『モンスターカード!』で、ゲットしてみたらエロいお姉さんになりました。

ぬこぬっくぬこ

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第八章

レベル121

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 少々まずい事になった。
 数日間草原でレベル上げをして、いよいよ森デビューとなったのだが、レリンの奴がなにやら変な彫像物を見つけて来た。
 木に埋もれるように地面から突き出している。明らかに人工物に思えるその存在。
 そのてっぺんにサウが腰掛けた瞬間であった。

 突如地面に魔法陣が描かれる。
 そして気が付けば、薄暗い地面に囲まれた場所。
 どうやらどこかへ飛ばされた模様。

 それだけならまだ良かったのだが……どうやらこの場所、魔法が使えない。スキルも使えないっぽい。
 カードを呼び出そうとしてみたが、まったく反応がなかったのだ。

「サウ、悪くないモン!」

 ハーモアとレリンに責められてサウの奴はそっぽを向いている。
 ちょっと覗くだけだから脅威はないだろうと、ロゥリもボウリックさんも付いて来ていない。
 オレとこの三人のみである。

 ピクニックがてら、様子を見に行くだけのつもりだったんだがなあ。

「何か向こうからやってきます!」

 ねずみ型のモンスターが現れる。
 ハーモアが任しとけって飛び掛っていくのだが……

「なんだこいつら! 強いぞ!」

 あまりダメージが出ていない上に押されている。
 おかしいな……ここいらじゃそんなに強くないはずなのに、このレベル、ピクサスレーン並みだぞ?

「ヒッ!」

 オレはハーモアに飛び掛ってきたモンスターを切り伏せる。

「大丈夫か?」
「うっ、あ、ああ! 大丈夫!」

 怖かったのかちょっと顔が上気している。
 しかし、ロゥリにドラスレを借りていて良かったな。
 なお、あいつは久しぶりに羽が伸ばせられるってどっかへ飛んで行った。
 なんだかんだで、いいお姉さん役をしていた模様。

「オレが前衛をやる! レリンとサウは援護、ハーモアは二人を守ってくれ」
「分かった!」
「うん!」

 魔法が使えないのでレリンは弓を構える。
 サウの奴も責任を感じてか石を一杯抱えている。頼むからオレには投げないでくれよ。
 ちょっと歩くたんびに次々とモンスターが現れる。
 エンカウント率が某クソゲー並みに高い。

「くっ、多過ぎるぞココ……」

 天敵で有る冒険者が居ない所為か、わんさか出てきやがる。
 唯一の救いは、こっちの魔法が使えない分、向こうも魔法を使えないって事だ。
 ダンジョンは縦長い作りをしているようで、まるで通路の様だ。

「あそこで真下に移動したとなると……街に向かっているのか?」

 だんだん嫌な予感がして来た。
 このダンジョン、街に向かって伸びているのか……はたまた、街から伸びて来ているのか……
 状況によっては凄くまずい気がするぞ。

「魔法が使えないって事は、魔法的探知も利かないって事だろう。だからニースの結界も役に立っていない可能性がある」
「キャッ!」

 おっと! 考え事をしていたらレリンの方へモンスターが回り込んで居た。
 かじろうて迎撃をするオレ。

「すまない、考え事をしていた」
「えっ、いえ! 大丈夫です!」

 レリンの奴もなんだか顔が赤いな?

(今日のお兄ちゃん、なんだかカッコいい気がする)
(あいつ……本当は強かったんだな)
(サウは知ってタ、ウッシッシ)

 三人がなにやら後ろでコソコソと内緒話をしている。

(良し! ハーだっていいとこ見せてやる!)
(私も! ……でももう矢が無い)
(ウッシッシ、皆働ケ)

 だいぶ進んだな……この距離だと、もう街の下に来ているか?
 ん、お前マッピングなんてやってたのか、えらいそサウ!

「あっコイツ、やる気の無い振りして、こっそり点数稼ぎしてやがった!」
「プウゥ」
「ウッシッシ、騙されるホウガ、悪イ」

 サウに貰ったマップを見てみると、まさしく一本道。
 多少入り組んではいるが、向かう方角は同じ。

「よし、このまま先に進むぞ」
「はいっ!」

 嫌な予感は当たった様で、突き当たりには一つの巨大な魔法石。

「どっかで見たような気がするなあ……あのダンジョンコア」

 そしてコアの前には王座の様な物があり、そこには、黒い霧の様な物が鎧を纏って鎮座していた。
 さらには、部屋の中には無数に犇く、顔の無い鎧達。

「どっかで見たようなシチュエーション。そういやあのダンジョンコア、宝物庫に厳重に保管するって言ってたな」

 部屋の隅には金銀財宝ざっくざく。と言わないまでも貴重そうな品々が並べられている。
 ここで暴れても怒られないかなあ……
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