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女装義弟は義姉に近寄る男を誘惑する
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「お待ちください、お待ちください」
「ええぃ、邪魔をするな!」
屋敷の方が騒がしい。庭でお茶をしていたこの家の令嬢エリザベスは眉を顰め振り返る。
そこには婚約者のロジャーがこちらに向かってくるのが見えた。ロジャーのそばには心配そうな少女が一人。
エリザベスは近くにいた年かさの侍女に二人分のお茶を用意するように指示した。
エリザベスが立ち上がり優雅に婚約者に挨拶をする。
「ロジャー様、ご機嫌麗しゅう。今日は何か御用で? それにメアリーが何か?」
その様子を見てロジャーは鼻を鳴らす。
「ふん、お前はいつもそうだ。」
「聞けば、お前は義妹だからと言ってメアリーをいじめていたそうじゃないか」
「そんなことはございません。何かの間違いでは?」
「それなりの年になった妹を夜会やお茶会どころかデピュタントにも出さないなど考えられないだろう。これがいじめじゃなくて何なのだ」
「それは……」
「ほら、答えられないだろう。お前はそういうやつだ……」
そういいながらロジャーはエリザベスの胸元を見て、そこから目を離せなくなった。
そこには、白く豊かな丘と深い谷間があった。
「……」
「ロジャー様?」
「……」
「ロジャー様?」
エリザベスの胸元から目を離せないロジャーを不審に思ったエリザベスが声を掛けるが黙って見つめるだけのロジャー。腕にしがみついて視線を自分の方に向けようとするメアリー。
そこにお茶のワゴンを押してきた侍女がその様子を見てロジャーの後ろに回ると、ぽかっと頭をはたいた。
「なっ、何をする、おまえ……義母上!」
「いくら婚約者とはいえ令嬢の胸元をそんな風に見るものじゃないですよ」
「すみません、義母上……ではなくてその恰好は何ですか、それになぜここに?」
「どう、似合う? 侍女見習いとしてあなたのお母様に仕えることになったときはうれしかったわぁ。お茶に入れ方はいかがでしょうか、エリザベス様?」
ロジャーをたしなめながら義母のマリーは手際よくお茶を給仕していく。
エリザベスは騒ぎにも平然としてマリーの淹れたお茶を味わっていた。
二人分のお茶を淹れたマリーはまだ突っ立っているロジャーのそばによると耳をつかんで引っ張る。
「いててっ、義母上、痛いから、それに私はエリザベスとメアリーと大事な話が……」
「エリザベス様、このようなことになり大変申し訳ありません。帰ってから今度のことどうするか当主と相談してご連絡差し上げます。今日は、この馬鹿を連れて帰ってじっくり絞りますのでどうかお許しを」
「あぁ、マリー様、お気になさらず。今度のことはメアリーも悪いのだからお互いさまにできないか相談させてください」
マリーはエリザベスに丁寧にあいさつをしてロジャーを引っ張っていく。離れても声が聞こえる。
「まずは、家に帰ってお兄様と話しましょうね。これで何人目かしら」
声が聞こえなくなると、エリザベスはメアリーに座るように促した。
「マイケル、何度目だ?」
「いくら幼馴染でもロジャー様はないでしょう、義姉上。女癖も悪いし、あのいやらしい目。義姉上の胸をあんな目で見るような奴には義姉上を任せられません」
そしてため息をついて続ける。
「それになんでそんな恰好を。男の目に毒ですよ。あとマリー様がこんなところに、お戯れも過ぎますよ」
「マイケル、こっちに来ないか?」
「義姉上、聞いているのですか?」
「マイケルが怒るぅ」
「だから……仕方ないですね」
エリザベスの顔を見てマイケルが素直にそばによると、エリザベスは、メアリーもといマイケルを後ろから抱きかかえ膝鵜の上に乗せる。女性にしては少しくなった背中に自分の胸を押し付けた。
「マイケル、ありがとうね。心配かけてごめんね」
「わっ、分かればいいのです。あと、胸が背中にあたってます、もうすこし、離れて」
「えぇぇ、だってマイケルとくっつきたいんですもの」
「だっ、だめです、僕だって男なのですから」
「えぇぇ、だって今日は女の子でしょ?だからくっついてもいいの!」
夜、眠れないマイケルは侍従を呼んでお茶でも飲もうかと思ったが侍従がなかなか来てくれない。仕方ないので自分で淹れようかと部屋を出たところで隣の部屋を見ると義姉エリザベスの部屋の戸が開いていた。
「誰だろう、だらしないな」
そういいながら戸を閉めようとしたとき中が見えてしまった。寝台の上には義姉が寝ているのだが掛け布団を飛び出している。見回しても侍女の姿が見えないし、まぁ、兄弟だからいいかと中に入り布団を掛けようとしたら、義姉の夜着がはだけているのが見えてしまった。さすがにそれは直せないな、布団だけかけようとしたところ腕を捕まえられた。
「なっ、義姉さん、起きていたの?」
「もう、我慢できない!」
「なっ、何を……」
「これだけ何度も邪魔するんだから責任くらいとりなさいよ、今日という今日は逃がさないからね」
エリザベスを振り払うこともできず、マイケルはそのまま流されてしまった。
「おはようございます、お嬢様、坊ちゃま」
エリザベスの侍女ハンナが平然と部屋に入ってくる。
「今日はお朝食はこちらで召し上がりますよね」
「あぁ、頼む。マイケルもこちらで食べるだろう」
「……」
「それからお二人にご主人様と奥様からご伝言です。食事が終わったら執務室に来るようにと。あと、これは奥様からですが、若いから夢中になるのは仕方ないけど、声は抑えてね、だそうです。これは私からのお願いですが、今度からはちゃんと扉を閉めてくださいませ。途中で扉を閉めたのは私の情けでございますわ」
さすがにこれには二人は赤面するしかなかった。
その後、無事エリザベスの両親の許しももらい、二人は、めでたく結婚することになった。
「ええぃ、邪魔をするな!」
屋敷の方が騒がしい。庭でお茶をしていたこの家の令嬢エリザベスは眉を顰め振り返る。
そこには婚約者のロジャーがこちらに向かってくるのが見えた。ロジャーのそばには心配そうな少女が一人。
エリザベスは近くにいた年かさの侍女に二人分のお茶を用意するように指示した。
エリザベスが立ち上がり優雅に婚約者に挨拶をする。
「ロジャー様、ご機嫌麗しゅう。今日は何か御用で? それにメアリーが何か?」
その様子を見てロジャーは鼻を鳴らす。
「ふん、お前はいつもそうだ。」
「聞けば、お前は義妹だからと言ってメアリーをいじめていたそうじゃないか」
「そんなことはございません。何かの間違いでは?」
「それなりの年になった妹を夜会やお茶会どころかデピュタントにも出さないなど考えられないだろう。これがいじめじゃなくて何なのだ」
「それは……」
「ほら、答えられないだろう。お前はそういうやつだ……」
そういいながらロジャーはエリザベスの胸元を見て、そこから目を離せなくなった。
そこには、白く豊かな丘と深い谷間があった。
「……」
「ロジャー様?」
「……」
「ロジャー様?」
エリザベスの胸元から目を離せないロジャーを不審に思ったエリザベスが声を掛けるが黙って見つめるだけのロジャー。腕にしがみついて視線を自分の方に向けようとするメアリー。
そこにお茶のワゴンを押してきた侍女がその様子を見てロジャーの後ろに回ると、ぽかっと頭をはたいた。
「なっ、何をする、おまえ……義母上!」
「いくら婚約者とはいえ令嬢の胸元をそんな風に見るものじゃないですよ」
「すみません、義母上……ではなくてその恰好は何ですか、それになぜここに?」
「どう、似合う? 侍女見習いとしてあなたのお母様に仕えることになったときはうれしかったわぁ。お茶に入れ方はいかがでしょうか、エリザベス様?」
ロジャーをたしなめながら義母のマリーは手際よくお茶を給仕していく。
エリザベスは騒ぎにも平然としてマリーの淹れたお茶を味わっていた。
二人分のお茶を淹れたマリーはまだ突っ立っているロジャーのそばによると耳をつかんで引っ張る。
「いててっ、義母上、痛いから、それに私はエリザベスとメアリーと大事な話が……」
「エリザベス様、このようなことになり大変申し訳ありません。帰ってから今度のことどうするか当主と相談してご連絡差し上げます。今日は、この馬鹿を連れて帰ってじっくり絞りますのでどうかお許しを」
「あぁ、マリー様、お気になさらず。今度のことはメアリーも悪いのだからお互いさまにできないか相談させてください」
マリーはエリザベスに丁寧にあいさつをしてロジャーを引っ張っていく。離れても声が聞こえる。
「まずは、家に帰ってお兄様と話しましょうね。これで何人目かしら」
声が聞こえなくなると、エリザベスはメアリーに座るように促した。
「マイケル、何度目だ?」
「いくら幼馴染でもロジャー様はないでしょう、義姉上。女癖も悪いし、あのいやらしい目。義姉上の胸をあんな目で見るような奴には義姉上を任せられません」
そしてため息をついて続ける。
「それになんでそんな恰好を。男の目に毒ですよ。あとマリー様がこんなところに、お戯れも過ぎますよ」
「マイケル、こっちに来ないか?」
「義姉上、聞いているのですか?」
「マイケルが怒るぅ」
「だから……仕方ないですね」
エリザベスの顔を見てマイケルが素直にそばによると、エリザベスは、メアリーもといマイケルを後ろから抱きかかえ膝鵜の上に乗せる。女性にしては少しくなった背中に自分の胸を押し付けた。
「マイケル、ありがとうね。心配かけてごめんね」
「わっ、分かればいいのです。あと、胸が背中にあたってます、もうすこし、離れて」
「えぇぇ、だってマイケルとくっつきたいんですもの」
「だっ、だめです、僕だって男なのですから」
「えぇぇ、だって今日は女の子でしょ?だからくっついてもいいの!」
夜、眠れないマイケルは侍従を呼んでお茶でも飲もうかと思ったが侍従がなかなか来てくれない。仕方ないので自分で淹れようかと部屋を出たところで隣の部屋を見ると義姉エリザベスの部屋の戸が開いていた。
「誰だろう、だらしないな」
そういいながら戸を閉めようとしたとき中が見えてしまった。寝台の上には義姉が寝ているのだが掛け布団を飛び出している。見回しても侍女の姿が見えないし、まぁ、兄弟だからいいかと中に入り布団を掛けようとしたら、義姉の夜着がはだけているのが見えてしまった。さすがにそれは直せないな、布団だけかけようとしたところ腕を捕まえられた。
「なっ、義姉さん、起きていたの?」
「もう、我慢できない!」
「なっ、何を……」
「これだけ何度も邪魔するんだから責任くらいとりなさいよ、今日という今日は逃がさないからね」
エリザベスを振り払うこともできず、マイケルはそのまま流されてしまった。
「おはようございます、お嬢様、坊ちゃま」
エリザベスの侍女ハンナが平然と部屋に入ってくる。
「今日はお朝食はこちらで召し上がりますよね」
「あぁ、頼む。マイケルもこちらで食べるだろう」
「……」
「それからお二人にご主人様と奥様からご伝言です。食事が終わったら執務室に来るようにと。あと、これは奥様からですが、若いから夢中になるのは仕方ないけど、声は抑えてね、だそうです。これは私からのお願いですが、今度からはちゃんと扉を閉めてくださいませ。途中で扉を閉めたのは私の情けでございますわ」
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