せめて 抱きしめて

璃鵺〜RIYA〜

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せめて 抱きしめて〜転〜

せめて 抱きしめて〜転〜 10

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彼は瞳に優しい光を浮かべている。
変な人。
本当に、変な人。
でも、その優しさが嬉しかった。
こんなことをしていると知って、ボクに優しくしてくれる人なんて、初めてだったから。

嬉しくなって、ボクは思わず微笑んだ。
ウリの客に笑顔を見せることなんて、ほとんどないのに。

彼はボクの頭をくしゃくしゃと撫ぜると、額にキスをする。
その体勢のまま、彼の手がボクの足を撫ぜる。

太ももからお腹にかけて、絶妙な力加減でゆっくりと撫ぜる。

「肌きれいだね・・・白くてスベスベしてる」

ゆっくりと内腿を撫で上げられる。
爪が軽く擦(こす)れる。

「ひゃ・・・ぁ!」

体がビクッと震えた。

内腿は反則だ・・・そこ弱い・・・。

しばらくそうやってボクの体を撫ぜ回して、キスをして、舌を這わせて。
じわじわと体が熱くなって、呼吸が乱れてくる。
体がセックスすることを喜んでいる。

満足したのか、彼はベットのサイドテーブルからローションを取り出して、たっぷりと自分の指を濡らした。
その濡れた指を、下着をはいていない、むき出しの穴に入れてくる。
シャツを着たままだけど、脱がせないから相当好きなんだろう。

指は絶妙な深さのところを掻き回す。
ローションのおかげで、抜いたり入れたりしても痛くない。
穴の中の前立腺の部分を指の腹で優しく撫ぜられた。
一気に快楽が上(のぼ)り詰める。

体から力が抜ける。
お腹の中から気持ち良さが広がって、腰を伝って全身を駆け巡る。
刺激されたせいで自然と溢れた涙で、視界が歪む。

「あっ、ああんっ・・ああああっ・・・やぁ・・・そこダメっ!」
「ここ気持ち良い?」
「ああん・・・ふあぁ・・・気持ち、良いっ!」
「ほんとに・・・可愛いね・・・」
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