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再会、のはずだが……?
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矢を放ち目を撃ち抜く。動きが一瞬鈍ったところ茂みから飛び出し懐に飛び込んだ。腰に下げていた短剣を引き抜き、一気に心臓に突き立てる。吹き出した血飛沫を顔面に浴びないよう横に逸らし、しっかりととどめを刺したのを確認して懐から這い出た。
「よし」
魔獣は基本人間の身体より二倍三倍、中にはそれ以上に大きいものもいる。それをそのまま運ぶなんざただ疲れるだけだ。
ナイフを突き立て血抜きをし次に内臓を取り出す。中をしっかりと洗浄したあとはバラして皮を剥ぐ。皮は汚れを洗い流して持ち帰ったあとに獣臭さを取るために薬草で燻して乾燥させる。
肉はここで持ち帰れるサイズに切り分ける。これも生臭さが残らないように処理する。あとは魔獣によって違うが使えそうな牙や爪、あとはたまに装飾に使えそうな石を持っている奴もいるからそれらも取ることもある。
流石に二十一にもなれば父親とは別行動になる。今回父さんは森の東側、そして俺が西側の担当になった。東と西で若干出てくる魔獣の種類が変わるものの
処理の仕方は基本変わらない。
一通り処理を終えた俺は持ってきていた袋に別々に詰め込み、そして肩に担ぐ。さっき潜んでいた茂み付近に別の魔獣の処理済みの物を置いてきたため、それも忘れずに回収する。
そのままだと運ぶのに面倒、っていうのもあるが。やっぱり一番の理由は臭いだった。動物は他にもいるけど魔獣は家畜に比べてずっと獣臭が強い。これを村に戻って解体してたら近隣から一気に苦情が来るはずだ。
だからこうして狩人と魔獣しかいない森で、誰にも迷惑かけないようにとその場で処理する。まぁ、解体している最中にその獣臭はどうしても身体に染み付いてしまうため、やっぱり同年代にちょっと遠巻きにされるわけだが。
「そっちも上手くいったみたいだな、リクト」
「父さんも。デカかったみたいだな」
「ああ、かなりの大物だ。この量だと備蓄に回してもよさそうだ」
ある意味俺たちの狩りでこの村の食料、もとい食肉を担っていると言ってもいい。村にいる家畜はミルクや卵、そして毛などそっち目当てで育てられているため食料になるものは育てていない。
これもカサドル家の先祖が魔獣を食料にする方法を見出してくれたおかげだ。つくづく先祖様々だ、頭が上がらない。ということで昔はどうだったかは知らないが、今はやっぱり血生臭い思いをしてまで肉を解体したいと思っている村人はほぼいない。やるのは狩人である俺と父さんだけだ。
「今日は俺が配ってくるから先に湯船使っていいぞ」
「わかった」
大量に取れた肉は一家に一つずつ配れるよう、俺たちが皮を干している間に母さんが詰めてくれている。玄関に置かれていた多くの袋を手に持った父さんは村の中心部のほうへと出かけていった。それを見送った母さんは飯の準備、そして俺は父さんの厚意に甘えることにして、早速湯船に浸かることにした。
獣臭い服を全部脱ぎ捨て、臭いがちゃんと取れるように身体をしっかりと洗ったあとに湯船に浸かる。あの獣臭がする服も村で作っている特殊な石鹸を分けてもらって洗ってる。そうでないと臭いが取れない。
湯船の中で腕を上げ伸びをし、そして縁に置く。洗った髪からポタポタと落ちてくる雫が若干うざったくて軽く髪をかき上げた。
今日も変わらず遠くから子どもたちのはしゃぐ声が聞こえ、そして村人たちの生活音も耳に届く。太陽は傾きつつあるがもう少し待てば星が見えてくるかもしれない。
何人か首都に行くために村を出た子どもがいる中、俺は変わらず村にずっといる。まぁ、元から出る予定も全然なかったし、何よりカサドル家の子は俺一人だ。流石に父さんにあの森を一人で狩りに行かせるのも骨が折れるだろう。それに二人だと効率も上がるし何より取れる肉の量も増える。
そうして狩人として働いて、まぁ相手は魔獣相手なのだからまったく怪我をしないというわけでもない。子どもの時は怪我するようなでかい獲物を狩ったことがなかったものの、流石に大人になると普通にでかいのも狩ってるためあちこち怪我が目立つようになっていた。とは言っても確かに傷跡はあるが、どれもこれもそこまで深いもんじゃない。
ただ、強面かどうかは知らないが昔から遠巻きにされてたっていうのに怪我が残るようになってから更に距離が開いた気がする。そんなに怖い人間に見えるのか。
「ふぅ」
息を吐き出して身体の力を抜く。その日の疲労はすぐに回復しておきたいものだ。
とか思っていたんだが、気配を感じ空を見上げていた視線を地上に戻す。この家は町はずれにある。臭いがキツいせいか来客も滅多にない。だからといって魔獣の気配でもない。
子どもでも迷い込んできたか、流石にここで俺と遭遇すると泣かせてしまいそうだな。と思いつつ視線を逸らさずにいたら、だ。
「あっ……」
なんだこの既視感は。と正直に思った。目が合った瞬間相手は一瞬目を逸らしたが、それでもなぜかゆっくりとこっちに戻してきた。ちなみに俺も少し拍子抜けした、というよりも「なんでだ」と頭の中で呟いた。
なんせ約三年、この村にいなかった人間がなぜ目の前にいるのか。そう思っても仕方がないことだろう。
「あ、これはそのっ、決して覗きとかじゃなくて、た、たまたまっ」
と慌てふためいているところ悪いが、視線が下に行ってしまう。そして俺の視線に気付いて相手も慌ててそこを押さえた。
「っ……すみませんっ」
「いや……」
疲れてんのか、こいつ。そんな状態で村を歩いていたのかと思ったが、そんな状態だからこそわざわざ村はずれにまで来たのか。ともあれ、この場に微妙な空気が流れるというか何とも言えない沈黙が続く。
沈黙が続いているものだから遠くからこいつを呼ぶ声が僅かだか聞こえてきた。誰かが探しているようだが、この状態でここにいるぞというのは流石に酷か。
「……取りあえず抜けば? その間俺は上がって服を着るから」
「え、えっと……はい……そうします……すみません……」
一応なるべく視界に入らないよう対処はしてやる。誰が好き好んでマスを掻くところをガン見するか。
湯船から上がった俺は近くに置いてあったタオルで身体を拭き、なるべく背中を向けて服を着る。流石に他人がいる場所で扱くのが恥ずかしいのか、音も立てないようにはしているし声を抑えている。これならそこの茂みの向こうで扱けと言ったほうがよかったかもしれない。
ただ幸いなのが徐々に日が暮れてきているおかげで辺りが暗くなってきたことだ。太陽に照らされてはっきり見える状況だと流石に居た堪れない。
「っ……」
少し待っていると息が詰まる音が聞こえ、少し待ってからゆっくりと後ろを振り返った。
「収まったか」
「あっ……」
「……は?」
俺はちゃんと待ってやった。呼吸が落ち着いたのを見計らったし、なんなら取り出したブツをちゃんと仕舞う時間だって与えてやった。
だというのに。俺の目の前にはまだ表に出されている、それ。しかも扱いたはずなのにまだ元気に反り勃ってるとはどういうことだ。まさか出さなかったのか、と一瞬思ったがちゃんと出した跡はそいつの付近にある。
「ご、ごめんなさいっ、そのっ」
「……」
「……」
遠くから聞こえてきた声が徐々に近付いてきてる。この場に来るのも時間の問題だ。っていうのになんで萎えないんだそれは。疲労か、とてつもなく疲労感を抱えているのか。
舌打ちをしそうになるところをグッと堪え、仕方なしに屈み込んでいるそいつに近付く。
「手伝ってやろうか」
「……えっ⁈」
俺も何言ってんだって感じだが。だがもうそのままにしておくわけにもいかないし、他人にしてもらえば自分でするのとまた違うから案外呆気なく果てるかもしれない。
でもそういやこいつ、俺を見て逃げ出した奴だった。流石に嫌ってる相手にされたところで逆に萎える……いやそれならそれでいいのか。取りあえず静めればいいだけの話なのだから。
とはいえ流石に拒絶するか、と息を吐き出そうとした時だった。
「……お願いしても、いいですか……?」
「ならさっさとするぞ。お前なんか呼ばれてるし」
「すみません……」
屈み込んで早速手を伸ばす。流石に三年も経てばあの細かった身体も随分と逞しくなっているし、同様にこっちも逞しくなっているかと一瞬だけ視線を向けた。なるほど、下も髪と同様金色なのか。とどうでもいいことは置いといて。
他人のを弄るのは初めてだったが、普段自分がやっているようにやればいいだろうと手を上下に動かし始める。さっき出したやつもあるからよく滑る。
黙々と作業を続けているとこいつの身体がビクビクと震えだす。よしよしこのままあっという間に出してしまえと少しだけ早さを上げた。
「あっ……ごめん、なさい、ごめんなさいっ、は、ぁっ」
手を伸ばしてきたかと思うと俺の腕にしがみついてきた。息は上がっているし顔も火照っている。泣きそうな顔をして見上げられても、と思いつつ宥めるように頭を撫でてやった。
って、なんで俺は野郎を宥めながら扱いてやってんだ。なんなんだこの状況は。
しかも俺の肩口に顔を埋めてきたかと思うと思いっきり息を吸う音が聞こえた。湯船に浸かったばかりだから獣臭はしないとは思うが、吸っただけで吐き出した音が聞こえないんだがこいつちゃんと呼吸してんのか。
「は、あっ、リクト、さんっ……リクトさんっ」
腕にしがみついていた手が背中に回り服を握りしめたのがわかった。更に早めて力を強めてやる。
「あっあっ、でるっ……で……っ!」
自分に掛からないように瞬時に身体を横にずらせば、勢いよく白濁が地面に向かって放たれた。こいつ二回目だったはずなのに量が多い。
その場に荒々しい呼吸だけが聞こえ、再び妙な空気が流れている中俺は取りあえずブツと頭から手を離し僅かに距離を取った。
いやだからなんなんだこの状況は。
「よし」
魔獣は基本人間の身体より二倍三倍、中にはそれ以上に大きいものもいる。それをそのまま運ぶなんざただ疲れるだけだ。
ナイフを突き立て血抜きをし次に内臓を取り出す。中をしっかりと洗浄したあとはバラして皮を剥ぐ。皮は汚れを洗い流して持ち帰ったあとに獣臭さを取るために薬草で燻して乾燥させる。
肉はここで持ち帰れるサイズに切り分ける。これも生臭さが残らないように処理する。あとは魔獣によって違うが使えそうな牙や爪、あとはたまに装飾に使えそうな石を持っている奴もいるからそれらも取ることもある。
流石に二十一にもなれば父親とは別行動になる。今回父さんは森の東側、そして俺が西側の担当になった。東と西で若干出てくる魔獣の種類が変わるものの
処理の仕方は基本変わらない。
一通り処理を終えた俺は持ってきていた袋に別々に詰め込み、そして肩に担ぐ。さっき潜んでいた茂み付近に別の魔獣の処理済みの物を置いてきたため、それも忘れずに回収する。
そのままだと運ぶのに面倒、っていうのもあるが。やっぱり一番の理由は臭いだった。動物は他にもいるけど魔獣は家畜に比べてずっと獣臭が強い。これを村に戻って解体してたら近隣から一気に苦情が来るはずだ。
だからこうして狩人と魔獣しかいない森で、誰にも迷惑かけないようにとその場で処理する。まぁ、解体している最中にその獣臭はどうしても身体に染み付いてしまうため、やっぱり同年代にちょっと遠巻きにされるわけだが。
「そっちも上手くいったみたいだな、リクト」
「父さんも。デカかったみたいだな」
「ああ、かなりの大物だ。この量だと備蓄に回してもよさそうだ」
ある意味俺たちの狩りでこの村の食料、もとい食肉を担っていると言ってもいい。村にいる家畜はミルクや卵、そして毛などそっち目当てで育てられているため食料になるものは育てていない。
これもカサドル家の先祖が魔獣を食料にする方法を見出してくれたおかげだ。つくづく先祖様々だ、頭が上がらない。ということで昔はどうだったかは知らないが、今はやっぱり血生臭い思いをしてまで肉を解体したいと思っている村人はほぼいない。やるのは狩人である俺と父さんだけだ。
「今日は俺が配ってくるから先に湯船使っていいぞ」
「わかった」
大量に取れた肉は一家に一つずつ配れるよう、俺たちが皮を干している間に母さんが詰めてくれている。玄関に置かれていた多くの袋を手に持った父さんは村の中心部のほうへと出かけていった。それを見送った母さんは飯の準備、そして俺は父さんの厚意に甘えることにして、早速湯船に浸かることにした。
獣臭い服を全部脱ぎ捨て、臭いがちゃんと取れるように身体をしっかりと洗ったあとに湯船に浸かる。あの獣臭がする服も村で作っている特殊な石鹸を分けてもらって洗ってる。そうでないと臭いが取れない。
湯船の中で腕を上げ伸びをし、そして縁に置く。洗った髪からポタポタと落ちてくる雫が若干うざったくて軽く髪をかき上げた。
今日も変わらず遠くから子どもたちのはしゃぐ声が聞こえ、そして村人たちの生活音も耳に届く。太陽は傾きつつあるがもう少し待てば星が見えてくるかもしれない。
何人か首都に行くために村を出た子どもがいる中、俺は変わらず村にずっといる。まぁ、元から出る予定も全然なかったし、何よりカサドル家の子は俺一人だ。流石に父さんにあの森を一人で狩りに行かせるのも骨が折れるだろう。それに二人だと効率も上がるし何より取れる肉の量も増える。
そうして狩人として働いて、まぁ相手は魔獣相手なのだからまったく怪我をしないというわけでもない。子どもの時は怪我するようなでかい獲物を狩ったことがなかったものの、流石に大人になると普通にでかいのも狩ってるためあちこち怪我が目立つようになっていた。とは言っても確かに傷跡はあるが、どれもこれもそこまで深いもんじゃない。
ただ、強面かどうかは知らないが昔から遠巻きにされてたっていうのに怪我が残るようになってから更に距離が開いた気がする。そんなに怖い人間に見えるのか。
「ふぅ」
息を吐き出して身体の力を抜く。その日の疲労はすぐに回復しておきたいものだ。
とか思っていたんだが、気配を感じ空を見上げていた視線を地上に戻す。この家は町はずれにある。臭いがキツいせいか来客も滅多にない。だからといって魔獣の気配でもない。
子どもでも迷い込んできたか、流石にここで俺と遭遇すると泣かせてしまいそうだな。と思いつつ視線を逸らさずにいたら、だ。
「あっ……」
なんだこの既視感は。と正直に思った。目が合った瞬間相手は一瞬目を逸らしたが、それでもなぜかゆっくりとこっちに戻してきた。ちなみに俺も少し拍子抜けした、というよりも「なんでだ」と頭の中で呟いた。
なんせ約三年、この村にいなかった人間がなぜ目の前にいるのか。そう思っても仕方がないことだろう。
「あ、これはそのっ、決して覗きとかじゃなくて、た、たまたまっ」
と慌てふためいているところ悪いが、視線が下に行ってしまう。そして俺の視線に気付いて相手も慌ててそこを押さえた。
「っ……すみませんっ」
「いや……」
疲れてんのか、こいつ。そんな状態で村を歩いていたのかと思ったが、そんな状態だからこそわざわざ村はずれにまで来たのか。ともあれ、この場に微妙な空気が流れるというか何とも言えない沈黙が続く。
沈黙が続いているものだから遠くからこいつを呼ぶ声が僅かだか聞こえてきた。誰かが探しているようだが、この状態でここにいるぞというのは流石に酷か。
「……取りあえず抜けば? その間俺は上がって服を着るから」
「え、えっと……はい……そうします……すみません……」
一応なるべく視界に入らないよう対処はしてやる。誰が好き好んでマスを掻くところをガン見するか。
湯船から上がった俺は近くに置いてあったタオルで身体を拭き、なるべく背中を向けて服を着る。流石に他人がいる場所で扱くのが恥ずかしいのか、音も立てないようにはしているし声を抑えている。これならそこの茂みの向こうで扱けと言ったほうがよかったかもしれない。
ただ幸いなのが徐々に日が暮れてきているおかげで辺りが暗くなってきたことだ。太陽に照らされてはっきり見える状況だと流石に居た堪れない。
「っ……」
少し待っていると息が詰まる音が聞こえ、少し待ってからゆっくりと後ろを振り返った。
「収まったか」
「あっ……」
「……は?」
俺はちゃんと待ってやった。呼吸が落ち着いたのを見計らったし、なんなら取り出したブツをちゃんと仕舞う時間だって与えてやった。
だというのに。俺の目の前にはまだ表に出されている、それ。しかも扱いたはずなのにまだ元気に反り勃ってるとはどういうことだ。まさか出さなかったのか、と一瞬思ったがちゃんと出した跡はそいつの付近にある。
「ご、ごめんなさいっ、そのっ」
「……」
「……」
遠くから聞こえてきた声が徐々に近付いてきてる。この場に来るのも時間の問題だ。っていうのになんで萎えないんだそれは。疲労か、とてつもなく疲労感を抱えているのか。
舌打ちをしそうになるところをグッと堪え、仕方なしに屈み込んでいるそいつに近付く。
「手伝ってやろうか」
「……えっ⁈」
俺も何言ってんだって感じだが。だがもうそのままにしておくわけにもいかないし、他人にしてもらえば自分でするのとまた違うから案外呆気なく果てるかもしれない。
でもそういやこいつ、俺を見て逃げ出した奴だった。流石に嫌ってる相手にされたところで逆に萎える……いやそれならそれでいいのか。取りあえず静めればいいだけの話なのだから。
とはいえ流石に拒絶するか、と息を吐き出そうとした時だった。
「……お願いしても、いいですか……?」
「ならさっさとするぞ。お前なんか呼ばれてるし」
「すみません……」
屈み込んで早速手を伸ばす。流石に三年も経てばあの細かった身体も随分と逞しくなっているし、同様にこっちも逞しくなっているかと一瞬だけ視線を向けた。なるほど、下も髪と同様金色なのか。とどうでもいいことは置いといて。
他人のを弄るのは初めてだったが、普段自分がやっているようにやればいいだろうと手を上下に動かし始める。さっき出したやつもあるからよく滑る。
黙々と作業を続けているとこいつの身体がビクビクと震えだす。よしよしこのままあっという間に出してしまえと少しだけ早さを上げた。
「あっ……ごめん、なさい、ごめんなさいっ、は、ぁっ」
手を伸ばしてきたかと思うと俺の腕にしがみついてきた。息は上がっているし顔も火照っている。泣きそうな顔をして見上げられても、と思いつつ宥めるように頭を撫でてやった。
って、なんで俺は野郎を宥めながら扱いてやってんだ。なんなんだこの状況は。
しかも俺の肩口に顔を埋めてきたかと思うと思いっきり息を吸う音が聞こえた。湯船に浸かったばかりだから獣臭はしないとは思うが、吸っただけで吐き出した音が聞こえないんだがこいつちゃんと呼吸してんのか。
「は、あっ、リクト、さんっ……リクトさんっ」
腕にしがみついていた手が背中に回り服を握りしめたのがわかった。更に早めて力を強めてやる。
「あっあっ、でるっ……で……っ!」
自分に掛からないように瞬時に身体を横にずらせば、勢いよく白濁が地面に向かって放たれた。こいつ二回目だったはずなのに量が多い。
その場に荒々しい呼吸だけが聞こえ、再び妙な空気が流れている中俺は取りあえずブツと頭から手を離し僅かに距離を取った。
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