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イチャイチャする二人
「会場内だと流石に恥ずかしい」
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王子と結婚するとなったらまぁ、こういう場はどうやっても避けられないわけで。メイドさんとかあらゆる人が平凡な俺を必死に飾り立てようとしているのは申し訳ないというか。でもそれなりに見えるようにしなきゃいけないから大変だ。周りの人たちが。
まぁ出来上がったのは立派な服着てる庶民なんだけど。髪をちょっといじっても普通は普通だった。すみません普通で本当に。
ただ謎にメイドさんたちは達成感に満たされているし、王妃様やウェルスが満足げにしていたからいいことにしよう、うん。俺としては服に着られてるんだけどみんながいいって言うんならいいんだろう、うん。
「貴族などが挨拶に来るだろうがすべて俺が対応するから。アシエは気にしないでくれ」
「なんか申し訳ねぇけど、でも喋ったらぼろが出そうだからそうするよ」
「喋ってもいいぞ? ただし俺だけにな」
「ひえ」
結婚してからというものの、ウェルスは独占欲を隠さなくなった。マジでこれが初恋に打ちひしがれて落ち込んでいた王子様かよ。
移動中の馬車の中でそんな会話をしつつ、取りあえず俺はジョナサンさんたちから習ったマナー通りにしておこうと頷く。余計なことしちまったら庶民ダダ漏れしちゃうから。
やっぱりちゃんとした場所だとそれなりにちゃんとしておかないとな! そう思ってシューさんがくれた金槌も置いてきたんだし。
そんなこんなで馬車に揺られて、会場に到着した俺たちは二人並んでご入場。色んな視線がこっちを向いてきたけど、思ったほど気にならない。隣にまぁキラキラの美形がいるからかもしれないけど。俺にも色んな目を向けられるってことはわかっていたし。
それからと言うものの、ウェルスの言っていた通りものすっごい量の貴族たちが挨拶にやってきた。ははーん、みんなこうしてウェルスに顔と名前を覚えてもらおうとしてるんだな? 大変だぁ、貴族って。と他人事である。他人だし。
取りあえず俺は愛想だけはよくしておいた。こういう時は接客業で培った経験が活かされてる。流石に無愛想で接客するわけにもいかないし。
それにしてもウェルスもウェルスで見事だ。綺麗な作り笑顔をピタァッとずっと貼り付けてるしどこか物腰も柔らかだ。なんか最初変装して店に来た時のことを思い出す。やっぱあん時もどっか猫被っていたんだ。
とかなんとか思っている間にまぁ色々とあって。噂には聞いてたけど貴族同士、っていうか令嬢同士の戦いなんてものも実際あるんだなぁとかなんとか。流石にドレスが汚れるのは可哀想だと思ってちょっと口出ししちゃったけど、まぁ特に大事にもならなかったしよかったことにしよう。
ちょっとウェルスの顔が穏やかじゃなかったけど。でも俺お嬢さんに触ってないしセーフセーフ。
「アシエ、疲れていないか?」
「うーん、正直に言うとちょっと疲れた」
「それなら挨拶も落ち着いたことだし少し風に当たりに行こうか」
「おう」
慣れない場所で慣れないことをしてるからそれなりに疲れる。作業場で一日中金槌を振り下ろしているほうがマシだ。
それとなくウェルスにエスコートされつつ、人混みを避けてバルコニーへと出た。やっぱ会場でもこういうバルコニーでも無駄に広い。こういうとこに金かけてんだなぁとさっきから無駄に感心してる。
「悪いアシエ。こういう場はきっとこれっきりだから」
「まぁやんなきゃいけないことだからしょうがないよ。ウェルスも俺の代わりに頑張ってくれてるし」
「俺としては当然のことだ」
「ほんっとにウェルスってカッコいいんだな。マジで初恋で失恋した人とは思えねぇ」
「今思えばあれもいい体験だった」
おお、プラス思考になってる。あんな人でなしなことしてしかも多方面にフラれた挙げ句、中庭でクマ引っさげて落ち込んでいた王子が。あの時のことをいい体験だったとな。
「アシエのおかげだ」
そう言って爽やかに笑ってみせるんだから。ある意味で人生何があるかわかんないもんだ。俺も、ウェルスも。
「アシエ」
いつの間にか腰を引き寄せられて、ウェルスが顔を近付けてくる。いやこんな場所でやる? どういうこと? って感じだけど。そういえばさっきから誰かこっち見てたなってことを思い出す。もしかしてウェルスなりの牽制か何かだろうか。
まぁ俺も別に見られても気にしないし。正装のウェルスは正直に言うとめちゃくちゃカッコいいし。ちょっとキュンってしてるから、ウェルスに応えることにした。
「ウェルス」
名前を呼び終えると同時に口を塞がれた。最初から軽いものじゃなくてぬるりと舌が滑り込んでくる。もう学生の頃からヤることヤってきてるから、ウェルスにとって俺の扱いなんてお手の物なんだろう。
歯をなぞられて、口の天井を舐められると腰がぞわぞわする。そのまま舌を絡めて、ぢゅっと吸われて、唇を啄まれる。
鼻で息することを覚えたとはいっても、気持ちいいから自然と息が上がってくる。角度を変えて何度もされると段々と力が抜けてきて、腰をウェルスに押し付けた。あ、ちょっと薄っすらとウェルスが嬉しそうに笑ったのが見えた。
すると今度はウェルスからも腰を押し付けてくる。そんだけお互い押し付けてんだから元気になってるのもわかる。あ~、ちょっとした刺激でも気持ちいい。気持ちいいけど、ちょっとちゅーは今おやすみしてほしい。
流石にここまでしっかりと着飾ってくれたのに、汚してしまうのは申し訳なさすぎる……!
「アシエ」
「ぅぁっ……」
ウェルスは顔もいいけど声もいい。耳元で呟かれるとダイレクトに腰にクる。そんでもって見上げたウェルスの顔にきゅんと来てしまった。顔がいい。顔がよすぎる。
「ウ、ウェルス、まだここにいなきゃダメなわけ?」
「いいや、もう十分だろう。帰ろうか?」
「そうしよそうしよ。マジ、ちょっと大変なことになってる」
流石にこんなに人が大勢いる場で前屈みになって歩きたくはない。流石に俺だって恥ずかしい。そんな俺に気付いたのか、パッと見てきたウェルスは次になんでかにっこりと笑顔を浮かべた。嫌な予感しかしない。
「んっ……だから~! そんなことすると元気になっちゃうでしょうが~!」
「はははっ、悪い悪い」
悪いと思っている奴がそんな爽やかに笑うか。ちょっと俺の俺を落ち着かせようとしてたら股の間に片足突っ込んできて刺激してくるわ、ケツを軽く揉むわ。
ヤりたくなっちゃうでしょうが~!
「マジ、ちょっとタイム」
「ああ、そうだな。少し落ち着いてから行こう。俺も同じだしな」
「でしょうね」
さっきの仕返しで服の上から擦ってやろうかと思ったけど、そんなことしてたらいつまで経ってもこの場から動けない。
なんかさっきまでこっちをガン見していた気配も何やらなくなってるようだし、落ち着くまでしばらくお互いハグしていた。
んで。爽やかに会場を立ち去って馬車に乗ったのはいい。乗ったのはいいけど。
「~っ、んんぅ~! んんん!」
「はっ、ん」
「んぐ~っ!」
乗って扉閉じた瞬間ちゅーしてくるヤツいる? 絶対ガタガタ動いているの御者さん気付いてる。
「ぷはっ! 待て待て待てまだ馬車に乗っただけあぁ~っ」
「力の抜けた声が出たな」
「そうだなウェルスのおかげで出ちゃったな! そんなこと触られちゃったら気持ちよくて出ちゃうな!」
「そうか。ならもっと触ってあげような」
「屋敷に帰るまで待って~!」
馬車に乗ったら確かにこっちのもんかもしれないけど、でもまだ乗っただけ。ここから移動して屋敷に着いたら今度はそっから歩いて部屋に行かなきゃならない。流石に歩けるようにはしておいてほしいし、本っ当に何度も言うようだけどこの服を汚したくない。
って言ってる側からウェルスはスルスルと手を動かしてさすさすとあらぬところを擦ってくる。やめろ気持ちいいだろうがやめろ~!
こうなったら力尽くで、って肩を押そうと手を伸ばした瞬間、ウェルスのほうからぬっと腕が伸びてきてそのまま頭をガシッと掴まれてグッと引き寄せられる。そのあとされるのはちゅーですよ。さっきまで散々してたちゅー。
「んっ、ぅんっ」
相変わらずちゅーがお上手で。しかも耳もやわやわ軽く揉まれて、それだけの刺激でこれまた気持ちよくなっちゃうから困る。
このままだと腰が抜けて立てなくなるかもしれない。ってことでやり返すことにした。ちゅーの最中にちょっとだけ顔が離れたタイミングで、思いっきりウェルスに抱きつく。
そんでサラッサラの髪を掻き分けてついでにちょっと邪魔な襟を引っ張って、ガブッと首筋にかぶりついた。いきなり食われるとは思っていなかったウェルスの身体がビクッと跳ねる。ついでにウェルスのウェルスも可愛がってあげよう。
「っ……アシエっ……!」
「俺ばっか気持ちよくなるもの悪いし、ねぇ?」
「くっ……」
ウェルスがどこをどうしたら俺が気持ちよくなるか知っているように、俺もウェルスがどうしたら気持ちよくなるのか知っているので。
ってことで服の上からでもさすさすと触って、カリッと指先で軽く掻く。耳元に届くウェルスの呻き声がたまんね~。顔見たいけど少しでも距離を取ったらまたちゅーされるから。だからハグしている状態でいじってあげる。
「どう? 気持ちいい? ウェルス」
「は、ぁ……ああ、気持ちいい……が」
「ぬあっ⁈」
服の上から俺のをガッと掴まれてどっちかっていうと悲鳴に似た声が上がった。いや痛かった。普通に痛かった。勃ってるんだからそこはちょっと優しくしてほしかった。
と思った直後に優しく上下に扱かれる。普通に気持ちいいし、息も上がってくる。いやでも気持ちいいのはいいんだけど、だから今それだと困るんだって。
「ぁっあ、だ、から、ウェルス……このままだと、服、汚しちまうっ……!」
「大丈夫、汚したところでまた新しく作ればいい」
「庶民の俺にとってはそういうの困るんだってば~! こんなカッコいい服をホイホイ捨てられるか! 汚せるか!」
「そうか……それは悪かった」
あ、わかってくれた? ちょっとそういうところの感覚が俺とウェルスじゃ違うから、だから最近困ることもあるんだけど。そういうのはお互いに理解していこうねっていう話にはなっていた。だからウェルスもこうして庶民の感覚を知ってくれようとしてくれてる。
俺も俺で、貴族というか王族の感覚をできる限り受け入れようとはしてるけど。俺のほうはまだ難しいかな。
「そしたら出さないようにしようか?」
「そういう問題じゃないんですぅ!」
出さなかったら汚さないじゃ~んじゃないんだよ。いやつまりそういうことになるよなっていうのはわかる、わかるんだけど。それだとウェルスは俺の根本をギュッときつく握ってくるから嫌なんだ。イきたくてもイけなくなるんだよこれだと。
「待て待てそもそもやめればいいだけのはな、しっ、あ、んっ、ぁ、あっ」
「ここまでやってやめれるとでも?」
「思ってないぃっ、はぅっ、んあっぁっ」
いつの間にか馬車は走っているし、そうこうしている間に屋敷には着くし。着くまでに俺はひたすら愛撫されててひたすら悶えていたし。馬車を降りる頃にはヘトヘトだった。
ウェルスに支えられながらなんとか湯船のところまで向かって、一人でゆっくりと浸かる。最初はメイドさんたちが身体洗いますよ~って言ってくれてたんだけど、身体ぐらい一人で洗えますよ~って丁寧に断った。そもそも洗うところがちょっと多いので。あと洗ってるところ見られるのは多少恥ずかしいので。
っていうことでしっかりと身体を洗った俺は火照ったままの状態で寝室に向かった。俺のあとにウェルスが湯船に浸かるからベッドの上で大の字で寝れる。
「はぁ~っ、疲れた~っ」
これならまだ一日中金槌振り下ろしていたほうがマシだ。なんだか気疲れしてそのままウトウトとしてしまう。
だがしかし! 俺たちにとってはここからである。頭をブンブン振って眠気を吹き飛ばし、横になっていた身体を起こす。そしてウェルスがやってくるのを待つ。そしてガチャ、とドアノブが回った。
「待たせた、アシエ」
「うんうん待った待った。ほら、ウェルス」
「ああ」
早くって急かすとウェルスが足早にベッドまでやってくる。俺と同じようにベッドに乗ろうとしていたところ、その腕を引っ張って身体をベッドに押し倒した。ついでにその押し倒した身体の上に跨る。そんな俺を見上げてウェルスも嬉しそうに笑う。
「結婚したあとは何をすると思う?」
「初夜」
「正解」
ウェルスの問題に無事正解した俺は服を脱ぎだし、そんな俺をウェルスは舌舐めずりをして直接肌に触れてくる。
この部屋にやってくるまでに俺たちは散々ちゅーをしてきたわけだけど。実はお披露目の準備が忙しくてお互い一緒にいれる時間を取れていなかった。それはもう昼夜問わず。昼間は昼間で準備をして、夜は夜で疲れてすぐに寝た。
ということで俺たちはほぼ禁欲生活を強いられていた、と言っても過言じゃない。その生活が今やっと解禁された。ということでヤることは一つだ。
なんせ俺たちはまだまだ年頃の男の子だし、なんと言ったって新婚ホヤホヤだ。
「一緒にた~んまりと、気持ちよくなろうぜ? ウェルス」
「ああそうだな、アシエ。体力の限界に挑戦するとしよう」
「あははっ、頑張れウェルス」
「アシエもな」
これからどっちの体力が尽きるのが早いか、先の長い挑戦が始まるってわけ。
まぁ出来上がったのは立派な服着てる庶民なんだけど。髪をちょっといじっても普通は普通だった。すみません普通で本当に。
ただ謎にメイドさんたちは達成感に満たされているし、王妃様やウェルスが満足げにしていたからいいことにしよう、うん。俺としては服に着られてるんだけどみんながいいって言うんならいいんだろう、うん。
「貴族などが挨拶に来るだろうがすべて俺が対応するから。アシエは気にしないでくれ」
「なんか申し訳ねぇけど、でも喋ったらぼろが出そうだからそうするよ」
「喋ってもいいぞ? ただし俺だけにな」
「ひえ」
結婚してからというものの、ウェルスは独占欲を隠さなくなった。マジでこれが初恋に打ちひしがれて落ち込んでいた王子様かよ。
移動中の馬車の中でそんな会話をしつつ、取りあえず俺はジョナサンさんたちから習ったマナー通りにしておこうと頷く。余計なことしちまったら庶民ダダ漏れしちゃうから。
やっぱりちゃんとした場所だとそれなりにちゃんとしておかないとな! そう思ってシューさんがくれた金槌も置いてきたんだし。
そんなこんなで馬車に揺られて、会場に到着した俺たちは二人並んでご入場。色んな視線がこっちを向いてきたけど、思ったほど気にならない。隣にまぁキラキラの美形がいるからかもしれないけど。俺にも色んな目を向けられるってことはわかっていたし。
それからと言うものの、ウェルスの言っていた通りものすっごい量の貴族たちが挨拶にやってきた。ははーん、みんなこうしてウェルスに顔と名前を覚えてもらおうとしてるんだな? 大変だぁ、貴族って。と他人事である。他人だし。
取りあえず俺は愛想だけはよくしておいた。こういう時は接客業で培った経験が活かされてる。流石に無愛想で接客するわけにもいかないし。
それにしてもウェルスもウェルスで見事だ。綺麗な作り笑顔をピタァッとずっと貼り付けてるしどこか物腰も柔らかだ。なんか最初変装して店に来た時のことを思い出す。やっぱあん時もどっか猫被っていたんだ。
とかなんとか思っている間にまぁ色々とあって。噂には聞いてたけど貴族同士、っていうか令嬢同士の戦いなんてものも実際あるんだなぁとかなんとか。流石にドレスが汚れるのは可哀想だと思ってちょっと口出ししちゃったけど、まぁ特に大事にもならなかったしよかったことにしよう。
ちょっとウェルスの顔が穏やかじゃなかったけど。でも俺お嬢さんに触ってないしセーフセーフ。
「アシエ、疲れていないか?」
「うーん、正直に言うとちょっと疲れた」
「それなら挨拶も落ち着いたことだし少し風に当たりに行こうか」
「おう」
慣れない場所で慣れないことをしてるからそれなりに疲れる。作業場で一日中金槌を振り下ろしているほうがマシだ。
それとなくウェルスにエスコートされつつ、人混みを避けてバルコニーへと出た。やっぱ会場でもこういうバルコニーでも無駄に広い。こういうとこに金かけてんだなぁとさっきから無駄に感心してる。
「悪いアシエ。こういう場はきっとこれっきりだから」
「まぁやんなきゃいけないことだからしょうがないよ。ウェルスも俺の代わりに頑張ってくれてるし」
「俺としては当然のことだ」
「ほんっとにウェルスってカッコいいんだな。マジで初恋で失恋した人とは思えねぇ」
「今思えばあれもいい体験だった」
おお、プラス思考になってる。あんな人でなしなことしてしかも多方面にフラれた挙げ句、中庭でクマ引っさげて落ち込んでいた王子が。あの時のことをいい体験だったとな。
「アシエのおかげだ」
そう言って爽やかに笑ってみせるんだから。ある意味で人生何があるかわかんないもんだ。俺も、ウェルスも。
「アシエ」
いつの間にか腰を引き寄せられて、ウェルスが顔を近付けてくる。いやこんな場所でやる? どういうこと? って感じだけど。そういえばさっきから誰かこっち見てたなってことを思い出す。もしかしてウェルスなりの牽制か何かだろうか。
まぁ俺も別に見られても気にしないし。正装のウェルスは正直に言うとめちゃくちゃカッコいいし。ちょっとキュンってしてるから、ウェルスに応えることにした。
「ウェルス」
名前を呼び終えると同時に口を塞がれた。最初から軽いものじゃなくてぬるりと舌が滑り込んでくる。もう学生の頃からヤることヤってきてるから、ウェルスにとって俺の扱いなんてお手の物なんだろう。
歯をなぞられて、口の天井を舐められると腰がぞわぞわする。そのまま舌を絡めて、ぢゅっと吸われて、唇を啄まれる。
鼻で息することを覚えたとはいっても、気持ちいいから自然と息が上がってくる。角度を変えて何度もされると段々と力が抜けてきて、腰をウェルスに押し付けた。あ、ちょっと薄っすらとウェルスが嬉しそうに笑ったのが見えた。
すると今度はウェルスからも腰を押し付けてくる。そんだけお互い押し付けてんだから元気になってるのもわかる。あ~、ちょっとした刺激でも気持ちいい。気持ちいいけど、ちょっとちゅーは今おやすみしてほしい。
流石にここまでしっかりと着飾ってくれたのに、汚してしまうのは申し訳なさすぎる……!
「アシエ」
「ぅぁっ……」
ウェルスは顔もいいけど声もいい。耳元で呟かれるとダイレクトに腰にクる。そんでもって見上げたウェルスの顔にきゅんと来てしまった。顔がいい。顔がよすぎる。
「ウ、ウェルス、まだここにいなきゃダメなわけ?」
「いいや、もう十分だろう。帰ろうか?」
「そうしよそうしよ。マジ、ちょっと大変なことになってる」
流石にこんなに人が大勢いる場で前屈みになって歩きたくはない。流石に俺だって恥ずかしい。そんな俺に気付いたのか、パッと見てきたウェルスは次になんでかにっこりと笑顔を浮かべた。嫌な予感しかしない。
「んっ……だから~! そんなことすると元気になっちゃうでしょうが~!」
「はははっ、悪い悪い」
悪いと思っている奴がそんな爽やかに笑うか。ちょっと俺の俺を落ち着かせようとしてたら股の間に片足突っ込んできて刺激してくるわ、ケツを軽く揉むわ。
ヤりたくなっちゃうでしょうが~!
「マジ、ちょっとタイム」
「ああ、そうだな。少し落ち着いてから行こう。俺も同じだしな」
「でしょうね」
さっきの仕返しで服の上から擦ってやろうかと思ったけど、そんなことしてたらいつまで経ってもこの場から動けない。
なんかさっきまでこっちをガン見していた気配も何やらなくなってるようだし、落ち着くまでしばらくお互いハグしていた。
んで。爽やかに会場を立ち去って馬車に乗ったのはいい。乗ったのはいいけど。
「~っ、んんぅ~! んんん!」
「はっ、ん」
「んぐ~っ!」
乗って扉閉じた瞬間ちゅーしてくるヤツいる? 絶対ガタガタ動いているの御者さん気付いてる。
「ぷはっ! 待て待て待てまだ馬車に乗っただけあぁ~っ」
「力の抜けた声が出たな」
「そうだなウェルスのおかげで出ちゃったな! そんなこと触られちゃったら気持ちよくて出ちゃうな!」
「そうか。ならもっと触ってあげような」
「屋敷に帰るまで待って~!」
馬車に乗ったら確かにこっちのもんかもしれないけど、でもまだ乗っただけ。ここから移動して屋敷に着いたら今度はそっから歩いて部屋に行かなきゃならない。流石に歩けるようにはしておいてほしいし、本っ当に何度も言うようだけどこの服を汚したくない。
って言ってる側からウェルスはスルスルと手を動かしてさすさすとあらぬところを擦ってくる。やめろ気持ちいいだろうがやめろ~!
こうなったら力尽くで、って肩を押そうと手を伸ばした瞬間、ウェルスのほうからぬっと腕が伸びてきてそのまま頭をガシッと掴まれてグッと引き寄せられる。そのあとされるのはちゅーですよ。さっきまで散々してたちゅー。
「んっ、ぅんっ」
相変わらずちゅーがお上手で。しかも耳もやわやわ軽く揉まれて、それだけの刺激でこれまた気持ちよくなっちゃうから困る。
このままだと腰が抜けて立てなくなるかもしれない。ってことでやり返すことにした。ちゅーの最中にちょっとだけ顔が離れたタイミングで、思いっきりウェルスに抱きつく。
そんでサラッサラの髪を掻き分けてついでにちょっと邪魔な襟を引っ張って、ガブッと首筋にかぶりついた。いきなり食われるとは思っていなかったウェルスの身体がビクッと跳ねる。ついでにウェルスのウェルスも可愛がってあげよう。
「っ……アシエっ……!」
「俺ばっか気持ちよくなるもの悪いし、ねぇ?」
「くっ……」
ウェルスがどこをどうしたら俺が気持ちよくなるか知っているように、俺もウェルスがどうしたら気持ちよくなるのか知っているので。
ってことで服の上からでもさすさすと触って、カリッと指先で軽く掻く。耳元に届くウェルスの呻き声がたまんね~。顔見たいけど少しでも距離を取ったらまたちゅーされるから。だからハグしている状態でいじってあげる。
「どう? 気持ちいい? ウェルス」
「は、ぁ……ああ、気持ちいい……が」
「ぬあっ⁈」
服の上から俺のをガッと掴まれてどっちかっていうと悲鳴に似た声が上がった。いや痛かった。普通に痛かった。勃ってるんだからそこはちょっと優しくしてほしかった。
と思った直後に優しく上下に扱かれる。普通に気持ちいいし、息も上がってくる。いやでも気持ちいいのはいいんだけど、だから今それだと困るんだって。
「ぁっあ、だ、から、ウェルス……このままだと、服、汚しちまうっ……!」
「大丈夫、汚したところでまた新しく作ればいい」
「庶民の俺にとってはそういうの困るんだってば~! こんなカッコいい服をホイホイ捨てられるか! 汚せるか!」
「そうか……それは悪かった」
あ、わかってくれた? ちょっとそういうところの感覚が俺とウェルスじゃ違うから、だから最近困ることもあるんだけど。そういうのはお互いに理解していこうねっていう話にはなっていた。だからウェルスもこうして庶民の感覚を知ってくれようとしてくれてる。
俺も俺で、貴族というか王族の感覚をできる限り受け入れようとはしてるけど。俺のほうはまだ難しいかな。
「そしたら出さないようにしようか?」
「そういう問題じゃないんですぅ!」
出さなかったら汚さないじゃ~んじゃないんだよ。いやつまりそういうことになるよなっていうのはわかる、わかるんだけど。それだとウェルスは俺の根本をギュッときつく握ってくるから嫌なんだ。イきたくてもイけなくなるんだよこれだと。
「待て待てそもそもやめればいいだけのはな、しっ、あ、んっ、ぁ、あっ」
「ここまでやってやめれるとでも?」
「思ってないぃっ、はぅっ、んあっぁっ」
いつの間にか馬車は走っているし、そうこうしている間に屋敷には着くし。着くまでに俺はひたすら愛撫されててひたすら悶えていたし。馬車を降りる頃にはヘトヘトだった。
ウェルスに支えられながらなんとか湯船のところまで向かって、一人でゆっくりと浸かる。最初はメイドさんたちが身体洗いますよ~って言ってくれてたんだけど、身体ぐらい一人で洗えますよ~って丁寧に断った。そもそも洗うところがちょっと多いので。あと洗ってるところ見られるのは多少恥ずかしいので。
っていうことでしっかりと身体を洗った俺は火照ったままの状態で寝室に向かった。俺のあとにウェルスが湯船に浸かるからベッドの上で大の字で寝れる。
「はぁ~っ、疲れた~っ」
これならまだ一日中金槌振り下ろしていたほうがマシだ。なんだか気疲れしてそのままウトウトとしてしまう。
だがしかし! 俺たちにとってはここからである。頭をブンブン振って眠気を吹き飛ばし、横になっていた身体を起こす。そしてウェルスがやってくるのを待つ。そしてガチャ、とドアノブが回った。
「待たせた、アシエ」
「うんうん待った待った。ほら、ウェルス」
「ああ」
早くって急かすとウェルスが足早にベッドまでやってくる。俺と同じようにベッドに乗ろうとしていたところ、その腕を引っ張って身体をベッドに押し倒した。ついでにその押し倒した身体の上に跨る。そんな俺を見上げてウェルスも嬉しそうに笑う。
「結婚したあとは何をすると思う?」
「初夜」
「正解」
ウェルスの問題に無事正解した俺は服を脱ぎだし、そんな俺をウェルスは舌舐めずりをして直接肌に触れてくる。
この部屋にやってくるまでに俺たちは散々ちゅーをしてきたわけだけど。実はお披露目の準備が忙しくてお互い一緒にいれる時間を取れていなかった。それはもう昼夜問わず。昼間は昼間で準備をして、夜は夜で疲れてすぐに寝た。
ということで俺たちはほぼ禁欲生活を強いられていた、と言っても過言じゃない。その生活が今やっと解禁された。ということでヤることは一つだ。
なんせ俺たちはまだまだ年頃の男の子だし、なんと言ったって新婚ホヤホヤだ。
「一緒にた~んまりと、気持ちよくなろうぜ? ウェルス」
「ああそうだな、アシエ。体力の限界に挑戦するとしよう」
「あははっ、頑張れウェルス」
「アシエもな」
これからどっちの体力が尽きるのが早いか、先の長い挑戦が始まるってわけ。
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