銀色の商人と贋作の妻

真大(mahiro)

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第2章

羞恥と余韻の朝⚠️

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エリアスが目覚めた時、窓の外はすでに明るく、清々しい朝の光に満ちていた。

身体の不快感がない。
知らない間に身体を清められ、新しいパジャマに着替えさせられ、すっぽりとヴォルフの腕の中に抱きしめられて眠っていたようだ。

「……ん」
「……おはよう、エリアス」

身じろぎすると、ヴォルフがゆっくりと目を開けた。
美しいアイスブルーの瞳が、慈愛に満ちてエリアスを見つめる。

ヴォルフはエリアスを優しく抱き起こすと、昨日刻んだばかりの首筋の「愛咬の痕」に、崇拝するように口づけを落とした。
そして、そのまま顔を寄せ、唇にも甘い朝のキスをする。

「んっ、……おはようございます」

キスをされて、身体の奥がじんわりと温かくなる。
その感覚に、改めて自分たちは「番」になったのだと実感し、エリアスはふにゃ、と幸せそうに笑ってみせた。

「気分はどうだい?今日の食欲は?」
「はい……もう、ヴォルフと同じものを食べられると思います」

エリアスがそう答えると、ヴォルフは頷き、ベッドサイドにあったメモ用紙にサラサラとペンを走らせた。
そしてベッドを降り、部屋の重厚な扉の隙間から、そのメモを外へと落とした。

このヒート期間の七日間は、二人きりの時間を誰にも邪魔させないよう、メイドも他の使用人も一切部屋に入れないように徹底している。
食事の用意も、二人が浴場にいる間などを見計らって部屋の外に運ばせたり、カートで運び込ませたりして、徹底して二人の世界を守っていた。

「食事が届く間に、身体を温めようか」

ヴォルフは戻ってくると、エリアスを軽々と抱き上げた。

「昨夜は結局、湯船に浸からないまま眠ってしまったからね。布で身体は拭いたが、やはりお湯で洗うのが一番さっぱりするだろう」
「ありがとうございます、ヴォルフ」

エリアスもそう思って素直に身を委ねた。
しかし、ヴォルフは浴場に入ると、湯船の方へは行かず、その奥――トイレの方へと進んでいく。

(……え?まさか)

嫌な予感がして身体が強張る。
その予感は的中した。

「エリアス。昨夜は目まぐるしかったから、排泄できていないだろう?」

ヴォルフは当然のような顔で、エリアスを便器の前に立たせた。

「今から身体も綺麗にするから、ここで出してしまっていいよ」
「っ、まって……!い、嫌です!」

エリアスは慌ててヴォルフの腕の中で抵抗した。

「もう……今日からはヒートは余韻ですから! 自分でできます、大丈夫です!」

ピーク時のように身体が動かないわけではない。今は意識もはっきりしているし、足もしっかりしている。
しかし、ヴォルフは穏やかな笑顔のまま、決して引き下がらなかった。

「だめだよ。七日間が終わるまでは、君の『全部』をしてあげたいんだ」
「そんな……っ」
「ほら」

抵抗も虚しく、ヴォルフの手によってパジャマのズボンと下着を一気に下ろされてしまう。
下半身がスースーし、あとは出すだけという無防備な状態にされる。

(うそだ……)

シラフな上に、もう強いヒート状態に陥ることもない。
つまり、ほぼいつもと変わらない正常な精神状態で、排泄の世話をされるということだ。
それは、エリアスにとって心が折れそうになるほどの羞恥だった。

「で、できない……っ、恥ずかしいです……」

潤んだ目で訴えるが、ヴォルフは許してくれない。
背後から密着し、エリアスの腰の辺りを優しく、促すように撫でる。

「いい子だから。……ほら、力を抜いて」
「ぅ……っ」

ヴォルフの大きく温かい手が、膀胱のあたりを刺激する。
その感触と、耳元での甘い囁きに誘われ、身体が勝手に反応してしまう。
我慢していたものが、意思に反して緩んでいく。

ジョロロ……。
静かな空間に水音が響いた。

「あっ、あぁ……うぅッ……」

出そうと思って出したわけではない。
まるで、大人の人間に抱えられたまま、我慢できずに漏らしてしまったかのような感覚。
惨めさと恥ずかしさで、エリアスの目からボロボロと大粒の涙がこぼれ落ちた。

これまでの排泄の時も毎回泣いてしまっていたが、今回は理性が完全にある分、本気で泣いた。

「よしよし、いい子だ」

ヴォルフはそんなエリアスの様子を見て、嗜虐心が満たされたのか、すごく満足そうな顔をしていた。
泣きじゃくるエリアスを「泣かないで」と慰めながらも、手際よくペーパーで処理し、綺麗にしてくれる。

「うぅ、ひぐっ、うあぁ……っ」

泣いたまま、再び抱き上げられて浴場の方へ連れて行かれる。
シャワーで隅々まで洗われ、温かいお湯が張られた湯船へと浸けられた。

お湯の中でも、エリアスは羞恥が消えず、膝を抱えてぐすぐすと泣き続けていた。

「エリアス……」

ヴォルフも湯船に入り、エリアスを抱き寄せた。

「ごめんよ。もう泣かないで」

そう言いながら、頬についた涙を指で拭い、愛おしそうに目を細める。

「でも……恥ずかしくて泣いている君は、たまらなく可愛いよ」
「~~ッ!!」

変態だ。この旦那様は本当に、どうしようもない変態だ。

エリアスはもう反論する気力もなくして観念し、泣きながらも、心地よいお湯の熱と、ヴォルフの腕に身を任せた。
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