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第3章
気分転換 6月29日③
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たちばなあいり:
ご迷惑をおかけしてます。大丈夫ですか?
私は体調も良くなってきたので、是非バイトに復帰させていただきたいです!お役に立てるならどの時間帯でも大丈夫です。よろしくお願いします。
あいりが水川に送ったメッセージには、すぐ既読がついて10分後に返事がきた。
水川優一:
助かる~、んじゃ7月3日の6-9時でもいい?そのときは俺とペアで。
もしそこで、今後一緒に入るの俺じゃなくても大丈夫そうだったら、直接シフト表見ながら、俺の代わりに入れる日教えて欲しい
たちばなあいり:
了解です。本当にいつでも大丈夫なので、またご自由に召還してくださいね。
あいりが敬礼するねこのスタンプを送って、やり取りは終わった。
こおりにスマホを見せて、あいりが
「早朝だとここから電車間に合うかな?」
と聞いてきた。こおりの家からあいりの家やバイト先までは電車に乗らなくてはいけない。
「日曜日だし、あんま電車ないかもな。土曜の夜にあいりの家帰って、そっからバイト行けばいいよ。寂しければ一緒に行くから」
あいりは嬉しそうに頷いた。
「ただ、この感じ、水川さんやっぱりそろそろバイト減らして時間あっちに割きたい感じだね。私、頑張る」
あいりの神妙な面持ちを見ながら、こおりも頷いた。
「そろそろだよな。俺も頑張ろ。まぁ、間接的にしか出来ないけどな。悲しいな」
2人は揃ってため息をついた。
◆
22時前になったので、自然に2人とも歯磨きをした。「そろそろ寝ようか」というこおりの声にあいりが立ち上がる。
22時から7時は寝るようにという水川の言い付けを2人は律儀かつ大まかに守っていた。
一緒のベットで2人でくっついて寝る事は、もう日常となった。あいりはこおりの首もとに顔をくっつけたがるので、勢いでキスしないようにこおりは気をつけていた。
「こおりくん、髪伸びたねぇ」
こおりの首にかかる髪の毛を、顔でかき分けながらあいりが言う。
「あーそういえば伸びたな。暑くなってきたし週末切ろうかな」
あいりがこおりの揉み上げの少しくるんとした辺りを指で撫でた。
「うん、毛刈りにいっておいでー」
そのままこおりはあいりに撫で回されていた。それがあまりにしつこいので、こおりも負けじとやり返す。あいりの髪の毛を指に巻き付けたこおりは思い付いた。
「あいりも毛刈りにいこう。一緒にいこう。髪くるくるにしたりさ、ピンク色にしたりさーきっと超絶かわいいよー」
「ええー、私はいいよ、美容院苦手」
髪の毛を触るこおりの手をぺしぺしと指で攻撃しながら、あいりはテンション低めの声で言った。
「気分転換にもどうかな?
俺いつも行ってるところ、面白い女の人いるからさ、その人にやってもらいなよ。アシスタント入らずにずっとその人だし、別に話さなくても大丈夫だから。シャンプー気持ち良くて寝ちゃうよ?
それにあいりちゃん、今、前髪斜めだから直してもらおうね」
こおりはわざとあいりの前髪を撫でた。彼女が自分で切ったそれは、今回は結構失敗していた。
「こおりくん、うるさいー」
あいりが頭を振ってはねのけようとする。
「可愛い子がもっと可愛くなっちゃうなー。楽しみだなーあいりちゃん、めっちゃラブリー」
こおりはあいりの頭を撫でて、褒め続けた。
根負けしたあいりが「もう行くからやめて」と言うまでそれは続いた。
ご迷惑をおかけしてます。大丈夫ですか?
私は体調も良くなってきたので、是非バイトに復帰させていただきたいです!お役に立てるならどの時間帯でも大丈夫です。よろしくお願いします。
あいりが水川に送ったメッセージには、すぐ既読がついて10分後に返事がきた。
水川優一:
助かる~、んじゃ7月3日の6-9時でもいい?そのときは俺とペアで。
もしそこで、今後一緒に入るの俺じゃなくても大丈夫そうだったら、直接シフト表見ながら、俺の代わりに入れる日教えて欲しい
たちばなあいり:
了解です。本当にいつでも大丈夫なので、またご自由に召還してくださいね。
あいりが敬礼するねこのスタンプを送って、やり取りは終わった。
こおりにスマホを見せて、あいりが
「早朝だとここから電車間に合うかな?」
と聞いてきた。こおりの家からあいりの家やバイト先までは電車に乗らなくてはいけない。
「日曜日だし、あんま電車ないかもな。土曜の夜にあいりの家帰って、そっからバイト行けばいいよ。寂しければ一緒に行くから」
あいりは嬉しそうに頷いた。
「ただ、この感じ、水川さんやっぱりそろそろバイト減らして時間あっちに割きたい感じだね。私、頑張る」
あいりの神妙な面持ちを見ながら、こおりも頷いた。
「そろそろだよな。俺も頑張ろ。まぁ、間接的にしか出来ないけどな。悲しいな」
2人は揃ってため息をついた。
◆
22時前になったので、自然に2人とも歯磨きをした。「そろそろ寝ようか」というこおりの声にあいりが立ち上がる。
22時から7時は寝るようにという水川の言い付けを2人は律儀かつ大まかに守っていた。
一緒のベットで2人でくっついて寝る事は、もう日常となった。あいりはこおりの首もとに顔をくっつけたがるので、勢いでキスしないようにこおりは気をつけていた。
「こおりくん、髪伸びたねぇ」
こおりの首にかかる髪の毛を、顔でかき分けながらあいりが言う。
「あーそういえば伸びたな。暑くなってきたし週末切ろうかな」
あいりがこおりの揉み上げの少しくるんとした辺りを指で撫でた。
「うん、毛刈りにいっておいでー」
そのままこおりはあいりに撫で回されていた。それがあまりにしつこいので、こおりも負けじとやり返す。あいりの髪の毛を指に巻き付けたこおりは思い付いた。
「あいりも毛刈りにいこう。一緒にいこう。髪くるくるにしたりさ、ピンク色にしたりさーきっと超絶かわいいよー」
「ええー、私はいいよ、美容院苦手」
髪の毛を触るこおりの手をぺしぺしと指で攻撃しながら、あいりはテンション低めの声で言った。
「気分転換にもどうかな?
俺いつも行ってるところ、面白い女の人いるからさ、その人にやってもらいなよ。アシスタント入らずにずっとその人だし、別に話さなくても大丈夫だから。シャンプー気持ち良くて寝ちゃうよ?
それにあいりちゃん、今、前髪斜めだから直してもらおうね」
こおりはわざとあいりの前髪を撫でた。彼女が自分で切ったそれは、今回は結構失敗していた。
「こおりくん、うるさいー」
あいりが頭を振ってはねのけようとする。
「可愛い子がもっと可愛くなっちゃうなー。楽しみだなーあいりちゃん、めっちゃラブリー」
こおりはあいりの頭を撫でて、褒め続けた。
根負けしたあいりが「もう行くからやめて」と言うまでそれは続いた。
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