『モンスターカード!』で、ゲットしてみたらエロいお姉さんになりました。

ぬこぬっくぬこ

文字の大きさ
23 / 279
第一章

レベル23 『モンスターカード!』で、ゲットしてみたらプリンセスなナイトに

しおりを挟む
 オレはその後すぐに王様骸骨の後ろにラピスを再召喚。
 そのラピス、現れたと同時、今度は王様骸骨の懐に飛び込む。
 そして杖を一閃、しかし、それは王様骸骨の剣に受け止められる。

 あいつ意外に負けず嫌いなとこがあるからな。
 力比べなんてせずにスピードで攪乱しろ。
 たぶんそいつに勝てるのはスピードぐらいだ。

 その思いが通じたのか、距離を取り、王様骸骨を攪乱するかのように小刻みに攻撃を加える。

 ふと、王様骸骨の顎がカタカタと動く。笑って、いるのか?
 次の瞬間、王様骸骨の姿がブレる。一瞬にしてラピスの眼前に。
 とっさに杖で剣を受け止めるラピス。

 今度は逆に霍乱されるように小刻みに攻撃を加えられているラピス。

 まずいな、スピードですら太刀打ちできないか。カードに戻すか。
 だがラピスはまだ、のハンドサインを送ってくる。
 徐々にオレ達の真下へ誘導しているようだ。

 しかしアレ、真下に来たとして、当てる事が出来るのだろうか?
 はっきり言って、動きが目で追えないぞ。

「えっ、うわっ、イダダダ、かじられてる、かじられてるよ!」

 その時、隣の王子様が悲鳴を上げる。
 ふと見ると、ゾンビにのしかかられていた。
 扉が開いてゾンビが侵入して来ていたようだ。
 ラピスの戦いに気をとられすぎたか!

 とっさに、王子様にのしかかっているゾンビを斬り捨てようとしたのだが、王子様が暴れて攻撃が出来ない。
 そして王子様、そのままバルコニーの壊れた手すりの隙間から1階に落ちてしまった。
 オレはすぐに一階へ目を向けた所、うまい具合に王様骸骨の真上に落ちたようだ。

 ゾンビと王子様と王様骸骨がもつれ合っている。
 よしっ、チャンスだ。

『出でよ! ドラゴンスレイヤー!』

 オレは寄って来たゾンビを蹴り飛ばしながらドラスレを召喚する。
 それは狙いたがわず王様骸骨を串刺しにした。

「今だ!」

『モンスターカード!』

 オレのモンスターカードから王様骸骨に向かって光が照射される。
 なかなか骸骨が消えない。時間が掛かっている模様。
 オレは寄って来るゾンビをひたすら蹴飛ばしながら祈りをささげる。

 ああ、神様仏様、は居ないんだっけか? とにかくなんでもいいのでお助けください。

 ようやく光の照射が収まる。
 次の瞬間、オレのカードに光が集まり始めた。
 ソレを見たゾンビさん、慄きながらワラワラと逃げ始める。
 なるほど、強い光には弱い訳か。

 そしてその神秘的な光が収まった後、そこには――――ピンク色のキラキラ輝く一枚のカードが浮かんでいたのだった。

 オレはそのカードを手に取る。そこには『プリンセスナイト』と書かれていた。
 プリンセス……えっ、あの王様骸骨、女性だったの?
 王様って言ってたからてっきり男性とばかり。女性なら女王様だろ?

 いやまあ、そこらへんは色々と事情があったのかもしれないが。

 ん? んんっ?
 んー、なんだろ? なんかここに描かれている女性、見覚えがあるような、ないような。

 うむう、なんだったかな? どこだったかな?
 ついさっきまで隣に…………
 オレはハッと階下を見やる。

 まず一人、ラピス。次にゾンビが一匹、そして――――骸骨が一体。終了。

 あれっ、なんか一人足りない気がする。
 というか骸骨なぜまだ居るの?
 あれっ、あれれぇえ?

 オレはもう一度良くカードを見てみた。
 あっ、これっ、…………いや、まさかな。だって明らかにモンスターじゃないだろ?
 あっでも、確かゾンビにかじられたとかなんとか言ってたような気も?
 しかしダメージは? ドラスレはちゃんと避けたはず。
 もしかして、意外と高さが有るバルコニー、そして結構な重量であったから……

 つーかなぜにプリンセス? 女だったの? いや、目の前で着替えてた時ちゃんと付いていたはず。

「お坊ちゃま!」

 ドンという音と共に、オレの目の前に骸骨さんが現れた。
 壊れた骨が集まって来ている。
 えっ、ドラスレの一撃でもダメージにならなかったのか!?

「ミッション失敗です! 逃げ出しますよ!」

 ラピスがダンジョンコアに駆け寄る。
 そして大きくステッキを振りかぶり、フルスングでコアをぶったたく。
 そのコアはいい音と共に、城の通路を勢いよく転がって行った。

 そしたら目の前の骸骨さん、慌ててそのコアを追いかけて行く。

『戻れ! ラピス・オブ・アイリスブラッド!』

 オレはすぐにラピスをカードに戻し、猛スピードで駆け出す。
 ゾンビ達は先ほどの光を恐れてかワラワラと道を開けてくれる。

 後はオレとラピスで、脆くなった城の壁や、街の家々をぶっ壊しながら魔都サンムーンを脱出する。

「どうしようコレ……」
「どうしましょうか……」


――――――――――――――――――
――――――――――――――――――

なっちゃいました☆
しおりを挟む
感想 23

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

辺境の最強魔導師   ~魔術大学を13歳で首席卒業した私が辺境に6年引きこもっていたら最強になってた~

日の丸
ファンタジー
ウィーラ大陸にある大国アクセリア帝国は大陸の約4割の国土を持つ大国である。 アクセリア帝国の帝都アクセリアにある魔術大学セルストーレ・・・・そこは魔術師を目指す誰もが憧れそして目指す大学・・・・その大学に13歳で首席をとるほどの天才がいた。 その天才がセレストーレを卒業する時から物語が始まる。

魔道具頼みの異世界でモブ転生したのだがチート魔法がハンパない!~できればスローライフを楽しみたいんだけど周りがほっといてくれません!~

トモモト ヨシユキ
ファンタジー
10才の誕生日に女神に与えられた本。 それは、最強の魔道具だった。 魔道具頼みの異世界で『魔法』を武器に成り上がっていく! すべては、憧れのスローライフのために! エブリスタにも掲載しています。

処理中です...