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第三章
レベル55 『モンスターカード!』で、ゲットしてみたら骸骨がTS転生しました。
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「魔都サンムーンを開放した……だって……!?」
「はいこれ、ダンジョンコア」
「……!?」
ふう、重かったぜ。
とりあえず王宮には報告しとかないとダメだろうと、リーヴィもといカユサルに話をつけに行ったのだ。
大変忙しいらしく、中々時間が取れなかったようだが、本日ようやく面会の日となった。
「信じられんのだが……なにか証拠とかはないのですか?」
証拠かあ……まあ行けば分かるんじゃない? ほとんどアンデッド居なくなったから。
カユサルが兵士を呼びつけて何かを命令している。
「いったい、どうやって……」
カシュアが剣を抜いてみせる。
「せっ、聖剣……!? ちょちょっ、おい! 今すぐスキル調査の宝玉を持って来てくれ!」
その剣を見て腰を抜かさんばかりに驚き、さらにカシュアの聖剣の担い手のスキルを見て、なにかを悟ったような表情をするカユサル。
「カシュア、お前、王となれ」
「えっ、何言ってんのぉ!?」
なんだか兄弟で言いあいを始めた。
そんな貴重なスキルと、魔都サンムーン開放の実績があれば十分だというカユサル。
ムリムリ、だってボク、年をとらないんだよ!? それに今は女性だし! と反論するカシュア。
「年の方はスキルなり、メイクなりでごまかせる。性別はなんとでもなる、本当は始祖も女性だったと言うしな」
へえ、始祖は女性だったのか……
オレはふと、後方に控えるダンディな『男性』を見やる。
じゃあこれ、始祖じゃないのかな? あっ、もしかして、カシュアのアレがこっちに……初回は同時に光が当たっていたし……
そう、このダンディな男性こそ、今回オレがゲットしたモンスター『骸骨王』であった。
そういやこのダンディ、最初、またぐらをゴソゴソして慌ててたな。最終的にババァよりましかって呟いていた気もする。
しかし肉付きのいい骸骨だな。てっきり骨のままだと思ってたら普通に人間タイプでやんの。
ただし、趣味の悪い骸骨ゴテゴテの鎧を着て居たがな。まあ、それ脱げば問題ない。
尚、このダンディのスキルだが、なんと! 『天啓』であった。
ただし、色がグレーになっていた。どうやらレベルが足りなくて使えない模様。
所詮はレベル1でござる。
そのダンディが一歩前にでる。
するとカシュアが、ザザッと部屋の隅に行って壁を背に身構える。
どうやらこのダンディ、カシュアが大好きらしい。
自らが犯した罪を代わりに償ってくれた。そして、愛した人と瓜二つなその顔! 結婚してください!
って、道中ずっと頬ずりしていた。
一応それ、あんたの子孫だから結婚は無理じゃね? 年の差だって一回りどころか世紀単位で違うから。
顔だって、そら子孫なら似ていて当然だろう。
そんなこんなで、すっかり苦手意識を持ったカシュア。
後半はカードに戻してくれって泣きながら縋り付いて来た。
「どうしたカシュア?」
そんなカシュアを訝しげに見つめるカユサル。
「カシュアが王となるなら私が後見人となろう!」
「ならない! ぜっーーたいにならない!」
カシュアが泣きながらカユサルにしがみつき、カンベンしてくださいって縋り付いている。
カユサルがソレ何って感じでダンディを指差す。
えっ、あんたらのご先祖様らしいですよ?
「は?」
どうぞご説明を。
そのダンディはまず、魔都サンムーンと化した経緯を教えてくれる。
なんでも王様の棺にダンジョンコアを入れたバカな奴が居たらしい。
本人は貴重な魔法石であり、王も喜んでくれるだろうとか気軽なつもりだったのかもしれないが。
とにかくそれがまずかった。
そのダンジョンコアの魔力により、スケルトンロードとして復活した王様。
手始めとしてモンスターを呼び込み王都を制圧。
その後街全体をダンジョンにしてしまう。
「その後の事は知っての通りだ」
尚、ラピスがダンジョンコアをホームランした時に一瞬正気に戻ったらしい。
唯、正気のままでは居られなかったようで、随分考え込んだ末に再度コアを元に戻したとか。
しかしそれがあったからこそ、誰も彼もが、成仏したくてカシュアの元に集まって来たようだ。
ドサリとソファに沈み込むカユサル。
「師匠、オレはあんたの事をまだまだ侮っていたようだ。まったく、ヘルクヘンセンの奴らは師匠を追放した事を死ぬほど後悔するだろうな」
そして座りなおしたかと思うとオレに向かって頭を下げてくる。
「姉貴は戦争バカだが、悪い奴じゃない。こんな俺が言っても信用出来ないかも知れないが、ぜひとも姉貴の事をよろしく頼む」
えっ、急に何言い出すの?
そして今度はダンディへ向かって立ち上がる。
「貴方が始祖である証明をする手立てが有る。只今我が国は隣国ヘルクヘンセンの襲撃を受けている。王子が死に、王が危篤となっている。全ての戦を勝利へと導いたあなたの手腕を借りたい!」
「あいつら……性懲りもなく、まだ私の国へ手を出しているのか!?」
ダンディが燃えていらっしゃる。
なんでもあの国、ダンディの出身国らしい。
そこを足がかりとしてモンスターの住む危険なエリアを開拓していったのだが。
その開拓していった土地や村は全部おいらのもんだって感じでヘルクヘンセンの貴族が奪っていったらしい。
最初はまあ、仕方ないかって思っていたのだが、だんだん横暴がすぎるようになり、とうとう我慢出来なくなり、反乱を起こし独立したのが今のこの国、ピクサスレーンだとか。
その後も何度もちょっかいを掛けて来て、ヘルクヘンセンが無ければもっと国を広げられたのにと歯軋りをしている。
「これは贖罪でもある。私の所為で多くの国民を失ってしまった。もはや誰一人、我が国、我が国民を傷つけさせはしない!」
――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
ただし逆☆
「はいこれ、ダンジョンコア」
「……!?」
ふう、重かったぜ。
とりあえず王宮には報告しとかないとダメだろうと、リーヴィもといカユサルに話をつけに行ったのだ。
大変忙しいらしく、中々時間が取れなかったようだが、本日ようやく面会の日となった。
「信じられんのだが……なにか証拠とかはないのですか?」
証拠かあ……まあ行けば分かるんじゃない? ほとんどアンデッド居なくなったから。
カユサルが兵士を呼びつけて何かを命令している。
「いったい、どうやって……」
カシュアが剣を抜いてみせる。
「せっ、聖剣……!? ちょちょっ、おい! 今すぐスキル調査の宝玉を持って来てくれ!」
その剣を見て腰を抜かさんばかりに驚き、さらにカシュアの聖剣の担い手のスキルを見て、なにかを悟ったような表情をするカユサル。
「カシュア、お前、王となれ」
「えっ、何言ってんのぉ!?」
なんだか兄弟で言いあいを始めた。
そんな貴重なスキルと、魔都サンムーン開放の実績があれば十分だというカユサル。
ムリムリ、だってボク、年をとらないんだよ!? それに今は女性だし! と反論するカシュア。
「年の方はスキルなり、メイクなりでごまかせる。性別はなんとでもなる、本当は始祖も女性だったと言うしな」
へえ、始祖は女性だったのか……
オレはふと、後方に控えるダンディな『男性』を見やる。
じゃあこれ、始祖じゃないのかな? あっ、もしかして、カシュアのアレがこっちに……初回は同時に光が当たっていたし……
そう、このダンディな男性こそ、今回オレがゲットしたモンスター『骸骨王』であった。
そういやこのダンディ、最初、またぐらをゴソゴソして慌ててたな。最終的にババァよりましかって呟いていた気もする。
しかし肉付きのいい骸骨だな。てっきり骨のままだと思ってたら普通に人間タイプでやんの。
ただし、趣味の悪い骸骨ゴテゴテの鎧を着て居たがな。まあ、それ脱げば問題ない。
尚、このダンディのスキルだが、なんと! 『天啓』であった。
ただし、色がグレーになっていた。どうやらレベルが足りなくて使えない模様。
所詮はレベル1でござる。
そのダンディが一歩前にでる。
するとカシュアが、ザザッと部屋の隅に行って壁を背に身構える。
どうやらこのダンディ、カシュアが大好きらしい。
自らが犯した罪を代わりに償ってくれた。そして、愛した人と瓜二つなその顔! 結婚してください!
って、道中ずっと頬ずりしていた。
一応それ、あんたの子孫だから結婚は無理じゃね? 年の差だって一回りどころか世紀単位で違うから。
顔だって、そら子孫なら似ていて当然だろう。
そんなこんなで、すっかり苦手意識を持ったカシュア。
後半はカードに戻してくれって泣きながら縋り付いて来た。
「どうしたカシュア?」
そんなカシュアを訝しげに見つめるカユサル。
「カシュアが王となるなら私が後見人となろう!」
「ならない! ぜっーーたいにならない!」
カシュアが泣きながらカユサルにしがみつき、カンベンしてくださいって縋り付いている。
カユサルがソレ何って感じでダンディを指差す。
えっ、あんたらのご先祖様らしいですよ?
「は?」
どうぞご説明を。
そのダンディはまず、魔都サンムーンと化した経緯を教えてくれる。
なんでも王様の棺にダンジョンコアを入れたバカな奴が居たらしい。
本人は貴重な魔法石であり、王も喜んでくれるだろうとか気軽なつもりだったのかもしれないが。
とにかくそれがまずかった。
そのダンジョンコアの魔力により、スケルトンロードとして復活した王様。
手始めとしてモンスターを呼び込み王都を制圧。
その後街全体をダンジョンにしてしまう。
「その後の事は知っての通りだ」
尚、ラピスがダンジョンコアをホームランした時に一瞬正気に戻ったらしい。
唯、正気のままでは居られなかったようで、随分考え込んだ末に再度コアを元に戻したとか。
しかしそれがあったからこそ、誰も彼もが、成仏したくてカシュアの元に集まって来たようだ。
ドサリとソファに沈み込むカユサル。
「師匠、オレはあんたの事をまだまだ侮っていたようだ。まったく、ヘルクヘンセンの奴らは師匠を追放した事を死ぬほど後悔するだろうな」
そして座りなおしたかと思うとオレに向かって頭を下げてくる。
「姉貴は戦争バカだが、悪い奴じゃない。こんな俺が言っても信用出来ないかも知れないが、ぜひとも姉貴の事をよろしく頼む」
えっ、急に何言い出すの?
そして今度はダンディへ向かって立ち上がる。
「貴方が始祖である証明をする手立てが有る。只今我が国は隣国ヘルクヘンセンの襲撃を受けている。王子が死に、王が危篤となっている。全ての戦を勝利へと導いたあなたの手腕を借りたい!」
「あいつら……性懲りもなく、まだ私の国へ手を出しているのか!?」
ダンディが燃えていらっしゃる。
なんでもあの国、ダンディの出身国らしい。
そこを足がかりとしてモンスターの住む危険なエリアを開拓していったのだが。
その開拓していった土地や村は全部おいらのもんだって感じでヘルクヘンセンの貴族が奪っていったらしい。
最初はまあ、仕方ないかって思っていたのだが、だんだん横暴がすぎるようになり、とうとう我慢出来なくなり、反乱を起こし独立したのが今のこの国、ピクサスレーンだとか。
その後も何度もちょっかいを掛けて来て、ヘルクヘンセンが無ければもっと国を広げられたのにと歯軋りをしている。
「これは贖罪でもある。私の所為で多くの国民を失ってしまった。もはや誰一人、我が国、我が国民を傷つけさせはしない!」
――――――――――――――――――
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ただし逆☆
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