魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された

ふぉ

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6章 魔王の息子と最後の無双

155 懐疑的な会議

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 スカウトの件はブレイトンさんからあっさりと了承をもらうことが出来た。
 僕の持っていったお土産が効いたのだろうか。
 その後、手術に必要な人工弁をどうするのかや、どうやって心停止状態を作るのかなど興味深い話を聞いた。
 僕には全くない発想ばかりだった。
 医療という面で考えると、科学と魔法の融合というのは相性が良いようだ。
 色々聞く度にそれを受けて僕が思いついた内容を話すと、何故か泣きそうな顔をしていたように見えた。
 どうしたのだろう?

 彼なら僕の父にかかった呪いを解けるかもしれない。
 先代の勇者ジェイエル、恐らく呪いの力でかなり弱っていたはずだ。
 そうで無ければ僕の攻撃が不意を突いたとは言え当たるわけが無い。

 魔王が使った呪いの武器、恐らく何らかの魔法の力だが、それを作用させるには外的な要因があるはずなのだ。
 父がどこに行ったのかは分からないけれど、いずれブレイトンさんに診てもらおうと思っている。
 先代勇者ジェイエルはギスケを除けば人間最強だ。
 万全の状態になったらどれだけ強いか想像すら出来ない。
 色々言ってはいたけれど、母の計画に関わっている以上は最後には責任をとってもらうつもりだ。

 そして色々と収穫を得て、僕は宮殿に戻った。
 すると緊急の会議が始まっていた。
 僕も参加するように言われたので、会議が行われている部屋に入る。
 長いテーブルのある部屋だった。
 僕は案内された席に座る。

「エルシア、ギスケに説明してやってくれ。」

「はい。」

 エルシアと呼ばれた人物は、キリッとした感じの女性の宮廷魔術師だ。
 なかなか優秀そうだ。

「現在、魔領から総勢十万規模の軍勢が魔領と接するグラビデン砦に向けて侵攻を開始しています。」

 かなり驚いてはいるが、黙って話を聞く。
 続きがありそうだ。

「また、ケルガナーダ公国にクルセイダーズが侵攻を始めました。
 こちらは一万前後と思われます。」

 ケルガナーダ公国は帝国の北に位置する国だ。
 帝国の北側にある国を東から並べるとフェイベル王国、ケルガナーダ公国、カーランド王国となる。
 帝国は領土が大きいので、接する国も多いのだ。

 フェイベル王国は実質クルセイダーズに下っている。
 その後、クルセイダーズはフェイベル王国に接する帝国の砦を占領している。
 しかしそのまま帝国に侵攻せずにケルガナーダ公国の方へ向かったらしい。
 遺跡街レイネスは帝国の北側にあるので、ケルガナーダ公国が落ちるとかなりヤバい。 

「で、疑問点がいくつも出てくる。
 まず動いた時期がほぼ同時だ。」

 ギスケがそう言った。
 魔族とクルセイダーズ、相反する者達が同時に動き出す。
 偶然にしては出来すぎている。

「クルセイダーズの狙いはオキスの街だろう。
 戦略的に考えれば、うちの兵力を集中させているエンプティモを避けて別のルートを通るのは納得できない話じゃ無い。
 やり方がぶっ飛んではいるがな。
 だが、魔族がこのタイミングで十万も兵力を投入してきたのは疑問だ。
 もし・・・クルセイダーズと連携しているのなら、このタイミングというのは納得も行くが。」

 ギスケが続けてそう言った。

「それなら心当たりがあります。
 クルデウス師の情報によればセフリという女が動いている可能性があります。」

 僕は師匠から得た情報や、神の遺物に関する話、クルセイダーズに関わっている可能性などを話した。

「なんだその怪しさ満点な奴は。
 こっちの情報網にはまるで引っかかってないぞ。」

 ギスケがぼやく。

「グラビデン砦に侵攻してきているのはどこの部隊ですか?」

 女性の騎士が質問する。

「四天王グレドキープです。
 規模と現在の行軍速度から考えて、四日は猶予があると考えられます。」

 エルシアが答えた。

「あの逃げ足の速い奴か。
 逃げる以外に、遠足の引率もするんだな。」

 ギスケが言った。
 以前に戦ったことがあるんだろうか?

「さすがに十万規模の遠足を迎え入れるには、それなりの準備が必要だ。
 グラビデンにいる兵力は八千。
 近くから援軍を出すとして、開戦に準備できるのは三万ってところか。
 今、ここから動かせる兵力は?」

 ギスケが兵力の確認をする。

「砦まで四日以上かかってしまいますが、最短で到着を考えるのなら騎兵が五千。
 その十日遅れで歩兵が三万出すことが可能です。」

 エルシアがすぐに答える。
 優秀だなあ。

「オキスの所から武器が到着するのが三日後だったな。」

 ギスケの言葉に僕は頷いた。

「現地に運ぶ事を考えると、歩兵の到着と同じぐらいになるか。」

 ギスケは思案する表情になる。
 そして対策を話し合おうとしたとき、今まで黙っていた皇帝が口を開いたのだった。









 飛行無双をしていると、地上移動の時間感覚が狂いやすい。
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