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第七章

レベル101 大温泉街マウンテンパラダイス

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 と、いうことで、やって来ました温泉街!
 なんでもここ世界一の温泉街! 結構な高山に在るにも係わらず、大層な大都市を形成しております!
 山々を切り開いて平地を作り、あちこちから温泉の煙が立つ。
 平地と平地の間には、つり橋のようなものがいくつも掛かり、幻想的な雰囲気を醸し出している。
 まさしくファンタジーって感じな場所であります!

 本日はそんな街々を見下ろす人気のスポットに来ております。
 いや~、いい眺めだ! 来て良かったな。

「ほんとだね!」
「………………」

 ふと隣を見ると、まっぱのカシュアが居る。

「なんでお前、ここに居るんだ?」
「ボクだって温泉入りたいよ!」

 女湯行け!

 ほら見てみろ、こっち見てブッて皆さん吹き出して居るだろ?
 ここ混浴じゃないんだからその姿はだいぶまずい。
 あと、せめてタオル巻け。

「見捨てないでよ! 女湯に入る度胸なんてボクには無いよ!」

 やめろ! だからと言ってオレを女湯に連れ込もうとするな!
 お前と違って、オレが行ったら確実に犯罪になるんだから!
 オレがカシュアの手を振り切って、女湯との垣根を見たその時だった。なにやら、ちっちゃなおててが見える。
 そこからひょっこりと顔を出すロリドラゴン。

「ガウガウ、ミツケタ」

 そう言って壁を飛び越えてくる。
 ドボンって温泉に飛び込むロリドラゴン。
 こらこら、周りの人に迷惑だろ?

 えっ、何? 温度調整してやろうって? やめろ! お前の調整は人が焼け死ぬんだぞ!

「おい、こんな人が多い所に置いていくなよっ!」

 そう言いながらもう一匹の幼女がドボン。

「ガウガウ、クッツクナ!」
「だってよぉ、人がいっぱいで怖いんだよ。あっ、」

 オレを目にしたその幼女、ハーモア。目を輝かしてオレの方へ走って来て背中に隠れる。

「いだ、イダダ、やめろ、爪を立てるな」
「お前がこんなとこ連れて来るから悪いんだぞ!」
「おいラピス! ちゃんとこの二人の面倒見ろよ!」

 遠くからえ~って声が聞こえてくる。
 え~言うな。
 と、ピョンと壁を越えてくる、美女が約一名。

「ブッ!」
「ブハッ!」

 おまっ、ちょっとは隠せよ。おっさん連中が鼻血吹いてるぞ。
 そのまま、素っ裸の美女は二匹の幼女を担いで、またもや壁を飛び越えて行く。
 おいちょっと待て、どうせならこっちのプリンセス(笑)も連れてってくれ。

 そこまで面倒見切れません。って声が遠くから聞こえてくる。
 仕方ない、とりあえずコイツ、ここから追い出そう。
 と、入り口を見た瞬間だった。

 ガラガラッと戸を開けて入ってくる美女二人。
 えっ、ここ何時から混浴になったの?
 オレが入った時は男ってデカデカと書かれていたはずなんだが。

「待たせたなクイーズ! 私が特別にお前の背中を流してやろう!」

 …………姫様、皆さんに見られているのですがよろしいのでしょうか?
 そこに居たのは本物のプリンセル、エルメラダス姫様。
 おいカシュア、おめえ、言ったのか?
 プリンセス(笑)は視線を逸らせて、言ったような、言わなかったような。と呟く。

「平民になど、いくら見られようか気にはならん! まあ、触れれば殺すがな!」

 ハッハッハと笑う。笑いごっちゃねえですよ。
 隣の虹色の髪をした美女も、自分、裸がスタンダートですから。と言っている。
 うん、服を来たグリフォンは見た事ないね!

 ていうか、どうやって来たの? 姫様クラスが来るなら外交問題だよね?
 えっ、カイザーの超加速を使えばどこへでも一瞬だって?
 ……姫様それ、密入国って言うんですよ。

 と、バシャン、バタバタバタ、ガラガラ。という音が遠くから聞こえる。
 暫くして、

「ハァッ、ハァッ…………クイーズの背中は私が流す」

 息を切らしたアポロさんが。
 さすがにこちらはタオルを巻いているが。

「…………姫様に背中を流させるなんて恐れ多い。平民の私が代わりに行う」
「ほほう、この私に挑戦すると言うのか?」

 そう言ったかと思うと、ひょいっとアポロのタオルを取る姫様。
 キャッて言って座り込むアポロ。

「ハッハッハ、出来るものならやって見るのだな!」

 真っ赤な顔で動けなくなるアポロ。
 やはり駆け引きでは姫様が何枚も上手だ。
 ジト目で姫様を睨むアポロ。

 だがここまで来たアポロ、挫けない。
 大事な所だけ隠してオレの背中に回る。周りの人からは見えない位置だ。

「…………タオルを貸して」
「お、おおう」

 いいのかな、いいのだろうか。いや、良くない! なにやら壁の向こうから見えないプレッシャーが迫ってきている!
 と、またしても何名かの女性が入って来る。
 しかし、その女性陣、みんな服を着ている。

「お客さん、うちはそういうサービスはやってないんでさあ」
「他のお客様の迷惑になるようでしたら、申し訳ありませんが出て行ってくれませんか?」

 なんと、お店の女将さん達だった。
 うん、そうだよね。その通りだよね。
 オラ、女性陣! さっさと女湯行け!
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