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3話 ごめんね…そしてありがとう
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「肺に異常が見られます。もう、結構な年ですし、このままでは命の危険が…」
動物病院の先生に言われたとき、耳を疑った。この先生は冗談を言っているのか?カカオにかぎってそんなこと…急いで駆け込んできて、顔も青ざめてた私にかんたんにそんなこといわないでよ。
「なにか、治す方法はないんですか…?」
今にも涙が溢れそうなのをこらえながら聞いてみる。
「この状態ではなかなか…難しいと思います。」
静かにそういう先生は多分、他人の犬なんかどうでもいいんだろうな。だって、そんな冷静な顔して、わたしにとって絶望的なことをかんたんに言うんだから。
「そんな…」
急に突きつけられた現実にどうすればいいか分からず、ただ、先生への気持ちが込み上がってくる。
「先生なんですよね…?だったら、なおしてくださいよ!先生!少しでいいから直してよ!!」
「やめなさい千夏!」
おじいちゃんがとめる。
うつむく先生。
くぅ~ん…
かすかに聞こえたカカオの鳴き声。診察台の上に乗せられたカカオは、心配そうな顔をしてこちらをみつめている。ゆっくりと近づくとぺろっと私の鼻を舐める。そうだね。先生だって努力してきたんだよね。
任せてもいいかな、カカオのこと…信頼していいかな、先生を…
「先生…カカオを…よろしくおねがいします…!」
しっかりと頭をさげる。
「できることはやり尽くします。カカオくんが最期を全うできるように全力を尽くします!」
先生の力強い声に少し、安心した。
カカオは入院することになった。いつ戻ってくるかは分からない。もしかしたら、病気と長期に渡って戦っていくかもしれない。けれど、私は諦めない。カカオのためにも、自分のためにも今やれることをしなくてはいけない。
「ごめんなさい!」
深く頭を下げる。
「謝らないで、しょうがないことだよ。そっか、わんちゃんが病気に…」
私は太一くんにしばらく、カカオの看病に専念したいと伝えることにした。そのためには、太一くんといる時間も減らさなくてはいけない。遊ぶことも、勉強会をしたりすることも。
「だから、しばらく一緒にいることはできなくなると思う。それでも、待っていてほしいんだ。」
自分の気持ちをきちんと伝えた。
「うん。待ってるよ。看病、頑張って。」
「ありがとう!」
私は、毎日動物病院に通った。カカオに話しかけても、返事をしてくれないことは 分かってる。でも、できるだけ、カカオのそばにいたいから。
カカオをなでながら、話しかける。
「カカオ初めてきたときは子犬かと思ったんだよ。だってすごいちっちゃかったんたよ。かわいかったな。今もかわいいけどね、充分。」
ある日、家に電話がかかってきた。
動物病院からだ。
急いで電話を取る。
「…そうですか…最期までカカオのためにありがとうございました…本当に」
「いえ、カカオくん最期は幸せそうな顔をして眠るようにいきましたよ。」
「カカオも嬉しかったと思います。先生のような優しい人に最期まで…っ…」
涙が溢れて溢れて止まらなくなった。もう、もう泣いてもいいかな…?声をあげて、泣いた。何時間も何時間も。
線香に火をつける。手を合わせて、心の中で話しかける。
カカオ。わたし、将来の夢やっと決まったよ。わたし、先生のような、一匹の動物に全力を尽くせるような獣医師になりたい。そして、カカオみたいな動物を助けるんだ。そこまで行くには大変なこと、辛いこともたくさんあるかもしれない。だけど、あきらめないよ。私。だって、カカオがいたから、この夢ができたんだもん。本当に今までありがとう。これからも、空のうえでみんなを見守っていてね…
動物病院の先生に言われたとき、耳を疑った。この先生は冗談を言っているのか?カカオにかぎってそんなこと…急いで駆け込んできて、顔も青ざめてた私にかんたんにそんなこといわないでよ。
「なにか、治す方法はないんですか…?」
今にも涙が溢れそうなのをこらえながら聞いてみる。
「この状態ではなかなか…難しいと思います。」
静かにそういう先生は多分、他人の犬なんかどうでもいいんだろうな。だって、そんな冷静な顔して、わたしにとって絶望的なことをかんたんに言うんだから。
「そんな…」
急に突きつけられた現実にどうすればいいか分からず、ただ、先生への気持ちが込み上がってくる。
「先生なんですよね…?だったら、なおしてくださいよ!先生!少しでいいから直してよ!!」
「やめなさい千夏!」
おじいちゃんがとめる。
うつむく先生。
くぅ~ん…
かすかに聞こえたカカオの鳴き声。診察台の上に乗せられたカカオは、心配そうな顔をしてこちらをみつめている。ゆっくりと近づくとぺろっと私の鼻を舐める。そうだね。先生だって努力してきたんだよね。
任せてもいいかな、カカオのこと…信頼していいかな、先生を…
「先生…カカオを…よろしくおねがいします…!」
しっかりと頭をさげる。
「できることはやり尽くします。カカオくんが最期を全うできるように全力を尽くします!」
先生の力強い声に少し、安心した。
カカオは入院することになった。いつ戻ってくるかは分からない。もしかしたら、病気と長期に渡って戦っていくかもしれない。けれど、私は諦めない。カカオのためにも、自分のためにも今やれることをしなくてはいけない。
「ごめんなさい!」
深く頭を下げる。
「謝らないで、しょうがないことだよ。そっか、わんちゃんが病気に…」
私は太一くんにしばらく、カカオの看病に専念したいと伝えることにした。そのためには、太一くんといる時間も減らさなくてはいけない。遊ぶことも、勉強会をしたりすることも。
「だから、しばらく一緒にいることはできなくなると思う。それでも、待っていてほしいんだ。」
自分の気持ちをきちんと伝えた。
「うん。待ってるよ。看病、頑張って。」
「ありがとう!」
私は、毎日動物病院に通った。カカオに話しかけても、返事をしてくれないことは 分かってる。でも、できるだけ、カカオのそばにいたいから。
カカオをなでながら、話しかける。
「カカオ初めてきたときは子犬かと思ったんだよ。だってすごいちっちゃかったんたよ。かわいかったな。今もかわいいけどね、充分。」
ある日、家に電話がかかってきた。
動物病院からだ。
急いで電話を取る。
「…そうですか…最期までカカオのためにありがとうございました…本当に」
「いえ、カカオくん最期は幸せそうな顔をして眠るようにいきましたよ。」
「カカオも嬉しかったと思います。先生のような優しい人に最期まで…っ…」
涙が溢れて溢れて止まらなくなった。もう、もう泣いてもいいかな…?声をあげて、泣いた。何時間も何時間も。
線香に火をつける。手を合わせて、心の中で話しかける。
カカオ。わたし、将来の夢やっと決まったよ。わたし、先生のような、一匹の動物に全力を尽くせるような獣医師になりたい。そして、カカオみたいな動物を助けるんだ。そこまで行くには大変なこと、辛いこともたくさんあるかもしれない。だけど、あきらめないよ。私。だって、カカオがいたから、この夢ができたんだもん。本当に今までありがとう。これからも、空のうえでみんなを見守っていてね…
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