1 / 1
古株貴族にタゲられて1
しおりを挟む
確かに貴族だらけのこの学園に私は異質な存在かもしれません。
私のお父様はつい先日まで庶民出の人間だったのです。
それがお父様はある特殊な戦果を戦況にて挙げたられたために、武勲と引き換えに貴族の称号を国王陛下から授かりました。
鳴り物入りとして貴族になった私だからこそ、貴族ならば通わなきゃいけないノーブルな学園に転入した矢先、妙な取り巻きを引き連れた古株貴族に狙われたのでした。
貴族の学園の授業には油絵絵画があるのですが
どうも当の古株貴族の娘は、自分の描いた油絵に私のお父様の元職業であるパン屋をコケにしたような絵を描いたり
私が来ると急に盛り上がっていた話を止めたりし
直接的にこちらに向かって攻撃してきたりはしませんでしたがそのようになさるので、笑って座ってるだけでも嫌な感じがこちらにひしひしと全身から漂ってくる人間なのでした。
古株貴族の娘はコトリといいます。
私はその人たちの容姿が心根を映した容姿そのまんまの形をしており、自分と比べても古株貴族娘たちが良い容姿とはとても思いませんでしたし、貴族に生まれたとはいえ劣等感がいずれかに強烈にお有りだから、憂さ晴らしをどこかにぶつけなきゃ気がすまない心の持ち主なんだろうなと相手にはしなかったのです。
自然とクラスの女性貴族たちからはのけ者となり、男性貴族と友人として過ごす時間が増したのですが
私はそれでも別に構いませんでした。
元より裁縫や花の名前を覚える時間よりも、狩猟や乗馬をして過ごしている時間が大好きな性質です。
「サヤンは性格が悪くてお高く止まっているから女性貴族たちから嫌われて男性貴族に取り入ってるのよね~?」
「ワタクシ男友達しかいないから~!なんて言い出す貴族は大体これ」
「女性貴族から相手にされないだけでね」
そんな悪口をたたかれましたが彼女たちは自分の発言が天から唾となって跳ね返り、容姿を醜く歪めている事実に気がついてないようでした。
顔も体型も初対面の娘たちより徐々にですが滑稽さが増していました。
「サヤンは貴族よりも貴族らしい、常に真上の天空を向いた気高い心を持っている。サヤンは地べたを見ていない」
男性貴族の一人であるキリアスが私を評します。
私は他人の評価などどうでもいいのです。
そこがまたキリアスの興味を惹き付けたようでした。
黙っていられないのが古株貴族のコトリお嬢様です。
コトリお嬢様はどうやら前々からキリアス貴族に夢中なようでした。
コトリお嬢様はよりにもよって
「サヤンは学園内においていじめを行ったから追放!」
と根回しを学園の教師達に行ってきたのです。
な、な、何で学園に入ったばかりの友達も同じクラスに満足にいない私なんかがいじめを行えましょう?
私と仲良い男性貴族はみなそのような行いをする方々ではありません。
そんな駄目な女性特有のネチネチさは持っておりません。少なくとも私の友人に限っては。
学園から退園するしかないのか
それでもお父様にも悪影響あるなと困り果てていたとき。
貴族の娘コトリは真夜中に乗った馬車を夜盗に襲撃されました。
どうやらコトリの父親も同じような行いを誰かにしていたための恨みが動機となったようでした。
コトリは夜盗に宝飾品から衣服から絹の下着まですべてを剥ぎとられるだけでは済まず、歯のすべてを折られ口の中から無くなられるほど顔面を殴られ
原型を留めず
手足までひじとひざのところからまるごと切り落とされたのでした。
コトリのお父様が対面しても、きっとこれを娘のコトリだと気がつかないでしょう。
鼻は潰れて低くひしゃげていました。鼻の穴はアンバランスに切り裂かれておりました。
コトリはまだ学園復帰できずにいます。
復帰が出来たらどうか貴女の油絵を書く筆を、私のように自分の好きな世界を描くために走らせ
悪口よりもこよなく趣味の話が出来るような素敵なお友達を手に入れなさいと願わんばかりでいます。
コトリが学園からいなくなってすぐのタイミングに
キリアスからプロポーズを受けましたが
私はプロポーズを受けようかどうか迷っています。
承諾してしまったら本当に貴族に染まってしまいそうで嫌なのです。
どんなになってもいつだって私の心は気ままなパン屋の一人娘でいたいのです。
私のお父様はつい先日まで庶民出の人間だったのです。
それがお父様はある特殊な戦果を戦況にて挙げたられたために、武勲と引き換えに貴族の称号を国王陛下から授かりました。
鳴り物入りとして貴族になった私だからこそ、貴族ならば通わなきゃいけないノーブルな学園に転入した矢先、妙な取り巻きを引き連れた古株貴族に狙われたのでした。
貴族の学園の授業には油絵絵画があるのですが
どうも当の古株貴族の娘は、自分の描いた油絵に私のお父様の元職業であるパン屋をコケにしたような絵を描いたり
私が来ると急に盛り上がっていた話を止めたりし
直接的にこちらに向かって攻撃してきたりはしませんでしたがそのようになさるので、笑って座ってるだけでも嫌な感じがこちらにひしひしと全身から漂ってくる人間なのでした。
古株貴族の娘はコトリといいます。
私はその人たちの容姿が心根を映した容姿そのまんまの形をしており、自分と比べても古株貴族娘たちが良い容姿とはとても思いませんでしたし、貴族に生まれたとはいえ劣等感がいずれかに強烈にお有りだから、憂さ晴らしをどこかにぶつけなきゃ気がすまない心の持ち主なんだろうなと相手にはしなかったのです。
自然とクラスの女性貴族たちからはのけ者となり、男性貴族と友人として過ごす時間が増したのですが
私はそれでも別に構いませんでした。
元より裁縫や花の名前を覚える時間よりも、狩猟や乗馬をして過ごしている時間が大好きな性質です。
「サヤンは性格が悪くてお高く止まっているから女性貴族たちから嫌われて男性貴族に取り入ってるのよね~?」
「ワタクシ男友達しかいないから~!なんて言い出す貴族は大体これ」
「女性貴族から相手にされないだけでね」
そんな悪口をたたかれましたが彼女たちは自分の発言が天から唾となって跳ね返り、容姿を醜く歪めている事実に気がついてないようでした。
顔も体型も初対面の娘たちより徐々にですが滑稽さが増していました。
「サヤンは貴族よりも貴族らしい、常に真上の天空を向いた気高い心を持っている。サヤンは地べたを見ていない」
男性貴族の一人であるキリアスが私を評します。
私は他人の評価などどうでもいいのです。
そこがまたキリアスの興味を惹き付けたようでした。
黙っていられないのが古株貴族のコトリお嬢様です。
コトリお嬢様はどうやら前々からキリアス貴族に夢中なようでした。
コトリお嬢様はよりにもよって
「サヤンは学園内においていじめを行ったから追放!」
と根回しを学園の教師達に行ってきたのです。
な、な、何で学園に入ったばかりの友達も同じクラスに満足にいない私なんかがいじめを行えましょう?
私と仲良い男性貴族はみなそのような行いをする方々ではありません。
そんな駄目な女性特有のネチネチさは持っておりません。少なくとも私の友人に限っては。
学園から退園するしかないのか
それでもお父様にも悪影響あるなと困り果てていたとき。
貴族の娘コトリは真夜中に乗った馬車を夜盗に襲撃されました。
どうやらコトリの父親も同じような行いを誰かにしていたための恨みが動機となったようでした。
コトリは夜盗に宝飾品から衣服から絹の下着まですべてを剥ぎとられるだけでは済まず、歯のすべてを折られ口の中から無くなられるほど顔面を殴られ
原型を留めず
手足までひじとひざのところからまるごと切り落とされたのでした。
コトリのお父様が対面しても、きっとこれを娘のコトリだと気がつかないでしょう。
鼻は潰れて低くひしゃげていました。鼻の穴はアンバランスに切り裂かれておりました。
コトリはまだ学園復帰できずにいます。
復帰が出来たらどうか貴女の油絵を書く筆を、私のように自分の好きな世界を描くために走らせ
悪口よりもこよなく趣味の話が出来るような素敵なお友達を手に入れなさいと願わんばかりでいます。
コトリが学園からいなくなってすぐのタイミングに
キリアスからプロポーズを受けましたが
私はプロポーズを受けようかどうか迷っています。
承諾してしまったら本当に貴族に染まってしまいそうで嫌なのです。
どんなになってもいつだって私の心は気ままなパン屋の一人娘でいたいのです。
10
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
男として王宮に仕えていた私、正体がバレた瞬間、冷酷宰相が豹変して溺愛してきました
春夜夢
恋愛
貧乏伯爵家の令嬢である私は、家を救うために男装して王宮に潜り込んだ。
名を「レオン」と偽り、文官見習いとして働く毎日。
誰よりも厳しく私を鍛えたのは、氷の宰相と呼ばれる男――ジークフリード。
ある日、ひょんなことから女であることがバレてしまった瞬間、
あの冷酷な宰相が……私を押し倒して言った。
「ずっと我慢していた。君が女じゃないと、自分に言い聞かせてきた」
「……もう限界だ」
私は知らなかった。
宰相は、私の正体を“最初から”見抜いていて――
ずっと、ずっと、私を手に入れる機会を待っていたことを。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
おもしろい!
お気に入りに登録しました~
読んでくださってどうもですー(^-^)