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森の狩人
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「っ……!」
自分よりもずっと図体の大きい魔獣の爪が振り下ろされ、それを弾くだけでも軽く痺れが走る。とにかく一つ一つの攻撃が重い。まずは急所をと思ったけれど人間と作りが違うため、突き刺したところで魔獣に深手を負わせることはなかった。
「やっぱ木に引っかかっちまうな……!」
「ヒューゴ、お前は少し広いところに移動しろ。その援護はする」
「そうしてもらいますよ。この場所だと俺の大剣は邪魔でしょうがねぇ」
ヒューゴさんはずっと戦いにくそうだ。剣を振り回すと同時に木の枝を切り落としたり茂みを払ったりと、魔獣に対して目隠しになるかもしれないけれどこっちの視界も悪くさせていた。
隊長の援護を借りてヒューゴさんは少しだけ開けている場所へ移動する。まだ大剣は引っかかるけどここで振り回すよりずっといい。一方で、ライリーは頑なにこっちに戻ってこようとはしない。少し離れた場所で槍を振るっている。
ただライリーも自分の獲物が長いため、かなり戦いにくそうだ。それを見かねて隊長が何度も戻って来るようにと声をかけているけれど、返事ばかりで一向に戻ってくる気配がない。
この状況に陥ってしまった負い目を感じているのか、そう思ったけれどそれにしてはあまりにも頑なだ。隊長の指示を聞かなければ状況は更に悪化する。それがわかっているはずなのに。
それとも、騎士である自分は魔獣相手に引けを取ることはないと思っているのだろうか。この戦いに不利な条件で。
「セオ、君は自分の身だけを案じていてくれ」
「っ、わかりました」
ライリーを気にしながら戦っていたことを隊長はお見通しだったようだ。釘を刺され、しっかりと自分の身を守ることだけに集中する。
「クソっ、魔獣のくせに……!」
やっぱりどこか冷静じゃない。ライリーは如何にも苛々した様子で槍を振るっている。こんな狭い場所で思うように振るえないことが更に苛立ちを覚えているようだったけれど、それなら隊長の指示通りに戻ってくればいいのにと思ってしまう。
最初はライリーの首根っこを掴んで戻ってこようとしていたヒューゴさんだけれど、やはり大剣はこの場に向いてない。ライリーに近付こうとしても魔獣に阻まれて思うように動けていない。
「いい加減に下がれライリー!」
隊長の厳しい声が飛んだ。咄嗟に視線を走らせると突き出した槍が避けられ、そのまま木に突き刺さってしまっている。引っこ抜こうとしているけれど、その間に魔獣がしっかりとライリーのほうを向いていた。もちろんライリーだって気配で気付いている、けれども槍は抜けない。
目端に隊長が駆け出したのが見えた。けれど俺たちの周りも魔獣に囲まれている。攻撃しつつもなんとか距離を詰めようとしているけれど魔獣は軽く仰け反った程度、深手を負わせているわけじゃない。
隊長の援護をしよう、と向きを変えたけれど横から飛んできた爪に対処するべく無理やり体勢を変えて弾き飛ばした。このままだと俺も囲まれて援護どころじゃなくなる。
ライリー、と叫ぼうとしたけれど、魔獣の爪はすでにライリーの眼前まで迫っていた。隊長も、ヒューゴさんも間に合わない。騎士である意地からか、ライリーは迫ってくる爪から一切視線を逸らさなかった。
「ギャアアアッ!」
悲鳴が響いて思わず目を閉じたくなった。あまりにも痛々しい声だ。駆け出していた隊長も、大剣を振り払おうとしていたヒューゴさんの動きも一瞬止まる。ライリーは、目を見開いてただただ上を見上げていた。
「なっ……」
誰からこぼれた声なのかはわからない。ただ、ライリーを襲おうとしていた魔獣が目を貫かれた痛みで悶え苦しんでいる。その間に隊長はライリーの首根っこを掴んで魔獣と距離を取った。
茂みから音が聞こえ反射的に視線を向ける。飛び出してきた影は勢いを弱めることなくそのまま魔獣の中心部をダガーで貫いた。再び魔獣から雄叫びが上がりよろりとよろけるものの、まだ動ける様子だった。目の前に飛び出してきたものに意識を向け、そして見えないにも関わらず構うことなく爪を振り下ろす。
それをするりと避け飛び上がったそれはくるりと体勢を変え、高く振り上げた足を魔獣の脳転に向かって思いっきり振り下ろした。
「かっ……」
魔獣相手に、かかと落としするなんて。そんなの誰にも思いつかない。
物凄い打撃音の直後、魔獣の意識が飛んだのがわかった。ぐらりと傾いた身体に容赦なくダガーを突き立てる。きっとそこが急所だったんだろう、鮮血が吹き出し魔獣はズンと音を立てて倒れ込んだ。
それと同時に空で何かが弾いた音も聞こえた。一体なんなんだろう、と思う前に仲間が倒されたのがわかったのか、この場にいた魔獣の意識が俺たちを無視して一気に影に向かった。
「っ、危ない!」
一体は倒されたもののまだ四体も残っている。隊長とヒューゴさん、それぞれ一体ずつ足止めしようとしているものの残り二体は彼のほうへと向かってしまった。流石に二体同時を相手するなんて無理だ、と駆け寄ろうとしたけれど。
俺の心配を他所に彼は魔獣から繰り出される攻撃を難なく避けていく。しかも容赦なくダガーを突き立て無駄なく傷を負わせていた。これは下手に手を出したほうが邪魔になるかもしれない。
ふと、一体の魔獣が腕を横に薙ぎ払った。直撃すると人の身体なんて簡単に吹き飛んでしまう、それほどの威力だった。けれどそれは彼に当たることはなく、なんなら彼はひょいっと身を屈めてこれもまた簡単に避けてみせる。
そして、その身を屈めた先で。巨大な斧が見えた。
横に振り払われ、魔獣の身体が真っ二つになる。他の魔獣が少し尻込みしたのが見えた。
「緊急の狼煙が見えたから何かと思えば、これはまた賑やかだな」
「ああ。俺が来た時にはすでにこうなってた」
「そうか。そこの騎士たち、今は引っ込んでいてくれ」
「わかりました」
斧を持っている男性の言葉に隊長は素直に頷き、そして俺たちにも下がるように目配せをする。俺もヒューゴさんもすぐさま隊長の元へ行き、未だ槍を手放した状態のままでいるライリーは不満げだ。
「残りは」
「さっき俺が一体、父さんが一体、残りは三体」
「今日は入れ喰いだな」
それからはあっという間だった。やっぱり本職である彼らは森での戦い方をよくわかっている。あれほど大きな斧にも関わらず大きく振り回すことはなく、柄を短く持ち器用に振り回している。一方で、彼も近くに突き刺さっている槍に気付きそれを引っこ抜いて「借りるぞ」と短く言い放った。
槍は振り回すことはせず、そのまま真っ直ぐに魔獣の腕に向かって投げ放った。腕を貫通した槍は勢いを殺すことなく魔獣の後ろにあった木に突き刺さり、身動きできなくなった一瞬を見逃すことなくダガーで急所を突き立てる。
それぞれ一体ずつ対処し、残り一体は彼が囮になったところで魔獣は斧で一刀両断された。
「このような場所まで入り込んでしまって申し訳ない」
「俺たちは今からこれの解体に入るから、理由を聞くのはあとでいいか」
「もちろんです。後始末を押し付ける形になって申し訳ないが、ここにいても邪魔でしょうから私たちは先に撤収致します」
「ああ――リクト、そっちを頼む」
「わかった」
あっという間に魔獣が討伐され、静まり返った森の中で隊長とリクトさんのお父さんがそんな会話を交わしていた。ちなみに喋っている間も狩人である彼らの手は止まることなく黙々と作業を続けている。
ふとリクトさんが気付いて魔獣を貫いた槍を引っこ抜いて、俺たちのところへ軽々と投げてきた。ライリーが扱っている槍はそこまで軽いものでもなく、あんなに投げて渡すなんてことはしない。
「なんなんだよ……アイツら……」
どこか呆然とした様子で二人を眺めているライリーにヒューゴさんは呆れたように肩を竦め、俺も少しだけ苦笑をもらした。正直、最初に深追いをしなかったらあそこまでの危機的状況に陥ることはなかったし、彼らの手を煩わせることもなかった。
いや、もしかしたら彼らにとっては大漁だったと内心喜んでいるかもしれないけれど。
「彼らが村の狩人だよ」
そう説明した俺だけれど、ほんの少しだけ誇らしげに思ってしまった。
実際狩りをこの目で見たのは初めてだったけれど、小さい頃からずっと鍛錬している理由がよくわかった。臆することなく、状況に合わせて戦い方を変える。騎士にも通じるものだけれど、狩人として生計を立ててきた彼らは俺たち新人と比べて熟練度がまるで違う。
やっぱり格好いいなぁ、と。周囲の視線が自分から逸れていることをいいことに、俺はジッと肉を捌こうとしているリクトさんに視線を向けた。
自分よりもずっと図体の大きい魔獣の爪が振り下ろされ、それを弾くだけでも軽く痺れが走る。とにかく一つ一つの攻撃が重い。まずは急所をと思ったけれど人間と作りが違うため、突き刺したところで魔獣に深手を負わせることはなかった。
「やっぱ木に引っかかっちまうな……!」
「ヒューゴ、お前は少し広いところに移動しろ。その援護はする」
「そうしてもらいますよ。この場所だと俺の大剣は邪魔でしょうがねぇ」
ヒューゴさんはずっと戦いにくそうだ。剣を振り回すと同時に木の枝を切り落としたり茂みを払ったりと、魔獣に対して目隠しになるかもしれないけれどこっちの視界も悪くさせていた。
隊長の援護を借りてヒューゴさんは少しだけ開けている場所へ移動する。まだ大剣は引っかかるけどここで振り回すよりずっといい。一方で、ライリーは頑なにこっちに戻ってこようとはしない。少し離れた場所で槍を振るっている。
ただライリーも自分の獲物が長いため、かなり戦いにくそうだ。それを見かねて隊長が何度も戻って来るようにと声をかけているけれど、返事ばかりで一向に戻ってくる気配がない。
この状況に陥ってしまった負い目を感じているのか、そう思ったけれどそれにしてはあまりにも頑なだ。隊長の指示を聞かなければ状況は更に悪化する。それがわかっているはずなのに。
それとも、騎士である自分は魔獣相手に引けを取ることはないと思っているのだろうか。この戦いに不利な条件で。
「セオ、君は自分の身だけを案じていてくれ」
「っ、わかりました」
ライリーを気にしながら戦っていたことを隊長はお見通しだったようだ。釘を刺され、しっかりと自分の身を守ることだけに集中する。
「クソっ、魔獣のくせに……!」
やっぱりどこか冷静じゃない。ライリーは如何にも苛々した様子で槍を振るっている。こんな狭い場所で思うように振るえないことが更に苛立ちを覚えているようだったけれど、それなら隊長の指示通りに戻ってくればいいのにと思ってしまう。
最初はライリーの首根っこを掴んで戻ってこようとしていたヒューゴさんだけれど、やはり大剣はこの場に向いてない。ライリーに近付こうとしても魔獣に阻まれて思うように動けていない。
「いい加減に下がれライリー!」
隊長の厳しい声が飛んだ。咄嗟に視線を走らせると突き出した槍が避けられ、そのまま木に突き刺さってしまっている。引っこ抜こうとしているけれど、その間に魔獣がしっかりとライリーのほうを向いていた。もちろんライリーだって気配で気付いている、けれども槍は抜けない。
目端に隊長が駆け出したのが見えた。けれど俺たちの周りも魔獣に囲まれている。攻撃しつつもなんとか距離を詰めようとしているけれど魔獣は軽く仰け反った程度、深手を負わせているわけじゃない。
隊長の援護をしよう、と向きを変えたけれど横から飛んできた爪に対処するべく無理やり体勢を変えて弾き飛ばした。このままだと俺も囲まれて援護どころじゃなくなる。
ライリー、と叫ぼうとしたけれど、魔獣の爪はすでにライリーの眼前まで迫っていた。隊長も、ヒューゴさんも間に合わない。騎士である意地からか、ライリーは迫ってくる爪から一切視線を逸らさなかった。
「ギャアアアッ!」
悲鳴が響いて思わず目を閉じたくなった。あまりにも痛々しい声だ。駆け出していた隊長も、大剣を振り払おうとしていたヒューゴさんの動きも一瞬止まる。ライリーは、目を見開いてただただ上を見上げていた。
「なっ……」
誰からこぼれた声なのかはわからない。ただ、ライリーを襲おうとしていた魔獣が目を貫かれた痛みで悶え苦しんでいる。その間に隊長はライリーの首根っこを掴んで魔獣と距離を取った。
茂みから音が聞こえ反射的に視線を向ける。飛び出してきた影は勢いを弱めることなくそのまま魔獣の中心部をダガーで貫いた。再び魔獣から雄叫びが上がりよろりとよろけるものの、まだ動ける様子だった。目の前に飛び出してきたものに意識を向け、そして見えないにも関わらず構うことなく爪を振り下ろす。
それをするりと避け飛び上がったそれはくるりと体勢を変え、高く振り上げた足を魔獣の脳転に向かって思いっきり振り下ろした。
「かっ……」
魔獣相手に、かかと落としするなんて。そんなの誰にも思いつかない。
物凄い打撃音の直後、魔獣の意識が飛んだのがわかった。ぐらりと傾いた身体に容赦なくダガーを突き立てる。きっとそこが急所だったんだろう、鮮血が吹き出し魔獣はズンと音を立てて倒れ込んだ。
それと同時に空で何かが弾いた音も聞こえた。一体なんなんだろう、と思う前に仲間が倒されたのがわかったのか、この場にいた魔獣の意識が俺たちを無視して一気に影に向かった。
「っ、危ない!」
一体は倒されたもののまだ四体も残っている。隊長とヒューゴさん、それぞれ一体ずつ足止めしようとしているものの残り二体は彼のほうへと向かってしまった。流石に二体同時を相手するなんて無理だ、と駆け寄ろうとしたけれど。
俺の心配を他所に彼は魔獣から繰り出される攻撃を難なく避けていく。しかも容赦なくダガーを突き立て無駄なく傷を負わせていた。これは下手に手を出したほうが邪魔になるかもしれない。
ふと、一体の魔獣が腕を横に薙ぎ払った。直撃すると人の身体なんて簡単に吹き飛んでしまう、それほどの威力だった。けれどそれは彼に当たることはなく、なんなら彼はひょいっと身を屈めてこれもまた簡単に避けてみせる。
そして、その身を屈めた先で。巨大な斧が見えた。
横に振り払われ、魔獣の身体が真っ二つになる。他の魔獣が少し尻込みしたのが見えた。
「緊急の狼煙が見えたから何かと思えば、これはまた賑やかだな」
「ああ。俺が来た時にはすでにこうなってた」
「そうか。そこの騎士たち、今は引っ込んでいてくれ」
「わかりました」
斧を持っている男性の言葉に隊長は素直に頷き、そして俺たちにも下がるように目配せをする。俺もヒューゴさんもすぐさま隊長の元へ行き、未だ槍を手放した状態のままでいるライリーは不満げだ。
「残りは」
「さっき俺が一体、父さんが一体、残りは三体」
「今日は入れ喰いだな」
それからはあっという間だった。やっぱり本職である彼らは森での戦い方をよくわかっている。あれほど大きな斧にも関わらず大きく振り回すことはなく、柄を短く持ち器用に振り回している。一方で、彼も近くに突き刺さっている槍に気付きそれを引っこ抜いて「借りるぞ」と短く言い放った。
槍は振り回すことはせず、そのまま真っ直ぐに魔獣の腕に向かって投げ放った。腕を貫通した槍は勢いを殺すことなく魔獣の後ろにあった木に突き刺さり、身動きできなくなった一瞬を見逃すことなくダガーで急所を突き立てる。
それぞれ一体ずつ対処し、残り一体は彼が囮になったところで魔獣は斧で一刀両断された。
「このような場所まで入り込んでしまって申し訳ない」
「俺たちは今からこれの解体に入るから、理由を聞くのはあとでいいか」
「もちろんです。後始末を押し付ける形になって申し訳ないが、ここにいても邪魔でしょうから私たちは先に撤収致します」
「ああ――リクト、そっちを頼む」
「わかった」
あっという間に魔獣が討伐され、静まり返った森の中で隊長とリクトさんのお父さんがそんな会話を交わしていた。ちなみに喋っている間も狩人である彼らの手は止まることなく黙々と作業を続けている。
ふとリクトさんが気付いて魔獣を貫いた槍を引っこ抜いて、俺たちのところへ軽々と投げてきた。ライリーが扱っている槍はそこまで軽いものでもなく、あんなに投げて渡すなんてことはしない。
「なんなんだよ……アイツら……」
どこか呆然とした様子で二人を眺めているライリーにヒューゴさんは呆れたように肩を竦め、俺も少しだけ苦笑をもらした。正直、最初に深追いをしなかったらあそこまでの危機的状況に陥ることはなかったし、彼らの手を煩わせることもなかった。
いや、もしかしたら彼らにとっては大漁だったと内心喜んでいるかもしれないけれど。
「彼らが村の狩人だよ」
そう説明した俺だけれど、ほんの少しだけ誇らしげに思ってしまった。
実際狩りをこの目で見たのは初めてだったけれど、小さい頃からずっと鍛錬している理由がよくわかった。臆することなく、状況に合わせて戦い方を変える。騎士にも通じるものだけれど、狩人として生計を立ててきた彼らは俺たち新人と比べて熟練度がまるで違う。
やっぱり格好いいなぁ、と。周囲の視線が自分から逸れていることをいいことに、俺はジッと肉を捌こうとしているリクトさんに視線を向けた。
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