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第十一章
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「だからお前は、なんでコッチに居るんだ? 身も心も女になったんだろ、だったら女湯行け」
「そんなっ、見捨てないでよキミ!」
あ、やあらけ。
つって、マッパで抱きつくんじゃねえ!
お前の体で反応したらどうしてくれる!
「君ならいいんだよ?」
「良くねえぇえよ!」
本日は懇親会の意味合いも兼ねて温泉街に来ている所だ。
気難しそうな居候が何名か増えたからな。
互いに自己紹介でもして打ち解けあって欲しい。
というか、また女の子連れて来たのってエクサリーさんの目が怖かったんだよ!
違うんだよ!
今回はメンバー増やす予定はなかったんだよ!
なんとかご機嫌取りをせねば!
つ~か、カシュアと一緒に入っていたら逆に機嫌が悪くなる。
「おいちょっとラピス、このプリンセス、そっちに連れて行ってくれないか?」
壁の向こうからえ~って声が聞こえる。
え~言うな。
そしたらラピスが、またしても壁を超えて男湯に入ってくる。
スーパースターなんだから、ちょっとは前を隠しなさい。
「ほら行きますよ」
そう言ってカシュアの足首を掴むラピス。
ヒィって言いながらオレの胴体にしがみ付くカシュア。
そしてそのままジャンプしようとするラピス。
おいちょっと待て、このままだと……
「ちょっと待てラピス、待てって! カシュア手を離せ! うぉっ、うぉおおお!」
――――ドボンッ!
そんなオレとカシュアを連れたまま女湯にダイブイン。
「ガボゴボガババ・・」
湯船から顔を上げたオレが見た物は……
桃源郷やぁ……桃源郷はここにあったんやぁ……
ふとエクサリーさんと目があう、あってしまった……
「クイーズ?」
「あっ、いやっ、そのっ……」
だんだんとエクサリーさんの顔が真っ赤に染まっていく。
ズキューンで来たッス。
ふとよろけそうになって後ろを振り返る。
「うわっ、クイーズさん、なんでここに居るんスか!」
「えっ、クイーズさん? えっ、キャッ!」
「……クイーズになら見られてもいい」
「あらあら、アポロさんは男前ですね」
そこには三人娘とエフィール姫様が、あられもない姿で立っている。
なんで立っているの? ちゃんと浸かってよ?
色々な所が丸見えで……
「お兄ちゃんも入ってきたんだ、お背中流しましょうか?」
「なんだよぉ、やっぱ別々じゃなくていいんじゃねえか」
「ウッシッシ、このスケベ」
「ちょっとクイーズ君、覗きにしては堂々としすぎじゃないかな?」
そう言いながら年少組みがオレの方に寄ってくる。
――――ガブリ
「テンチュウ」
「イデデデ!」
天誅じゃねえ! ふと見るとオレのケツにロゥリがかぶりついている。
そこはヤメロッ!
つ~かお前も裸見られても平気なほうだろ?
えっ、オレが鼻の下を伸ばしているのが気に食わない?
そんな理由で食いつくな!
ロゥリを引き剥がそうと手を回したところ、なにやらフニンと柔らかい反応がする。
フニフニ、おお、なんだがすごくいい感触が。
ひやっこくで火照った体に気持ちいい。
「ほう……わらわの胸を揉むとは良い度胸だな。まあ、この中からわらわを選んだのは褒めてやろうがなっ」
け、結構なものをお持ちだったんですね?
アレですか、着痩せするほうだったんですか?
「クイーズ、何、やっているの?」
「………………」
「うわっ、最低っス」
ち、違うんですよ!
これはワザとじゃなくてですね!
いだだだ! 止めろロゥリ、ケツがもげるだろ!
「クイーズゥウウ!」
「ヒィイイイ!」
◇◆◇◆◇◆◇◆
「お隣は随分賑やかでございますな。いつもこんな感じなので?」
「まあ、たいがいこんな感じだな」
「温泉か……噂には聞いていたが良いものだな」
バルデスとボウリック、ペンテグラムは仲良くそろって温泉に浸かっている。
そこへおやっさんがお酒をもって登場。
「あんちゃん達、温泉は始めてかい?」
「うむ、生前は修行ばかりで娯楽を楽しむ事は無かった」
「私は何度かありますが、このような立派な設備は始めて見ましたぞ」
そうかそうか。とにこやかな顔でお酒をついでまわるおやっさん。
「おやこれはかたじけない」
「ほう……温泉に浸かって呑むお酒と言うのはこれまた格別でありますな」
「おっとっと、いやあ悪いっスねおやっさん」
「「「「プハー」」」」
女湯と違って温泉を堪能している男性陣であった。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「おお、良いぞ! もっと歌って聞かせるが良い!」
ハアハア……もう勘弁してもらえませんかね?
「わらわは古代王国の女王ぞ。そのわらわの柔肌を覗くどころか揉みしだくとは、恐れ多いにも程があろう」
だからって、もうすぐ夜が明けますよ?
オールナイトで演奏はちょっと厳しいッス。
女王の柔肌を揉みしだくとは何事だ! 責任を取るか、打ち首かどっちか選べって。言われて。
なんとか許してもらおうと頭を下げて交渉した結果、最終決戦で演奏していた、あの音楽が聞きたいと。
喜んでって演奏を始めたのだが、そこは不眠不休の不死者。
人と時間の流れが違うのか、何時間演奏しても満足してもらえない。
というか、なぜ一人離れた場所に居たので?
「わらわは未だアンデットの身、生者の近くに居ると生気を吸い取ってしまうからな」
どうりでなんだか気力が抜けていくはずだ。
もう自分で演奏しろよ。
これ貸してやるからさあ。
「フッ、わらわとて挑戦してみたことはある。しかしじゃな……どうやら、わらわにはその才能がなかったようじゃ」
バルデスやエフィール姫様に泣いて頼まれたんだと。
もうやめてって。
もしかして音痴なお方なのでしょうか?
「まあ、騙されたと思って弾いてみてくれ」
なんたってこいつは、どんな音痴であろうともプロ級の演奏を約束してくれる『オート演奏』のスキルがあるからな!
◇◆◇◆◇◆◇◆
「えっ、ローゼマリアがマンドラゴラ探しに出かけた?」
ギターのスキル、オート演奏に感動した小さな女王様は、わらわもコレ欲しい! って言い出して。
その昔、どっかの高山でアイリスブラッドのマンドラゴラの噂を聞いた事があるとか。
その昔って何時? もしかして千年以上前のことじゃないよね?
こっちの話も聞かず、夜中にロゥリを叩き起こして、一緒にどっか飛んで行った。
ロゥリの奴も、オレに対してはアレだか、他の奴に対しては面倒見がいいんだよな。
嫌そうな顔をしながらもローゼマリアを乗せて、その高山に向かった。
「なんて事してくれたんですか! あの子に楽器を持たせるなんて……」
いやでも、オート演奏があれば音痴だって問題ないですよ?
「確かにそれもあります、でもそれだけじゃないんですよ」
えっ、熱中し過ぎて一晩中聞かされた?
やめてって言っても聞いてくれない?
生前でもそうだったんだから、不死者なら一年中弾いてるかもしれない?
いやいや、さすがにそんな事は……なんだかカユサルとうまがあいそうだな。
「そんなっ、見捨てないでよキミ!」
あ、やあらけ。
つって、マッパで抱きつくんじゃねえ!
お前の体で反応したらどうしてくれる!
「君ならいいんだよ?」
「良くねえぇえよ!」
本日は懇親会の意味合いも兼ねて温泉街に来ている所だ。
気難しそうな居候が何名か増えたからな。
互いに自己紹介でもして打ち解けあって欲しい。
というか、また女の子連れて来たのってエクサリーさんの目が怖かったんだよ!
違うんだよ!
今回はメンバー増やす予定はなかったんだよ!
なんとかご機嫌取りをせねば!
つ~か、カシュアと一緒に入っていたら逆に機嫌が悪くなる。
「おいちょっとラピス、このプリンセス、そっちに連れて行ってくれないか?」
壁の向こうからえ~って声が聞こえる。
え~言うな。
そしたらラピスが、またしても壁を超えて男湯に入ってくる。
スーパースターなんだから、ちょっとは前を隠しなさい。
「ほら行きますよ」
そう言ってカシュアの足首を掴むラピス。
ヒィって言いながらオレの胴体にしがみ付くカシュア。
そしてそのままジャンプしようとするラピス。
おいちょっと待て、このままだと……
「ちょっと待てラピス、待てって! カシュア手を離せ! うぉっ、うぉおおお!」
――――ドボンッ!
そんなオレとカシュアを連れたまま女湯にダイブイン。
「ガボゴボガババ・・」
湯船から顔を上げたオレが見た物は……
桃源郷やぁ……桃源郷はここにあったんやぁ……
ふとエクサリーさんと目があう、あってしまった……
「クイーズ?」
「あっ、いやっ、そのっ……」
だんだんとエクサリーさんの顔が真っ赤に染まっていく。
ズキューンで来たッス。
ふとよろけそうになって後ろを振り返る。
「うわっ、クイーズさん、なんでここに居るんスか!」
「えっ、クイーズさん? えっ、キャッ!」
「……クイーズになら見られてもいい」
「あらあら、アポロさんは男前ですね」
そこには三人娘とエフィール姫様が、あられもない姿で立っている。
なんで立っているの? ちゃんと浸かってよ?
色々な所が丸見えで……
「お兄ちゃんも入ってきたんだ、お背中流しましょうか?」
「なんだよぉ、やっぱ別々じゃなくていいんじゃねえか」
「ウッシッシ、このスケベ」
「ちょっとクイーズ君、覗きにしては堂々としすぎじゃないかな?」
そう言いながら年少組みがオレの方に寄ってくる。
――――ガブリ
「テンチュウ」
「イデデデ!」
天誅じゃねえ! ふと見るとオレのケツにロゥリがかぶりついている。
そこはヤメロッ!
つ~かお前も裸見られても平気なほうだろ?
えっ、オレが鼻の下を伸ばしているのが気に食わない?
そんな理由で食いつくな!
ロゥリを引き剥がそうと手を回したところ、なにやらフニンと柔らかい反応がする。
フニフニ、おお、なんだがすごくいい感触が。
ひやっこくで火照った体に気持ちいい。
「ほう……わらわの胸を揉むとは良い度胸だな。まあ、この中からわらわを選んだのは褒めてやろうがなっ」
け、結構なものをお持ちだったんですね?
アレですか、着痩せするほうだったんですか?
「クイーズ、何、やっているの?」
「………………」
「うわっ、最低っス」
ち、違うんですよ!
これはワザとじゃなくてですね!
いだだだ! 止めろロゥリ、ケツがもげるだろ!
「クイーズゥウウ!」
「ヒィイイイ!」
◇◆◇◆◇◆◇◆
「お隣は随分賑やかでございますな。いつもこんな感じなので?」
「まあ、たいがいこんな感じだな」
「温泉か……噂には聞いていたが良いものだな」
バルデスとボウリック、ペンテグラムは仲良くそろって温泉に浸かっている。
そこへおやっさんがお酒をもって登場。
「あんちゃん達、温泉は始めてかい?」
「うむ、生前は修行ばかりで娯楽を楽しむ事は無かった」
「私は何度かありますが、このような立派な設備は始めて見ましたぞ」
そうかそうか。とにこやかな顔でお酒をついでまわるおやっさん。
「おやこれはかたじけない」
「ほう……温泉に浸かって呑むお酒と言うのはこれまた格別でありますな」
「おっとっと、いやあ悪いっスねおやっさん」
「「「「プハー」」」」
女湯と違って温泉を堪能している男性陣であった。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「おお、良いぞ! もっと歌って聞かせるが良い!」
ハアハア……もう勘弁してもらえませんかね?
「わらわは古代王国の女王ぞ。そのわらわの柔肌を覗くどころか揉みしだくとは、恐れ多いにも程があろう」
だからって、もうすぐ夜が明けますよ?
オールナイトで演奏はちょっと厳しいッス。
女王の柔肌を揉みしだくとは何事だ! 責任を取るか、打ち首かどっちか選べって。言われて。
なんとか許してもらおうと頭を下げて交渉した結果、最終決戦で演奏していた、あの音楽が聞きたいと。
喜んでって演奏を始めたのだが、そこは不眠不休の不死者。
人と時間の流れが違うのか、何時間演奏しても満足してもらえない。
というか、なぜ一人離れた場所に居たので?
「わらわは未だアンデットの身、生者の近くに居ると生気を吸い取ってしまうからな」
どうりでなんだか気力が抜けていくはずだ。
もう自分で演奏しろよ。
これ貸してやるからさあ。
「フッ、わらわとて挑戦してみたことはある。しかしじゃな……どうやら、わらわにはその才能がなかったようじゃ」
バルデスやエフィール姫様に泣いて頼まれたんだと。
もうやめてって。
もしかして音痴なお方なのでしょうか?
「まあ、騙されたと思って弾いてみてくれ」
なんたってこいつは、どんな音痴であろうともプロ級の演奏を約束してくれる『オート演奏』のスキルがあるからな!
◇◆◇◆◇◆◇◆
「えっ、ローゼマリアがマンドラゴラ探しに出かけた?」
ギターのスキル、オート演奏に感動した小さな女王様は、わらわもコレ欲しい! って言い出して。
その昔、どっかの高山でアイリスブラッドのマンドラゴラの噂を聞いた事があるとか。
その昔って何時? もしかして千年以上前のことじゃないよね?
こっちの話も聞かず、夜中にロゥリを叩き起こして、一緒にどっか飛んで行った。
ロゥリの奴も、オレに対してはアレだか、他の奴に対しては面倒見がいいんだよな。
嫌そうな顔をしながらもローゼマリアを乗せて、その高山に向かった。
「なんて事してくれたんですか! あの子に楽器を持たせるなんて……」
いやでも、オート演奏があれば音痴だって問題ないですよ?
「確かにそれもあります、でもそれだけじゃないんですよ」
えっ、熱中し過ぎて一晩中聞かされた?
やめてって言っても聞いてくれない?
生前でもそうだったんだから、不死者なら一年中弾いてるかもしれない?
いやいや、さすがにそんな事は……なんだかカユサルとうまがあいそうだな。
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