の手でエリアスの腰を固定し、逃げられないようにして攻め立てた。
「可愛いところを見せてくれ、エリアス」
「ヴォル、フ……っ、いく、いくッ!!」
明らかにイカせるために追い詰められ、エリアスの目の前が真っ白になった。
ビクンッ! と腰が跳ね上がり、いつもよりも激しく、大量の白濁が放たれる。
「ん……」
射精の瞬間、ヴォルフは当たり前のように顔を寄せ、飛沫を受け止めるどころか、エリアスの自身を口に含んで根こそぎ吸い上げた。
「あ、う……」
喉が鳴る音がして、出したものが全て飲み込まれる。
快感の余韻に浸りながら、エリアスはぼんやりと思った。
(香油に濡れたものを口に入れるなんて、味が混ざって美味しくないだろうに……)
けれどヴォルフは、口元を拭いながら、この上なく美味しそうに微笑んだ。
「ごちそうさま。……甘かったよ」
その執着と愛に、エリアスの胸がキュンと鳴る。
ぐったりとシーツに沈み込むエリアスに、ヴォルフは再び香油の瓶を手に取った。
「まだ終わりじゃないぞ」
「え……?」
「湯浴みで香油は流せばいいから……まだそれまでの時間、たっぷりと君を『癒して』あげる」
ヴォルフはとろりと新しい油をエリアスの肌に垂らし、楽しげに笑った。
夜はまだ、終わらないようだ。
78
あなたにおすすめの小説
僕の、しあわせ辺境暮らし
* ゆるゆ
BL
雪のなか僕を、ひろってくれたのは、やさしい男の子でした。
ふたりの、しあわせな辺境暮らし、はじまります!
ふたりの動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました
よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、
前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。
獣人が支配する貴族社会。
魔力こそが価値とされ、
「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、
レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。
そんな彼を拾ったのは、
辺境を治める獣人公爵アルト。
寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。
溺愛され、守られ、育てられる日々。
だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。
学院での出会い。
貴族社会に潜む差別と陰謀。
そして「番」という、深く重い絆。
レオンは学び、考え、
自分にしかできない魔法理論を武器に、
少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。
獣人と人族。
価値観も、立場も、すべてが違う二人が、
それでも選び合い、家族になるまでの物語。
溺愛×成長×異世界BL。
読後に残るのは、
「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。
抑制剤の効かない薬師オメガは森に隠れる。最強騎士団長に見つかり、聖なるフェロモンで理性を溶かされ、国を捨てた逃避行の果てに番となる
水凪しおん
BL
「この香りを嗅いだ瞬間、俺の本能は二つに引き裂かれた」
人里離れた森で暮らす薬師のエリアルは、抑制剤が効かない特異体質のオメガ。彼から放たれるフェロモンは万病を癒やす聖なる力を持つが、同時に理性を失わせる劇薬でもあった。
ある日、流行り病の特効薬を求めて森を訪れた最強の騎士団長・ジークフリートに見つかってしまう。エリアルの香りに強烈に反応しながらも、鋼の理性で耐え抜くジークフリート。
「俺が、貴方の剣となり盾となる」
国を救うための道具として狙われるエリアルを守るため、最強の騎士は地位も名誉も投げ捨て、国を敵に回す逃避行へと旅立つ。
シリアスから始まり、最後は辺境での幸せなスローライフへ。一途な騎士と健気な薬師の、運命のBLファンタジー。
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*不定期連載です。
今からレンタルアルファシステムを利用します
夜鳥すぱり
BL
大学2年の鳴水《なるみ》は、ずっと自分がオメガであることを隠して生きてきた。でも、年々つらくなる発情期にもう一人は耐えられない。恋愛対象は男性だし、男のアルファに会ってみたい。誰でも良いから、定期的に安全に話し相手をしてくれる人が欲しい。でもそんな都合のいい人いなくて、考えあぐねた結果たどり着いた、アプリ、レンタルアルファシステム。安全……だと思う、評価も星5で良いし。うん、じゃ、お問い合わせをしてみるか。なるみは、恐る恐るボタンを押すが───。
◆完結済みです。ありがとうございました。
◆表紙絵を花々緒さんが描いてくださりました。カッコいい雪夜君と、おどおど鳴水くんです。可愛すぎますね!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる