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1話 カカオのおかげ
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走る。
急いで走る。
家に向かって全力ダッシュ!
ガチャ!
「ただいまー!!」
元気よく言う。
わんわんわん!
しっぽを振りながら玄関までやってきたのは、愛犬のカカオ。
ミニチュアダックスフントでもう13歳のおじいちゃんなんだけどとってもかわいいの!
私が2年生のときに家に来たんだけど、今住んでいるのはおじいちゃんおばあちゃんの家。
3年生のときに事情があってカカオとこっちに来たんだ。転校だって不安だったけど、今では友達もたくさんいるんだ。カカオはね、おじいちゃんのことが大好きなんだけど、ホントはもっとわたしになついてほしいのに…。カカオがおじいちゃんばっかりスキ好きってやるから、たまにおじいちゃんに嫉妬しちゃう。
でも言うことは聞いてくれるし、おいでって言えばそばに来てくれるから、ちょっとはなついてくれてるのかな。なんて、たまに思う。
「よしよし、カカオ。」
なでてあげてる途中なのに、ちょっとしたらおじいちゃんのところへ言ってしまった。
「も~、カカオ!撫でてる途中だよ!?」
私のことなんか知らんって感じでそっぽをむける。
「カカオってさ~、お出迎えしてくれたと思ったらすぐおじいちゃんのところに行っちゃうんだよ?」
冷蔵庫にアイスがないか探しながらおばあちゃんに話しかける。
「カカオはおじいちゃん大好きだからね~。」
笑顔で話すおばあちゃん。もう、カカオがこっちに来て4年くらいたつんだ。家にカカオがいるのが当たり前すぎて、たまにおじいちゃんと散歩に行ってるのに、
「カカオは!?」
つて、大騒ぎして探し回ったりしたこともあったな。
私はアイスを片手に階段を上がって部屋に向かう。ヘッドフォンをつけてゲームを始める。
最近はカカオの散歩も土日は行ってるけど、平日は学校が忙しくておじいちゃんにまかせっきりだった。
でも、カカオと触れ合ってはいるからね。なでたり、おやつあげたり…
全然お世話しないってことじゃないから。
ゲームをしていると、「ご飯だよー」
っておばあちゃんの声が聞こえる。
いつの間にか、19時になっていた。
時間が流れるのははやいな。
ご飯を食べて、お風呂に入って、テレビを見て、寝る。これで1日って過ぎていく。
寝る前によく考える。もしかして、明日カカオがいないかもしれない。会えないかもしれない。もしかしたら、死んでいるかもしれない。考えているうちにいつも寝てしまっているけど、朝起きて
カカオがいるとほっとして、ちょっぴり安心するんだ。
朝、学校に着くと教室がざわざわしているのに気づいた。
「どうしたの?」
友達の春華に聞く。
「あれ!」
と、キラキラした顔をして指を指す。
春華が見ている方を見ると、席替えの席順の紙だ。昨日、クジをひいて、今日結果が発表されることになっていた。近くによっていって見ると、わたしの席の隣は太一くんだった。少し、ドキッとした。嬉しくもなった。なぜかって、わたしの好きな人が隣の席なんだもん!顔には出さないけど、心の中ではドキドキしている。春華は、私が太一くんのことを好きなのを知っている。何人かの女子も知っているんだけど。男子たちが騒いでいる。クラスの一部の男子は、太一くんがわたしのことを好きだとかうわさしてたけど、ホントかどうかわからない。でも、それを聞いたとき、嬉しかった。もしかしたら、両思いなのかな、なんて思ったりもして、たまに妄想もしたり…とにかく、嬉しすぎて、今にも飛び跳ねたいけど今やったら、私が太一くんのこと好きなのバレちゃう!心の中にしまっておこう。
授業が始まる。心臓の音、聞こえてないかな。太一くんに。
そんな調子で、一日中ドキドキしていた。
「ただいま~!」
帰って早々、カカオにこっそり報告する。
わかっているのかわからないけど、私、カカオにはどんなことでも言える気がする。ふしぎだね。
1週間後 放課後
「えっ…?」
驚いたのと同時に大きなショックを受けた。
我慢できなくて、家に走って帰った。
なんで… どうして…?
部屋にこもって一人静かに涙を流す。
どうしたの?と言うようにそばによってくるカカオ。
「心配してくれてるの?こんな時だけずるいよ…」
カカオをなでたら、さらに涙がこぼれてきた。
「太一くんね…りおちゃんに手紙もらってたんだ…多分告白されたんだよ…」
りおちゃんは学校で、太一くんのことがひそかに好きなんじゃないかって噂になってた。
ちょっと気にしてはいたんだけど、りおちゃんは「好きじゃないよ」って言ってたから、安心してたんだけどな…
カカオが体をすり寄せてくる。
「ありがと…カカオ。」
泣いたらなんかスッキリした。
「私、ちゃんと太一くんに話してみる!」
「太一くん!…好きです…」
あぁ~…いっちゃった…
どうしよう…もう、りおちゃんにOKしてたら…
「ぼ…僕も好きです…」
え…!?
「で、でも、昨日りおちゃんに…」
驚いて聞く。
「あぁ、見てたんだ…あれね、たしかにりおちゃんに告白されたよ。でも、いま、誰とも付き合う気ないって断ったんだ。」
「そう…」
落ち込んだ気持ちになった。
「でも、ひとつだけりおちゃんにちゃんと言えなかったことあるんだ。」
「?」
「だから…誰とも付き合う気ないんだ……千夏ちゃん以外は……」
「太一くん…」
「これからは特別だから…」
「うん!」
まだ、むねがドキドキする。ありえない!ホントに付き合うことになった…
これ、夢じゃないよね!?嬉しいけど、みんなになんて言おう…
ばかにされたり、冷やかされたりしないかな…?
不安がよぎる。ダメダメ!!ネガティブに考えちゃうのは私の悪い癖!付き合うことになっただけでも嬉しい、すごいことなんだから!自分に言い聞かせる。
急いで走る。
家に向かって全力ダッシュ!
ガチャ!
「ただいまー!!」
元気よく言う。
わんわんわん!
しっぽを振りながら玄関までやってきたのは、愛犬のカカオ。
ミニチュアダックスフントでもう13歳のおじいちゃんなんだけどとってもかわいいの!
私が2年生のときに家に来たんだけど、今住んでいるのはおじいちゃんおばあちゃんの家。
3年生のときに事情があってカカオとこっちに来たんだ。転校だって不安だったけど、今では友達もたくさんいるんだ。カカオはね、おじいちゃんのことが大好きなんだけど、ホントはもっとわたしになついてほしいのに…。カカオがおじいちゃんばっかりスキ好きってやるから、たまにおじいちゃんに嫉妬しちゃう。
でも言うことは聞いてくれるし、おいでって言えばそばに来てくれるから、ちょっとはなついてくれてるのかな。なんて、たまに思う。
「よしよし、カカオ。」
なでてあげてる途中なのに、ちょっとしたらおじいちゃんのところへ言ってしまった。
「も~、カカオ!撫でてる途中だよ!?」
私のことなんか知らんって感じでそっぽをむける。
「カカオってさ~、お出迎えしてくれたと思ったらすぐおじいちゃんのところに行っちゃうんだよ?」
冷蔵庫にアイスがないか探しながらおばあちゃんに話しかける。
「カカオはおじいちゃん大好きだからね~。」
笑顔で話すおばあちゃん。もう、カカオがこっちに来て4年くらいたつんだ。家にカカオがいるのが当たり前すぎて、たまにおじいちゃんと散歩に行ってるのに、
「カカオは!?」
つて、大騒ぎして探し回ったりしたこともあったな。
私はアイスを片手に階段を上がって部屋に向かう。ヘッドフォンをつけてゲームを始める。
最近はカカオの散歩も土日は行ってるけど、平日は学校が忙しくておじいちゃんにまかせっきりだった。
でも、カカオと触れ合ってはいるからね。なでたり、おやつあげたり…
全然お世話しないってことじゃないから。
ゲームをしていると、「ご飯だよー」
っておばあちゃんの声が聞こえる。
いつの間にか、19時になっていた。
時間が流れるのははやいな。
ご飯を食べて、お風呂に入って、テレビを見て、寝る。これで1日って過ぎていく。
寝る前によく考える。もしかして、明日カカオがいないかもしれない。会えないかもしれない。もしかしたら、死んでいるかもしれない。考えているうちにいつも寝てしまっているけど、朝起きて
カカオがいるとほっとして、ちょっぴり安心するんだ。
朝、学校に着くと教室がざわざわしているのに気づいた。
「どうしたの?」
友達の春華に聞く。
「あれ!」
と、キラキラした顔をして指を指す。
春華が見ている方を見ると、席替えの席順の紙だ。昨日、クジをひいて、今日結果が発表されることになっていた。近くによっていって見ると、わたしの席の隣は太一くんだった。少し、ドキッとした。嬉しくもなった。なぜかって、わたしの好きな人が隣の席なんだもん!顔には出さないけど、心の中ではドキドキしている。春華は、私が太一くんのことを好きなのを知っている。何人かの女子も知っているんだけど。男子たちが騒いでいる。クラスの一部の男子は、太一くんがわたしのことを好きだとかうわさしてたけど、ホントかどうかわからない。でも、それを聞いたとき、嬉しかった。もしかしたら、両思いなのかな、なんて思ったりもして、たまに妄想もしたり…とにかく、嬉しすぎて、今にも飛び跳ねたいけど今やったら、私が太一くんのこと好きなのバレちゃう!心の中にしまっておこう。
授業が始まる。心臓の音、聞こえてないかな。太一くんに。
そんな調子で、一日中ドキドキしていた。
「ただいま~!」
帰って早々、カカオにこっそり報告する。
わかっているのかわからないけど、私、カカオにはどんなことでも言える気がする。ふしぎだね。
1週間後 放課後
「えっ…?」
驚いたのと同時に大きなショックを受けた。
我慢できなくて、家に走って帰った。
なんで… どうして…?
部屋にこもって一人静かに涙を流す。
どうしたの?と言うようにそばによってくるカカオ。
「心配してくれてるの?こんな時だけずるいよ…」
カカオをなでたら、さらに涙がこぼれてきた。
「太一くんね…りおちゃんに手紙もらってたんだ…多分告白されたんだよ…」
りおちゃんは学校で、太一くんのことがひそかに好きなんじゃないかって噂になってた。
ちょっと気にしてはいたんだけど、りおちゃんは「好きじゃないよ」って言ってたから、安心してたんだけどな…
カカオが体をすり寄せてくる。
「ありがと…カカオ。」
泣いたらなんかスッキリした。
「私、ちゃんと太一くんに話してみる!」
「太一くん!…好きです…」
あぁ~…いっちゃった…
どうしよう…もう、りおちゃんにOKしてたら…
「ぼ…僕も好きです…」
え…!?
「で、でも、昨日りおちゃんに…」
驚いて聞く。
「あぁ、見てたんだ…あれね、たしかにりおちゃんに告白されたよ。でも、いま、誰とも付き合う気ないって断ったんだ。」
「そう…」
落ち込んだ気持ちになった。
「でも、ひとつだけりおちゃんにちゃんと言えなかったことあるんだ。」
「?」
「だから…誰とも付き合う気ないんだ……千夏ちゃん以外は……」
「太一くん…」
「これからは特別だから…」
「うん!」
まだ、むねがドキドキする。ありえない!ホントに付き合うことになった…
これ、夢じゃないよね!?嬉しいけど、みんなになんて言おう…
ばかにされたり、冷やかされたりしないかな…?
不安がよぎる。ダメダメ!!ネガティブに考えちゃうのは私の悪い癖!付き合うことになっただけでも嬉しい、すごいことなんだから!自分に言い聞かせる。
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