私たちハピエンを目指します!

みけねこ

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 結局王子と話し合うこと以前に、まともに顔を合わさないまま一ヶ月過ぎてしまった。私のあまりの不甲斐なさにお父様ですら「まだなのか」って呆れ顔だったし、私は頑張っているんですと言ったところで結果がついてきていないのだから反論もできない。流石に見かねたエディも協力しようとしてくれて、王子との鉢合わせを企ててくれたのだけれど。それも何かを察知したのかもう少しで会えるとなった直前で逃げたらしい。何なのだろう、王子のその第六感は。
「まずい流石にまずすぎる……!」
 頭を抱えて唸ることしかできない。ヒロインであるフリージアと一緒にいるおかげか、今のところ死亡ルートに入るようなフラグは立ってはいない。けれどそれが逆に何かが起こりそうな気がしてならない。悪役令嬢が果たしてこのまま平穏無事に学園生活を過ごすことができるだろうか。
「カトレアー! カトレアカトレアー!」
 なんだか賑やかな声が聞こえると顔を上げる。一般の生徒がこの貴族ばかりがいるこのクラスに現れることは滅多にない。けれど廊下のほうから間違いなく友達のフリージアの声が聞こえてくる。私は急いで立ち上がって教室のドアに向かえば、息切れをしながら立ち止まったカトレアがすぐ目の前にいた。
 まぁ、他の人なら咎められていたかもしれないけれど、今回はヒロインであるフリージアだから何の問題もないだろう。
「どうしたの? フリージア」
「カトレアっ……! はぁはぁっ、ごめんっ、ちょっと来て!」
「えっ、フリージア?!」
 そのままフリージアに腕を引っ張られて一緒に走り出す。いつも確かにちょっとおっちょこちょいなところはあるけれど、こんな慌ただしいフリージアを初めて見る。きっと何かが起こったのだろう、しかもそれはフリージアに関することではなくて私に関することで。
 そのまま廊下を走り中庭を突っ切り、食堂近くにある広場へと出る。ここは食堂から学食を持って昼食を取る生徒であふれている場所。景観のために自然豊かで木々もよく立っている。フリージアはそんな立っている一本の木の影に隠れて「あそこ」と何かを指差した。
「あ……えっ?」
「ねっ、ねっ? 謎じゃない?!」
「どういうこと?」
 私たちの視線の先には、中々私と会おうとはしなかった王子の姿。しかもその王子は一人ではなく、見知らぬ女子生徒がその隣に立って何やら仲良さげに喋っている。
「誰?!」
「……あっ! もしかして次回作のヒロイン?! なんか発表あったよね?!」
「……はっ、そういえば……!」
 確か猫を助ける数日前に、そんな予告を見たような気がする。攻略対象者は増えて確かヒロインが変わっていた。前回のヒロインは王道ルートの王子とめでたく結ばれているという設定で、その王子とは別のキャラたちを攻略していく内容だったはず。うろ覚えでちゃんと覚えているわけではないけれど。
 でも新しいヒロインのビジュアル公開はあった。そう、まさに今王子の隣にいる女子生徒だ。
「……えぇ? なんか、色々とタイミングがおかしくない?」
「そうだよね。だって次のゲームの舞台って二年後だったよね? まだあのヒロインいないはずなのに」
「そもそも王子は攻略対象者ではなかったはず」
「これもバグ?」
 まさかのキャラの登場にもう頭が混乱するばかり。でも二人の様子をもう一度見てみる。次回作のヒロインということもあってあの女子生徒はフリージアとはまた違った可愛らしさがある。フリージアはおっちょこちょいの元気なヒロインであったけれど、あの女子生徒は穏やかでふんわりとしたイメージだ。
 でも次回作の情報をしっかりとする前に私たちはあの世界を去ってしまったから、あのヒロインと対峙する悪役令嬢がいるのか、他の攻略対象者が誰なのかまったくわからない。わからないことばかりだけれど、たった一つだけわかることもある。
「王子、あの子といい雰囲気ね」
「え、カトレア……?」
「逃げていたのはあの子と会うためだったのかしら。そしたら尚更婚約破棄の話をしなきゃ」
「ね、ねぇ! 取りあえずエディくんに何か聞いてみない? もしかしてあの子のこと知ってるかも」
「それもそうね」
 取りあえず情報収集したほうがよさそうだ。二人に見つからないように、来たときと同じようにコソコソと広場をあとにする。まだ授業があるため教室に戻るとして、昼休憩になったらいつもの場所で集合ということになった。一応カトレアはサイラスにも声をかけるらしい。ならば私がエディを呼び出すと告げて教室に戻る前にエディの教室に寄った。
「昼休憩、一緒にどうかしら?」
「来ると思ってました」
 周りの視線が痛いけれど私たちは幼馴染なのだから何の負い目もない。一緒に中庭に向かう約束を取り付けて、自分の教室に戻った。
 授業はしっかりと受け、昼休憩になったときにクラスの入り口にはエディが迎えに来ていた。周りに好奇な目で見てくるけれど気にせずお弁当を持ってクラスを出る。私の手に持っている物にエディは一度軽く目を見張ったけれどそれもすぐにいつものポーカーフェイスに戻り、お互い特に何かを喋るわけでもなくいつもの中庭へ向かった。
 そしていつも座っている場所にはすでにフリージアとそしてサイラスの姿があった。そういえば私たちはお弁当を持ってきているけれど彼らはどうするのかしら。「食堂に行く?」とエディに聞いてみると「準備はしています」とこれまたどこからともなく現れる執事。相変わらずどこから出現してくるのかまったくわからない。
 四人が席に着いたのを確認して私とフリージアはお弁当を広げつつ、早速本題に取り掛かった。
「エディ、最近王子と一緒にいる女子生徒いるわよね? 一体どなた?」
「……なぜ知っているんですか」
「私とカトレア、一緒に見たのよ! ね?!」
「そう、私たち見たの」
 目撃者二人いるのだから「気のせいです」でスルーすることはできない。私たちの視線を受けたエディは何かを言い淀み、視線を落として小さく息を吐きだしたあと何やら口を動かした。あまりにも小声すぎて聞き取れず、聞き返そうとする前にエディの顔は上げられ視線は私に向かった。
「……彼女はリリー・ナスターシャ。カトレアたちと同じ新入生です」
「……でも彼女、入学式のときにいたかしら? 見当たらなかったけれど」
 あれだけ大勢いる新入生でたった一人の生徒を見つけるのは至難の業だけれど、フリージアのようにヒロインはやっぱり人の目を惹く。あれだけ可愛らしい子がいたのなら他の生徒だって気付いて注目を集めていたはずだ。けれど入学式はもちろん、そのあと私はヒロインを探すのに必死だったけれどそのときに彼女の姿を見てはいない。
「どうやら入学式の前に体調を崩したらしく、一週間休んでいたそうです」
「そうなのね。ところでエディ、あなた詳しいのね」
 いくら王子のためにあらゆる情報収集をしているとはいえ、それにしては休んだだけという理由で一人の女子生徒を詳しく調べるかしら。にっこりと笑顔を向ければエディはそっと視線を逸らした。
「彼女なら俺も話したことがある。転けそうになったところ助けたんだ」
 廊下を歩いていると目の前で転けそうになっていたから急いで抱きとめたのだとサイラスは素直に話してくれる。もしかしてエディも何か話したことがあるのかと視線を向ければ「私は道を尋ねられました」と告げた。
 ふむ、と顎に手を当てる。サイラスの出会いもエディも出会いも、ヒロインであるフリージアが全力で回避していたフラグだ。本作のヒロインはそうやって攻略対象者と出会い親交を深め、そして親密な仲になっていく。
 これは果たして、偶然だろうか。
 よくよく話を聞いてみればエディはそれから声をかけられることが増えたと言っていたし、サイラスも廊下で会ったときは軽く会話をするのだと言う。ここまで言ってサイラスはハッとしてフリージアのほうに顔を向けた。
「か、勘違いしないでくれ。彼女とは何も、俺は、その、君が」
「ところでサイラスくん、クラークさんってクッキー食べれるかな?」
「……え? クラーク?」
「そう! 実はクッキーを作ろうと思って、執事さんならどうしたら美味しく作れるか知ってるかなぁって。あの、私が作ったものを食べてみて評価してもらいたいの。ダメ、かな」
「い、いや、大丈夫だと思うが……」
「よかった!」
 テーブルの下でしっかりとガッツポーズしているのが見えてしまった。サイラスのフラグは折りまくるが隙かさずにクラークの好感度は上げようとしている。流石はフリージア。
 でも私はそんな彼女の味方のため、頑張ってフリージアと応援しつつフリージアが持ってきたおにぎりを一つ貰って口に運んだ。その代わり私が持ってきたシャフお手製のパンを一つフリージアの前に置く。そんな私の様子を見て目の前でエディがギョッとしていた。
「カトレア、他人が作った料理を口に運ぶなんて」
「あら、フリージアは私の友達よ? 何か入っているわけないじゃない」
「けれど、そんな……庶民のものを」
「美味しいから交換してるの。何か問題あって?」
「……いいや」
 エディが折れたのを見てにっこりと笑みを浮かべ、二口目にいった。サイラスが心なしか羨ましそうに見ているけれどこれは私がフリージアと交換したものなのだ、あげるわけがない。
 昼食を取りながら、取りあえず次回作のヒロインと思われる子が「リリー・ナスターシャ」ということ、彼女がヒロインらしい行動をしていることはわかった。恐らく王子と一緒にいたところを見ると、王子との好感度も上がっていると見ていい。別にそれならそれでいいのだ。ヒロインであるフリージアが「王子ルートは嫌!」と言っていたから、その代わりそのリリーという子が王子ルートを選んでくれても私としては何も問題はない。ただフリージアは、そうは思っていないみたい。
「……ねぇ、カトレア。もうそろそろじゃない? 学園のパーティー」
「そうね」
 フリージアの言う「学園のパーティー」はこの学園の新入生のための親睦会なのだ。そろそろ新入生も学園生活にも慣れた頃だし、上級生も交えての交流をしてみようというもの。学園主催のため貴族の社交界のように別にドレスを着飾るわけでもない、生徒は皆公平にということで参加するときはそのまま制服姿だ。
 そしてその学園のパーティーで、悪役令嬢であるカトレアは婚約破棄を王子から言い渡される。パーティーイコール断罪イベントということだ。フリージアはきっとこれを心配している。自分がヒロインなのだから王子に虐められたと訴えない限り、カトレアの断罪イベントは発生することはないと思っていたはず。
 けれど今はフリージアの代わりにリリーというヒロインが現れてしまった。彼女は次回作のヒロインだけれど登場するのがあまりにも早かった。もしかして、という考えがフリージアにはあるのかもしれない。
 そんな心配してくれるフリージアには悪いけれど、私にとっては都合のいい話だ。
「彼女のことを教えてくれてありがとう、エディ」
「いや……それだけでいいんですか? 他にもほら、王子のこととか……」
「特にないけれど?」
「……そうですか」
 なぜ肩を落としているのかわからないけれど、肩を落としたいのはこっちのほう。未だに婚約破棄ができていないのだから。
 昼食を食べ終え昼休憩を満喫したあと、それぞれの教室に戻っていく。こういうときフリージアだけ教室が遠いのだから少しどころかかなり残念だ。何よ、学園の言う公平性っていうものはとつい毒吐いてしまう。エディとサイラスともそれぞれ別れて私も自分の教室に戻った。

 ところがだ、ある日から何か違和感を感じた。妙な視線を感じるのだ。視線を感じるのはいつものことだから最初は気にしていなかったけれど、どうもその視線がいつもと違う。振り向いてみたけれど隠れるのが上手なのか、視線を向けてくる人物を未だに一度も見れていない。
 そして私物の紛失が増えた。ペンやメモ帳、ポケットに入れていたはずのハンカチ。絶対に何かが起きていると歩いていれば、今度は背中を思い切り押された。階段を下ろうとしていたときにだ。
「ッ……!」
「はっ……大丈夫ですか?!」
「え、ええ、ありがとう……エディ」
 このままだと転げ落ちてしまう、と手と足に力を入れて踏ん張ろうとした私の目の前に丁度エディが現れた。彼は驚きながらも急いで私を支えようと手を差し伸べてくれて、私も踏ん張った甲斐があって下まで二人一緒に転げ落ちることはなかった。ただ少し、エディのお腹に私の腕がめり込んでしまったようだけれど。
 後ろを振り返ってみたけれどそこには誰もいない。走り去る音が聞こえたからすでにもう去ったあとだろう。もう一度エディにお礼を言って離れようとしたところ、エディにしてはめずらしく強い力で私の腕を掴んできた。
「さっき絶対に押されましたよね」
「……そうね。でも誰かはわからなかったわ」
「私も残念ながら……貴女を支えるのが精一杯で――カトレア、最近何か不審なことが起きていませんか。誰かに嫌がらせを受けているとか」
「……さぁ、わからないわ」
「そうですか……」
 小物が徐々に失くなっているけれど、誰かがやったという証拠が今のところない。さっきも走り去った生徒が誰だったかわからなかったし、特定ができていない以上エディに言えることがない。
 彼は「気を付けてください」と教室まで私を送り届けて、そして自分の教室に戻っていく。そのときも視線は感じていた。もしエディに何かを言っていたら彼にも何かしらの被害が及ぶかもしれない。それだけは回避しなくては、と突き刺さる視線を無視して席に着いた。
「……まぁ。これは、わかりやすいこと」
 今度は放課後だ、靴を履き替えようとロッカーを見てみたけれどその靴がどこにもない。空箱だ。これは間違いなく嫌がらせだろう。もしかした学園内のどこかを探せばボロボロになって捨てられている靴があるかもしれない。でもその靴を探している最中にまた何かある可能性がある。なんせここに来るまでに一度水を浴びそうになったのだ。何かを察知して立ち止まったけれど、目の前で上から大量の水が降ってきた。雨が降っているわけでもないというのに。完璧に落ちたのを確認して顔を出して上を確認してみたけれど、人どころか窓すらなかった。これなら「上から水を掛けられそうになった」と言っても誰も信じない。
 靴を探すのも時間の無駄だし、もうこのまま歩いてしまおうと外に出る。大丈夫大丈夫、颯爽と堂々と歩いていれば靴を履いていないことにきっと気付かない。髪をなびかせ歩いていれば顔は見られることはあっても、それから下に視線が向くことはなかった。綺麗に整備されている道でよかった、と待っていた馬車に乗り込めば流石に御者は私の足元に気付く。
「お嬢様、靴はどうなされたのですか?!」
「ロッカーに入っていなかったのよ。仕方がないからこのままで来たわ」
「嫌がらせではないですか?! 旦那様にご報告をっ」
「いいえ、報告はしないで。不甲斐ない娘だと思われたくないわ」
「……承知致しました」
 この程度のこと、自分で解決できない娘だとは思われたくない。心配している御者には悪いけれど、解決したあとに自分から報告すると告げれば彼は渋々引いてくれた。
 馬車が走りだしゆっくりと揺られる。学園のパーティー、もとい断罪イベントは二日後にまで迫っていた。
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