せめて 抱きしめて

璃鵺〜RIYA〜

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せめて 抱きしめて〜結〜

せめて 抱きしめて〜結〜 1

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あれから、2年の月日が経っていた。
ボクは、剛さんには一回も会っていなかった。

会いたくて、会いたくて、気が狂いそうで。

何度か大学まで行こうとしたこともある。
でも電車の中で、剛さんの言葉を、表情を思い出して。
結局勇気がなくって、電車を乗り換えて戻ってきていた。

あの後、ボクはそれでもちゃんと学校に通っていた。
ただ、勉強しないでセックスしに行っていた。
疎遠になっていたセフレだけじゃなく、一度もしたことない人も、誘ってはしていた。
以前は教科の担当教師だけだったけど、そんなの関係なくしていた。

4人や5人を一度に相手にすることなんか、普通になっていた。
剛さんと出会う前に、戻っただけだった。

否。
酷くなった。

朝から晩まで、セックスしないと生きていけない。
夜に相手してくれる人は少ないから、ボクは以前から通っている道路で、ウリもしていた。
乱暴にする人もいたけど、逆に痛めつけられて、狂いそうに犯された方が気が楽だった。

気絶するまでしないと、眠れなかった。

剛さんに恋い焦がれて、頭がおかしくなりそうだった。

セックスしている間は、何も考えずに済んだ。
だから、体が壊れそうな激しいセックスをし続けた。

ボクの心を望む人はいないから。
ボクと一緒に歩いてくれる人はいないから。
ボクを抱きしめてくれる人はいないから。
だから、誰彼かまわずセックスをした。

体だけでも必要とされたかった。

そうでないと、ボクが壊れそうだった。
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