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2章 放たれた魔銃と幸運の石
44 火の中にある非の無い真実
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「まずエムルライド教授は研究発表会の打ち合わせのために、ジェイソ所長を訪ねましたね。」
「そうだ。
今更確認するまでも無い。」
教授はつまらなそうに答えた。
「ブラニカさん、あなたはエムルライド教授が来ているときに、ジェイソン所長の部屋の前まで来ていますね。」
「そうね。
部屋をノックしたらすぐに所長が部屋から出てきたわ。
そして今は来客中だから後にしてくれと。」
「所長はエムルライド教授とブラニカさんを会わせたくなかったんでしょうね。」
「それはどういうこと?」
ブラニカさんが意外そうな表情をする。
「あなたが所長の娘だというのに関係しています。」
ブラニカさんは少しだけ目を見開いたが、すぐに納得した表情になった。
「知っていたの?」
「薄々は感づいていましたが、はっきり教えてもらったのは師匠からです。」
当の師匠は、相も変わらずニコニコしている。
「私はこの仕事を始めてから、取引先に昔のことを知っている人がいてその人から聞いたわ。
所長と母が付き合っていたことを。
理由は分からないけど、私が生まれる直前に別れたって。」
「それで部屋の外で所長とはどのぐらいの時間話しましたか?」
「私は・・・母の容態が悪化しているのを所長に伝えに。
もう駄目かもしれない、最後くらい会いに来てと。
でも所長はこう言ったわ。
今はそれどころでは無い早く帰るんだ、とね。
私は食い下がったけど駄目だった。
早く帰れの一点張りで。」
ブラニカさんは苦しそうにその時の状況を語った。
「ほう、だからジェイソンを殺したのか?」
教授が余計な一言を挟んでくる。
無視しよう。
「時間は・・・分からないけど、話を聞いてくれないから、かなり食い下がったわ。
それでも駄目だった。
私は来客が終わるまで待つことにしたの。
その時は怒りでいっぱいだった。
一秒でも時間が惜しかったのに。」
「そしてエムルライド教授が帰った後、あなたが所長の所へ行ったんですね。」
「そうよ。
私は所長に詰め寄ったわ。
そして母を無視してまで進めている彼の研究が憎くなった。
だから壊してやろうと、あの装置に触れようとしたの。
その時所長がなにか叫びながら掴みかかってきて、装置に触れたとき突然所長が倒れて。」
ブラニカさんは部屋に運び込んでいた証拠品のうち、魔銃を指さした。
所長は魔銃が危険だからブラニカさんに触らせたくなかったのだろう。
「魔銃の使い方なんて素人では分かりませんよ。
そもそも何をするための物かも分かっていなかったんですよね。
ブラニカさんに殺意はありません。」
僕はそう言った。
しかし転生者なら何をするための物かぐらいはすぐに分かる。
ブラニカさんは転生者では無いはずだから関係は無いけれど。
「どちらにせよ、彼女が殺したことには変わりあるまい。」
教授は犯人が分かっているんだから、さっさと終わらせろと思っているのを隠そうともしない。
無視しよう。
「ブラニカさん、所長が倒れた後、まだ生きていたのではありませんか?」
「ええ、お腹を抱えて倒れていたけど。
その時は出血しているかどうかも分からなかった。
そして私に出て行くように叫んだの。
私は恐ろしくなって部屋を逃げ出した。」
「そして逃げるように研究所を出て行くブラニカさんを先輩は目撃したんですね。」
先輩は頷いた。
そして口を開く。
「しばらくしてから、研究室から煙が出ているのを発見して。
中に入ると火事になっていた。
燃える物はそんなに多くは無いから、ボヤ程度ですんだけれど。
そして所長が倒れているのを発見したんだよ。
床には血だまりが出来ていた。
そして所長が消えそうな声で言ったんだ。
ブラニカを娘を頼むと。」
それを聞いたブラニカさんが、驚いた表情をする。
「そして他の所員達がやってきたわけですね。」
僕が流れを確認する。
先輩からの反論は特にないから合っているんだろう。
「そうなると、火は誰が付けたのですか?」
セフィリアさんが尋ねる。
「ジェイソン所長本人です。」
僕はそう答えた。
「何故そんなことを?」
「火を付けたのは、ブラニカさんがペンダントを落としていったからです。
自分の娘が疑われないように、証拠を燃やそうとしたんでしょうね。
所長は最初からブラニカさんのために行動していたんですよ。」
僕は二十年前の誘拐の件、そして何故ブラニカさんの母親と別れたのかという事情を話した。
そして二年前に上京してきたときに、所長が裏で援助していた件を話すと彼女は泣き崩れた。
「そんな、何故、それなのに何故あの日あんなことを言ったの?」
「二十年前の誘拐犯の黒幕と自分の娘を会わせたくは無かった。
所長にとっては人生最大のトラウマでしょうからね。
あくまで推測ですが、ずっと悩み続けて生きてきたのでしょう。」
「どういう意味だ!」
教授が顔を赤くして怒鳴った。
彼にしてみれば、自分が誘拐犯だと言われているのだから、怒鳴るのは分からなくは無い。
「落ち着いてください。
ジェイション所長がそう思っていたと言うだけです。
ただ、事件の真相はこれで終わりではありません。
エムルライド教授にいくつか伺うことがあります。」
今回の事件はまだ終わらない。
ずっと僕のターン無双中。
「そうだ。
今更確認するまでも無い。」
教授はつまらなそうに答えた。
「ブラニカさん、あなたはエムルライド教授が来ているときに、ジェイソン所長の部屋の前まで来ていますね。」
「そうね。
部屋をノックしたらすぐに所長が部屋から出てきたわ。
そして今は来客中だから後にしてくれと。」
「所長はエムルライド教授とブラニカさんを会わせたくなかったんでしょうね。」
「それはどういうこと?」
ブラニカさんが意外そうな表情をする。
「あなたが所長の娘だというのに関係しています。」
ブラニカさんは少しだけ目を見開いたが、すぐに納得した表情になった。
「知っていたの?」
「薄々は感づいていましたが、はっきり教えてもらったのは師匠からです。」
当の師匠は、相も変わらずニコニコしている。
「私はこの仕事を始めてから、取引先に昔のことを知っている人がいてその人から聞いたわ。
所長と母が付き合っていたことを。
理由は分からないけど、私が生まれる直前に別れたって。」
「それで部屋の外で所長とはどのぐらいの時間話しましたか?」
「私は・・・母の容態が悪化しているのを所長に伝えに。
もう駄目かもしれない、最後くらい会いに来てと。
でも所長はこう言ったわ。
今はそれどころでは無い早く帰るんだ、とね。
私は食い下がったけど駄目だった。
早く帰れの一点張りで。」
ブラニカさんは苦しそうにその時の状況を語った。
「ほう、だからジェイソンを殺したのか?」
教授が余計な一言を挟んでくる。
無視しよう。
「時間は・・・分からないけど、話を聞いてくれないから、かなり食い下がったわ。
それでも駄目だった。
私は来客が終わるまで待つことにしたの。
その時は怒りでいっぱいだった。
一秒でも時間が惜しかったのに。」
「そしてエムルライド教授が帰った後、あなたが所長の所へ行ったんですね。」
「そうよ。
私は所長に詰め寄ったわ。
そして母を無視してまで進めている彼の研究が憎くなった。
だから壊してやろうと、あの装置に触れようとしたの。
その時所長がなにか叫びながら掴みかかってきて、装置に触れたとき突然所長が倒れて。」
ブラニカさんは部屋に運び込んでいた証拠品のうち、魔銃を指さした。
所長は魔銃が危険だからブラニカさんに触らせたくなかったのだろう。
「魔銃の使い方なんて素人では分かりませんよ。
そもそも何をするための物かも分かっていなかったんですよね。
ブラニカさんに殺意はありません。」
僕はそう言った。
しかし転生者なら何をするための物かぐらいはすぐに分かる。
ブラニカさんは転生者では無いはずだから関係は無いけれど。
「どちらにせよ、彼女が殺したことには変わりあるまい。」
教授は犯人が分かっているんだから、さっさと終わらせろと思っているのを隠そうともしない。
無視しよう。
「ブラニカさん、所長が倒れた後、まだ生きていたのではありませんか?」
「ええ、お腹を抱えて倒れていたけど。
その時は出血しているかどうかも分からなかった。
そして私に出て行くように叫んだの。
私は恐ろしくなって部屋を逃げ出した。」
「そして逃げるように研究所を出て行くブラニカさんを先輩は目撃したんですね。」
先輩は頷いた。
そして口を開く。
「しばらくしてから、研究室から煙が出ているのを発見して。
中に入ると火事になっていた。
燃える物はそんなに多くは無いから、ボヤ程度ですんだけれど。
そして所長が倒れているのを発見したんだよ。
床には血だまりが出来ていた。
そして所長が消えそうな声で言ったんだ。
ブラニカを娘を頼むと。」
それを聞いたブラニカさんが、驚いた表情をする。
「そして他の所員達がやってきたわけですね。」
僕が流れを確認する。
先輩からの反論は特にないから合っているんだろう。
「そうなると、火は誰が付けたのですか?」
セフィリアさんが尋ねる。
「ジェイソン所長本人です。」
僕はそう答えた。
「何故そんなことを?」
「火を付けたのは、ブラニカさんがペンダントを落としていったからです。
自分の娘が疑われないように、証拠を燃やそうとしたんでしょうね。
所長は最初からブラニカさんのために行動していたんですよ。」
僕は二十年前の誘拐の件、そして何故ブラニカさんの母親と別れたのかという事情を話した。
そして二年前に上京してきたときに、所長が裏で援助していた件を話すと彼女は泣き崩れた。
「そんな、何故、それなのに何故あの日あんなことを言ったの?」
「二十年前の誘拐犯の黒幕と自分の娘を会わせたくは無かった。
所長にとっては人生最大のトラウマでしょうからね。
あくまで推測ですが、ずっと悩み続けて生きてきたのでしょう。」
「どういう意味だ!」
教授が顔を赤くして怒鳴った。
彼にしてみれば、自分が誘拐犯だと言われているのだから、怒鳴るのは分からなくは無い。
「落ち着いてください。
ジェイション所長がそう思っていたと言うだけです。
ただ、事件の真相はこれで終わりではありません。
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今回の事件はまだ終わらない。
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