魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された

ふぉ

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5章 希望の家と集う仲間

132 先行しない閃光

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「僕が死ぬ以外に未来を変える方法は?」

 僕は一応聞いておく。
 そんな方法を知っているのなら、こんなことをしてはいないだろうと思いながら。

「無いな。」

 言い放つジェイエル。

「僕はその知り合いがどの程度の力を持っているかは知りません。
 しかしまだ出ていない結果を決めつけられたくはありません。」

 僕はそう言いつつも、その予言は正しいのだという気がしている。
 しかし岐点というのがあるのなら、別の事象の岐点で割り込みをかければいい。
 やりようはある。

「俺はアストレイアの言葉を信じたかった。
 だが・・・。」

 ジェイエルはしばらく黙った。

「魔王アストレイア・・・母さんの記憶は無いと言っていいほどだけど、分かっていることが一つあります。
 彼女は信念を貫くため、自分の命すら道具にすることに躊躇(ちゅうちょ)しなかった。
 あなたがこんな中途半端で終わりにするつもりだとしても、僕は僕なりに命をかけるだけです。」

 僕は右手で剣を構えつつ、腰に固定してある閃光手榴弾(フラッシュバン)のピンを左手で引き抜く。
 そしてすぐ投げられるようにロックを外す。
 そんな僕の行動を無駄にするかのごとく、ジェイエルは一瞬で僕との距離を詰めた。
 そして耳打ちする。
 こんなところで判明する僕の真名だった。

 ジェイエルは剣を鞘に収めた。
 慌てて僕は閃光手榴弾のピンを戻す。
 ロックを外していたのでグラ付いて落としそうになった。

「ジブルトに気をつけろ。
 今の状況は奴の意図したものだ。」

 ジブルトって爺(じい)のことだよね。
 もしかして黒幕とかいうオチじゃないよね。
 気をつけると行ってもどこにいるかも分からないだけど・・・。

 それだけ言って僕に背中を見せるジェイエル。
 ジェイエルと剣を交えたときに闇の魔法剣に結構なエネルギーがチャージされちゃったんだけど、どうしようこれ。
 手加減しているうちに閃光手榴弾(フラッシュバン)とセットで畳み掛けるつもりだったのに。

 ジェイエルは迷いまくっている。
 結局自分の手で決着を付けることが出来なかったのだ。
 彼は既に勇者では無いということだろう。
 そこにジキルという新しい勇者がいるのだから。

「カシム、オキスを手伝ってやれ。
 俺は別の用事を片付ける。」

 そういうとジェイエルは去って行った。
 もう少し情報が欲しいんだけど・・・。

 僕はチャージされたエネルギーを地面に向かって放出する。
 土が直径二メートルほど綺麗に消失した。
 ジェイエルの力をかなり吸収していたようだ。
 ヤバいな闇魔法。
 彼の力でなければここまで強力な威力は発揮しないけどね。
 ジェイエルに命中したらどれぐらい削れたんだろう?

 こうして唐突に訪れた危機は回避されたのだった。








 闇魔法は無双だったのだろうか?
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