魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された

ふぉ

文字の大きさ
118 / 262
5章 希望の家と集う仲間

119 変態が編隊を組んでやってきた

しおりを挟む
 ブリゲアンには色々と聞きたいことがあったのだけれど、それは後回しにした。
 僕は魔族の幹部達に会うために、魔物の軍勢の中に赴いた。
 立場的には呼びつけても良いのかも知れないのだけれど、指揮を離れた魔物達が何かやらかすと困るので僕が行くことにしたのだ。
 他のメンバーは付いてこようとしたけれど、お留守番してもらった。

「ここに来たと言うことは、僕に協力してくれるということなのかな?」

 先代魔王の息子を名乗る不埒ものを殺しに来たとかだったら非常に困る。
 魔族の幹部達は見ただけで分かるほどに強者のオーラを出していた。
 ブリゲアンは実力を見せないふざけた感じなのだが、今回会った四人は直接的に凄い力を感じる。
 それぞれマルゲル、マレナーラ、クアトロ、ペスカトールと名乗った。

「我々はアストレイア様より、時期が来るまで待てと命(めい)を受けておりました。
 そして魔族は力を持つ方を主と仰ぐもの。」

 四人の中で最も体が大きく、頭に大きな角を一本生やしたクアトロがそう言った。

「つまり力を示せと言うことだね。」

 僕は答える。

「御意。」

 僕は今、ゴブリンやオークなどの魔物の軍勢に囲まれている状態だ。
 はてさて、どうやって力を示すか。
 ここはチートテクノロジーでは無く、魔王種としての力を示すべきだろう。

 僕は賢者の杖で強化した魔術回路を編む。
 さらにルディンの補助で増幅回路を追加する。

「精神魔法、虚無。」

 僕は四人全員に最大出力で久々の精神魔法をかけた。

「・・・。」

 みんな無反応だ。
 効いてない?
 失敗したかと思ったその時、四人全員が突然ひれ伏した。

「うぉぉぉ、突き抜けましたぞ。
 心にアストレイア様を感じ申した。
 仕置きを受けたあの時と同じ感覚!」

 うちの母は、罰として精神魔法を食らわせていたのか。
 酷い事をする。
 僕も人のことは言えないけれど。

「心を握りつぶされ消えそうになるこの感覚、素晴らしい、素晴らしいですぞ。」

 喜んでる・・・。
 四人とも凄い嬉しそうだ。
 こいつ等、変態だ。

 僕はブリゲアンの方をチラッと見る。
 目を逸らした。
 変態を連れて来たな。

 変態なのは置いておくとして、さすが魔族の幹部クラスになると、僕の全力の精神魔法が効いているんだかいないんだか分からない状態だ。
 たぶんその辺の魔物なら即死級のはずなんだけどなあ。

「オキス様、先に申し上げておくことがございます。」

 黒い鎧装備でフル武装しているペスカトールが話し始めた。
 精神魔法のダメージが残っている気配がみじんも無い。

「聞こう。」

 僕が答える。

「既に予想が付いていらっしゃるでしょうが、アストレイア様を弑逆(しいぎゃく)奉ったのはグレバーン様でございます。
 力の支配は魔族の掟、それに異はございません。
 しかしより適正な資質を持つお方を仰ぐとなれば話は別。
 オキス様がお望みとあらば、我々は魔王に反旗を翻しましょう。」

 やっぱり叔父さんが犯人確定か。
 理由は本人から聞いた方が良いのかな。

「僕のこれからの計画だと魔族全体を束ねないといけないから、協力はしてもらうよ。」

 神と戦う前にゴタゴタは片付けたい。

「魔王の玉座をお望みとあらば、必ず。」

 魔王になると言ったつもりは無かったんだけど、そういうことになるのか。
 まあ、やるしか無いんだろうな。

 問題は避難させた住民にどう説明するか。
 頭の痛いところだ。








 変態無双だった。
しおりを挟む
感想 24

あなたにおすすめの小説

現代知識と木魔法で辺境貴族が成り上がる! ~もふもふ相棒と最強開拓スローライフ~

はぶさん
ファンタジー
木造建築の設計士だった主人公は、不慮の事故で異世界のド貧乏男爵家の次男アークに転生する。「自然と共生する持続可能な生活圏を自らの手で築きたい」という前世の夢を胸に、彼は規格外の「木魔法」と現代知識を駆使して、貧しい村の開拓を始める。 病に倒れた最愛の母を救うため、彼は建築・農業の知識で生活環境を改善し、やがて森で出会ったもふもふの相棒ウルと共に、村を、そして辺境を豊かにしていく。 これは、温かい家族と仲間に支えられ、無自覚なチート能力で無理解な世界を見返していく、一人の青年の最強開拓物語である。 別作品も掲載してます!よかったら応援してください。 おっさん転生、相棒はもふもふ白熊。100均キャンプでスローライフはじめました。

結婚前夜に婚約破棄されたけど、おかげでポイントがたまって溺愛されて最高に幸せです❤

凪子
恋愛
私はローラ・クイーンズ、16歳。前世は喪女、現世はクイーンズ公爵家の公爵令嬢です。 幼いころからの婚約者・アレックス様との結婚間近……だったのだけど、従妹のアンナにあの手この手で奪われてしまい、婚約破棄になってしまいました。 でも、大丈夫。私には秘密の『ポイント帳』があるのです! ポイントがたまると、『いいこと』がたくさん起こって……?

本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜

あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい! ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット” ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで? 異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。 チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。 「────さてと、今日は何を読もうかな」 これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。 ◆小説家になろう様でも、公開中◆ ◆恋愛要素は、ありません◆

神のミスで転生したけど、幼女化しちゃった! 神具【調薬釜】で、異世界ライフを楽しもう!

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
旧題:神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜  ※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!  電子書籍は、2026/3/9に発売です!  書籍は2026/3/11に発売(予約受付中)です!メロンブックス様より、特典の描き下ろしSSペーパーがあります。詳しくは、メロンブックス様へお願い致します。  イラストは、にとろん様です。よろしくお願い致します!  ファンタジー小説大賞に投票して頂いた皆様には、大変感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

【完結】転生したら断罪イベントの真っ最中。聖女の嘘を暴いたら、王太子が真っ青になりました

丸顔ちゃん。
恋愛
王太子は私――エリシアに婚約破棄を宣言し、 隣では甘ったるい声の“聖女”が「こわかったんですぅ♡」と泣き真似をしている。 だが私は知っている。 原作では、この聖女こそが禁術で王太子の魔力を吸い取り、 私に冤罪を着せて処刑へ追い込んだ張本人だ。 優しい家族を守るためにも、同じ結末は絶対に許さない。 私は転生者としての知識を武器に、 聖女の嘘と禁術の証拠を次々に暴き、 王太子の依存と愚かさを白日の下に晒す。 「婚約は……こちらから願い下げです」 土下座する王太子も、泣き叫ぶ聖女も、もう関係ない。 私は新しい未来を選ぶ。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

処理中です...