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7-3.二人の夜について(Hパート)
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私が初めて触れた性は父のアダルトDVDだった。
押入れの中に積まれていた父の蔵書。一際奥の方に紙袋があって、その中にたくさんのアダルトDVDがあった。ほとんどがメイド物で、きっとそれが父の性癖だったんだろう。私はそれを親に見つからないよう、何度も何度も繰り返し見た。
中でもお気に入りだった一枚の内容は、今でもよく覚えている。大きな屋敷で働く黒い髪のメイドさん。皿洗いをしている最中にご主人様に呼び出され、甘い声で返事をする。汚れたからきれいにしてくれ、と下半身を露出するご主人様に、子供のような純情さで「お掃除致します」と跪き、ペニスを咥える。それを見ている幼い私にはイケないことをしているという高揚感があった。だけどそれ以上に私が夢中になったのは、メイドさんそのものだった。完璧な立ち居振る舞いで、美しく、そして誰かに仕えるという事が子供心ながらにとてもカッコいいことに思えた。
誰かの下で働くという事に憧れたのは、母も父も放任主義だったからかもしれない。何かをして叱られた、といった記憶が私にはない。半面、その時暮らしていたアパートの隣には私よりも幼い子がいたようで、毎日のように怒鳴り声が聞こえていた。私は父や母が隣の親みたいに叱りだすのではないかと小さな怯えを持ちながら生き、母が父と離婚して親子二人で暮らしてからは、仕事のせいでより一層放任的になった母に対しもの悲しさを感じながら育った。
今考えれば、単に構ってほしかっただけなのかもしれない。
大人になって、あの時のDVDを自分で買った。だけどあれだけ完璧で、美しいと思えたメイドさんはそこにはいなかった。目は大きいけれどあまりきれいな顔立ちとは言えなかったし、動きも洗練されていない。ご主人様の方も到底清潔とは言い難い人だった。
これだったら私の方が完璧なメイドになれるのでは。
と思っても大きな館も尊敬できるご主人様もどこにもいない。小学校のころから男の子にいじめといたずらの真ん中ぐらいのちょっかいを出されていて、かと思ったら中学では途端によそよそしくなって、高校では逆に馴れ馴れしく話しかけてきた。そんな変化に対応しきれないまま短大にいったから、男性との距離の取り方が分からなかった。社会人になって出会いが減ると、なおのことだ。その分、上司と部下、という関係は筋がはっきりしていて心地よかった。性に合っていたんだと思う。だけど今度は同性で、だけど年の離れた同僚との付き合い方がうまくいかず、結局職場は辞めてしまった。
今でもたまに、子供のころに見たDVDを思い出す。DVDを、というより、それを見た幼い私の中に形作られた『完璧なメイド』という存在に。屋敷の仕事を完璧にこなし、尊敬できるご主人様にかしずいて、乞われれば夜の相手をする。そしてすぐにそんな妄想を取り消す。私はそんな完璧でもない。
だけど尊敬できるご主人様さえいれば。
私もそんな存在になれるかも、なんて。
:::
頬に暖かい何かが当たって目が覚めた。
反射的に手で拭ってそれを見つめた。手の先につく白く濁った、粘り気のある何か。いくら見つめても何かは分からなかった。だけどなぜか、これは飲み込まないといけないものだと思った。指先を咥えて口いっぱいにそれを味わう。薄めた食塩のような、だけど食べたことのない味だった。
ここはどこだろう。
体が熱い。頭がふわふわする。私、何をしていたんだっけ? 見下ろした体は白と黒のメイド服。周りは豪華なお屋敷。そして目の前には、呆然と私を見つめる男の人。ズボンが半脱ぎで、大事なところが見えている。
--あぁそうか。
「ご主人様?」
私はメイドだったっけ。そうだ、そういえばそうだった。離れで暮らしているんだった。
そしてこの人はご主人様だ。
ちゃんとご奉仕しないと。大丈夫、うまくできる。何回も見たから。見た? 何で見たんだっけ……。まぁいいか。とにかくやることはちゃんとわかってる。
「お掃除、致します」
床に膝をつく。ご主人様はソファの上に膝立ちになっていて、そのままじゃお掃除できないから腰に手を回してしゃがんでいただく。ご主人様が何か言っている気がする。でも私に対する命令じゃない。それだけはわかる。それ以外は分からない。
「あ、ん……」
口いっぱいに頬張る。苦さとすっぱさと、それになんて言って良いのかよくわからない独特の味。柔らかいその先端を、舌の真ん中でぐるぐるとなめる。ぐるぐる、っていうのはつまり表でぺろって舐めて、そのまま裏側で今舐めた所をまた戻りながら舐めて、それを狭い口の中でやってるからぷくっと膨らんだおちんちんの先端を舌が忙しく何周もしている感じ。
柔らかかったおちんちんがみるみるうちに固くなる。反り立ち、口の上を押し上げる角度で勃起していく。その熱を口の中で感じることを私は純粋に嬉しく思う。自然に唇が笑みの形になる。
「如月、さん……」
顔の角度を上げられないから、上目遣いでご主人様を見つめる。ソファに深く腰掛けたご主人様。私が舌を一周させる度に、もしくは垂れそうになった唾液をずずずっとすすり上げる度に、ご主人様は苦しそうな声を上げながらビクビク体を震わしている。かわいいなぁ、と見ていて思う。普段、あんなにしっかりとした態度で仕事をしているのに、今だけは私の舌一つの動きで体全体を震わしている。
ーー普段?
普段って、
「先っぽだけじゃなくて、奥も」
そう言ってご主人さまは私の後ろ頭に手を回す。力強く押し付けるようなことはしない。だけど手が導こうとしている先へ、自分から進んでいく。腰に回す手の力をより一層強め、おちんちんの根本へと鼻先を近づける。陰毛が顔にかかってすこしくすぐったい。お口の中におさまったおちんちんはさっきよりも更に硬さも熱も増していて、裏筋を舌全体で舐めると体の震えとともに先端から汁が出るのが分かった。さっき頬についていたものよりずっと薄いそれをもっと絞り出すため、口をすぼめおちんちん全体を吸い上げる。
「あ、う、ぁぁぁあぁ……」
髪の毛をくしゃりと掴まれる。細く吐き出されるご主人様の声を聞きながら、すぼめた口で少しずつおちんちんを出していく。唾液が垂れないように吸い上げ、舌先は唇の裏側に固定して裏筋を少しずつ少しずつ舐めあげていく。大きくなったおちんちんが露わになる。細めた目の先で見つめるご主人様は体をのけぞらせ、ソファの背もたれに体全体を預けながら吐息ともつかない嬌声を上げている。
おちんちんはその殆どをもう露出している。カリの段差を唇で乗り上げ、とめどなく汁の出る先端だけを口に含んで舌先で焦らす。唾液でヌルヌルになった陰茎に手を這わしてゆっくりとしごき始める。
「く、ぅわ……」
ご主人様の太ももに頭を置く。いつの間にかご主人様の体の熱が移ってしまったかのように、私の体もさっきより確実に熱くなっている。
少しぎこちなかった右手の動きもすぐになれ、おちんちんの根本から先端まで少しずつスピードを早めていく。そのうち、手のひらが先端を包むタイミングでご主人様の体が震えていることに気がつく。試しに陰茎だけをしごき、その後先端を手のひらで包んで集中的にいじめてみる。絶えず出続ける透明な汁を、手のひら全体で先端にこすりつけるよう。触ると言うより撫でるという動作を続けると、ご主人様の体が震えを通り越して痙攣に近くなってきた。
「ご主人様?」
これも見たことがある。メイドさんは手の動きを緩めて、こう言うのだ。
「だめですよ、ご主人様。外で出さないでください。出すなら私の中、ですよ」
「如月、さん。いつもと、全然、人が違って……」
再び咥える。垂れてきた髪を耳にかける。右手でおちんちんを固定し、顔を前後させて先端を激しく舐めあげる。唾液に溢れた私の口の中でご主人様のおちんちんは更に熱く、そして大きくなっている。その時が来るのだと私は悟る。口を休めること無く、鼻で荒く呼吸してご主人様のおちんちんをしごき続ける。
「だめ、だめ、本当に、もう……」
目をつぶる。口の中の熱とご主人様の足掻きの声。ご主人様の足がこわばり、私を逃がすまいと体を挟む。もう固定する必要が無くなったおちんちんから手を離し、再び腰に手を回してご主人様の体温を感じる。往復する度に唾液が垂れていく。顎を伝って床に。熱はとっくの昔に私の中心にも移っている。パンツの裏側でじゅくじゅくと溢れ出る愛液がもどかしい。太ももをこすり合わせるが、その本能的なもどかしさは増すばかりだった。
「い、く……」
ご主人様の手が私の頭を掴む。
次の瞬間、私の口の中に途方もない熱が吐き出される。
何度もおちんちんが脈動し、その度に口の中へ粘りつく熱が放出されていく。舌先で先端をなで、ゆっくりおちんちんを口でこすり続ける。やがて脈動も収まり、熱も硬さもその太さも、口の中でおさまっていく。
「ん、ぅ、……」
私は何度かに分けて口の中の物を飲み干した。だけど喉にへばりつき、なんど唾を飲み込んでもそれは取れなかった。
「お水……」
雷に打たれたように、ソファに沈んでいたご主人様は立ち上がってテーブルの上のグラスを差し出す。私はそれを受け取って、少量をゆっくり何度も飲み干していく。喉を水が通る度に体の熱が奪われていくようだった。ふわふわしていた頭が少しずつ働いていく。だけど心のどこかでそれを拒否している。
「ごめん、大丈夫?」
彼の声に私はうなずく。そして私は社長を見上げる。不安げな表情。そしてすっかり萎えたペニス。口の中には吐き出された精子の苦味がまだ残っていて、私は、私? は、あ、ん? あれ。
「あ、その、」
社長は視線をそらし、今更のようにズボンを上げて手を頭に置く。なんて言って良いのかと決めあぐねているその顔を見て、私はパソコンで事務仕事に打ち込む姿を思い出す。血の気が引いていく。
私は、今、何をしていた?
唇に指を置いて、激しい摩擦で感覚を失ったそれを確認する。乱れた髪とメイド服、グラスとお皿が並ぶテーブル。一口目のワインを飲んだところまでははっきり覚えている。その後二杯、三杯目と飲むうちに記憶が曖昧になって、そして、
空に飛び上がる勢いで立ち上がる。
「す、すみません!」
直角に近い角度でお辞儀をして、部屋の出口に向かって駆け出していく。明かりのない廊下を小走りで進みながら、どうしようもなく死にたくなった。
押入れの中に積まれていた父の蔵書。一際奥の方に紙袋があって、その中にたくさんのアダルトDVDがあった。ほとんどがメイド物で、きっとそれが父の性癖だったんだろう。私はそれを親に見つからないよう、何度も何度も繰り返し見た。
中でもお気に入りだった一枚の内容は、今でもよく覚えている。大きな屋敷で働く黒い髪のメイドさん。皿洗いをしている最中にご主人様に呼び出され、甘い声で返事をする。汚れたからきれいにしてくれ、と下半身を露出するご主人様に、子供のような純情さで「お掃除致します」と跪き、ペニスを咥える。それを見ている幼い私にはイケないことをしているという高揚感があった。だけどそれ以上に私が夢中になったのは、メイドさんそのものだった。完璧な立ち居振る舞いで、美しく、そして誰かに仕えるという事が子供心ながらにとてもカッコいいことに思えた。
誰かの下で働くという事に憧れたのは、母も父も放任主義だったからかもしれない。何かをして叱られた、といった記憶が私にはない。半面、その時暮らしていたアパートの隣には私よりも幼い子がいたようで、毎日のように怒鳴り声が聞こえていた。私は父や母が隣の親みたいに叱りだすのではないかと小さな怯えを持ちながら生き、母が父と離婚して親子二人で暮らしてからは、仕事のせいでより一層放任的になった母に対しもの悲しさを感じながら育った。
今考えれば、単に構ってほしかっただけなのかもしれない。
大人になって、あの時のDVDを自分で買った。だけどあれだけ完璧で、美しいと思えたメイドさんはそこにはいなかった。目は大きいけれどあまりきれいな顔立ちとは言えなかったし、動きも洗練されていない。ご主人様の方も到底清潔とは言い難い人だった。
これだったら私の方が完璧なメイドになれるのでは。
と思っても大きな館も尊敬できるご主人様もどこにもいない。小学校のころから男の子にいじめといたずらの真ん中ぐらいのちょっかいを出されていて、かと思ったら中学では途端によそよそしくなって、高校では逆に馴れ馴れしく話しかけてきた。そんな変化に対応しきれないまま短大にいったから、男性との距離の取り方が分からなかった。社会人になって出会いが減ると、なおのことだ。その分、上司と部下、という関係は筋がはっきりしていて心地よかった。性に合っていたんだと思う。だけど今度は同性で、だけど年の離れた同僚との付き合い方がうまくいかず、結局職場は辞めてしまった。
今でもたまに、子供のころに見たDVDを思い出す。DVDを、というより、それを見た幼い私の中に形作られた『完璧なメイド』という存在に。屋敷の仕事を完璧にこなし、尊敬できるご主人様にかしずいて、乞われれば夜の相手をする。そしてすぐにそんな妄想を取り消す。私はそんな完璧でもない。
だけど尊敬できるご主人様さえいれば。
私もそんな存在になれるかも、なんて。
:::
頬に暖かい何かが当たって目が覚めた。
反射的に手で拭ってそれを見つめた。手の先につく白く濁った、粘り気のある何か。いくら見つめても何かは分からなかった。だけどなぜか、これは飲み込まないといけないものだと思った。指先を咥えて口いっぱいにそれを味わう。薄めた食塩のような、だけど食べたことのない味だった。
ここはどこだろう。
体が熱い。頭がふわふわする。私、何をしていたんだっけ? 見下ろした体は白と黒のメイド服。周りは豪華なお屋敷。そして目の前には、呆然と私を見つめる男の人。ズボンが半脱ぎで、大事なところが見えている。
--あぁそうか。
「ご主人様?」
私はメイドだったっけ。そうだ、そういえばそうだった。離れで暮らしているんだった。
そしてこの人はご主人様だ。
ちゃんとご奉仕しないと。大丈夫、うまくできる。何回も見たから。見た? 何で見たんだっけ……。まぁいいか。とにかくやることはちゃんとわかってる。
「お掃除、致します」
床に膝をつく。ご主人様はソファの上に膝立ちになっていて、そのままじゃお掃除できないから腰に手を回してしゃがんでいただく。ご主人様が何か言っている気がする。でも私に対する命令じゃない。それだけはわかる。それ以外は分からない。
「あ、ん……」
口いっぱいに頬張る。苦さとすっぱさと、それになんて言って良いのかよくわからない独特の味。柔らかいその先端を、舌の真ん中でぐるぐるとなめる。ぐるぐる、っていうのはつまり表でぺろって舐めて、そのまま裏側で今舐めた所をまた戻りながら舐めて、それを狭い口の中でやってるからぷくっと膨らんだおちんちんの先端を舌が忙しく何周もしている感じ。
柔らかかったおちんちんがみるみるうちに固くなる。反り立ち、口の上を押し上げる角度で勃起していく。その熱を口の中で感じることを私は純粋に嬉しく思う。自然に唇が笑みの形になる。
「如月、さん……」
顔の角度を上げられないから、上目遣いでご主人様を見つめる。ソファに深く腰掛けたご主人様。私が舌を一周させる度に、もしくは垂れそうになった唾液をずずずっとすすり上げる度に、ご主人様は苦しそうな声を上げながらビクビク体を震わしている。かわいいなぁ、と見ていて思う。普段、あんなにしっかりとした態度で仕事をしているのに、今だけは私の舌一つの動きで体全体を震わしている。
ーー普段?
普段って、
「先っぽだけじゃなくて、奥も」
そう言ってご主人さまは私の後ろ頭に手を回す。力強く押し付けるようなことはしない。だけど手が導こうとしている先へ、自分から進んでいく。腰に回す手の力をより一層強め、おちんちんの根本へと鼻先を近づける。陰毛が顔にかかってすこしくすぐったい。お口の中におさまったおちんちんはさっきよりも更に硬さも熱も増していて、裏筋を舌全体で舐めると体の震えとともに先端から汁が出るのが分かった。さっき頬についていたものよりずっと薄いそれをもっと絞り出すため、口をすぼめおちんちん全体を吸い上げる。
「あ、う、ぁぁぁあぁ……」
髪の毛をくしゃりと掴まれる。細く吐き出されるご主人様の声を聞きながら、すぼめた口で少しずつおちんちんを出していく。唾液が垂れないように吸い上げ、舌先は唇の裏側に固定して裏筋を少しずつ少しずつ舐めあげていく。大きくなったおちんちんが露わになる。細めた目の先で見つめるご主人様は体をのけぞらせ、ソファの背もたれに体全体を預けながら吐息ともつかない嬌声を上げている。
おちんちんはその殆どをもう露出している。カリの段差を唇で乗り上げ、とめどなく汁の出る先端だけを口に含んで舌先で焦らす。唾液でヌルヌルになった陰茎に手を這わしてゆっくりとしごき始める。
「く、ぅわ……」
ご主人様の太ももに頭を置く。いつの間にかご主人様の体の熱が移ってしまったかのように、私の体もさっきより確実に熱くなっている。
少しぎこちなかった右手の動きもすぐになれ、おちんちんの根本から先端まで少しずつスピードを早めていく。そのうち、手のひらが先端を包むタイミングでご主人様の体が震えていることに気がつく。試しに陰茎だけをしごき、その後先端を手のひらで包んで集中的にいじめてみる。絶えず出続ける透明な汁を、手のひら全体で先端にこすりつけるよう。触ると言うより撫でるという動作を続けると、ご主人様の体が震えを通り越して痙攣に近くなってきた。
「ご主人様?」
これも見たことがある。メイドさんは手の動きを緩めて、こう言うのだ。
「だめですよ、ご主人様。外で出さないでください。出すなら私の中、ですよ」
「如月、さん。いつもと、全然、人が違って……」
再び咥える。垂れてきた髪を耳にかける。右手でおちんちんを固定し、顔を前後させて先端を激しく舐めあげる。唾液に溢れた私の口の中でご主人様のおちんちんは更に熱く、そして大きくなっている。その時が来るのだと私は悟る。口を休めること無く、鼻で荒く呼吸してご主人様のおちんちんをしごき続ける。
「だめ、だめ、本当に、もう……」
目をつぶる。口の中の熱とご主人様の足掻きの声。ご主人様の足がこわばり、私を逃がすまいと体を挟む。もう固定する必要が無くなったおちんちんから手を離し、再び腰に手を回してご主人様の体温を感じる。往復する度に唾液が垂れていく。顎を伝って床に。熱はとっくの昔に私の中心にも移っている。パンツの裏側でじゅくじゅくと溢れ出る愛液がもどかしい。太ももをこすり合わせるが、その本能的なもどかしさは増すばかりだった。
「い、く……」
ご主人様の手が私の頭を掴む。
次の瞬間、私の口の中に途方もない熱が吐き出される。
何度もおちんちんが脈動し、その度に口の中へ粘りつく熱が放出されていく。舌先で先端をなで、ゆっくりおちんちんを口でこすり続ける。やがて脈動も収まり、熱も硬さもその太さも、口の中でおさまっていく。
「ん、ぅ、……」
私は何度かに分けて口の中の物を飲み干した。だけど喉にへばりつき、なんど唾を飲み込んでもそれは取れなかった。
「お水……」
雷に打たれたように、ソファに沈んでいたご主人様は立ち上がってテーブルの上のグラスを差し出す。私はそれを受け取って、少量をゆっくり何度も飲み干していく。喉を水が通る度に体の熱が奪われていくようだった。ふわふわしていた頭が少しずつ働いていく。だけど心のどこかでそれを拒否している。
「ごめん、大丈夫?」
彼の声に私はうなずく。そして私は社長を見上げる。不安げな表情。そしてすっかり萎えたペニス。口の中には吐き出された精子の苦味がまだ残っていて、私は、私? は、あ、ん? あれ。
「あ、その、」
社長は視線をそらし、今更のようにズボンを上げて手を頭に置く。なんて言って良いのかと決めあぐねているその顔を見て、私はパソコンで事務仕事に打ち込む姿を思い出す。血の気が引いていく。
私は、今、何をしていた?
唇に指を置いて、激しい摩擦で感覚を失ったそれを確認する。乱れた髪とメイド服、グラスとお皿が並ぶテーブル。一口目のワインを飲んだところまでははっきり覚えている。その後二杯、三杯目と飲むうちに記憶が曖昧になって、そして、
空に飛び上がる勢いで立ち上がる。
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