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第二章

レベル37 『モンスターカード!』で、ゲットしてみたらオートなバイクに

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なったらいいなあ……

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 オレは、大量に仕入れたマンドラゴラをせっせせっせと植えて行く。
 短い間かもしれないが、愛情を持って栽培してあげよう。
 なんせこれが今後の、オレ達の躍進の元となるんだからな!

 水を掛け、肥料を掛け。

「すっかり農家のおっちゃんですねえ」
「農家をバカにすんなよ? 全ての経済は農家から始まるんだ!」

 名言だろコレ。誰が言ったんだったかな。
 さてと、コレで後は奴を待つばかり。
 オレの畑を荒らすやちゃあ、容赦しねえぜ。

「手段と目的が入れ替わってません?」

 その夜、ラピスが作ってくれた望遠鏡で畑を監視していると、やって来ましたやっこさん。

「その望遠鏡って、このライフルに付けれないんスか?」
「いいところに目を付けたな、もちろん付けれるぞ。スコープって言うんだ。しかし、さすがにスキルの範囲外になるだろうがな」

 この世界にも、無色透明なガラスの様な物は存在している。
 だが、謎素材で出来ており、オレの世界のガラスとは似て非なるものであった。
 ガラスより丈夫で弾力性が多少有る。しかし平面素材しか作れないという代物であった。

 窓ガラスにするのは十分なんだが、こういうレンズにするには向いてない。
 無駄に性能が良くて、光の屈折も発生しないし。

「おっ、地面に嘴を突っ込んだぞ。いよいよだな」

 暫くして、辺りにマンドラゴラの悲鳴が鳴り響く。
 オレ達はすぐに現場へ直行する。

「おっ、こいつは……まさかのレア種……」

 そこに横になっていたのは――――様々な色合いをした羽毛を身に纏った、所謂、アイリスブラッドと言われるレア種のビックフットであった。

「ラピス、どうやらお前の親戚が釣れたようだぞ」
「別に親戚って訳じゃないですよ」

 しかしコレは……もしかしてとんでもない物に化けたりしないか?
 なんせレア種。しかも! こんだけ捕まえにくい奴ときた!
 きっとカードのレアリティも凄い事になるに違いない!

 オートバイとかならねえかな? 燃料なしで走る奴で。なんせ結構なんでもありだしこのカード。夢が広がるぜ!

『モンスターカード!』

 取り出したモンスターカードから光が放たれる。
 それはビッグフットを包み込む。
 そしてその光が消えた後、カードに光の奔流が集まり始めた。

「おお、やはり結構な勢いだな。レアカード間違いなし!」

 神秘的なその光が収まった後、そこには――――エメラルドに輝く、一枚のカードが浮かんでいたのだった。

 よしきたっ! ☆7! レアカードだ! これがオレの新しい……

 オレは目をゴシゴシとこする。
 そしてもう一度良くカードを覗き込む。
 ん? んんっ!?

 カードを空に透かしてみる。
 そしてもう一度よく見てみる。
 んっ? んんんっ……

「もんすたぁあ?」

 えっ、なんで? 何で名前が――――マンドラゴラなの?
 オレはふと、ビックフットが居た場所を見る。
 居るな、ビックフット……

 そこには変わらず気絶しているビックフットが横たわっている。

 なぜだ? 光はビックフットを差していたはず。
 あっ、もしかして、胃の中に入っていたマンドラゴラ……
 マジですか……

 しかもこの絵柄…………

『出でよ! マンドラゴラ・ギター!』

 瓢箪型の土台に柄が一本。真ん中にいくつかの線が走っている。
 どう見てもコレ、音楽の定番、ポップミュージックの皇帝、その名も、エレキギター!

 ――ギュイィィーン!

 懐かしいな。その昔、によによ動画で歌ってみたとか演奏してみたとか色々頑張ってみた事があったんだよなあ。
 歌ってみたはそこそこの順位が取れたのだが、演奏してみたはさっぱりであった。
 引けもしない高額なギター買ってさ。

 しかし、思ったより手が小さくて届かないの。

 オレはふと自分の手を見てみる。
 小さい頃から剣を振っていた所為で、ちょっとゴツゴツしていないこともない。
 その代わりといってはなんだが、そこそこ大きな手に見えないこともない。

 もしかしたら、あの頃引けなかったあのコードや、あの頃諦めたあのビートが……

 おおっ、弾ける! 弾けるぞ! ってコレ、なんだ? 頭の中に歌詞やメロディーが自然に沸いてくる。
 もしかして今世のオレは、音楽の天才なんではなかろうか!
 などと、そういう事ではありませんでした。カードの裏面を見てみると、

『オート演奏』

 なるスキルが表示されています。

 なるほど、こいつか。
 そういやそうだな、なんで歌詞まで浮かぶんだ。しかも前世のヒット作品の。
 それがそのまま才能として自然に浮かび上がるとか、単なる盗作じゃねえか。

 しかしコレはいいな!

 オレは調子に乗っていくつかの曲を演奏してみる。
 しばらく弾いて、十分に堪能したオレがギターの演奏を止めると、とたん辺りから大きな拍手が送られる。

「いやあ素晴らしい! 君にそんな才能があったとは! 王宮の楽師なんて足元にも及ばないね!」
「お坊ちゃま、とても素敵な演奏でした。いいですねそのギター、私も欲しいくらいです」
「スゲーッス! スゲーッス! もうスゲーとしか言えないッス!」

「クエーッ! クエッ! クエーッ!」

 気絶から回復したビックフットまで声援を送ってくれている。お前……逃げなくていいの?
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