魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された

ふぉ

文字の大きさ
120 / 262
5章 希望の家と集う仲間

121 強靭な巨人

しおりを挟む
 鉱山から金が出た。
 鉄とかボーキサイトとかで良かったんだけど、金が出てしまった。
 すると人の流入が加速した。
 あっという間に村が町の規模になった。
 ゴールドラッシュらしい。

 人口が増えるのに伴って、食糧問題が発生した。
 物資の輸送には限界がある。
 製造ラインに回す材料と食料のバランスが紙一重の状況になり、不足する食材が発生し始めた。
 急速な発展の弊害だ。

 工業プラントの建築計画を見直すことにした。
 食糧問題は最優先課題なので、しばらくは農作物の生産にシフトさせる。
 本当は鉱石から金属を取り出すプラントも作らないといけないのに手が回らない。
 特に金鉱石から金を取り出すのは、こっちの技術ではかなり効率が悪い。
 採掘が順調なのは良いのだけれど、プラント無しでの製錬にマンパワーを振り分けるのは厳しい状況だ。

 農業生産に関して、ここは荒れ地なので通常の畑による農業には適さない。
 土を輸入して土壌改良するには時間がかかりすぎる。
 ということで循環式水耕栽培を選択した。

 ここに来てようやく石油を製油する設備も作ることが出来た。
 農業プラント用の燃料には灯油の使用が可能になった。
 これで循環の為の電力と共に温度調整をすることが出来るのだ。

 前世の世界では工場の中に農業プラントを作って、野菜を作るというのをTVで特集していた。
 外的要因に影響されず安定供給が可能なのが売りだ。
 さらに低カリウムでエグミが少ないというのを売り文句にし、一時は話題になった。
 未来の農業だと地方自治体も参画したプロジェクトは散々な結果を迎えた。
 結局は費用がかかりすぎて、助成していた自治体に負担をかけるお荷物に成り下がったのだ。
 そもそも太陽光を利用せずLEDを使う意味が不明だった。

 逆に成功した農家は、土を使わない循環式水耕栽培をビニールハウスの中で行っている。
 きちんと太陽光を利用しているので、一度設置してしまえばコストはそれほどかからない。
 しかも土を作る必要が無いので、経験の無い素人でも手順さえ知っていればまず失敗しない。
 ということで、考えるまでも無く無くこちらの方法を選択した。
 かなり綱渡りではあるが、食糧問題はいずれ解決できるだろう。

 とにかく力を振り分けるバランスが難しい。
 資金を使いすぎると破綻する。
 逆に余らせると資材が足りなくなって生産が滞る。
 生産を増やすためには人がいる。
 人が増えると食料が足りなくなる。
 食料の供給を増やそうとすると、資材の輸入が滞る。
 かといって食料を自給しようとすると、工業プラントの建造が滞る。
 人の流入を抑えると、プラントの拡大できなくなる。
 クリティカルパスがどこにあるのか考えるのは本当に頭痛い。

 ギスケも帝国内で農業改革をやったのだけれど、やり方を聞いたら出来る奴に任せたと言われた。
 僕の所は下手に技術チートをしているせいで、出来る人材が僕しかいない。
 教育によって人材を育てるという選択もあるけれど、その間は僕が動けなくなる。
 出来ることなら召喚魔法で前世の世界の技術者を呼び出したい。

 とにかく僕が働かないことにはどうにもならないのだ。
 いつになったら楽になるのか分からないけれど、とにかく出来ることをやることにした。
 救いがあるのはドワーフがかなり優秀で、一度教えたことは間違いなく実行してくれることだ。
 忙しくてなかなか見に行けなかったレールの建造も順調に進んでいた。

 そしてさらなる問題が発生する。
 魔族と魔物が増えたのだ。
 僕の噂を聞きつけて、新たな魔族が魔物を引き連れやってきた。
 しかも今回はサイクロップスやギガンテスなど、よりにもよってヤバそうな巨人を引き連れてきた。
 僕と合流することを察知したギスケは、帝国内の移動を黙認したようだ。
 止めてくれ。

 そして遺跡町に再び騒ぎが起こる。
 勘弁して欲しい。
 僕は人々に危険性は無い事を伝えた。
 そして目立ちまくる巨人の魔物に輸送や建築の手伝いをさせた。
 魔素の無いところでの長時間の活動は難しいので、ピンポイントで作業をさせた。
 最初はかなり怖がっていた人間達も重労働から解放され、だんだん巨人達を気にしなくなった。

 気がつくと魔族が率いる戦力が一万を超した。
 現在、遺跡村から少し離れた山に拠点を建造している。
 元々瘴気が多い地域だったので彼らの居住には適しているようだ。
 彼らには人間に絶対に危害を加えないように命令してある。
 ところが危害どころか交流が始まっている状況だ。
 このままで大丈夫なのか若干不安なんだけど、これ以上どうしようも無い。

 魔物が山に集まった関係で、瘴気の濃度がかなり上がってしまっている。
 遺跡にあった技術で遺跡町の方へ瘴気が流れ込んでくるのを防いではいるけれど、その件も少し心配だ。

 そんなある日、ジキルから一報がもたらされた。
 聖女リーフの元に、魔族を討伐するためクルセイダーズが結成されたのだ。
  







 もう少し内政無双をさせて欲しい。
しおりを挟む
感想 24

あなたにおすすめの小説

現代知識と木魔法で辺境貴族が成り上がる! ~もふもふ相棒と最強開拓スローライフ~

はぶさん
ファンタジー
木造建築の設計士だった主人公は、不慮の事故で異世界のド貧乏男爵家の次男アークに転生する。「自然と共生する持続可能な生活圏を自らの手で築きたい」という前世の夢を胸に、彼は規格外の「木魔法」と現代知識を駆使して、貧しい村の開拓を始める。 病に倒れた最愛の母を救うため、彼は建築・農業の知識で生活環境を改善し、やがて森で出会ったもふもふの相棒ウルと共に、村を、そして辺境を豊かにしていく。 これは、温かい家族と仲間に支えられ、無自覚なチート能力で無理解な世界を見返していく、一人の青年の最強開拓物語である。 別作品も掲載してます!よかったら応援してください。 おっさん転生、相棒はもふもふ白熊。100均キャンプでスローライフはじめました。

本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜

あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい! ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット” ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで? 異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。 チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。 「────さてと、今日は何を読もうかな」 これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。 ◆小説家になろう様でも、公開中◆ ◆恋愛要素は、ありません◆

結婚前夜に婚約破棄されたけど、おかげでポイントがたまって溺愛されて最高に幸せです❤

凪子
恋愛
私はローラ・クイーンズ、16歳。前世は喪女、現世はクイーンズ公爵家の公爵令嬢です。 幼いころからの婚約者・アレックス様との結婚間近……だったのだけど、従妹のアンナにあの手この手で奪われてしまい、婚約破棄になってしまいました。 でも、大丈夫。私には秘密の『ポイント帳』があるのです! ポイントがたまると、『いいこと』がたくさん起こって……?

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

『魔力ゼロの欠陥品』と蔑まれた伯爵令嬢、卒業パーティーで婚約破棄された瞬間に古代魔法が覚醒する ~虐げられ続けた三年間、倍返しでは足りない~

スカッと文庫
恋愛
「貴様のような無能、我が国の王妃には相応しくない。婚約を破棄し、学園から追放する!」 王立魔道学園の卒業パーティー。きらびやかなシャンデリアの下、王太子エドワードの声が冷酷に響いた。彼の隣には、愛くるしい表情で私を嵌めた男爵令嬢、ミナが勝ち誇ったように寄り添っている。 伯爵令嬢のリリアーヌは、入学以来三年間、「魔力ゼロの欠陥品」として学園中の嘲笑を浴び続けてきた。 婚約者であるエドワードからは一度も顧みられず、同級生からはゴミのように扱われ、ミナの自作自演による「いじめ」の濡れ衣まで着せられ……。 それでも、父との「力を隠せ」という約束を守るため、泥を啜るような屈辱に耐え抜いてきた。 ――だが、国からも学園からも捨てられた今、もうその約束を守る必要はない。 「さようなら、皆様。……私が消えた後、この国がどうなろうと知ったことではありませんわ」 リリアーヌが身につけていた「魔力封印の首飾り」を自ら引き千切った瞬間、会場は漆黒の魔力に包まれた。 彼女は無能などではない。失われた「古代魔法」をその身に宿す、真の魔道の主だったのだ。 絶望する王太子たちを余目に、隣国の伝説の魔術師アルベルトに拾われたリリアーヌ。 彼女の、残酷で、甘美な復讐劇が今、幕を開ける――。

【完結】転生したら断罪イベントの真っ最中。聖女の嘘を暴いたら、王太子が真っ青になりました

丸顔ちゃん。
恋愛
王太子は私――エリシアに婚約破棄を宣言し、 隣では甘ったるい声の“聖女”が「こわかったんですぅ♡」と泣き真似をしている。 だが私は知っている。 原作では、この聖女こそが禁術で王太子の魔力を吸い取り、 私に冤罪を着せて処刑へ追い込んだ張本人だ。 優しい家族を守るためにも、同じ結末は絶対に許さない。 私は転生者としての知識を武器に、 聖女の嘘と禁術の証拠を次々に暴き、 王太子の依存と愚かさを白日の下に晒す。 「婚約は……こちらから願い下げです」 土下座する王太子も、泣き叫ぶ聖女も、もう関係ない。 私は新しい未来を選ぶ。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜

しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」 魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。 鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。 (な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?) 実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。 レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。 「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」 冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。 一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。 「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」 これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。

処理中です...