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第3話 もふもふプレゼント
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【注意】3話に引き続き『もふもふ』要素少なめです。期待外れでしたら本当に申し訳ありません。
ちんまりとした部屋の中に軽快な音の音楽が響く。
たったらーたーたーたー
たったらーたーたーたー
たったらーたた、たーたー
「はっぴばっすでー、つーゆー!
さっくん、誕生日おめでとぉ~」
ぱちぱちぱちぱち
「あー、はいどうも。ありがと」
今日は朔也の誕生日。
定番のあれを1曲歌い終えたひまりはにっこにこ。誕生した本人よりも嬉しそうな顔を浮かべる。
テーブルの上にはひまりが作ったり、買ってきたりした朔也の好物の数々が並ぶ。
うきうき、にまにましたひまりは、ソファーの陰から紙袋を取り出し朔也に差し出した。
「さっくん。これ、プレゼント。気に入ってくれるといいんだけど、ふふふー」
「別にいいのに……。ありがと」
袋を受け取った朔也は、そのいかにも女子向けな紙袋の外装から嫌な予感しかしなかった。袋を大事に汚れない場所に置いて、テーブルの上のご馳走に向き合う。
「うまそーだな。いただきます」
今、開けてくれないの?という顔で、少し悲しそうな隣のひまりに気づきながらも、朔也は唐揚げを頬張った。
かりっさくっ、じゅる、じゅわー
かりかりの衣の中身はジューシーな鳥のもも肉。生姜とにんにくが香る定番の醤油味の唐揚げ。
「うまっ!
おい、折角用意してくれた料理が冷めちゃうぞ? ひまり、今回唐揚げ初めて作ったんだろ?めっちゃ旨いよ! 」
「ほんとー?やったぁ! 」
朔也の言葉にひまりは目を輝かせる。料理を作ったのは自分じゃないのに、朔也は小動物に餌付けをしている気分になった。
大きな口を開けて唐揚げを頬張り、もっぐもぐ食べているこの生き物。口が小さいからそんなに1度に入らないのに、よく詰め込む。
もーごもご。ぐもぐも。ごっくん。
ハムスターかな?まぁ、動物はよく知らんけど。
ハンバーグにエビグラタン、エビチリ等々。ひまりに「こっち来ないでね」と言われたが、キッチンでがっちゃんごっとんと、うるさく時々叫び声をあげながら作っていたのは知っている。
唯一買ってきたと思われるのは、チーズとサラダの葉っぱと生ハムくらい。
うちの不器用なハムスターは、いつもちょこまかと動いていて、なかなか楽しい同居動物だ。言葉も一応通じるし見ていて飽きない。
「お腹いっぱいー食べすぎちゃった」
お腹をぽんぽこ叩くひまりに、朔也は笑う。
「ひまり、俺より食った?メニューが俺好みと思ったら、ひまりの好きなものだろー?」
「今日はさっくんの好きなメニューだよ?さっくんのお誕生日に一緒にご飯食べれるの嬉しくて、つい食べすぎちゃっただけ。
さっくん、お誕生日のお祝いさせてくれてありがとね。しあわせー」
にへらーと笑う彼女の唇はエビチリを食べたからかほんのり赤い。それが美味しそうだったので朔也はキスをした。
ちゅっ
「んー、ねぇ、さっくん、プレゼント開けないの?」
すぐ前にいるハムスターはいつの間にかプレゼントの紙袋を持っていて、もう一度朔也に差し出してきた。余程早く開けて欲しいらしい。
「んっ、ああ、開ける。ありがとな」
洋服だろうか?ペアルックは勘弁して欲しい。
そんなことを考えながら、紙袋から柔らかな不織布素材の巾着型の包みを取り出し、可愛く結ばれたリボンをほどく。
手を入れて触った感触は
ふわっふわっ
取り出してみると、それはふわもふ素材の部屋着だった。紺色と白のストライプ。別に耳がついている訳でも、ふりふりのしっぽがついている訳でもなかったので、朔也は安心した。
「さっくん、どうかな?
いつも寝るとき、ジャージみたいなのばっか着てて、パジャマ持ってないかなと思って」
「おー、これなら着るよ。ありがとな、ひまり。これ、有名なやつだろ?女の子の部屋着で。ひまりも買ったの? 」
「私はいいのー。さっくんに着て欲しかったの。さっくん、ケーキ食べよー?」
朔也がこのハムスターの言葉の意味を知るのは、ひまりが夜行性の実力を発揮する時間のことだっだ。
●●●
真っ暗な部屋の中。朔也の新しいパジャマの着心地は上々で、お腹も膨れて気持ちよく眠れそうだった。
ふぅ……すぅ、すぅ……
ぎゅむぅーーーー
「んぁっ? 」
朔也の眠りは、隣にいたハムスターによって遮られた。
「だめー……我慢できない」
すりすりすりすり
全身ですり寄ってくる動物に、朔也は得体のしれない恐怖を感じる。
「なに? どした? 」
ひまりが自分からこんなにがっつりくっいてくることはあまりない。
「だって、『もふもふ』なさっくん、好き過ぎるよー。抱き締めずにはいられない。んんんーすきー」
すーりすり
「ちょっ、こしょぐるな。おーい、ひまり」「さいこーふふふふーやーん」
もふん、もふもふ
朔也はひまりにもふもふされた。
朔也は思った、もふられる動物って結構大変と。
その夜は長かった。
○○○
触り心地が良い分、着心地も良いので、朔也はパジャマをその後も着ている。悪くはない誕生日プレゼントだった。
朔也が着た後のパジャマをひまりが時々、もふもふしているのは内緒だ。
もふ・もふ・ぎゅー
【誕生日の感想】
朔也:
あのプレゼントって俺の為というより、ただひまりが『着た俺をもふもふしたかった』だけですよね? まぁ、上手く使ってますよ。よく寝たい日は着ないし、おびき寄せたければ着ればいいので、簡単です。
ひまり:
お料理とかケーキとかプレゼントで結構お金かかったけど、その価値はありました。
その意味は内緒です! へへへっ。
ちんまりとした部屋の中に軽快な音の音楽が響く。
たったらーたーたーたー
たったらーたーたーたー
たったらーたた、たーたー
「はっぴばっすでー、つーゆー!
さっくん、誕生日おめでとぉ~」
ぱちぱちぱちぱち
「あー、はいどうも。ありがと」
今日は朔也の誕生日。
定番のあれを1曲歌い終えたひまりはにっこにこ。誕生した本人よりも嬉しそうな顔を浮かべる。
テーブルの上にはひまりが作ったり、買ってきたりした朔也の好物の数々が並ぶ。
うきうき、にまにましたひまりは、ソファーの陰から紙袋を取り出し朔也に差し出した。
「さっくん。これ、プレゼント。気に入ってくれるといいんだけど、ふふふー」
「別にいいのに……。ありがと」
袋を受け取った朔也は、そのいかにも女子向けな紙袋の外装から嫌な予感しかしなかった。袋を大事に汚れない場所に置いて、テーブルの上のご馳走に向き合う。
「うまそーだな。いただきます」
今、開けてくれないの?という顔で、少し悲しそうな隣のひまりに気づきながらも、朔也は唐揚げを頬張った。
かりっさくっ、じゅる、じゅわー
かりかりの衣の中身はジューシーな鳥のもも肉。生姜とにんにくが香る定番の醤油味の唐揚げ。
「うまっ!
おい、折角用意してくれた料理が冷めちゃうぞ? ひまり、今回唐揚げ初めて作ったんだろ?めっちゃ旨いよ! 」
「ほんとー?やったぁ! 」
朔也の言葉にひまりは目を輝かせる。料理を作ったのは自分じゃないのに、朔也は小動物に餌付けをしている気分になった。
大きな口を開けて唐揚げを頬張り、もっぐもぐ食べているこの生き物。口が小さいからそんなに1度に入らないのに、よく詰め込む。
もーごもご。ぐもぐも。ごっくん。
ハムスターかな?まぁ、動物はよく知らんけど。
ハンバーグにエビグラタン、エビチリ等々。ひまりに「こっち来ないでね」と言われたが、キッチンでがっちゃんごっとんと、うるさく時々叫び声をあげながら作っていたのは知っている。
唯一買ってきたと思われるのは、チーズとサラダの葉っぱと生ハムくらい。
うちの不器用なハムスターは、いつもちょこまかと動いていて、なかなか楽しい同居動物だ。言葉も一応通じるし見ていて飽きない。
「お腹いっぱいー食べすぎちゃった」
お腹をぽんぽこ叩くひまりに、朔也は笑う。
「ひまり、俺より食った?メニューが俺好みと思ったら、ひまりの好きなものだろー?」
「今日はさっくんの好きなメニューだよ?さっくんのお誕生日に一緒にご飯食べれるの嬉しくて、つい食べすぎちゃっただけ。
さっくん、お誕生日のお祝いさせてくれてありがとね。しあわせー」
にへらーと笑う彼女の唇はエビチリを食べたからかほんのり赤い。それが美味しそうだったので朔也はキスをした。
ちゅっ
「んー、ねぇ、さっくん、プレゼント開けないの?」
すぐ前にいるハムスターはいつの間にかプレゼントの紙袋を持っていて、もう一度朔也に差し出してきた。余程早く開けて欲しいらしい。
「んっ、ああ、開ける。ありがとな」
洋服だろうか?ペアルックは勘弁して欲しい。
そんなことを考えながら、紙袋から柔らかな不織布素材の巾着型の包みを取り出し、可愛く結ばれたリボンをほどく。
手を入れて触った感触は
ふわっふわっ
取り出してみると、それはふわもふ素材の部屋着だった。紺色と白のストライプ。別に耳がついている訳でも、ふりふりのしっぽがついている訳でもなかったので、朔也は安心した。
「さっくん、どうかな?
いつも寝るとき、ジャージみたいなのばっか着てて、パジャマ持ってないかなと思って」
「おー、これなら着るよ。ありがとな、ひまり。これ、有名なやつだろ?女の子の部屋着で。ひまりも買ったの? 」
「私はいいのー。さっくんに着て欲しかったの。さっくん、ケーキ食べよー?」
朔也がこのハムスターの言葉の意味を知るのは、ひまりが夜行性の実力を発揮する時間のことだっだ。
●●●
真っ暗な部屋の中。朔也の新しいパジャマの着心地は上々で、お腹も膨れて気持ちよく眠れそうだった。
ふぅ……すぅ、すぅ……
ぎゅむぅーーーー
「んぁっ? 」
朔也の眠りは、隣にいたハムスターによって遮られた。
「だめー……我慢できない」
すりすりすりすり
全身ですり寄ってくる動物に、朔也は得体のしれない恐怖を感じる。
「なに? どした? 」
ひまりが自分からこんなにがっつりくっいてくることはあまりない。
「だって、『もふもふ』なさっくん、好き過ぎるよー。抱き締めずにはいられない。んんんーすきー」
すーりすり
「ちょっ、こしょぐるな。おーい、ひまり」「さいこーふふふふーやーん」
もふん、もふもふ
朔也はひまりにもふもふされた。
朔也は思った、もふられる動物って結構大変と。
その夜は長かった。
○○○
触り心地が良い分、着心地も良いので、朔也はパジャマをその後も着ている。悪くはない誕生日プレゼントだった。
朔也が着た後のパジャマをひまりが時々、もふもふしているのは内緒だ。
もふ・もふ・ぎゅー
【誕生日の感想】
朔也:
あのプレゼントって俺の為というより、ただひまりが『着た俺をもふもふしたかった』だけですよね? まぁ、上手く使ってますよ。よく寝たい日は着ないし、おびき寄せたければ着ればいいので、簡単です。
ひまり:
お料理とかケーキとかプレゼントで結構お金かかったけど、その価値はありました。
その意味は内緒です! へへへっ。
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