91 / 262
4章 神の雷光と裏切りの花
92 雷光が来航する
しおりを挟む
ついに賢者の杖を取り返したのもつかの間、エリッタによって持ち去られてしまった。
僕、ジキル、パメラ、リーフの四人はエリッタを追ってフェイベル王国を目指すことになった。
メリクル神父は怪我人の治療のため、エンプティモの街に残る。
そしてリプリアは先行してエリッタを追跡している。
僕達は旅の準備を整え、遅れて街を出発しようとした。
その途中、街を出るとき帝国軍の偉い人に呼び止められて、感謝の言葉をもらった。
そして勇者ジキルに握手を求めていた。
僕?感謝の言葉だけだったよ。
色々と話したそうな気配だったのだけれど、先を急ぐと言ったらあっさり通してくれた。
それどころか兵士達が集まり道に並び始め、僕達を敬礼しつつ送り出してくれた。
さらに街の人達からも、感謝の声援をもらった。
恥ずかしいから静かに街を出たかった。
おそらく今回の件は勇者ジキルの逸話として語られることになるだろう。
勇者の仲間達?
たぶんおまけ程度に話に出てくるのではないだろうか。
ということで勇者に落選した僕はおまけ扱いだ。
別に良いけどね。
そしてフェイベル王国に向けて歩き始める。
来るときもそうだったのだけれど、フェイベル王国への帰路は馬車を使わずいったん徒歩を使う方が早い。
出産騒動のあったトルポップの村を経由して、その隣にある街から馬車を使うと日数が短縮できるのだ。
エンプティモの街とトルポップの村の間は、馬車が通れない道があるのが理由だ。
馬車でいこうとすると、大きな迂回ルートで余計に時間がかかってしまうのだ。
僕達はトルポップの村の近くへ向かう途中、嫌な気配に気がついた。
遙か遠くから不吉なものが膨れあがっている。
「なんだろう、これ?」
僕は疑問を口にする。
ジキルも何か感じ取っていたようだ。
「攻撃的な魔力の塊のような。
ここにいたら危ない、そんな予感がする。」
ジキルはそう言った。
パメラとリーフはキョトンとしている。
特に何も感じてはいないようだ。
心臓の鼓動が早くなる。
なんだか分からないけれどマズい。
とにかく不安がいっぱいに広がる。
次の瞬間、空が真っ白に光る。
夜空の雷光によく似ている光だ。
しかし今は昼間だ。
凄まじい光量だった。
しかしあっさりとその光は消え去った。
「いったい何なの?」
パメラが少し怯えた表情で言った。
僕も疑問を口にしようとしたその時、凄まじい轟音と揺れが襲いかかる。
僕達は一斉に伏せる。
揺れが続く。
そこに凄まじい突風が突き抜けていく。
「みんな大丈夫?」
ジキルが叫ぶ。
「今のところは。」
僕はそう答えた。
「私も大丈夫よ。」
パメラも答える。
「あわわ、大丈夫です。」
リーフも無事だ。
「もんだいなーし。」
シーリに接触判定は無いのでどうでも良い。
しばらく突風が抜けていった後、気がつくと揺れは収まっていた。
時間をおいて辺りを確認したものの、特に問題は無かった。
しかし何か尋常では無いことが起こったのは確かだ。
僕達は先を急いだ。
そしてトルポップの村に到着する。
いや、トルポップの村だった場所に到着したのだ。
そこは巨大なクレータだった。
雷光無双が発動していた。
僕、ジキル、パメラ、リーフの四人はエリッタを追ってフェイベル王国を目指すことになった。
メリクル神父は怪我人の治療のため、エンプティモの街に残る。
そしてリプリアは先行してエリッタを追跡している。
僕達は旅の準備を整え、遅れて街を出発しようとした。
その途中、街を出るとき帝国軍の偉い人に呼び止められて、感謝の言葉をもらった。
そして勇者ジキルに握手を求めていた。
僕?感謝の言葉だけだったよ。
色々と話したそうな気配だったのだけれど、先を急ぐと言ったらあっさり通してくれた。
それどころか兵士達が集まり道に並び始め、僕達を敬礼しつつ送り出してくれた。
さらに街の人達からも、感謝の声援をもらった。
恥ずかしいから静かに街を出たかった。
おそらく今回の件は勇者ジキルの逸話として語られることになるだろう。
勇者の仲間達?
たぶんおまけ程度に話に出てくるのではないだろうか。
ということで勇者に落選した僕はおまけ扱いだ。
別に良いけどね。
そしてフェイベル王国に向けて歩き始める。
来るときもそうだったのだけれど、フェイベル王国への帰路は馬車を使わずいったん徒歩を使う方が早い。
出産騒動のあったトルポップの村を経由して、その隣にある街から馬車を使うと日数が短縮できるのだ。
エンプティモの街とトルポップの村の間は、馬車が通れない道があるのが理由だ。
馬車でいこうとすると、大きな迂回ルートで余計に時間がかかってしまうのだ。
僕達はトルポップの村の近くへ向かう途中、嫌な気配に気がついた。
遙か遠くから不吉なものが膨れあがっている。
「なんだろう、これ?」
僕は疑問を口にする。
ジキルも何か感じ取っていたようだ。
「攻撃的な魔力の塊のような。
ここにいたら危ない、そんな予感がする。」
ジキルはそう言った。
パメラとリーフはキョトンとしている。
特に何も感じてはいないようだ。
心臓の鼓動が早くなる。
なんだか分からないけれどマズい。
とにかく不安がいっぱいに広がる。
次の瞬間、空が真っ白に光る。
夜空の雷光によく似ている光だ。
しかし今は昼間だ。
凄まじい光量だった。
しかしあっさりとその光は消え去った。
「いったい何なの?」
パメラが少し怯えた表情で言った。
僕も疑問を口にしようとしたその時、凄まじい轟音と揺れが襲いかかる。
僕達は一斉に伏せる。
揺れが続く。
そこに凄まじい突風が突き抜けていく。
「みんな大丈夫?」
ジキルが叫ぶ。
「今のところは。」
僕はそう答えた。
「私も大丈夫よ。」
パメラも答える。
「あわわ、大丈夫です。」
リーフも無事だ。
「もんだいなーし。」
シーリに接触判定は無いのでどうでも良い。
しばらく突風が抜けていった後、気がつくと揺れは収まっていた。
時間をおいて辺りを確認したものの、特に問題は無かった。
しかし何か尋常では無いことが起こったのは確かだ。
僕達は先を急いだ。
そしてトルポップの村に到着する。
いや、トルポップの村だった場所に到着したのだ。
そこは巨大なクレータだった。
雷光無双が発動していた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
【完結】転生したら断罪イベントの真っ最中。聖女の嘘を暴いたら、王太子が真っ青になりました
丸顔ちゃん。
恋愛
王太子は私――エリシアに婚約破棄を宣言し、
隣では甘ったるい声の“聖女”が「こわかったんですぅ♡」と泣き真似をしている。
だが私は知っている。
原作では、この聖女こそが禁術で王太子の魔力を吸い取り、
私に冤罪を着せて処刑へ追い込んだ張本人だ。
優しい家族を守るためにも、同じ結末は絶対に許さない。
私は転生者としての知識を武器に、
聖女の嘘と禁術の証拠を次々に暴き、
王太子の依存と愚かさを白日の下に晒す。
「婚約は……こちらから願い下げです」
土下座する王太子も、泣き叫ぶ聖女も、もう関係ない。
私は新しい未来を選ぶ。
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」
魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。
鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。
(な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?)
実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。
レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。
「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」
冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。
一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。
「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」
これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。
英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~
ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国辺境でただ静かに生き延びたいだけの少年・ヴァン。
彼に正義感はない。あるのは、母が遺したノートに記された、物理法則を応用した「高圧魔力」の理論と、徹底した費用対効果至上主義だけだ。
敵国三千の精鋭が灰燼城に迫る絶望的状況。ヴァンは剣を振るわず、心理戦と補給線攪乱だけで、たった三日で敵軍を撤退させる。
この効率的すぎる勝利は帝国の中枢に届き、彼は最高峰の帝国軍事学院への招待状を手に入れる。
「英雄になりたいわけじゃない。ただ、母の死の真相と父の秘密を知るため、生き残らなきゃならないだけだ」
無口最強の仮面メイド・シンカク、命を取引に差し出した狼耳少女・アイリ。彼は常にコスパの高い道を選び、母の遺したノートの謎、そして生まれて一度も会ったことのない父・帝国大元帥のいる帝都の闇へと踏み込んでいく。
正義も英雄も、損をするなら意味がない。合理主義が英雄譚を侵食していく、反英雄ミリタリー学園ファンタジー。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
現代知識と木魔法で辺境貴族が成り上がる! ~もふもふ相棒と最強開拓スローライフ~
はぶさん
ファンタジー
木造建築の設計士だった主人公は、不慮の事故で異世界のド貧乏男爵家の次男アークに転生する。「自然と共生する持続可能な生活圏を自らの手で築きたい」という前世の夢を胸に、彼は規格外の「木魔法」と現代知識を駆使して、貧しい村の開拓を始める。
病に倒れた最愛の母を救うため、彼は建築・農業の知識で生活環境を改善し、やがて森で出会ったもふもふの相棒ウルと共に、村を、そして辺境を豊かにしていく。
これは、温かい家族と仲間に支えられ、無自覚なチート能力で無理解な世界を見返していく、一人の青年の最強開拓物語である。
別作品も掲載してます!よかったら応援してください。
おっさん転生、相棒はもふもふ白熊。100均キャンプでスローライフはじめました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる