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プロローグ
レベル9 『モンスターカード!』で、ゲットしてみたらロリドラゴンに
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えっ、今すぐッスか?
とばっちりを恐れてか、周辺の人々がオレから距離をとる。
「ほらどうした、早く行かなければお前だけの手柄にならんぞ」
ニヤニヤ笑いながらそんな事を言ってくる。
マジですか? いや待てよ、これは意外にチャンスかもしれない。
大勢で行けば、ドラゴンに気づかれてブレスを頂く可能性大。
たった一人なら、こっそり茂みからカードを出して吸収すればいい。
そしてダメだったらそのまま逃げ出す事だって……
「ん? 隣の女、少しこちらへ来い」
そんな総大将さん、人が掃けた所為で目立ってしまったラピスに目を付ける。
「申し訳ありません、私はお坊ちゃまのお手伝いをしなければなりませんので」
「お坊ちゃまぁ……そいつ奴隷だろ? もしかしてその坊主、都落ちか……? なるほどな、世間知らずのお坊ちゃんって所か……」
少し考えていた大将は、
「いいだろう、先ほどの無礼な口ぶりは聞かなかった事にしてやる。その代わり、そこの娘、お前は我らと共に来てもらおうか」
そう言ってくる。
だが、ラピスは髪を掻き揚げた後、
「その必要はありません。お坊ちゃまなら一人でも十分にお役目を果たせましょう」
胸を張ってそう答える。凛々しい、凛々しすぎるよラピス!
そうしてオレに耳打ちしてくる。
「ご安心ください。このラピス、身命を賭してお坊ちゃまをお守り致しましょう。お坊ちゃまさえご無事であれば、私は何度でも蘇える事が出来るのですから」
ラピス……お前は従者の鏡だよ!
お前が始めてゲットしたモンスターでオレは幸せ物だ!
オレは一生、お前を大切に扱うぜ!
などと、思っていたのですがぁ……
遠くに見えるラピスの後姿。
はええ、さすがウサギ、かけっこさせたら右に出る者はいませんよね。
あの後、ドラゴンにこっそりと近づき、モンスターカードのスキルを発動。
うまくいけばよし、ダメならこっそり逃げ出そうと思っていたのだが、
ピカーッて光るんすよ、えっ、何がって、モンスタカード。
居場所バレバレやん!
オレのカードから光が放出されドラゴンの全身を覆う。
ふと、ドラゴンさんと目があった。あってしまった。
すると危機を察したのか、その口が開き、そこに火花が集まっていく。
ヤバイ! やばいっすよラピスさん! と振り返ったら、い・な・い。
そこに居たはずのラピスが影も形もありゃしない。
ふと遠くを見ると豆粒のような後姿が。
おまっ、さっきまでのアレはなんだったんだよ? オレの感動を返してくれ!
とまあ、今更愚痴っていても仕方がない!
オレはとにかくモンスターカードを掲げて祈りを捧げる。
ああ、神様仏様、はこの世界に居るかどうかは知らないが、とにかく何でもいいのでお助けください!
徐々に半透明になっていくドラゴン。
しかし、モンスターカードへの吸収は間に合わなく完成してしまうブレス。
そのブレスがオレに向かって吐き出される。
終わりやぁああ! 全部終わりなんやぁあああ!
「あれ……、生きて、いる?」
と、次の瞬間、オレの目の前に光の奔流が集まり始める。
「うぉっ、なんだかラピスの時より激しいような……」
そしてその光の奔流が収まった後に残ったものは――――黄金に輝く一枚のカードであった。
おおっ、またしてもレアカード! 今度はなんだ?
やはりここは定番のロリキャラであろうか?
ロリドラゴンとか定番だよな? あっ、でも妖艶な年上キャラも捨てがたい。
自分、ちっちゃいにはちっちゃいなりの、大きいには大きいなりの魅力があると思っているッス。
逸る心を抑えカードを手に取る、そこには……
オレは目をゴシゴシとこする。
そしてもう一度良くカードを覗き込む。
ん? んんっ!?
カードを空に透かしてみる。
そしてもう一度よく見てみる。
んっ? んんんっ……
「もんすたぁあ?」
そのカードには――――豪勢な宝飾が施された一本の剣が描かれていたのだった。
ああそういや、モンスタカードとか言いながら、大抵のゲームには武器やら防具やら、果ては回復アイテムに至るまで、モンスターじゃないのにカードとして登場してたよな。
しかもコレ、☆10ってもしかして最高レベルのレアカードじゃなかろうか。
タイトルもドラゴンスレイヤー、うほっ、すげえレアアイテムゲットしたぜ!
「剣、ですか?」
隣を見るとラピスが戻って来ていた。
「………………」
「いやですね、そのですね、なんといいましょうか、本能っていいましょうか……すいません」
ショボンとしたラピスが謝ってくる。
まあ仕方ない、オレだって逃げれるものなら逃げていただろうし。
「まあ結果オーライだ、見てくれこのカード! どう思う?」
「凄く立派そうですね! お坊ちゃまにとてもお似合いだと思います!」
「そうだろう、そうだろう! よし、いっちょこれで世界でも獲ってみるか!」
『出でよ! ドラゴンスレイヤー!』
突如、何もない空間に黄金に輝く一本の剣が現れる。
オレはその剣に手を伸ばし、
――ドスンッ!
「うぉぉおおおお、腕がぁ! 肩がぁああ! いでででで!」
握った瞬間、そのまま地面にまっしぐら。
それに引きづられたオレの腕と肩からは、なっちゃ駄目な音がした。
オレは悶絶を打って地面を転げまわる。
何だコレ!? もしかしてレベルが足りなくて持てないとか?
ラピスが地面にめり込んだドラスレを一生懸命持ち上げようとしている。
暫くして諦めた後、オレのドラスレのカードにチョークで(笑)と書き足しやがった。
「ちょっ、おまっ、なんてことしてんのぉ!」
「いやだって……もう笑うしかないかなと。そうですね……」
ちょっと考える仕草をしたかと思うと、おもむろにオレに飛び乗ってきた。
「おい、いきなり何を……」
「どうですか?」
どうですかって、いやぁ、いい物をお持ちで。
「そうではなくて『重さ』です」
ん、そういや軽いな。片手でも持ち上げられそうだ。
ハッ! もしかして!
「どうやら『見た目』は変わっても『重さ』は変わらないようですね」
ということはこのドラスレ、こんな小さななりに……あの山ほどあったドラゴンの重量が……そりゃ持てんわ。
「確かに(笑)だなあ……」
――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
は、もちろんなりません☆
とばっちりを恐れてか、周辺の人々がオレから距離をとる。
「ほらどうした、早く行かなければお前だけの手柄にならんぞ」
ニヤニヤ笑いながらそんな事を言ってくる。
マジですか? いや待てよ、これは意外にチャンスかもしれない。
大勢で行けば、ドラゴンに気づかれてブレスを頂く可能性大。
たった一人なら、こっそり茂みからカードを出して吸収すればいい。
そしてダメだったらそのまま逃げ出す事だって……
「ん? 隣の女、少しこちらへ来い」
そんな総大将さん、人が掃けた所為で目立ってしまったラピスに目を付ける。
「申し訳ありません、私はお坊ちゃまのお手伝いをしなければなりませんので」
「お坊ちゃまぁ……そいつ奴隷だろ? もしかしてその坊主、都落ちか……? なるほどな、世間知らずのお坊ちゃんって所か……」
少し考えていた大将は、
「いいだろう、先ほどの無礼な口ぶりは聞かなかった事にしてやる。その代わり、そこの娘、お前は我らと共に来てもらおうか」
そう言ってくる。
だが、ラピスは髪を掻き揚げた後、
「その必要はありません。お坊ちゃまなら一人でも十分にお役目を果たせましょう」
胸を張ってそう答える。凛々しい、凛々しすぎるよラピス!
そうしてオレに耳打ちしてくる。
「ご安心ください。このラピス、身命を賭してお坊ちゃまをお守り致しましょう。お坊ちゃまさえご無事であれば、私は何度でも蘇える事が出来るのですから」
ラピス……お前は従者の鏡だよ!
お前が始めてゲットしたモンスターでオレは幸せ物だ!
オレは一生、お前を大切に扱うぜ!
などと、思っていたのですがぁ……
遠くに見えるラピスの後姿。
はええ、さすがウサギ、かけっこさせたら右に出る者はいませんよね。
あの後、ドラゴンにこっそりと近づき、モンスターカードのスキルを発動。
うまくいけばよし、ダメならこっそり逃げ出そうと思っていたのだが、
ピカーッて光るんすよ、えっ、何がって、モンスタカード。
居場所バレバレやん!
オレのカードから光が放出されドラゴンの全身を覆う。
ふと、ドラゴンさんと目があった。あってしまった。
すると危機を察したのか、その口が開き、そこに火花が集まっていく。
ヤバイ! やばいっすよラピスさん! と振り返ったら、い・な・い。
そこに居たはずのラピスが影も形もありゃしない。
ふと遠くを見ると豆粒のような後姿が。
おまっ、さっきまでのアレはなんだったんだよ? オレの感動を返してくれ!
とまあ、今更愚痴っていても仕方がない!
オレはとにかくモンスターカードを掲げて祈りを捧げる。
ああ、神様仏様、はこの世界に居るかどうかは知らないが、とにかく何でもいいのでお助けください!
徐々に半透明になっていくドラゴン。
しかし、モンスターカードへの吸収は間に合わなく完成してしまうブレス。
そのブレスがオレに向かって吐き出される。
終わりやぁああ! 全部終わりなんやぁあああ!
「あれ……、生きて、いる?」
と、次の瞬間、オレの目の前に光の奔流が集まり始める。
「うぉっ、なんだかラピスの時より激しいような……」
そしてその光の奔流が収まった後に残ったものは――――黄金に輝く一枚のカードであった。
おおっ、またしてもレアカード! 今度はなんだ?
やはりここは定番のロリキャラであろうか?
ロリドラゴンとか定番だよな? あっ、でも妖艶な年上キャラも捨てがたい。
自分、ちっちゃいにはちっちゃいなりの、大きいには大きいなりの魅力があると思っているッス。
逸る心を抑えカードを手に取る、そこには……
オレは目をゴシゴシとこする。
そしてもう一度良くカードを覗き込む。
ん? んんっ!?
カードを空に透かしてみる。
そしてもう一度よく見てみる。
んっ? んんんっ……
「もんすたぁあ?」
そのカードには――――豪勢な宝飾が施された一本の剣が描かれていたのだった。
ああそういや、モンスタカードとか言いながら、大抵のゲームには武器やら防具やら、果ては回復アイテムに至るまで、モンスターじゃないのにカードとして登場してたよな。
しかもコレ、☆10ってもしかして最高レベルのレアカードじゃなかろうか。
タイトルもドラゴンスレイヤー、うほっ、すげえレアアイテムゲットしたぜ!
「剣、ですか?」
隣を見るとラピスが戻って来ていた。
「………………」
「いやですね、そのですね、なんといいましょうか、本能っていいましょうか……すいません」
ショボンとしたラピスが謝ってくる。
まあ仕方ない、オレだって逃げれるものなら逃げていただろうし。
「まあ結果オーライだ、見てくれこのカード! どう思う?」
「凄く立派そうですね! お坊ちゃまにとてもお似合いだと思います!」
「そうだろう、そうだろう! よし、いっちょこれで世界でも獲ってみるか!」
『出でよ! ドラゴンスレイヤー!』
突如、何もない空間に黄金に輝く一本の剣が現れる。
オレはその剣に手を伸ばし、
――ドスンッ!
「うぉぉおおおお、腕がぁ! 肩がぁああ! いでででで!」
握った瞬間、そのまま地面にまっしぐら。
それに引きづられたオレの腕と肩からは、なっちゃ駄目な音がした。
オレは悶絶を打って地面を転げまわる。
何だコレ!? もしかしてレベルが足りなくて持てないとか?
ラピスが地面にめり込んだドラスレを一生懸命持ち上げようとしている。
暫くして諦めた後、オレのドラスレのカードにチョークで(笑)と書き足しやがった。
「ちょっ、おまっ、なんてことしてんのぉ!」
「いやだって……もう笑うしかないかなと。そうですね……」
ちょっと考える仕草をしたかと思うと、おもむろにオレに飛び乗ってきた。
「おい、いきなり何を……」
「どうですか?」
どうですかって、いやぁ、いい物をお持ちで。
「そうではなくて『重さ』です」
ん、そういや軽いな。片手でも持ち上げられそうだ。
ハッ! もしかして!
「どうやら『見た目』は変わっても『重さ』は変わらないようですね」
ということはこのドラスレ、こんな小さななりに……あの山ほどあったドラゴンの重量が……そりゃ持てんわ。
「確かに(笑)だなあ……」
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は、もちろんなりません☆
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