せめて 抱きしめて

せめて 抱きしめて〜結〜

せめて 抱きしめて〜結〜 15

ボクは剛さんの舌の動きに合わせて、自分から舌を搦めていた。
剛さんの唾液が口の中に入って来る。
ボクは二人の唾液が混じったそれを飲み干す。
それでも唾液はすぐに溢れて、口の端から溢れて、頬を伝って落ちていく。
ゆっくりと、舌と口唇が離れる。

剛さんは、着ていたシャツを脱ぎ捨てると、ボクの首筋にキスをして、強く吸い上げる。

「あ・・や・・・」

剛さんがキスをしたところが、赤い斑点になって、残った。
そのまま胸に落ちていき、ボクの小さな乳首に触れる。

「ああっ・・やあっ・・」

口に含まれて、舌で転がされる。
もう片方のそれも、指の腹で優しく摘（つま）まれる。

「はあんっ・・・や、ダメ・・・んんんっ！」

痺れるような快感が体を巡る。
他の人ならここまで感じないのに、剛さんが相手だと、どうしてもダメ。
快感が腰を伝って、足を麻痺させて、体の奥がじんじんと熱くなる。
何十人もの男を飲み込んだ穴が、ひくついている。
剛さんのが欲しいと叫んでいる。

浅ましい。
何て醜い。
何でこんな体になったんだろう。
こんな自分が大嫌いだ。

剛さんは丁寧に体中を優しく撫ぜてくれる。
口唇で愛撫してくれる。
汚いのに。
こんな汚い体を、愛おしそうに触れてくれる。

「はあ・・・ああっ・・・剛さん・・・もうヤメて・・・」
「やめない。千都星が欲しい」
「やだ・・」

体が熱い。
他の誰が触れても、こんなに熱くならない。
呼吸が上手くできなくなる。
頭がぼうっとして、気持ち良くて、溺れてしまいたい。
このまま貴方に溺れてしまいたい。

自分で体を動かせないくらい、体から力が抜けている。
剛さんの手と口唇の感触しかわからない。
剛さんは、ボクの体中を綺麗にするように撫ぜて、ゆっくりと足を広げさせられる。
ボクは抵抗できなかった。

剛さんが自分の指を唾液で濡らすと、そのままボクの中へ一本入れて来た。

「あああっ・・・やああん・・・やああっ！」

剛さんの太くてゴツゴツした指が、根元まで入れられる。
体が跳ね上がる。
深くまで入って来て、ゆっくり中を掻き回す。
腰が浮く。
ボクの感じるところを覚えているのか、剛さんは気持ち良いところをピンポイントで責めて来る。

「ダメ！・・・もうやめ・・・！」

剛さんの指が2本に増える。

その時。