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3章 冒険の始まりと動き出す王国
70 苦心した串
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エリッタが食べかけの肉串の肉を口に放り込む。
もぐもぐしながら・・・投げた。
その時、既にリプリアは剣を抜いていた。
僕に見えたのはエリッタの投げた串が、既に真っ二つにされた後の光景だった。
「やるじゃん。
一応、残滓を込めたんだけど。」
ニヤリと笑いながらエリッタが言う。
「いい手応えでしたよ。
ではこれはどうですか?」
リプリアが話し終える前にエリッタが横に跳ぶ。
後を追うように光が走る。
電撃系魔法だ。
いや、魔法剣か。
リプリアの剣が放電現象を起こしている。
僕が認識したときには既に魔法剣が発動した後だった。
どうやらエリッタは電撃を躱(かわ)し切ったようだ。
しかし追い詰められた表情のエリッタ。
「素晴らしい動きですね。
怪我さえ無ければ、そのまま反撃も出来ましたでしょう。」
確かにエリッタはこの前の怪我が治りきっていない。
それを見抜いたのか。
既にエリッタの顔に笑みは無い。
「いや、アタイの負けだよ。
万全だったとしても、アンタには勝てない。
本気を出されていたら躱せなかった。
オキス、こいつ恐ろしく強いよ。」
ブリゲアン、どんだけ強力なのを送り込んできたんだ?
「では、わたくしの参加は承認いただけますね。」
「いいよ。
これからは一緒に大聖堂を目指す仲間だ。」
エリッタがリプリアを認めた。
うん?
「エリッタ、もしかして大聖堂まで付いてくるつもりなんですか?」
僕は疑問を口にする。
「当たり前だろ。
乗りかかった船だ、最後まで付き合うよ。」
乗りかかった船が泥船では無いことを祈りたい。
こうして大聖堂を目指すメンバーは現時点で僕、エリッタ、リプリアとなった。
その後、師匠経由で僕に教会から呼び出しがかかった。
僕がどこにいても、情報部系の連絡員が僕にメッセージを伝えてくる。
僕にプライベートは無いらしい。
僕が教会に出向くとグレッセン大司教が迎えてくれた。
やばいこの人、かなりの悪人面だ。
すぐ顔に影が出来る。
しかし顔とは違って、話し方は落ち着いていて好感が持てる。
悪い人では無いのだろう・・・と、思いたい。
そして一人の司祭の男を紹介された。
「初めまして、オキス君。
今回大聖堂までの案内役を務めるメリクルです。
道中よろしくお願いします。」
白い歯を見せてニヤリと笑う。
嫌みな感じはしない。
「こちらこそ、メリクル神父。」
僕は挨拶を返す。
見た目は二十代前半だったのだけれど、実は三十歳だった。
筋肉質なのに顔はさわやか系の人だ。
国内ではトップクラスの回復魔法を扱えるらしい。
冒険者としての経験もあり、見た目の通り力持ちでもあるという。
大司教はすごい人材を出してきた。
それだけ現在の帝国領内が危険だと言うことを表しているのかもしれない。
僕の達立ちの準備は進む。
現時点で意図せず完全なバランスのパーティーが出来た。
全衛のリプリア、前衛回復のメリクル、中衛のエリッタ、そして後衛の僕。
僕の頭の中で何かが叫んでいるけれど、賑やかし要員は数に入れなくて良いだろう。
前回よりもバランスパーティー無双が出来そう
もぐもぐしながら・・・投げた。
その時、既にリプリアは剣を抜いていた。
僕に見えたのはエリッタの投げた串が、既に真っ二つにされた後の光景だった。
「やるじゃん。
一応、残滓を込めたんだけど。」
ニヤリと笑いながらエリッタが言う。
「いい手応えでしたよ。
ではこれはどうですか?」
リプリアが話し終える前にエリッタが横に跳ぶ。
後を追うように光が走る。
電撃系魔法だ。
いや、魔法剣か。
リプリアの剣が放電現象を起こしている。
僕が認識したときには既に魔法剣が発動した後だった。
どうやらエリッタは電撃を躱(かわ)し切ったようだ。
しかし追い詰められた表情のエリッタ。
「素晴らしい動きですね。
怪我さえ無ければ、そのまま反撃も出来ましたでしょう。」
確かにエリッタはこの前の怪我が治りきっていない。
それを見抜いたのか。
既にエリッタの顔に笑みは無い。
「いや、アタイの負けだよ。
万全だったとしても、アンタには勝てない。
本気を出されていたら躱せなかった。
オキス、こいつ恐ろしく強いよ。」
ブリゲアン、どんだけ強力なのを送り込んできたんだ?
「では、わたくしの参加は承認いただけますね。」
「いいよ。
これからは一緒に大聖堂を目指す仲間だ。」
エリッタがリプリアを認めた。
うん?
「エリッタ、もしかして大聖堂まで付いてくるつもりなんですか?」
僕は疑問を口にする。
「当たり前だろ。
乗りかかった船だ、最後まで付き合うよ。」
乗りかかった船が泥船では無いことを祈りたい。
こうして大聖堂を目指すメンバーは現時点で僕、エリッタ、リプリアとなった。
その後、師匠経由で僕に教会から呼び出しがかかった。
僕がどこにいても、情報部系の連絡員が僕にメッセージを伝えてくる。
僕にプライベートは無いらしい。
僕が教会に出向くとグレッセン大司教が迎えてくれた。
やばいこの人、かなりの悪人面だ。
すぐ顔に影が出来る。
しかし顔とは違って、話し方は落ち着いていて好感が持てる。
悪い人では無いのだろう・・・と、思いたい。
そして一人の司祭の男を紹介された。
「初めまして、オキス君。
今回大聖堂までの案内役を務めるメリクルです。
道中よろしくお願いします。」
白い歯を見せてニヤリと笑う。
嫌みな感じはしない。
「こちらこそ、メリクル神父。」
僕は挨拶を返す。
見た目は二十代前半だったのだけれど、実は三十歳だった。
筋肉質なのに顔はさわやか系の人だ。
国内ではトップクラスの回復魔法を扱えるらしい。
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大司教はすごい人材を出してきた。
それだけ現在の帝国領内が危険だと言うことを表しているのかもしれない。
僕の達立ちの準備は進む。
現時点で意図せず完全なバランスのパーティーが出来た。
全衛のリプリア、前衛回復のメリクル、中衛のエリッタ、そして後衛の僕。
僕の頭の中で何かが叫んでいるけれど、賑やかし要員は数に入れなくて良いだろう。
前回よりもバランスパーティー無双が出来そう
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