杏梨ちゃんは癒されたい

tonari0407

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本音 元彼side 5月14日

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杏梨があまりに金田の気持ちをわかっていないので、つい素っ気ない態度をとってしまった。

杏梨の家から自宅までの道のりでそうたは少し反省していた。

そうたは正直なところ、杏梨が羨ましかった。
好きな人と恋人同士で両思いなんて羨まし過ぎる。

そうたにはもうそんな思いを伝えられる恋人はいない。

今から彼女の家に行くけれど、彼女には決して会えない。

どんなに好きでも、思いをぶつけることがまた彼女を傷つけかねない。

そうたは同じ過ちを繰り返したくはなかった。

昨夜、杏梨とセックスしようと思えばできた。でもできなかった。

彼女への愛しさを杏梨を喜ばせることで紛らわした。そうたは杏梨を利用した。

そうたはあのとき金田の代わりだったし、杏梨はあのときあいりの代わりだった。

あいり、それは最近まで付き合っていたそうたの元カノの名前だ。

自宅でシャワーを浴びると、そうたはあいりの家へ向かった。





その夜、金田から1件のメッセージが届いた。

金田:
杏梨と別れた。今まで俺の我が儘に付き合ってくれてありがとう。


そうたはメッセージを見た。
杏梨が泣いているのが想像できた。


でも、そうたは何もしなかった。
そうたの頭の中はあいりのことでいっぱいだった。
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