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4 救世主あらわる③
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三船水樹といきなり模擬対戦をすることになった強兵は、01と描いてある訓練用リモート・ウォーリアのコックピットに乗り込んだ。
シートに座り、個別居住領域で強兵の部屋にあったゲーム機のコントローラーに似た操縦レバーを握ると、不思議な心地良さを感じた。親元から離れての自由領域での生活に、まだ慣れていないということもそういう気持ちにさせたのかも知れない。
(コックピットの中で安らぎを覚えるなんて……)
「ビィキィイイイィ~ン!」
胸に01と描いてある全身が真っ白なリモート・ウォーリアが起動すると、コックピットの周りが三百六十度の立体スクリーンに切り替わった。
すると、前方にあるもう一枚のスクリーンと、強兵が座っているシートと操縦レバーが、空中に放り出されているような感じになった。
リモート・ウォーリアは、エターナルと呼ばれる低公害の永久エネルギー物質が動力源である。そして、エターナルは電気などに変換したり、物質として実体化させることも出来るのだ。
「ギュイィイーン!」
強兵の操るリモート・ウォーリアは、背中のスリットからエターナルエネルギーを噴射しながら、素晴らしいスピードで急上昇した。立体スクリーンの背景が流れて、シートに押し付けられるようなGを感じる。
「これが、リモート・ウォーリア!」
強兵は、興奮しながらも操縦レバーでの体の動きや、武器の使い方をチェックした。
武器の発動は音声認識になっていて、大声で武器の名前を叫びながら共通の攻撃ボタンを押せば良いようになっていた。
「エターナル・ブレード!」
戦闘の準備が整った強兵が大声で叫ぶと、リモート・ウォーリアの足のパネルの一部がスライドして、剣の柄が現れた。その柄を引き抜くと、ヴオォォーンとエターナルでできた刃先が唸りを上げた。
「ウオォォーッ!」
強兵の01号機は、力強いポーズで剣を構えた。
一足先に戦闘の準備を整えて、その様子を見ていた水樹は、
「銃を持った相手に剣で向かってくるなんて……」
と、あきれながらも、強兵の操るリモート・ウォーリアに照準を合わせた。
「これは、ゲームとは違うということを教えてあげるワ!」
水樹が、そう言いながら銃の引き金を引くと、ドシュッ! とエターナルエネルギーでできた光弾が、強兵の01号機をめがけて飛んでいった。
危うし強兵、いきなり洗礼を受けてしまうのか? しかし、次の瞬間、バシッ! と01号機の剣が光弾を弾き飛ばした。
「なにっ!」
水樹が、驚いていると01号機の胸の下にあるカバーがスライドして、13・5ミリの機関砲が火を噴いた。これは、リモート・ウォーリアで唯一エターナルを使っていない武装である。
「ズドドドドド……」
「キュイーン」
機関砲を撃ちながら接近してくる01号機をかわすために水樹の03号機は、急上昇した。
強兵と水樹の模擬対戦を巨大スクリーンで見ていた田村は、一か月前の三船長官とのやり取りを思い出していた。
田村と三船長官は、寒くて薄暗い、機械がたくさん置いてある部屋に来ていた。三船長官は、機械から打ち出されたデータを見ながらこう言った。
「フソウの英知を結集したマミィが、人類を希望の未来へ導いてくれるよ」
「氷上強兵、この少年こそ人類を救う救世主なのだ!」
フソウには、地下都市の科学技術を結集して造られたマミィと呼ばれる巨大コンピューターがあった。このマミィを使ってフソウの将来の活動を決定する目安にしているのだ。
そして、地下都市で不安な生活を送っている人々にとっての心のよりどころにもなっている。
だが、その中でも、マミィを使う一番の目的は人類が地上を奪回するためのシュミレーションである。
そしてなんと、地上奪回のための重要人物としてマミィが選び出したのが、今01号機を操縦している強兵だったのである。
しかし、田村はマミィも人間が創ったものである以上、完璧な物ではないと思っていた。
それで、マミィが選んだ救世主がどれほどの者か、非常に興味を持ったのである。
シートに座り、個別居住領域で強兵の部屋にあったゲーム機のコントローラーに似た操縦レバーを握ると、不思議な心地良さを感じた。親元から離れての自由領域での生活に、まだ慣れていないということもそういう気持ちにさせたのかも知れない。
(コックピットの中で安らぎを覚えるなんて……)
「ビィキィイイイィ~ン!」
胸に01と描いてある全身が真っ白なリモート・ウォーリアが起動すると、コックピットの周りが三百六十度の立体スクリーンに切り替わった。
すると、前方にあるもう一枚のスクリーンと、強兵が座っているシートと操縦レバーが、空中に放り出されているような感じになった。
リモート・ウォーリアは、エターナルと呼ばれる低公害の永久エネルギー物質が動力源である。そして、エターナルは電気などに変換したり、物質として実体化させることも出来るのだ。
「ギュイィイーン!」
強兵の操るリモート・ウォーリアは、背中のスリットからエターナルエネルギーを噴射しながら、素晴らしいスピードで急上昇した。立体スクリーンの背景が流れて、シートに押し付けられるようなGを感じる。
「これが、リモート・ウォーリア!」
強兵は、興奮しながらも操縦レバーでの体の動きや、武器の使い方をチェックした。
武器の発動は音声認識になっていて、大声で武器の名前を叫びながら共通の攻撃ボタンを押せば良いようになっていた。
「エターナル・ブレード!」
戦闘の準備が整った強兵が大声で叫ぶと、リモート・ウォーリアの足のパネルの一部がスライドして、剣の柄が現れた。その柄を引き抜くと、ヴオォォーンとエターナルでできた刃先が唸りを上げた。
「ウオォォーッ!」
強兵の01号機は、力強いポーズで剣を構えた。
一足先に戦闘の準備を整えて、その様子を見ていた水樹は、
「銃を持った相手に剣で向かってくるなんて……」
と、あきれながらも、強兵の操るリモート・ウォーリアに照準を合わせた。
「これは、ゲームとは違うということを教えてあげるワ!」
水樹が、そう言いながら銃の引き金を引くと、ドシュッ! とエターナルエネルギーでできた光弾が、強兵の01号機をめがけて飛んでいった。
危うし強兵、いきなり洗礼を受けてしまうのか? しかし、次の瞬間、バシッ! と01号機の剣が光弾を弾き飛ばした。
「なにっ!」
水樹が、驚いていると01号機の胸の下にあるカバーがスライドして、13・5ミリの機関砲が火を噴いた。これは、リモート・ウォーリアで唯一エターナルを使っていない武装である。
「ズドドドドド……」
「キュイーン」
機関砲を撃ちながら接近してくる01号機をかわすために水樹の03号機は、急上昇した。
強兵と水樹の模擬対戦を巨大スクリーンで見ていた田村は、一か月前の三船長官とのやり取りを思い出していた。
田村と三船長官は、寒くて薄暗い、機械がたくさん置いてある部屋に来ていた。三船長官は、機械から打ち出されたデータを見ながらこう言った。
「フソウの英知を結集したマミィが、人類を希望の未来へ導いてくれるよ」
「氷上強兵、この少年こそ人類を救う救世主なのだ!」
フソウには、地下都市の科学技術を結集して造られたマミィと呼ばれる巨大コンピューターがあった。このマミィを使ってフソウの将来の活動を決定する目安にしているのだ。
そして、地下都市で不安な生活を送っている人々にとっての心のよりどころにもなっている。
だが、その中でも、マミィを使う一番の目的は人類が地上を奪回するためのシュミレーションである。
そしてなんと、地上奪回のための重要人物としてマミィが選び出したのが、今01号機を操縦している強兵だったのである。
しかし、田村はマミィも人間が創ったものである以上、完璧な物ではないと思っていた。
それで、マミィが選んだ救世主がどれほどの者か、非常に興味を持ったのである。
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